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物語の始まり
神様に貰う名前、家族になる誓い6
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召喚された花の乙女達は、それぞれ、指定された場所に待機しています。
私達は最後尾の端、いわゆる幼児席です。
隣に要る幼女さんに「取り敢えず、問題を起こさないでね」クラーク公爵が、言い聞かせています。
公爵の目が笑顔なのに、笑ってません。
幼女さんに、一時の別れを告げ、立ち去っていきました。
別れ際に、彼女の瞼にキスを落とした時、礼拝堂に「キャーキャーッ」と、黄色い悲鳴と、何故か落胆の空気が渦巻きました。
クリフォードは、事務方の関係者なので広間に待機しているそうですが一時の、お別れです。
広大な礼拝堂の最奥、巨大な神像が鎮座し厳格な中にも神秘的な要素が有り、両脇には、三階分ほどのボックス席も要しています。
後に、知り得た事ですが、王族、伯爵家以上の高位貴族は、代々、同じ場所のボックス席をキープする変わりに、お布施とし高額な金銭を神殿に収めて要るのが実態のようです。
それ以外の貴族、有力者の方は広間の後方での見学です。
最後尾の、私達の後ろに神官さん、軍人さんが待機して要るのは、そんな事情によるものなんでしょうね。
そんな状態の中、水色の髪の幼女さんは、立ち上がり一点を凝視しています。
ざわめきが礼拝堂に広がり不安になった私は、彼女のドレスのスカートの部分を引いています。
彼女は、我に帰り膝達になり胸の部分に手をクロスに組ながら「悪かったな、有り難う」と小声で、私に呟やきました。
その時の彼女の表情が、胸を苦しくさせました。
『大切な物を棄て去って迄の、未来に旅立つ彼女の決意』
私は、そう思えたのです。
儀式の始まりの様です。皇太子と紹介された青年が、私達に語り初めました。
『私達は、召喚により訪れた「花の乙女達」を歓迎します。二度と、故郷に帰る事が出来ない貴女方が、この地に根を張り、新たな家族を得、我が王国の繁栄の礎になる事を願う』
少女達の中には、泣いてる人も要るみたいです。
すすり泣く声が聞こえて来ます。
大切な家族、恋人との突然の別れ。割り切れる物では有りません。
漆黒の黒髪、昼の太陽(金色)の瞳、を持つ皇太子は、召喚された少女達を見回す。
昨夜の内に二度と帰れない事は、少女達に告げていたが、諦められなかったのだろう。
哀れむ心情は有るが、己の立場は公の物だ。返せるとしても返す事はしない、己、自身がさせ無いだろう。
公の場で、帰れない事を決定事項と告げる事が、立場上の出来うる限りの優しさと彼は思う事にしたのだ。
ちなみに、礼拝堂の後方に要る幼女達が、傲慢か?優しさか?で考えを巡らせている事に、彼が気付く事は未来永劫ないことだ。
皇太子から引き継ぐように、神官長から花の乙女達に、言祝、未来への希望等が告げられている。
長い話が終わりを告げると、神官長の采配で神像の前で神官と巫女が祈りを告げる。
刹那、礼拝堂に眩い光が満ちる瞬間が訪れた。
私達は最後尾の端、いわゆる幼児席です。
隣に要る幼女さんに「取り敢えず、問題を起こさないでね」クラーク公爵が、言い聞かせています。
公爵の目が笑顔なのに、笑ってません。
幼女さんに、一時の別れを告げ、立ち去っていきました。
別れ際に、彼女の瞼にキスを落とした時、礼拝堂に「キャーキャーッ」と、黄色い悲鳴と、何故か落胆の空気が渦巻きました。
クリフォードは、事務方の関係者なので広間に待機しているそうですが一時の、お別れです。
広大な礼拝堂の最奥、巨大な神像が鎮座し厳格な中にも神秘的な要素が有り、両脇には、三階分ほどのボックス席も要しています。
後に、知り得た事ですが、王族、伯爵家以上の高位貴族は、代々、同じ場所のボックス席をキープする変わりに、お布施とし高額な金銭を神殿に収めて要るのが実態のようです。
それ以外の貴族、有力者の方は広間の後方での見学です。
最後尾の、私達の後ろに神官さん、軍人さんが待機して要るのは、そんな事情によるものなんでしょうね。
そんな状態の中、水色の髪の幼女さんは、立ち上がり一点を凝視しています。
ざわめきが礼拝堂に広がり不安になった私は、彼女のドレスのスカートの部分を引いています。
彼女は、我に帰り膝達になり胸の部分に手をクロスに組ながら「悪かったな、有り難う」と小声で、私に呟やきました。
その時の彼女の表情が、胸を苦しくさせました。
『大切な物を棄て去って迄の、未来に旅立つ彼女の決意』
私は、そう思えたのです。
儀式の始まりの様です。皇太子と紹介された青年が、私達に語り初めました。
『私達は、召喚により訪れた「花の乙女達」を歓迎します。二度と、故郷に帰る事が出来ない貴女方が、この地に根を張り、新たな家族を得、我が王国の繁栄の礎になる事を願う』
少女達の中には、泣いてる人も要るみたいです。
すすり泣く声が聞こえて来ます。
大切な家族、恋人との突然の別れ。割り切れる物では有りません。
漆黒の黒髪、昼の太陽(金色)の瞳、を持つ皇太子は、召喚された少女達を見回す。
昨夜の内に二度と帰れない事は、少女達に告げていたが、諦められなかったのだろう。
哀れむ心情は有るが、己の立場は公の物だ。返せるとしても返す事はしない、己、自身がさせ無いだろう。
公の場で、帰れない事を決定事項と告げる事が、立場上の出来うる限りの優しさと彼は思う事にしたのだ。
ちなみに、礼拝堂の後方に要る幼女達が、傲慢か?優しさか?で考えを巡らせている事に、彼が気付く事は未来永劫ないことだ。
皇太子から引き継ぐように、神官長から花の乙女達に、言祝、未来への希望等が告げられている。
長い話が終わりを告げると、神官長の采配で神像の前で神官と巫女が祈りを告げる。
刹那、礼拝堂に眩い光が満ちる瞬間が訪れた。
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