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異世界での一歩
街に行こう!2
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薄汚れた路地裏に、その店はある。
ガラガラ~、軍人の男達が勢い良くとびらを開けると、其処には上司の姿。
それだけなら、別に驚きは無いが。
上司は、子供のラーメンをフッ~フッ~と覚ましているのだ。
男達は、自分の目を疑う。
本人ですか?
連れの子供に、目を留める。
後ろ姿の、女児は銀髪を二つに分けた三つ編み。
服装は、街娘を装っているが、違和感が有る。
品が良すぎるのだ。
男達が上司に持っている、印象。
男の中の男。
上位貴族の子息ながら、戦場では敵を切り刻み、自分達を勝利に導く。
夜営の、質素な食事にも不平を言わず自分達と、同じ鍋の飯に食らい付く。
酒場では酒を浴びるほど飲み、性的な遊びに喜ぶ。
上司からの、冷たい視線に男達がたじろぐ。
女児も、異変を感じたのだろう。
小さな碗から、ラーメンを啜りながら振り向いた。
ラーメンを啜っているが、絶世の美幼女だ。
ガラガラ~、隊の幹部クラスの男達がラーメンにやって来た。
固まっている、連中の所に行けば上司が居るではないか。
彼は、自分の目を疑う。
上司が居るのは別に良い。
一緒に居るのは・・・・。
彼は、以前キャスル侯爵家で会っているのだ。
「白百合の君!」
「副官さん、今日は」
鈴が鳴る声で、白百合の君が答えてくれる。
いやいや、中佐だって解るだろ!今、王都には召喚の余波で他国の密偵やらが、うじゃうじゃ居るんだよ。
「今日は、白百合の君。今日はバザール市の散策かな?」
「はい」
うん、良い子だ。
サイラス中佐を見ると、見るんじゃねーよ!なんて顔だ。
うん、ラーメンを啜っていても、可愛いね。
ラーメン屋さんで、サイラスの隊の人達に、思わず会いましたが、楽しかったですよ。
普段とは少し違うサイラスの表情を、見る事も出来ましたし。
それに、賑やかな食事は、侯爵家とは違う醍醐味でしたからね。
サイラスとリリィーが、ラーメン屋から立ち去ると、部下達に動揺が起きた。
「白百合の君、何、あの可愛さ!」
「幼女だぞ」
「いやー、幼い子を、自分好みに育てる。ロマンだ!」
「お前ら、うるさい!!」
副官は、頭が痛くなるのを感じた。
今の会話を、サイラスが知れば怒りを買うだろう。
ただし、副官とて成人男子だ。
想像してしまう。
美しい幼女を育て、自分で犯す愉悦。
「よーし!今夜は娼館にいくぞ!!」
「オー!」「オー!」「オー!」
彼らは、リリィーの残香に軽く侵されていたのだ。
ラーメン屋から、噴水広場に向かうと、女の子達が長い列に並んでいた。
「ねえ、何で並んでるの?」
護衛の、1人が答える。
「障害物レースですよ。名物の余興です」
「名物?」
「はい、賞品の星の魔石が目当て何ですよ」
「星の魔石」
「好きな相手に、自分の魔力を入れた星の魔石を渡すと、恋が実るそうです」
「私、出る!出たい!!」
うっ!リリィーは、少し後悔していた、!
どうしよう。勢いで、エントリーしてしまった。
でも、恋が実る星の魔石なんて、ロマンチックだと思った。
賞品の星の魔石は、一組6個がセットになっている。
もし、手に入れられたら、クリフォード、サイラス、フリーゲル、アルフレッドに、プレゼントできると思ったんだもん。
でも、この雰囲気は・・・・(女の戦場)
リリィーは、集団の中でも浮いていた。
着ている服は、街娘で間違いない。
膝下までの小花のワンピースに、アイボリー色のエプロン。
茶色のブーツ。
銀色の髪は三つ編み。
実際、今日のコーディネートは昨夜、大商人ミゲルが納品した品物だ。
幼女の街娘の衣装一式、求む。
侯爵家からの急な注文。
ミゲル(貴族の買い物に登場)は時期的に、バザール市に行くのだと検討し、街娘のお出掛けをテーマにし納品したのだ。
ミゲルは、王都一の商人としての誇りが有る。
それ故に、幼女の街娘に扮する衣装にも拘った。
彼は、幼い『白百合の君』を思い浮かべながら、納める衣装の指示を、部下達に出したのだ。
結果、ちょっとした悪目立ちだ。
ワンピースの小花の配色、絶妙な配分。
アイボリーのエプロンには、生地と同色の刺繍。
ポケットには、白百合のアップリケ。
距離を歩くと想定したブーツの皮は、柔らかな物が選ばれ、サイズ自動調整の魔術が掛けられている。
女性は、他人の衣装やアクセサリーに、敏感だ。それは、年齢が低くても変わらない。
そして貴族家と、平民の家での特長的な立場の違い。
貴族、富豪の家では、夫となる男性達が主導権を握る。
平民、特に下町等は、妻が家のヒエラルキーのトップでなのだ。
今、リリィーの回りに居る少女達は、通常の生活のなかでは限りなく、ヒエラルキーのトップに近い生活をしている。
その様な少女達は、リリィーと言う名の獲物を見つけたのだ。
「若様、お嬢様は大丈夫ですか?」
護衛の1人が、サイラスを伺う。
護衛達の中には、下町の出身の者もいる。
そんな彼は、心配で仕方ないのだ。
彼らは、体験者なのだ。街の女性の恐ろしさの。
「問題無い。ガキの遊びの枠内だ」
軍人のサイラスからした、子供の遊びの枠内は広いのだ。
さあ、一斉にスタートだ。キャスル侯爵家一行の視線が、リリィーに注がれる。
ガラガラ~、軍人の男達が勢い良くとびらを開けると、其処には上司の姿。
それだけなら、別に驚きは無いが。
上司は、子供のラーメンをフッ~フッ~と覚ましているのだ。
男達は、自分の目を疑う。
本人ですか?
連れの子供に、目を留める。
後ろ姿の、女児は銀髪を二つに分けた三つ編み。
服装は、街娘を装っているが、違和感が有る。
品が良すぎるのだ。
男達が上司に持っている、印象。
男の中の男。
上位貴族の子息ながら、戦場では敵を切り刻み、自分達を勝利に導く。
夜営の、質素な食事にも不平を言わず自分達と、同じ鍋の飯に食らい付く。
酒場では酒を浴びるほど飲み、性的な遊びに喜ぶ。
上司からの、冷たい視線に男達がたじろぐ。
女児も、異変を感じたのだろう。
小さな碗から、ラーメンを啜りながら振り向いた。
ラーメンを啜っているが、絶世の美幼女だ。
ガラガラ~、隊の幹部クラスの男達がラーメンにやって来た。
固まっている、連中の所に行けば上司が居るではないか。
彼は、自分の目を疑う。
上司が居るのは別に良い。
一緒に居るのは・・・・。
彼は、以前キャスル侯爵家で会っているのだ。
「白百合の君!」
「副官さん、今日は」
鈴が鳴る声で、白百合の君が答えてくれる。
いやいや、中佐だって解るだろ!今、王都には召喚の余波で他国の密偵やらが、うじゃうじゃ居るんだよ。
「今日は、白百合の君。今日はバザール市の散策かな?」
「はい」
うん、良い子だ。
サイラス中佐を見ると、見るんじゃねーよ!なんて顔だ。
うん、ラーメンを啜っていても、可愛いね。
ラーメン屋さんで、サイラスの隊の人達に、思わず会いましたが、楽しかったですよ。
普段とは少し違うサイラスの表情を、見る事も出来ましたし。
それに、賑やかな食事は、侯爵家とは違う醍醐味でしたからね。
サイラスとリリィーが、ラーメン屋から立ち去ると、部下達に動揺が起きた。
「白百合の君、何、あの可愛さ!」
「幼女だぞ」
「いやー、幼い子を、自分好みに育てる。ロマンだ!」
「お前ら、うるさい!!」
副官は、頭が痛くなるのを感じた。
今の会話を、サイラスが知れば怒りを買うだろう。
ただし、副官とて成人男子だ。
想像してしまう。
美しい幼女を育て、自分で犯す愉悦。
「よーし!今夜は娼館にいくぞ!!」
「オー!」「オー!」「オー!」
彼らは、リリィーの残香に軽く侵されていたのだ。
ラーメン屋から、噴水広場に向かうと、女の子達が長い列に並んでいた。
「ねえ、何で並んでるの?」
護衛の、1人が答える。
「障害物レースですよ。名物の余興です」
「名物?」
「はい、賞品の星の魔石が目当て何ですよ」
「星の魔石」
「好きな相手に、自分の魔力を入れた星の魔石を渡すと、恋が実るそうです」
「私、出る!出たい!!」
うっ!リリィーは、少し後悔していた、!
どうしよう。勢いで、エントリーしてしまった。
でも、恋が実る星の魔石なんて、ロマンチックだと思った。
賞品の星の魔石は、一組6個がセットになっている。
もし、手に入れられたら、クリフォード、サイラス、フリーゲル、アルフレッドに、プレゼントできると思ったんだもん。
でも、この雰囲気は・・・・(女の戦場)
リリィーは、集団の中でも浮いていた。
着ている服は、街娘で間違いない。
膝下までの小花のワンピースに、アイボリー色のエプロン。
茶色のブーツ。
銀色の髪は三つ編み。
実際、今日のコーディネートは昨夜、大商人ミゲルが納品した品物だ。
幼女の街娘の衣装一式、求む。
侯爵家からの急な注文。
ミゲル(貴族の買い物に登場)は時期的に、バザール市に行くのだと検討し、街娘のお出掛けをテーマにし納品したのだ。
ミゲルは、王都一の商人としての誇りが有る。
それ故に、幼女の街娘に扮する衣装にも拘った。
彼は、幼い『白百合の君』を思い浮かべながら、納める衣装の指示を、部下達に出したのだ。
結果、ちょっとした悪目立ちだ。
ワンピースの小花の配色、絶妙な配分。
アイボリーのエプロンには、生地と同色の刺繍。
ポケットには、白百合のアップリケ。
距離を歩くと想定したブーツの皮は、柔らかな物が選ばれ、サイズ自動調整の魔術が掛けられている。
女性は、他人の衣装やアクセサリーに、敏感だ。それは、年齢が低くても変わらない。
そして貴族家と、平民の家での特長的な立場の違い。
貴族、富豪の家では、夫となる男性達が主導権を握る。
平民、特に下町等は、妻が家のヒエラルキーのトップでなのだ。
今、リリィーの回りに居る少女達は、通常の生活のなかでは限りなく、ヒエラルキーのトップに近い生活をしている。
その様な少女達は、リリィーと言う名の獲物を見つけたのだ。
「若様、お嬢様は大丈夫ですか?」
護衛の1人が、サイラスを伺う。
護衛達の中には、下町の出身の者もいる。
そんな彼は、心配で仕方ないのだ。
彼らは、体験者なのだ。街の女性の恐ろしさの。
「問題無い。ガキの遊びの枠内だ」
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