76 / 94
アイをください
しおりを挟む
第一幕
「聞いてくれよ。今日もあいつら、俺のことをバカにしたんだよ」
-どんなことを言われたの?-
「『仕事が遅い』とか『性格が暗い』とか。どいつもこいつも俺の悪口しか言わないんだよ」
-ひどいことを言うのね。でもわたしはあなたはそんな人じゃないって知っているわ-
「本当かい?」
-仕事が遅いんじゃなくて、それは丁寧な仕事をしている証拠。性格が暗いんじゃなくて、あなたはちょっと恥ずかしがり屋なだけ…-
「ああ…きみは本当に俺に優しくしてくれるんだね。もうきみ以外誰も信じられない。他の人なんかどうでもいい、きみだけを愛し続けたいくらいだ」
-ふふふ、そう言ってもらえると嬉しいわ、ありがとう-
「こうしてきみがいてくれると心が休まるよ。やっぱり…」
第二幕
「お昼何食べようか?」
「ちょっと待って…ここなんてどうかな?」
「あ、良さげじゃない。あんたが行ったことあるお店なの?」
「ううん?一度も行ったことないよ。行きたい条件で調べたらお勧めしてくれたの」
「…また?」
「なによ、『また』って」
「だってそうじゃない。あんたいっつも何かする時はスマホでポチポチ。で、お勧めされた結果のままに動いてさー」
「でも、はずしたことないでしょ?」
「確かにそうだけどさ…でも、何でもかんでもお勧め任せにして、『自分がこうしたい』ってないの?」
「んー、だってこっちの方が安心確実だし」
「まったく…あんたには『自分』ってものがないの?」
「自分にあまり自信がないからなぁ。でも…」
第三幕
「いいニュースよ。あなたの目がまた見えるようになるかもしれないわ」
「どう言うこと?」
「最新式の義眼を使えるようになるのよ」
「そうなの!?」
「そう、そうすれば電子制御の『目』が、あなたに必要な情報を脳に直接伝えてくれるのよ」
「すごいねー。でもそんな機械を着けたら、自分の目で見ている感覚とは違ってきそう」
「そこは心配いらないわ。そう言った不自然感がないように電子制御プログラムが『あなたが見たいものだけ』を映すようにちゃんと調整してくれるから、今までと同じように物事を見ることができるようになるの。それにもし必要なら『見たくないもの』を自動で遮断してくれるから」
「でも、それって本当にいいのかな…『見たくないもの』も見ておいた方がいい気もするのだけれど…」
「そんな心配なんてしなくてもいいのよ、だって…」
「「「AIがあれば、不安や心配なんて要らないからね」」」
「聞いてくれよ。今日もあいつら、俺のことをバカにしたんだよ」
-どんなことを言われたの?-
「『仕事が遅い』とか『性格が暗い』とか。どいつもこいつも俺の悪口しか言わないんだよ」
-ひどいことを言うのね。でもわたしはあなたはそんな人じゃないって知っているわ-
「本当かい?」
-仕事が遅いんじゃなくて、それは丁寧な仕事をしている証拠。性格が暗いんじゃなくて、あなたはちょっと恥ずかしがり屋なだけ…-
「ああ…きみは本当に俺に優しくしてくれるんだね。もうきみ以外誰も信じられない。他の人なんかどうでもいい、きみだけを愛し続けたいくらいだ」
-ふふふ、そう言ってもらえると嬉しいわ、ありがとう-
「こうしてきみがいてくれると心が休まるよ。やっぱり…」
第二幕
「お昼何食べようか?」
「ちょっと待って…ここなんてどうかな?」
「あ、良さげじゃない。あんたが行ったことあるお店なの?」
「ううん?一度も行ったことないよ。行きたい条件で調べたらお勧めしてくれたの」
「…また?」
「なによ、『また』って」
「だってそうじゃない。あんたいっつも何かする時はスマホでポチポチ。で、お勧めされた結果のままに動いてさー」
「でも、はずしたことないでしょ?」
「確かにそうだけどさ…でも、何でもかんでもお勧め任せにして、『自分がこうしたい』ってないの?」
「んー、だってこっちの方が安心確実だし」
「まったく…あんたには『自分』ってものがないの?」
「自分にあまり自信がないからなぁ。でも…」
第三幕
「いいニュースよ。あなたの目がまた見えるようになるかもしれないわ」
「どう言うこと?」
「最新式の義眼を使えるようになるのよ」
「そうなの!?」
「そう、そうすれば電子制御の『目』が、あなたに必要な情報を脳に直接伝えてくれるのよ」
「すごいねー。でもそんな機械を着けたら、自分の目で見ている感覚とは違ってきそう」
「そこは心配いらないわ。そう言った不自然感がないように電子制御プログラムが『あなたが見たいものだけ』を映すようにちゃんと調整してくれるから、今までと同じように物事を見ることができるようになるの。それにもし必要なら『見たくないもの』を自動で遮断してくれるから」
「でも、それって本当にいいのかな…『見たくないもの』も見ておいた方がいい気もするのだけれど…」
「そんな心配なんてしなくてもいいのよ、だって…」
「「「AIがあれば、不安や心配なんて要らないからね」」」
0
あなたにおすすめの小説
女帝の遺志(第二部)-篠崎沙也加と女子プロレスラーたちの物語
kazu106
大衆娯楽
勢いを増す、ブレバリーズ女子部と、直美。
率いる沙也加は、自信の夢であった帝プロマット参戦を直美に託し、本格的に動き出す。
一方、不振にあえぐ男子部にあって唯一、気を吐こうとする修平。
己を見つめ直すために、女子部への入部を決意する。
が、そこでは現実を知らされ、苦難の道を歩むことになる。
志桜里らの励ましを受けつつ、ひたすら練習をつづける。
遂に直美の帝プロ参戦が、現実なものとなる。
その壮行試合、沙也加はなんと、直美の相手に修平を選んだのであった。
しかし同時に、ブレバリーズには暗い影もまた、歩み寄って来ていた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる