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1.高校生活最後の日に彼は何を思うのか
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「春の息吹が感じられる今日この佳き日第79回卒業証書授与式を挙行できますことは~」
今日は卒業式。卒業証書を学年代表が受け取り、今は校長先生が式辞を述べている。
うちの高校の校長はみんなが思うようなハゲたおやじなんかとはかけ離れた若い女性。若い女性というプロフィールにとどまらず、容姿も良いときた。俺も最初に見たときは驚いたもんだ。
だが、そんなことはどうでもいい。校長には悪いが本当にどうでもいい。卒業式も中盤に差し掛かり、俺の思うことはただ一つ、
「俺の高校生活、これでよかったのかな…」
心の声は小さなつぶやきとなって漏れ出していた。
彼の高校生活には甘酸っぱい恋も、全身全霊を注いで文化祭や体育祭などの行事に打ち込むことも、その他の熱い青春物語も皆無であった。
スクールカーストでいえば中の下~中の中、いるのは同じ境遇のオタク友達だけ。そいつらといるのが楽しくなかったといえば嘘になるのだが、陽キャどものそれと比べると、どこか劣っているように感じずにはいられなかった。
「やり直したい…」
ため息交じりに、そんな言葉が口をついて出た。
「何をやり直したいの~?」
「ああ、いや、高校生活をやり直したい…って、うわぁ!?」
思わず大声を出して立ち上がり、固まってしまった。なぜかって?
目の前に幼女がいたから
金色の髪に緑色の瞳という出で立ちである。容姿◎
「い、いきなり大声出さないでくださいよ~びっくりするじゃないですか~」
八重歯をちらつかせながら、おどけた調子で幼女はそう言った。
「そりゃあびっくりするだろ!!だって今卒業式の真っ最ちゅ…」
そこまで言ってようやく気付いた。卒業式が止まっている。いや、時間そのものが止まっている。
「な、なんだよ、これ…」
俺は幼女の方を見た。もしかして、この幼女がやったのか…?いや、だとしたらこの幼女一体…
「もう~!さっきから人のこと幼女幼女って子どもみたいに~!!」
目の前の幼女、もとい少女がむくれて言った。っていうか心の声わかるのかよ本当に何者…
「ああ、ごめん。えっと、きみは一体…?」
「私の名前はレネ。訳あってここに現れたんです~」
だが、状況は大体わかってきた。普通だったらここでもう一テンパりくらいあっただろうが、俺はこういったシチュエーションに既視感があった。そう、何故なら俺は…
「ああ、確かにアニメとかゲームとかだとこういう展開は少なくないですもんね!呑み込みが早くて助かります~」
…そう、俺は俗にいうオタクなのだ。そしてそれは俺が陽キャになれない大きな要因の一つだと思っている。
入学して間もなかったころに行われた自己紹介の場で、テンパっていた俺は自分がアニメ好きであること、さらには好きなジャンルから理想のヒロイン像まで語りつくし、俺の自己紹介は教室の空気をどよめかせておわったのだった…
「…きついですね」
「おいやめろ!同情の目で俺を見るな!さっきまでみたいにおどけた口調で馬鹿にしてくれたほうがまだいいよ!」
「あ、え~っと…ごめんなさい」
「お願いだから謝らないで!!ますます空しくなるから!!!」
まあともかく、こんな経緯があったわけだ。
だがしかし!俺がやり直したいと願った矢先に不思議な力をもった幼女、もとい女児が現れたということはつまり…
「ああ、時間を戻してやり直しとかはできませんよ~」
「ゑ、できないの?」
「はい~」
「え、でも時止めてるし…」
「止めるのは簡単ですけど~過去に戻ったり未来に行ったりは難しいじゃないですか~」
いや、じゃないですか~って言われても俺そもそも止めることもできないじゃないですか~…
「え、じゃあ何ならできるの」
「私ができるのは〈もしも〉の世界を見せてあげることだけです~」
「それを見てやり直したつもりになれってこと?」
「…多分?」
「…」
余計に寂しくならないか!?そんなの見せられて、自分が楽しそうにしてるのなんか目の当たりにしたら俺余計にやり直したくなっちゃうとおもうんだけど…
「でも、見てくれないとずっと時止まったままになっちゃいますよ~」
「マジ?」
「マジです~」
「本気で?」
「本気です~」
「本気と書いて?」
「マジです~」
「」
もうめちゃくちゃだ。
「見てくれる気になりましたか~?」
「その気じゃなくても見なきゃいけないんだから見るよチキショウ!」
やけくそでそう答えた。だってしょうがないじゃないか(え〇りかず△)
「了解しました~!それじゃ、いきますよ~!」
こうして俺は幼女、もとい女童によって、陽キャになった自分を見ることになったのだった…
今日は卒業式。卒業証書を学年代表が受け取り、今は校長先生が式辞を述べている。
うちの高校の校長はみんなが思うようなハゲたおやじなんかとはかけ離れた若い女性。若い女性というプロフィールにとどまらず、容姿も良いときた。俺も最初に見たときは驚いたもんだ。
だが、そんなことはどうでもいい。校長には悪いが本当にどうでもいい。卒業式も中盤に差し掛かり、俺の思うことはただ一つ、
「俺の高校生活、これでよかったのかな…」
心の声は小さなつぶやきとなって漏れ出していた。
彼の高校生活には甘酸っぱい恋も、全身全霊を注いで文化祭や体育祭などの行事に打ち込むことも、その他の熱い青春物語も皆無であった。
スクールカーストでいえば中の下~中の中、いるのは同じ境遇のオタク友達だけ。そいつらといるのが楽しくなかったといえば嘘になるのだが、陽キャどものそれと比べると、どこか劣っているように感じずにはいられなかった。
「やり直したい…」
ため息交じりに、そんな言葉が口をついて出た。
「何をやり直したいの~?」
「ああ、いや、高校生活をやり直したい…って、うわぁ!?」
思わず大声を出して立ち上がり、固まってしまった。なぜかって?
目の前に幼女がいたから
金色の髪に緑色の瞳という出で立ちである。容姿◎
「い、いきなり大声出さないでくださいよ~びっくりするじゃないですか~」
八重歯をちらつかせながら、おどけた調子で幼女はそう言った。
「そりゃあびっくりするだろ!!だって今卒業式の真っ最ちゅ…」
そこまで言ってようやく気付いた。卒業式が止まっている。いや、時間そのものが止まっている。
「な、なんだよ、これ…」
俺は幼女の方を見た。もしかして、この幼女がやったのか…?いや、だとしたらこの幼女一体…
「もう~!さっきから人のこと幼女幼女って子どもみたいに~!!」
目の前の幼女、もとい少女がむくれて言った。っていうか心の声わかるのかよ本当に何者…
「ああ、ごめん。えっと、きみは一体…?」
「私の名前はレネ。訳あってここに現れたんです~」
だが、状況は大体わかってきた。普通だったらここでもう一テンパりくらいあっただろうが、俺はこういったシチュエーションに既視感があった。そう、何故なら俺は…
「ああ、確かにアニメとかゲームとかだとこういう展開は少なくないですもんね!呑み込みが早くて助かります~」
…そう、俺は俗にいうオタクなのだ。そしてそれは俺が陽キャになれない大きな要因の一つだと思っている。
入学して間もなかったころに行われた自己紹介の場で、テンパっていた俺は自分がアニメ好きであること、さらには好きなジャンルから理想のヒロイン像まで語りつくし、俺の自己紹介は教室の空気をどよめかせておわったのだった…
「…きついですね」
「おいやめろ!同情の目で俺を見るな!さっきまでみたいにおどけた口調で馬鹿にしてくれたほうがまだいいよ!」
「あ、え~っと…ごめんなさい」
「お願いだから謝らないで!!ますます空しくなるから!!!」
まあともかく、こんな経緯があったわけだ。
だがしかし!俺がやり直したいと願った矢先に不思議な力をもった幼女、もとい女児が現れたということはつまり…
「ああ、時間を戻してやり直しとかはできませんよ~」
「ゑ、できないの?」
「はい~」
「え、でも時止めてるし…」
「止めるのは簡単ですけど~過去に戻ったり未来に行ったりは難しいじゃないですか~」
いや、じゃないですか~って言われても俺そもそも止めることもできないじゃないですか~…
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「…」
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「でも、見てくれないとずっと時止まったままになっちゃいますよ~」
「マジ?」
「マジです~」
「本気で?」
「本気です~」
「本気と書いて?」
「マジです~」
「」
もうめちゃくちゃだ。
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