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化け物たちとの遭遇編
授かりしチート
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【供養碑前】
「おい、その魔獣は死んだか?」
「出血が多くて気を失っている。この様子じゃ半日後にはクタバルだろうがなぁ」
「王都だけじゃなく俺たちの村まで襲うから、こうなるんだ!」
罠の触手に捉えられたロロルカは、右肩と左脇腹、右足の太ももに矢を受けかなりの血を流している。それを囲む現地の者たちの中には、ゲスい考えを持つ者も居た
「肌の色は気味悪い緑色だが…顔と身体は良い感じじゃねーか……せめて死んじまう前に楽しませてもらおうかねぇ(笑)」
「そりゃ良いねぇ。スタイルはかなり良いし…何より美人だしな♪」
矢を放った10数人の内、3人がロロルカの死を確認する為に残っていた。その内の1人が気を失っているロロルカの服を脱がし始めた
「おーおー、ソソる身体してんじゃねーか!まだ死ぬんじゃねーぞ…楽しませろよー」
「ガサッ」その時、彼らの背後で近付く足音
「コハラコ、キィーック!」
ロロルカの服を脱がせていた男に、コハラコが背後から飛び蹴りを食らわせた
「ぐえっ!?」
吹き飛ばされる人間
「なんだァ!?…吸血姫だと?コイツらの仲間か!?」
「コイツもやっちまえ!」
コハラコの後から続く煌びやか服を着た男
「貴様らぁ!何をしておるかっ!…余が王都クラウンの次期当主、キングス王子であーるっ!頭が高いわぁっ!!」
風にマントをなびかせたキングス王子が、その左手を水平に外に伸ばした
「き、キングス王子!?…様?…何故ここに?」
「そんな事よりもだ!貴様ら、ソコの女に何をしていた?正直に言うのだ。下手な言い訳をすれば王都の地下牢が待っておるぞっ!」
「こ、コイツらはクラウンを襲った魔獣と同じ肌をしています。あの獣神の仲間です。ですから討伐しているのです」
人間達はキングス王子に必死の説明(言い訳)をしていた。だがキングス王子は聞く耳無しの様だ
「たわけっ!父上と余が発令した異種族保護法案を知らんのか!ソイツらがお前たちに危害を加えでもしたのか?」
「食材を投棄しに行った若いのが襲われましたし、街道の精霊様へのお供え物を盗られました」
「たわけっ!襲われた者は無傷であった事は確認しておるわ!おおかた、ソイツらは空腹に耐えかねただけであろう!…サーシャ嬢、彼女を治してやってもらえまいか?」
「分かりましたですの。傷口が深いので少し時間が掛かりますの」
サーシャは天使族のチカラで、負傷しているロロルカを癒し始めた
【アリス達】
「それじゃあ、姉さんは彼らの言葉が分かるのかい?」
「うん、分かるよぉ!?カルーアは分からないのぉ?」
どういう訳か魔界になど行った事もなければ、彼らの言葉を習った事もないアリスだけが、彼らと普通に話せている
「頭の良くない姉さんだけが、彼らと会話出来るなんて…どういう事なんだろう??」
「ちょっとカルーア!それって酷くないぃ!」
小馬鹿にされたアリスはプンスカしている。横で考え込んでたヒイロがある事に気が付いた
「そうだ!転移特典(チート)じゃないか!?ほら。転移者は神からチートを授かるって、有栖さんが言ってたろ?」
「ふむ、地球に転移した時に姉さんも何らかのチートを、神様から授かっていると?」
「優輝君も未来視のチカラを貰ってたり、有栖ちゃんも魔法の資質を貰ってたらしいし、ソレにサーシャだって、転移じゃなく蘇りだけど天使族のチカラを貰ってたしな!」
「そう言えば…凄く眠い時に綺麗なお姉さんが「言葉が通じないと不便でしょう。貴女に全言語を理解し操るチカラを与えましょう」…とか言ってた気がするぅ!」
特殊能力(チート)の話が出たことで、転移門の能力(スキル)で地球へと送られている間付き添ってくれた地球神(ガイア)から話された言葉を思い出したアリス
「なるほど!姉さんも地球に行った時に、誰とでも会話が出来る様なチートを神様から授かっていたんだね?だから頭が残念な姉さんだけが彼らと会話出来ていたんだ!」
「ε٩(๑>ω<)۶зもう!カルーアったら、また酷いことを言うんだからあま!…えっ?でも、そうなのぉ!?…あっ!そう言えば最近、モンスターや植物さんの言葉が分かるんだよぉ!」
「あっ!正解だった」
「あぁ、間違いないな」
どうやらヒイロの推測は当たっていたようだ。カルーアに指示されアリスはグルドルとシェルハに対話を試みた
………………………
「あのねぇお兄ちゃん。彼らが4人で農作業をしていたらぁ突然、畑のソコが抜けちゃってぇ…気が付いたらコッチの世界に迷い込んでいたんだってぇ」
「…なるほどな。そういう事なら彼らと争う理由は無いな。良し!キングス王子と合流して、彼らの対処の指示を仰ごう」
「そうだね。それが良いと、わたしも思うよ」
アリスが聞いてくれた話から、キングス王子に合流する事にしたヒイロ。カルーアもソレに賛成した
【近くの集落】
「と、言う訳でだ。この者たちは侵略する為に来た訳ではなく、ファルバァスがこじ開けたゲートの余波が開けた穴に落ち、間違って迷い込んだと言う事だ…良いな!勘違いとは言え、彼らに対してした事は間違いだ!一生懸命お詫びするのだぞ!」
キングス王子の説明で自分達の勘違いだと知った村人たちは、お詫びに出来る限りのお詫びをした
「アリスよ、彼らに伝えて欲しい」
「何て言えば良いのぉ?」
「魔界に帰してやれる術が無い。今後どの様に生活したいか?だ。」
「あのねぇ…王子様も開いたGATEを見たのは初めてだから、魔界への帰り方が分からないんだってぇ。でも、王子様が4人が生きていけるように世話してくれるんだってぇ」
アリスの通訳でその事を聞かされたグルドル達は、どうしたら良いのか?その答えが浮かばなかった
この村の者も肌の違いだけで敵だと思い込み、彼らを攻撃してきたのだから地上に彼らが安心して暮らせる場所が有るのか?
「そうだよなぁ。魔獣の被害にあったクラウンの人とかは、彼らの肌の色を見ただけで拒絶反応しそうだよなぁ…」
ヒイロの言う様に、ファルバァスと同じ肌の色をしている彼らを見たら、いくらキングス王子の言質があったとしても、獣神の恐怖に脅かされた人々が彼らを歓迎できないのは、容易に想像出来てしまう
「そうだ!キウさんの統治する村でお世話になるのはどうかな?確か…ミアナさん以外の人間が居ない他種族で構成されている村だって、ミアナさんが言ってたよね?」
「それだな!良し!クラウンに戻ってキウ殿に聞くのが良かろうな!聞いたか?スグに戻るぞ、馬車の用意を致せ!」
カルーアの提案に同意したキングス王子の号令により、護衛の者たちは馬車の準備を始めた
迷い込んだ4人を助ける為、クラウンで復旧作業をしてくれているキウの元へ向かう事になった。果たしてキウの返事はいかに?
続く
「おい、その魔獣は死んだか?」
「出血が多くて気を失っている。この様子じゃ半日後にはクタバルだろうがなぁ」
「王都だけじゃなく俺たちの村まで襲うから、こうなるんだ!」
罠の触手に捉えられたロロルカは、右肩と左脇腹、右足の太ももに矢を受けかなりの血を流している。それを囲む現地の者たちの中には、ゲスい考えを持つ者も居た
「肌の色は気味悪い緑色だが…顔と身体は良い感じじゃねーか……せめて死んじまう前に楽しませてもらおうかねぇ(笑)」
「そりゃ良いねぇ。スタイルはかなり良いし…何より美人だしな♪」
矢を放った10数人の内、3人がロロルカの死を確認する為に残っていた。その内の1人が気を失っているロロルカの服を脱がし始めた
「おーおー、ソソる身体してんじゃねーか!まだ死ぬんじゃねーぞ…楽しませろよー」
「ガサッ」その時、彼らの背後で近付く足音
「コハラコ、キィーック!」
ロロルカの服を脱がせていた男に、コハラコが背後から飛び蹴りを食らわせた
「ぐえっ!?」
吹き飛ばされる人間
「なんだァ!?…吸血姫だと?コイツらの仲間か!?」
「コイツもやっちまえ!」
コハラコの後から続く煌びやか服を着た男
「貴様らぁ!何をしておるかっ!…余が王都クラウンの次期当主、キングス王子であーるっ!頭が高いわぁっ!!」
風にマントをなびかせたキングス王子が、その左手を水平に外に伸ばした
「き、キングス王子!?…様?…何故ここに?」
「そんな事よりもだ!貴様ら、ソコの女に何をしていた?正直に言うのだ。下手な言い訳をすれば王都の地下牢が待っておるぞっ!」
「こ、コイツらはクラウンを襲った魔獣と同じ肌をしています。あの獣神の仲間です。ですから討伐しているのです」
人間達はキングス王子に必死の説明(言い訳)をしていた。だがキングス王子は聞く耳無しの様だ
「たわけっ!父上と余が発令した異種族保護法案を知らんのか!ソイツらがお前たちに危害を加えでもしたのか?」
「食材を投棄しに行った若いのが襲われましたし、街道の精霊様へのお供え物を盗られました」
「たわけっ!襲われた者は無傷であった事は確認しておるわ!おおかた、ソイツらは空腹に耐えかねただけであろう!…サーシャ嬢、彼女を治してやってもらえまいか?」
「分かりましたですの。傷口が深いので少し時間が掛かりますの」
サーシャは天使族のチカラで、負傷しているロロルカを癒し始めた
【アリス達】
「それじゃあ、姉さんは彼らの言葉が分かるのかい?」
「うん、分かるよぉ!?カルーアは分からないのぉ?」
どういう訳か魔界になど行った事もなければ、彼らの言葉を習った事もないアリスだけが、彼らと普通に話せている
「頭の良くない姉さんだけが、彼らと会話出来るなんて…どういう事なんだろう??」
「ちょっとカルーア!それって酷くないぃ!」
小馬鹿にされたアリスはプンスカしている。横で考え込んでたヒイロがある事に気が付いた
「そうだ!転移特典(チート)じゃないか!?ほら。転移者は神からチートを授かるって、有栖さんが言ってたろ?」
「ふむ、地球に転移した時に姉さんも何らかのチートを、神様から授かっていると?」
「優輝君も未来視のチカラを貰ってたり、有栖ちゃんも魔法の資質を貰ってたらしいし、ソレにサーシャだって、転移じゃなく蘇りだけど天使族のチカラを貰ってたしな!」
「そう言えば…凄く眠い時に綺麗なお姉さんが「言葉が通じないと不便でしょう。貴女に全言語を理解し操るチカラを与えましょう」…とか言ってた気がするぅ!」
特殊能力(チート)の話が出たことで、転移門の能力(スキル)で地球へと送られている間付き添ってくれた地球神(ガイア)から話された言葉を思い出したアリス
「なるほど!姉さんも地球に行った時に、誰とでも会話が出来る様なチートを神様から授かっていたんだね?だから頭が残念な姉さんだけが彼らと会話出来ていたんだ!」
「ε٩(๑>ω<)۶зもう!カルーアったら、また酷いことを言うんだからあま!…えっ?でも、そうなのぉ!?…あっ!そう言えば最近、モンスターや植物さんの言葉が分かるんだよぉ!」
「あっ!正解だった」
「あぁ、間違いないな」
どうやらヒイロの推測は当たっていたようだ。カルーアに指示されアリスはグルドルとシェルハに対話を試みた
………………………
「あのねぇお兄ちゃん。彼らが4人で農作業をしていたらぁ突然、畑のソコが抜けちゃってぇ…気が付いたらコッチの世界に迷い込んでいたんだってぇ」
「…なるほどな。そういう事なら彼らと争う理由は無いな。良し!キングス王子と合流して、彼らの対処の指示を仰ごう」
「そうだね。それが良いと、わたしも思うよ」
アリスが聞いてくれた話から、キングス王子に合流する事にしたヒイロ。カルーアもソレに賛成した
【近くの集落】
「と、言う訳でだ。この者たちは侵略する為に来た訳ではなく、ファルバァスがこじ開けたゲートの余波が開けた穴に落ち、間違って迷い込んだと言う事だ…良いな!勘違いとは言え、彼らに対してした事は間違いだ!一生懸命お詫びするのだぞ!」
キングス王子の説明で自分達の勘違いだと知った村人たちは、お詫びに出来る限りのお詫びをした
「アリスよ、彼らに伝えて欲しい」
「何て言えば良いのぉ?」
「魔界に帰してやれる術が無い。今後どの様に生活したいか?だ。」
「あのねぇ…王子様も開いたGATEを見たのは初めてだから、魔界への帰り方が分からないんだってぇ。でも、王子様が4人が生きていけるように世話してくれるんだってぇ」
アリスの通訳でその事を聞かされたグルドル達は、どうしたら良いのか?その答えが浮かばなかった
この村の者も肌の違いだけで敵だと思い込み、彼らを攻撃してきたのだから地上に彼らが安心して暮らせる場所が有るのか?
「そうだよなぁ。魔獣の被害にあったクラウンの人とかは、彼らの肌の色を見ただけで拒絶反応しそうだよなぁ…」
ヒイロの言う様に、ファルバァスと同じ肌の色をしている彼らを見たら、いくらキングス王子の言質があったとしても、獣神の恐怖に脅かされた人々が彼らを歓迎できないのは、容易に想像出来てしまう
「そうだ!キウさんの統治する村でお世話になるのはどうかな?確か…ミアナさん以外の人間が居ない他種族で構成されている村だって、ミアナさんが言ってたよね?」
「それだな!良し!クラウンに戻ってキウ殿に聞くのが良かろうな!聞いたか?スグに戻るぞ、馬車の用意を致せ!」
カルーアの提案に同意したキングス王子の号令により、護衛の者たちは馬車の準備を始めた
迷い込んだ4人を助ける為、クラウンで復旧作業をしてくれているキウの元へ向かう事になった。果たしてキウの返事はいかに?
続く
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