士農工商

ロコ

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そんな馬鹿な!

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翌朝、お店の朝礼で顔から血の気の引いた者が居た。
元締めが、紹介する。

今日の、一番星は、将太店長です。

おぉ~っ!!
座がどよめいた。
何と、十二歳の少年が、お店を切り盛りする大役に着いたのだ。
然し、そんなことではない様な、冷や汗をびっしょり掻いている者にしてみたら。

な、何で?????
確かに、殺った筈だ。
何でだ。
将太店長は、就任の辞を述べた。

昨日、私宅に賊が、押し入り寝込んでいる父を、その凶刃で、滅多刺しに仕置き殺害しました。
今、町方が殺人の疑いで賊を、探しております。
物騒な世皆様に、置かれまして、用心障子戸のつっかい棒のお忘れなき様にして下さい。

ま、町方が俺を探している!
賊は、そこまでは考えていなかった。
愚かであった浅はかであったと思う。
いまから、将太店長に、謝ろうか。
許してくださいと。
心入れ替えて働きますと。
だから、しょっぴくのだけは、許してくださいと。
頭の中であーでもない、こーでもないと、考えている。

いつのまにか、健吾は、一人立って居た。
よ、健吾、どうした。
暑いのか、いま真冬だぞ。
汗で、ビチョビチョじゃないか。
将太店長に、言われて。
脈拍数が上がった。

あ、あ、あ、あ、あ、
言葉にならない。
ま、吉報を待つ。
将太店長は、いい放つと、去って行った。
ば、ば、ば、ば、ば、れた。
健吾は、活版印刷士。
始めは、将太店長を顎で、使って居た。

動けない。
指名手配犯だ、俺は!!!!
どうするのかわからない。
あ、あ、あ、あ、あ、もう駄目だ。
俺は牢に、ぶち込まれるんだ!
そして、張りつけ獄門だ!!!!
健吾は、帰宅した。家族は居ない。
然し、町方は、やがてやって来る。
あ、あ、あ、あ、あ、、、、、、。
やっぱり、将太店長に謝ろう。
それしかない。
汗を拭いて、外に出た。
もう宙に浮いた感じがする。
あ、あ、あ、あ、あ、
メソメソ泣き出した。
何て、こった。
健吾齢二十ハ、未だ嫁もいない。
家族は、武蔵国所沢で暮らしている。

はっ、そうだ!!!
お父と、お母の所に、逃げよう。
そうだ、其れがいい。
健吾は、その足で、武蔵国所沢へ、向かった。
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