ようこそ幼い嫁候補たち ②

龍之介21時

文字の大きさ
109 / 170
化け物たちとの遭遇編

決意するホロワーズ

しおりを挟む
【ヘルメスの街 冒険者ギルド内】
受け付けであるカウンターでは、受付嬢達と冒険者達との間で口論が繰り返されていた

「どうなっているんだ!?俺たちBランク4人で同ランククエストに向かったがよぉ!魔物共が強すぎて、俺たちゃ命からがら逃げ延びたんだぞ!決断が遅れたら全滅もあったんだ!」

「そうですよ!もう1人の仲間のリンクは腕を折られて入院しちゃったのよ!」

「ですから!2度の獣神出現の影響で、魔物達の強さが大きく変化している地域が多数報告されていますので、ギルド側もその詳細は掴み切れないんです」

「ふざけんなよっ!俺たちゃアンタらの情報頼りで生命賭けてんだ!誤報クエストで死ねるかよっ!?」


昨日、アルバート家の三姉妹達を中心にした調査隊が向かった古代遺跡の周辺でも、影響を受けた魔物の討伐難易度は激変している
それが世界中のアチコチで同時発生しているのだから、流石のギルドもその詳細を掴み切れるハズなどなかった

「おーおー、今日は荒れてんねー。まぁ生命あっての冒険者だから、分からなくも無いけどね」

今、冒険者ギルドに入ってきた2人は【ホロワーズ】のマリリンとペコラン

「なにを呑気に言ってるピョン!カナタンが修行を受けるのに、アルバート家に泊まり込みになっちゃったピョン。帰ってくるまでどうするピョンよ?」

「そぉだねーどうしよっかねぇ?…そうだ!カナタンが帰るまで宿に籠って私とペコランの愛を深めるっていうのはどうよ?良くない?」

「Σ( ˙꒳​˙  )んなっ!?良くないピョン!てめぇ、ふざけてんじゃねーピョン!」

マリリンとペコランがじゃれあっていた時、新たに3人の冒険者がギルドに入ってきた

「おはようございます。ミャンジャムですわ…あらあら?騒がしい様子ですね」

「難しいクエストかな?僕たちに頼みたいクエストとか有るかい?」

「ウチらあんまキツくなさそうなところを適当に~。ゆるふわなのが良いどすなー」

聖騎士隊のミャンジャム、アドル、メリーズが現れた。リーダーのミャンジャムはギルドが混乱しているだろう。と予測し、高難易度のクエストを受けにやってきたのだ

「さっきの話だけどさ。カナタンが帰るまで、私たちも真面目に働いてみよーか?」

「どういう事ピョン?」

マリリンはミャンジャムに話しかけた

「こんにちは。あの、宜しかったらクエストに同行させて貰えませんか?荷物持ちでも何でもしますから!」

「そういう事でしたら、同行して頂けると助かりますわ。私(ワタクシ)達も戦闘に専念できますからね♪」

「安心してください!危険な目に合いそうになったら、僕が2人を守りますよ」

ミャンジャムは快く受け入れた。アドルは下のランクの冒険者の2人(マリリンとペコラン)を気遣うのだが…

「ねー、アドルはん。あんまり可愛い娘に良い顔し過ぎないほうが良いと思いますえ?うちらのお姫様がカンカンになってますえ」
 

「えっ!?僕良くないこと言ったかなミャンジャム?……うわっ!?」

朴念仁のアドルは鈍くて気付くのが遅れたが、マリリン達に笑顔を振り撒いて調子の善い言葉を並べたアドルの言葉に、目付きが鋭くなっているミャンジャムだった

「昨日行った古代遺跡周辺の魔物の中期討伐に向かうぴょんね!水と食料とポーションの調達は私たちでやっておくピョン!」

「そうしてくれると助かるわ。メリーズ!財布のお金、半分預けるから2人の買い物に付いて行ってあげて」

「はいなー……2人キリだからって、あんまり楽しみ過ぎちゃアカンよ(笑)」

「ばっ!?何言ってるのよ!そんな事するハズないでしょ!…早く行きなさいよ、もう!」

メリーズにからかわれたミャンジャムは、けしかけるように彼女たちを追い出した

「真面目な話しさ。3人との合流まで2時間あるけど、僕らはどうしてるんだい?」

「街の周辺の調査をしましょう!凶暴化した魔物が迷い込んで来るとも限らないでしょ?」

「そうだね。塀の外の足跡でも調べようか?最近は頭のまわる魔物も多いからね。下見に来てるヤツがいるかも知れないね」

メリーズの期待を裏切る様にミャンジャムとアドルは、実に真面目に冒険者としての本分に向かい合った



【エルドラ山脈への道中】
エルドラ山脈には、三姉妹も鉱石の採取で過去に数回訪れていた

「ようやくぅ、半分くらい来たねぇ。この辺の魔物さん達も強くなってるのかなぁ?」

「分からないけど、そうなっている可能性は考慮しておいた方が良いだろうね。頼むよ姉さん!」

「うん!頑張るよぉ!」

最近、常にプラスで誰かが居る状態が多かったのだが、三姉妹は実に久しぶりに少人数でのクエストに向かっていた

「ハイラも久しぶりにアリスお姉様を乗せての旅に嬉しそうですの」

「ワオーん♪」

狼(ハイラ)は背にアリスを乗せて、サーシャが手綱を握る馬にカルーアが乗り、サーシャにしがみつく形で移動していた

「あの、カルーアお姉様?」

「どうかしたかい?サーシャ…」

何か問題でも起きたのかと心配し、サーシャに質問したカルーアだが…

「カルーアお姉様…もっとチカラ強く身体を密着してくださると、サーシャは凄く幸せなのですの♪」

「ゴツッ!」

「馬鹿なこと言ってんじゃないよ!もう、エリエスさんに笑われてるよ…」

「くすくす…皆さん本当に仲が良いんですね。血が繋がってなくても楽しそうで羨ましいです」

エリエスは祖父から借りた、クラウン城のVIP御用達の高級馬にまたがり併走している。彼女が乗っている馬は、体格、髪ツヤ、賢そうな顔立ち。どれをとっても冒険者が飼うモノとは風格が違った


「んあっ!?みんな止まってぇ!」

その後、間もなく狼(ハイラ)とアリスがほぼ同時に、前方に何かの匂いを捉え停止した

「魔物かい?姉さん…」

前方の林の間から5体の魔物が、三姉妹達に近付いてきた。どうやらアリスの嗅覚は、野生の狼であるハイラと同レベルのようだ
素早く馬から降りたエリエスは、自慢のエクスカリバー【ロマーニャ】を握り締めた



続く
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

乳首当てゲーム

はこスミレ
恋愛
会社の同僚に、思わず口に出た「乳首当てゲームしたい」という独り言を聞かれた話。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

なほ
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

処理中です...