「Ｒ-18」異世界で花の乙女になった少女 ～侯爵夫人への階段を昇る～

物語の始まり

神様に貰う名前、家族になる誓い5

　「お久し振りだね、セリーヌ嬢。今日もとても美しい」
「閣下、ご無沙汰しておりますわ」彼女の視線が公爵の腕に中にいる水色の幼女に移る。
「とても可愛らしい花嫁様ですわね。でも、まだ幼くていらっしゃるわ」
「それが、いかがいたしたかな？」
「フフッ…　この世界の花も美しいとおもいませんか？御身、大きくなるまで今、咲く花達を愛でても宜しいのでは有りませか？」
「蕾の頃から大切に育て、一輪の花にのみに恵みを与えてこそ、美しく咲いてくれると思いますよ」
「閣下は、ロマンチストですのね。でも私わたくし、寂しいんですの。殿方は新しい花が咲くと、そちらにばかり夢中になってしまいますわ」
セリーヌ嬢はクリフォードの腕に軽く触りながら、腕の中の幼女に微笑む。
「新しい花を前にしたら、私達の思い出は色褪せてしまうのかしら？」彼女は、悲しそうに首を傾げクリフォードを見詰める。
「時の移り代わりは早いのですね。昔は大輪の花に見えた花が実際は、その時々で色合いを変える花で有ることに気付く事ができるようになりました。名前呼びは遠慮して頂きたい」
「クリフォード！！」
セリーヌの声が響く中、氷の仮面を張り付けたクリフォードは、一瞥も無しで、セリーヌ・フォン・エリソン公爵令嬢の横を通り抜ける。


　クリフォードは腕の中の幼女の頭を撫でながら「何も、心配する必要は無い」と、語り掛ける。
「私、ここにいていいの？」
「当たり前だ。私の腕の中にいる限り、激しい風にも、冷たい雨からも守ろう」
私の腕の中で成長すればいい。

　
　私は、クリフォードの腕の中で少しだけ胸が痛くなった。
クリフォードも、25才の大人なのだから。私が知らないロマンスが会ってもおかしく無いんだよね。

はっきり言って幼女相手に、お前が初恋だ。そんな告白されたら、それなりに怖いし。

　私達は礼拝堂の奥、神様の像がある場所にたどりついた。左右に3階迄、幾つかのボックス席が有る。　
左右、見回してみると銀髪の男の子が、ボックス席から手を振っているのが見えた！アルフレッドだ！
「アル…………」クリフォードに口を塞がれてしまった。
「静かにしなさい」
心の中で反省します。


　周りを見回すと、一緒に召喚された花の乙女達と、関係者らしい人達しかいなかった。

綺麗な一人用の絨毯がピカピカの大理石の床に人数分、引かれ、乙女達が絨毯の上で膝達で待機しています。

撫子（聖女）を最前列の中央に発見した。

不機嫌オーラか半端なく出ているのは気のせいでしょうか。否、きっと、食事を食べてないからでしょう。
神殿の食事は野菜が中心ですからね。彼女は、食事に満足しないと、不機嫌になりますから。

ダメ！ダメ！なんて事でしょう。

私は下僕根性が染み付いています。