「R-18」異世界で花の乙女になった少女 ~侯爵夫人への階段を昇る~

Mona

文字の大きさ
60 / 82
異世界での一歩

謁見

しおりを挟む
 鏡の中の幼女は誰ですか?私?私なの。

国王陛下に、初めて謁見する衣装は白のドレスが基本になるとは聞いていましたが、想像を絶する豪華さです。

ドレスの型は、胸の下の切り替え。裾は、床に付くか付かない位で普段と余り変わりません。

しかし、純白の光沢の有る生地には金糸銀糸で、精密な刺繍が施されています。

首周りでキラキラしている透明な物は宝石何でしょうか?

髪型は、綺麗にアップされています。アップされた元からは、数本の縦ロールが垂らされ髪の長さが強調されている感じです。

お化粧も少しされてます。
お粉は、軽く叩いただけですが、目尻には少し朱色が挿され、口紅には下唇のみ朱色を乗せます。
未成年の子供が初めて、正式な場にでる時の伝統です。

「お嬢様、お立ち下さい」
メイドさんの指示に従い、立ち上がると靴を差し出された。
真っ白な靴は、ドレスの対の様に透明な宝石で装飾されている。

そっーと、そっーと、履いたよ。

最後に、綺麗なネックレスも付けられ、鏡を覗いたの。


 

 キャスル侯爵家の、謁見室に導かれると、同じ様な年の子が数人いたの。

キャスル侯爵の縁に連なる、子息と令嬢。

皆、緊張が隠せ無い様子です。

そう、最終試験ですから。

王国の王族貴族が集まる謁見の間でキャスル、一族に連なる者として、陛下に謁見する事が可能か見定められる。

女の子は、私を合わせて2人。

男の子は、1人です。


1人づつ、侯爵の前で、今日を迎えた事が出来た御礼と今後の抱負を述べるの。


男の子の、抱負が語られ室内が静寂したの。
彼が、最後の取りを努めたの。立派でした。

私?私は定例文だよ。


「今日の日を迎える事に、心からの祝いを送る。同時に、今のキャスル家の名声は先人に依るものだ。己の才に奢る事無く精進に勤めよ」

侯爵から、威厳の有る声で御言葉を頂いたの。

御母様が、小さなティアラを乗せてくれた。

男の子には、剣帯のベルト。女の子には、小さなティアラ。

王城の謁見の間に行く、チケット。

一族の当主からの祝いの品を、私達は手に入れた。




 侯爵家の謁見室を後にした、同年代の私達は城に向かう馬車の中で、軽い自己紹介をしたの。 
 

女の子の名前は、ルーチェ。
ミルクティー色の髪に、紫色の瞳の美少女。
子爵家の令嬢。


男の子の名前はアーサー、分家筆頭の子爵家の息子さん。

彼の母君は、お義父様の末の妹さんだから、侯爵家の息子達とは従弟になるんだね。


引率約は、魔術師のマーロンです。


私の前の席に座る、ルーチェを見詰めていたの。
本当に、可愛いからです。

少し垂れ目の、大きな紫色の瞳がキラキラしてます。

私が見詰めて要るのに、気付いてしまったのですね。
頭を、コテンと傾けます。

えっ________________!!

パクパクしている口を、マーロンに押さえられました。

マーロンを見詰めると、しっ!と、静かにするように合図されました。

同乗している、アンソニーは外を見ているみたいです。

もう一度、ルーチェを見詰めるとニコッと笑い崩れた頭を定位置に戻してます。

頭?違う!鬘だ。


 アーサーは、領地の父の言葉を考えていた。
「召喚された花嫁の夫の座は5つ。4席目迄は埋まった」
隣に座る子は、確かに美しいと思う。
父が求める物も理解している。

だが、アーサーは困惑していた。
初めて見るリリィーの美しさに、戸惑っていたのだ。


そして、それぞれの思惑を乗せながら馬車は、王城の門をくぐり、彼等は謁見の間に向かうのだ。。







しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生先は男女比50:1の世界!?

4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。 「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」 デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・ どうなる!?学園生活!!

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

処理中です...