6 / 6
5
しおりを挟む
レイヤが中庭に戻ると守樹のツリーハウスから子ども達の笑い声が聞こえてくる。
「しゅーじゅー。きゃあ。」
「しゅじゅー。ブランコゆらしてゆらして。きゃあ。」
いつの間にかツリーハウスがさらにパワーアップしている。リーの乗っている蔦のトランポリンやクライミングウォールなど新しい遊び場が創られているようだ。
ジャンくんはクライミングがミーナちゃんとアレンくんは砂場が気に入った様子。
そしてそのすべてに安全対策が完璧に施されているので、子どもだけで遊んでいても安心です。
「何か美味しい匂いがするわね」
「?匂いなんてしねーけど」
「あ、レイヤさんだ。」
「レイにぃ」
「レイにぃー」
ミーナとリーが守樹の上から手を振っている。
「わぁっ、ミーナ前みてちゃんとブランコつかんで、手を離すと危ないよ」
アレンくんお疲れ様です。
でも大丈夫、既に守樹がブランコの蔦からミーナの腰に安全紐を伸ばしています。
完璧な安全対策です。
「皆降りておいで。おやつにしよう。」
「おかしー?」
「うん、おかし」
「やったぁ!」
子ども達が守樹から降りようとしている。
守樹は降りやすいように手?を貸しているが、木の葉の艶が少し陰ったような気がする。
「ん。なんだい守樹。」
守樹はさわさわと身体を揺らした。
「離れたくないの?ん。わかった。じゃあ隣で食べるね。」
守樹の木の葉が煌めきだした。
レイヤは子ども達を守樹のツリーハウスのすぐ隣にある東屋へ案内した。
東屋の側には小さな池がある。
その池の近くまで守樹は新たに枝を伸ばした。
「みんなそこの池で手を洗ってね」
『はーい』
子ども達を見守る木陰がさわさわと揺れている。
その揺れに誘われたのか、池から小さな魚が顔をだした。
「うわっ」
「わぁお魚さんだー♪」
「ちいさいかわいいです」
「そのお魚さんは皆の手のひらの汚れを食べてくれる凄いお魚さんだからね。優しく触ってあげてね。」
「お魚さんすごーい」
ちび達はパシャパシャと魚達と戯れている。
魚たちは子ども達の手の間をすり抜けながら手についた泥や植物のカケラを啄んでいる。
「うわっ、ぎゃっ、この感触俺無理だ。耐えられねぇ」
「ちゃんと手、洗ってるの?ジャンのところにばっかり寄っていくわ。汚いんじゃない?全身お魚さんに食べてもらえば?」
「汚くねーよ。」
「ジャンくんに寄ってくるのは守樹の所でクライミングしたからじゃないかな。あれはぎゅっと握るでしょ。ここのお魚さんは守樹の落ち葉が大好物だから君の手から大好きな守樹の匂いがいっぱいしてるのかもね。」
「きゃっきゃ」
「たのしー」
「キラキラで色もたくさんでかわいいです。」
「皆、そろそろ綺麗になったかな。東屋においで。用意できたよ」
子ども達が東屋に着くとレイヤによってコップにたっぷりのジュースと真ん中に大きなお菓子が用意されていた。
「うさぎさんだー」
「かわいいです」
「皆、座って。はい、いただきます」
『いただきます』
「おおきいー」
「はむはむっおいしー♪」
「うまい」
「んっ!」
「おいしいです!」
「これ、なんていうのー?」
「マドレーヌっていうお菓子なんだ。本当は貝殻の形なんだけどね。」
「そうなんですね。でもうさぎさんの方がかわいいです。」
「うさぎさんかわいいー」
うさぎのマドレーヌは子ども達に大好評のようです。
ほんのりあったかしっとりなマドレーヌは崩れにくく、ちいさい子でも食べやすいのがいいですね。
流石レシピ本。ナイスチョイスです。
「じゅーちゅあまーい」
「でもあまいだけじゃないのね。すっきりしてる」
「レモンが入ってるよ」
「やっぱり、だから飲みやすいのね」
オレンジジュースもいい感じです。
そこまで暑くないですけど、やっぱり遊ぶと水分不足になりますよね。
いっぱいおかわりしてね。
「どっちでもいいよ。うまけりゃ。」
「だからあんたはモテないのよっ」
「はぁっ?いまそんな話してねぇだろ」
「このまえせっかく作ってあげたクッキーも味わわないで食べちゃったくせにぃ。最っ低っ」
「ぐはっ」
美味しいお菓子を前にいつもと同じ痴話喧嘩。
ぶれないねぇ。
「「おいしー!」」
「おいしいです!」
そしてその横でまったりとお菓子を食べ続けるちび達。
こっちもぶれないねぇ。
「レイヤさん美味しいです」
「そう。よかった。アレンくん甘いの好き?」
「甘いのも好きだし、かわいいのも好きです。だからこのお菓子すごく嬉しいです」
「よかった。」
うさぎのマドレーヌとちょっぴりレモンのオレンジジュース、子ども達に喜んで貰えました。
お菓子を食べたあとも守樹で遊んでいた子ども達。
楽しい時間ほどすぐに過ぎるもの。
夕方になってそろそろ帰る時間になると守樹が子ども達の背をそっと押して庭の入り口へと連れていく。
バイバイと手を降るように枝をふると、子ども達もつられる様に手をふる。
庭からの扉をくぐると2階からレイヤが降りてくる。
「あれ?もう帰るの?」
「うん。そろそろ帰んねぇと怒られる」
「そう。じゃあね」
そういってレイヤは2階へと戻っていく。
「あのさっ」
その背を追いかけるようにジャンが声をかける。
「あのさ、また来てもいいか?」
ジャンが勇気を振り絞って尋ねる。ミーナやちび達はジャンの背に隠れながらもしっかりとレイヤを見つめる。
「いいよ。守樹も喜ぶ」
わぁっ、と子ども達が嬉しそうに声をあげる。
「レイにぃもうれしー?」
リーがおめめをキラキラしながら尋ねる。
レイヤはクスッと笑った後で
「そうだね。僕も嬉しいかな」
ちび達はにこにこ笑顔でぎゅっとレイヤをハグするとジャンとミーナと手をつないでバイバイと手をふって帰っていった。
「さてと、明日はオープンできるかな。子ども達、明日も来てくれるかな。そうだ。最初のお客さんになってもらおう。最初お客さんはケーキとジュースをサービスしてあげなきゃね。」
「しゅーじゅー。きゃあ。」
「しゅじゅー。ブランコゆらしてゆらして。きゃあ。」
いつの間にかツリーハウスがさらにパワーアップしている。リーの乗っている蔦のトランポリンやクライミングウォールなど新しい遊び場が創られているようだ。
ジャンくんはクライミングがミーナちゃんとアレンくんは砂場が気に入った様子。
そしてそのすべてに安全対策が完璧に施されているので、子どもだけで遊んでいても安心です。
「何か美味しい匂いがするわね」
「?匂いなんてしねーけど」
「あ、レイヤさんだ。」
「レイにぃ」
「レイにぃー」
ミーナとリーが守樹の上から手を振っている。
「わぁっ、ミーナ前みてちゃんとブランコつかんで、手を離すと危ないよ」
アレンくんお疲れ様です。
でも大丈夫、既に守樹がブランコの蔦からミーナの腰に安全紐を伸ばしています。
完璧な安全対策です。
「皆降りておいで。おやつにしよう。」
「おかしー?」
「うん、おかし」
「やったぁ!」
子ども達が守樹から降りようとしている。
守樹は降りやすいように手?を貸しているが、木の葉の艶が少し陰ったような気がする。
「ん。なんだい守樹。」
守樹はさわさわと身体を揺らした。
「離れたくないの?ん。わかった。じゃあ隣で食べるね。」
守樹の木の葉が煌めきだした。
レイヤは子ども達を守樹のツリーハウスのすぐ隣にある東屋へ案内した。
東屋の側には小さな池がある。
その池の近くまで守樹は新たに枝を伸ばした。
「みんなそこの池で手を洗ってね」
『はーい』
子ども達を見守る木陰がさわさわと揺れている。
その揺れに誘われたのか、池から小さな魚が顔をだした。
「うわっ」
「わぁお魚さんだー♪」
「ちいさいかわいいです」
「そのお魚さんは皆の手のひらの汚れを食べてくれる凄いお魚さんだからね。優しく触ってあげてね。」
「お魚さんすごーい」
ちび達はパシャパシャと魚達と戯れている。
魚たちは子ども達の手の間をすり抜けながら手についた泥や植物のカケラを啄んでいる。
「うわっ、ぎゃっ、この感触俺無理だ。耐えられねぇ」
「ちゃんと手、洗ってるの?ジャンのところにばっかり寄っていくわ。汚いんじゃない?全身お魚さんに食べてもらえば?」
「汚くねーよ。」
「ジャンくんに寄ってくるのは守樹の所でクライミングしたからじゃないかな。あれはぎゅっと握るでしょ。ここのお魚さんは守樹の落ち葉が大好物だから君の手から大好きな守樹の匂いがいっぱいしてるのかもね。」
「きゃっきゃ」
「たのしー」
「キラキラで色もたくさんでかわいいです。」
「皆、そろそろ綺麗になったかな。東屋においで。用意できたよ」
子ども達が東屋に着くとレイヤによってコップにたっぷりのジュースと真ん中に大きなお菓子が用意されていた。
「うさぎさんだー」
「かわいいです」
「皆、座って。はい、いただきます」
『いただきます』
「おおきいー」
「はむはむっおいしー♪」
「うまい」
「んっ!」
「おいしいです!」
「これ、なんていうのー?」
「マドレーヌっていうお菓子なんだ。本当は貝殻の形なんだけどね。」
「そうなんですね。でもうさぎさんの方がかわいいです。」
「うさぎさんかわいいー」
うさぎのマドレーヌは子ども達に大好評のようです。
ほんのりあったかしっとりなマドレーヌは崩れにくく、ちいさい子でも食べやすいのがいいですね。
流石レシピ本。ナイスチョイスです。
「じゅーちゅあまーい」
「でもあまいだけじゃないのね。すっきりしてる」
「レモンが入ってるよ」
「やっぱり、だから飲みやすいのね」
オレンジジュースもいい感じです。
そこまで暑くないですけど、やっぱり遊ぶと水分不足になりますよね。
いっぱいおかわりしてね。
「どっちでもいいよ。うまけりゃ。」
「だからあんたはモテないのよっ」
「はぁっ?いまそんな話してねぇだろ」
「このまえせっかく作ってあげたクッキーも味わわないで食べちゃったくせにぃ。最っ低っ」
「ぐはっ」
美味しいお菓子を前にいつもと同じ痴話喧嘩。
ぶれないねぇ。
「「おいしー!」」
「おいしいです!」
そしてその横でまったりとお菓子を食べ続けるちび達。
こっちもぶれないねぇ。
「レイヤさん美味しいです」
「そう。よかった。アレンくん甘いの好き?」
「甘いのも好きだし、かわいいのも好きです。だからこのお菓子すごく嬉しいです」
「よかった。」
うさぎのマドレーヌとちょっぴりレモンのオレンジジュース、子ども達に喜んで貰えました。
お菓子を食べたあとも守樹で遊んでいた子ども達。
楽しい時間ほどすぐに過ぎるもの。
夕方になってそろそろ帰る時間になると守樹が子ども達の背をそっと押して庭の入り口へと連れていく。
バイバイと手を降るように枝をふると、子ども達もつられる様に手をふる。
庭からの扉をくぐると2階からレイヤが降りてくる。
「あれ?もう帰るの?」
「うん。そろそろ帰んねぇと怒られる」
「そう。じゃあね」
そういってレイヤは2階へと戻っていく。
「あのさっ」
その背を追いかけるようにジャンが声をかける。
「あのさ、また来てもいいか?」
ジャンが勇気を振り絞って尋ねる。ミーナやちび達はジャンの背に隠れながらもしっかりとレイヤを見つめる。
「いいよ。守樹も喜ぶ」
わぁっ、と子ども達が嬉しそうに声をあげる。
「レイにぃもうれしー?」
リーがおめめをキラキラしながら尋ねる。
レイヤはクスッと笑った後で
「そうだね。僕も嬉しいかな」
ちび達はにこにこ笑顔でぎゅっとレイヤをハグするとジャンとミーナと手をつないでバイバイと手をふって帰っていった。
「さてと、明日はオープンできるかな。子ども達、明日も来てくれるかな。そうだ。最初のお客さんになってもらおう。最初お客さんはケーキとジュースをサービスしてあげなきゃね。」
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/466596284/episode/5320962
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/387029553/episode/10775138
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/84576624/episode/5093144
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/786307039/episode/2285646
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる