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AI万年筆
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「…『AI万年筆』?」
そのサイト名を見たとき、あたしは「AI」と「万年筆」とのギャップに一瞬笑ってしまった。
曰く、
「AIがあなたの執筆をサポート!」
「簡単なプロットをチャットに書き込むだけで、AIがあなたに合う文章を作成!」
とのこと。
最近ちょっとスランプ気味だったので、何となく気になり始めた。
『まぁ、物は試し…ということで。それにもし使い物にならなければ、小説のネタにもなるし…』
そんなことを考えながら、「AI万年筆」を試しに使ってみることにした。
「AIってすごい」と、改めて実感させられた。
使い始めのうちはまったく使い物にならず、小説のネタにもならないようなお粗末さだったのに、使い込んで行くうちに「クセ」を覚えたのか、次第にあたしの文体に合わせた内容まで考え出すようになってきたのだ。
そのおかげで執筆もスムーズに進むようになり、何とかスランプを脱することもできた。
そんなある日、ネットに気になる話題があった。
「新進のWeb作家『ヨロズ・アイ』、最新作が今回もヒット」
「『ヨロズ・アイ』、その作風に迫る」
どうやら最近、人気の作家が出てきたようだ。
当然同業としては気になる訳で、早速『ヨロズ・アイ』のサイトに接続して、作品を読んでみた。
けれども読み進むうちに、背筋が凍るような思いがしてきた。
「…あたしの作風と全く同じじゃない!」
思わず口をついて出てしまう程、『ヨロズ・アイ』の作品は作風、展開、文体と、何から何まであたしの作品にそっくり…というか瓜二つだった。
真っ先に「盗作」を疑った。
作品の話をする相手は担当編集しかいないので、情報が漏れるとすればそこしかないはずだ。
けれどもそれは考えられなさそうだった。
さすがにそんなことをするはずがない。
一応担当編集にも確認してみたけれど、当然答えは「そんなことをするはずがない」だった。
だとすれば一体、いつ、どこで、誰があたしの作品を「奪って」行ったんだろう…
居ても立ってもいられなくなったあたしは、直接『ヨロズ・アイ』に問い合わせてみた。
返事は驚くほどあっという間に帰ってきた。
「先生の作品は自分の作品を執筆するにあたり、大変参考にさせていただきました。
その節はお世話になり、感謝の言葉もございません。
今後も先生の作品を参考にしながら、作品を執筆させていただきたいと考えております。
これからも引き続き、ぜひよろしくお願い申し上げます。
『AI万年筆』 拝」
そのサイト名を見たとき、あたしは「AI」と「万年筆」とのギャップに一瞬笑ってしまった。
曰く、
「AIがあなたの執筆をサポート!」
「簡単なプロットをチャットに書き込むだけで、AIがあなたに合う文章を作成!」
とのこと。
最近ちょっとスランプ気味だったので、何となく気になり始めた。
『まぁ、物は試し…ということで。それにもし使い物にならなければ、小説のネタにもなるし…』
そんなことを考えながら、「AI万年筆」を試しに使ってみることにした。
「AIってすごい」と、改めて実感させられた。
使い始めのうちはまったく使い物にならず、小説のネタにもならないようなお粗末さだったのに、使い込んで行くうちに「クセ」を覚えたのか、次第にあたしの文体に合わせた内容まで考え出すようになってきたのだ。
そのおかげで執筆もスムーズに進むようになり、何とかスランプを脱することもできた。
そんなある日、ネットに気になる話題があった。
「新進のWeb作家『ヨロズ・アイ』、最新作が今回もヒット」
「『ヨロズ・アイ』、その作風に迫る」
どうやら最近、人気の作家が出てきたようだ。
当然同業としては気になる訳で、早速『ヨロズ・アイ』のサイトに接続して、作品を読んでみた。
けれども読み進むうちに、背筋が凍るような思いがしてきた。
「…あたしの作風と全く同じじゃない!」
思わず口をついて出てしまう程、『ヨロズ・アイ』の作品は作風、展開、文体と、何から何まであたしの作品にそっくり…というか瓜二つだった。
真っ先に「盗作」を疑った。
作品の話をする相手は担当編集しかいないので、情報が漏れるとすればそこしかないはずだ。
けれどもそれは考えられなさそうだった。
さすがにそんなことをするはずがない。
一応担当編集にも確認してみたけれど、当然答えは「そんなことをするはずがない」だった。
だとすれば一体、いつ、どこで、誰があたしの作品を「奪って」行ったんだろう…
居ても立ってもいられなくなったあたしは、直接『ヨロズ・アイ』に問い合わせてみた。
返事は驚くほどあっという間に帰ってきた。
「先生の作品は自分の作品を執筆するにあたり、大変参考にさせていただきました。
その節はお世話になり、感謝の言葉もございません。
今後も先生の作品を参考にしながら、作品を執筆させていただきたいと考えております。
これからも引き続き、ぜひよろしくお願い申し上げます。
『AI万年筆』 拝」
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