ある日出会った知らない子

如月 永

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祥太は吐精された精子を舐めとると、そのままキスをしてきた。
さっきまでダメと言っていたのに、雰囲気に流されてした祥太とのキスは、レモンミントの香りがした。
気付かない内にちゃっかりブレスケアとかしてるとかもうね。イケメンは気配りも違う。
でもすぐに精液が口の中で唾液と混ざっていやらしい匂いに変わった。
「んちゅ……れろ……じゅぷ……」
「はぁ……はぁ……盛島さんの味、美味しい」
「お前のだって混じってんだから俺のじゃない」
「つまり盛島さんは俺の精液飲んでくれたってことですね!」
そう言うと、祥太は嬉しそうに笑った。
言われたことはドン引きだけれど、その笑顔に不覚にもキュンとしてしまう。
なんだこれ。俺はホモじゃなかったはずなのに。
イケメンの笑顔は破壊的だ。
祥太が俺の上に覆い被さってきた。
「盛島さん、下の口でも精液飲んでください」
「は?えぇっ?!」
祥太は俺の尻の穴を指でつついて言った。
さすがにそれは許容できないと俺は必死で抵抗した。
しかし、祥太の力には敵わず、足を開かれてしまった。
そのまま、両足を抱えられて、いわゆるM字開脚の姿勢を取らされた。
恥ずかしくて死にたい。
そんな足をがっちり掴み、祥太はアナルに顔を埋めた。
「ぎゃあぁぁぁぁぁっ!!」
生暖かいものが侵入してくる感覚。
舌を入れられているのだ。
「やめろぉっ!汚いからっ!だめぇっ!だめぇぇぇっ!!!」
「盛島さんに汚いとこなんかないよ」
そう言いながらも、祥太は俺のアナルに舌を出し入れしている。
排泄器官に舌を突っ込まれて、羞恥心と嫌悪感でどうにかなりそうだった。
そのうち、祥太の指が入ってきた。
一本だけだけど、異物感が半端なくて気持ち悪い。
ゆっくり出し入れされると、だんだん慣れてきたのか気持ち良くなってきた。
それに気付いたのか、祥太は指を増やした。
唾液を纏った二本の指が中でバラバラと動く。
ある一点を掠めた時、身体中に電気が走ったみたいになった。
何が起こったかわからず戸惑っていると、祥太はそこばかりを狙ってきた。
何度も同じところを刺激されて、また頭が真っ白になるような快感に襲われた。
いつの間にか三本目の指まで入っていたようで、三本の指で前立腺を挟み込むようにして揺すられる。
「あぁっ!あっ!あんっ!んん~っ!」
「盛島さんのおまんこ、柔らかくなってきましたよ。ほら、もう一本入りそう」
「ひぃっ……むり……無理だから……」
「大丈夫ですよ。俺のちんぽ入るくらいですもん」
そう言って祥太は、俺の中に四本目の指を入れた。
圧迫感が増して苦しいけど、痛みはない。
祥太が指を抜かれ、名残惜しそうにヒクつく穴に、熱いモノを押し当てられた。
祥太の勃起チンポだとわかった時にはもう遅かった。
ズプッと音を立てて、肉の輪が開いていく。
いくら慣らされていても、指とは比べものにならない質量が狭い穴に入ってくるのだ。
あまりの質量に息ができず、身体中から脂汗が吹き出す。
「ぐぅ……くる……し……はぁ……はぁ……」
「力抜いて」
そう言われても、どうしたらいいのかさっぱりわからない。
呼吸を整えてみるが、全然楽にならなかった。
仕方ないので、目を瞑って深呼吸をする。
すると、祥太が乳首を舐め始めた。
先程のように焦らすのではなく、今度は優しく愛撫する。
片方の乳首を口に含みながら、もう片方を人差し指と親指で摘んでコリコリと転がされる。
その快感に誤魔化しながら祥太の腰が動いて、チンポが奥に進んでくる。
一番太いカリの部分が通過したら、あとは比較的スムーズに入った。
祥太の下生えを感じて、根元まで入ったことが分かった。
「俺の形になるまで我慢してね」
「そん……な……あああぁっ」
奥の方まで入れたまま、祥太は俺を抱き締めた。
祥太のデカすぎるチンポは、俺の腸内を余すことなくギュウギュウに詰まっている。
「盛島さん、好き」
耳元で囁かれ、軽くキスをされた。
祥太の声は興奮した吐息と混じってエロい。脳に直接響いて、まるで洗脳されているようだ。
こんな状況なのに、俺の胸は高鳴ってしまう。
「盛島さんの中、熱くてトロトロなのにキツくて最高に気持ち良い。盛島さんのナカでイかせてください」
「やだっ!やだっ!やめてぇっ!」
「やめない」
最初はゆっくりとした動きだったが俺の苦痛ではない声を聞き取ると、祥太は俺の足を肩に掛け、ピストンを始めた。
ゆっくり引き抜く時は、内臓ごと持っていかれそうな感覚になり、奥まで突かれると、腹の奥が破れてしまうのではないかと恐怖を感じる。
苦しいのは苦しいのだ。でも痛さはない。
指で慣らす際にローションを使ってくれたのが良かったのかもしれない。
摩擦の抵抗が少ないぶん、スムーズに出入りしている。
こんな世界があるのは知っていたけれどまさか自分がこんな目に会うなんて夢にも思わなかった。
夢だったらどんなに良かったか。
指で準備されていた敏感な粘膜を擦られ続けて、俺のチンコからダラダラと精液が流れ出していて混乱する。
チンポや乳首が感じるのはセーフだと思えるけれど、尻で感じたらダメだと思う。
「痛いですか?」
祥太が心配そうに声をかける。
俺はただ首を横に振って、抜いて欲しいと懇願した。
「盛島さん、気持ち良いの好きって言ったじゃないですか。それなのにイヤなんですか?俺が嫌いだから?」
「違っ、けど、こんなのはっダメ、だからぁ!」
前立腺をゴリっと押され、俺のチンポがピクりと動いた。
そこを狙って突き上げられると、射精感が込み上げてくる。
「はぁ、あっ、あっ、んあぁっ!」
俺の反応を頼りに、俺がより感じるようにチンポの角度を調整していく。
そして完全に把握された前立腺をピンポイントで滅多打ちにされて、もう何も考えられないくらい、頭も身体もグチャグチャになっていた。
ただ、この快楽から逃れたい一心で、必死に祥太にしがみついた。
もっと早くにこうしていれば良かったと思うほど、祥太とのセックスが気持ち良い。
こんなこと絶対に許されないはずなのに、そんな罪悪感さえ快感に変えてしまえるほどの強烈な悦びだった。
何度も何度も前立腺を穿たれ、身体中に電流が流れるような衝撃が襲う。
その度にチンポから精液が漏れ、尿道口はパクパク開閉している。
「直樹さん、愛してます」
「は……へ?あっ!あっ!あっ!あぁっ!!」
名前を呼ばれた瞬間、祥太の動きが一層激しくなり、俺の中で祥太のチンポがビクビク痙攣し始めた。
「愛してます。ずっと、ずっと」
愛していると言われると、尻がキュンキュンと締まって気持ち良かった。
「もっと……、それ言って」
「はい。何度でも!愛してます。直樹さん」
そう言われるたびに、身体が震えるほどの喜びを感じた。
祥太が身体を起こし、俺の対面座位になるように身体を抱え直してからラストスパートをかける。
もうこれ以上入らないと思っていたのに、更に奥に入ってくる。
亀頭が結腸の入口をこじ開けようとグリグリ押し付けられる。
「好きです。愛してます」
「あーっ!あーっ!あぁっ!イクッ!イッちゃ……あぁぁぁぁっ!!!!」
祥太に耳元で囁かれながら、最奥を突かれた瞬間、目の前が真っ白になって意識が飛んだ。
気絶したのは一瞬のようで、すぐに覚醒したが、射精の余韻でもう自分の意志では指一本動かせる気がしない。
でも祥太はまだチンポを抜いてはくれない。
だって、イったのは俺だけだったから。
「盛島さん、まだ終わってませんよ?」
「無理……抜いて……お願い……」
「だめです。俺がまだイってないでしょう?」
「ああああああぁぁ!!!」
再び激しいピストンが始まり、奥の奥まで犯される。
腸壁を擦られるのが気持ち良くて、俺の尻穴は嬉々としてチンポを受け入れている。
「盛島さん、好き。大好き」
「あんっ、んっ、んっ、ふぁっ……」
祥太は俺にキスをして、舌を絡ませてきた。祥太の舌が口腔を舐め回すように、俺の腸内をかき混ぜるために腰をグラインドさせ、俺を絶頂へと導く。
キスで朦朧としていた俺は思う。
祥太とのセックスは気持ち良いのにどうして男同士でセックスするのはいけないんだっけ?
アナルは入れるところじゃないから?でも痛くもないし、気持ち良い。
中に出されたって妊娠もしない。
じゃあ別にいいんじゃないか? だって、こんなに幸せな気分になれるのなら、良いんじゃないのか……?
「しょおたぁ、セックスしていいの?」
「どういう意味ですか?」
「おとこどぉしで、セックスしていいの?」
「勘違いしちゃダメです。愛している人とならセックスして良いんです」
あれ……?俺も祥太を愛してるの?
分からないけど、祥太とはセックスしてるし。
俺の思考が快感に飲み込まれる。
絶頂を迎えて敏感になっている粘膜を擦り上げられて、また絶頂が近くなる。
「あっ、あっ、あっ、イクぅ!!イっちゃう!」
「気持ち良いですね。何回イってもいいんですよ」
「あっ、あっ、出る、出ちゃう、あっ、あっ、あっ、あぁぁぁぁっ!!!」
「直樹さん、愛しています」
祥太に愛を囁かれると、俺の身体はガクガクと痙攣した。
尻の中がキュウっと締まり、チンポを締め付ける。
すると祥太は大量の精子を俺の中に吐き出した。
熱い飛沫が注がれていく感覚は、今まで感じたことの無いような幸福感に包まれていた。
俺はあまりの快感に陶酔して祥太の首筋に噛み付いて痙攣が治まるのを待った。
祥太はそんな俺を優しく抱き寄せてくれて、髪を撫でてくれる。
まるで恋人同士のようだと思いながら、口を離す。
血と唾液が混じった体液が祥太の肩を濡らしていた。
「直樹さんが付けてくれた印だ」
祥太がそう言って微笑むのを見て、俺もつられて笑ってしまった。
「直樹さん。身体、大丈夫ですか?」
「うん」
「お尻も痛くない?」
「痛くない。気持ち良かった」
返事と一緒にキュッとアナルを締め付けた。
祥太は苦笑いしていたが、俺の中で祥太のチンポがピクリと跳ねた。
「あっ、ビクッて……はふっ、気持ち良い」
「ふふっ、直樹さんがいっぱい気持ち良いって言ってくれたから、凄く興奮しました」
祥太は俺の顔中にチュッチュッとキスをしながら、頭を撫でたり、背中をさすったりしてくれる。
俺を抱き締めたまま揺り籠みたいに左右にゆらゆら揺れてくれて、それが心地よくて目を閉じた。
「直樹さん」
「ん?」
「気持ち良かったなら、またセックスしてくれますか?」
「…………いいよ」
祥太の動きがぴたりと止まる。
「いいの?……本当に?」
俺が頷くと、驚いた顔が花が咲いたみたいに幸せそうな笑顔に変わる。
俺はその表情がとても好きだと思った。
俺達は見つめ合い、どちらからともなく唇を合わせた。
今度はちゃんとしたキスだった。
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