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化け物たちとの遭遇編
決意するホロワーズ
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【ヘルメスの街 冒険者ギルド内】
受け付けであるカウンターでは、受付嬢達と冒険者達との間で口論が繰り返されていた
「どうなっているんだ!?俺たちBランク4人で同ランククエストに向かったがよぉ!魔物共が強すぎて、俺たちゃ命からがら逃げ延びたんだぞ!決断が遅れたら全滅もあったんだ!」
「そうですよ!もう1人の仲間のリンクは腕を折られて入院しちゃったのよ!」
「ですから!2度の獣神出現の影響で、魔物達の強さが大きく変化している地域が多数報告されていますので、ギルド側もその詳細は掴み切れないんです」
「ふざけんなよっ!俺たちゃアンタらの情報頼りで生命賭けてんだ!誤報クエストで死ねるかよっ!?」
昨日、アルバート家の三姉妹達を中心にした調査隊が向かった古代遺跡の周辺でも、影響を受けた魔物の討伐難易度は激変している
それが世界中のアチコチで同時発生しているのだから、流石のギルドもその詳細を掴み切れるハズなどなかった
「おーおー、今日は荒れてんねー。まぁ生命あっての冒険者だから、分からなくも無いけどね」
今、冒険者ギルドに入ってきた2人は【ホロワーズ】のマリリンとペコラン
「なにを呑気に言ってるピョン!カナタンが修行を受けるのに、アルバート家に泊まり込みになっちゃったピョン。帰ってくるまでどうするピョンよ?」
「そぉだねーどうしよっかねぇ?…そうだ!カナタンが帰るまで宿に籠って私とペコランの愛を深めるっていうのはどうよ?良くない?」
「Σ( ˙꒳˙ )んなっ!?良くないピョン!てめぇ、ふざけてんじゃねーピョン!」
マリリンとペコランがじゃれあっていた時、新たに3人の冒険者がギルドに入ってきた
「おはようございます。ミャンジャムですわ…あらあら?騒がしい様子ですね」
「難しいクエストかな?僕たちに頼みたいクエストとか有るかい?」
「ウチらあんまキツくなさそうなところを適当に~。ゆるふわなのが良いどすなー」
聖騎士隊のミャンジャム、アドル、メリーズが現れた。リーダーのミャンジャムはギルドが混乱しているだろう。と予測し、高難易度のクエストを受けにやってきたのだ
「さっきの話だけどさ。カナタンが帰るまで、私たちも真面目に働いてみよーか?」
「どういう事ピョン?」
マリリンはミャンジャムに話しかけた
「こんにちは。あの、宜しかったらクエストに同行させて貰えませんか?荷物持ちでも何でもしますから!」
「そういう事でしたら、同行して頂けると助かりますわ。私(ワタクシ)達も戦闘に専念できますからね♪」
「安心してください!危険な目に合いそうになったら、僕が2人を守りますよ」
ミャンジャムは快く受け入れた。アドルは下のランクの冒険者の2人(マリリンとペコラン)を気遣うのだが…
「ねー、アドルはん。あんまり可愛い娘に良い顔し過ぎないほうが良いと思いますえ?うちらのお姫様がカンカンになってますえ」
「えっ!?僕良くないこと言ったかなミャンジャム?……うわっ!?」
朴念仁のアドルは鈍くて気付くのが遅れたが、マリリン達に笑顔を振り撒いて調子の善い言葉を並べたアドルの言葉に、目付きが鋭くなっているミャンジャムだった
「昨日行った古代遺跡周辺の魔物の中期討伐に向かうぴょんね!水と食料とポーションの調達は私たちでやっておくピョン!」
「そうしてくれると助かるわ。メリーズ!財布のお金、半分預けるから2人の買い物に付いて行ってあげて」
「はいなー……2人キリだからって、あんまり楽しみ過ぎちゃアカンよ(笑)」
「ばっ!?何言ってるのよ!そんな事するハズないでしょ!…早く行きなさいよ、もう!」
メリーズにからかわれたミャンジャムは、けしかけるように彼女たちを追い出した
「真面目な話しさ。3人との合流まで2時間あるけど、僕らはどうしてるんだい?」
「街の周辺の調査をしましょう!凶暴化した魔物が迷い込んで来るとも限らないでしょ?」
「そうだね。塀の外の足跡でも調べようか?最近は頭のまわる魔物も多いからね。下見に来てるヤツがいるかも知れないね」
メリーズの期待を裏切る様にミャンジャムとアドルは、実に真面目に冒険者としての本分に向かい合った
【エルドラ山脈への道中】
エルドラ山脈には、三姉妹も鉱石の採取で過去に数回訪れていた
「ようやくぅ、半分くらい来たねぇ。この辺の魔物さん達も強くなってるのかなぁ?」
「分からないけど、そうなっている可能性は考慮しておいた方が良いだろうね。頼むよ姉さん!」
「うん!頑張るよぉ!」
最近、常にプラスで誰かが居る状態が多かったのだが、三姉妹は実に久しぶりに少人数でのクエストに向かっていた
「ハイラも久しぶりにアリスお姉様を乗せての旅に嬉しそうですの」
「ワオーん♪」
狼(ハイラ)は背にアリスを乗せて、サーシャが手綱を握る馬にカルーアが乗り、サーシャにしがみつく形で移動していた
「あの、カルーアお姉様?」
「どうかしたかい?サーシャ…」
何か問題でも起きたのかと心配し、サーシャに質問したカルーアだが…
「カルーアお姉様…もっとチカラ強く身体を密着してくださると、サーシャは凄く幸せなのですの♪」
「ゴツッ!」
「馬鹿なこと言ってんじゃないよ!もう、エリエスさんに笑われてるよ…」
「くすくす…皆さん本当に仲が良いんですね。血が繋がってなくても楽しそうで羨ましいです」
エリエスは祖父から借りた、クラウン城のVIP御用達の高級馬にまたがり併走している。彼女が乗っている馬は、体格、髪ツヤ、賢そうな顔立ち。どれをとっても冒険者が飼うモノとは風格が違った
「んあっ!?みんな止まってぇ!」
その後、間もなく狼(ハイラ)とアリスがほぼ同時に、前方に何かの匂いを捉え停止した
「魔物かい?姉さん…」
前方の林の間から5体の魔物が、三姉妹達に近付いてきた。どうやらアリスの嗅覚は、野生の狼であるハイラと同レベルのようだ
素早く馬から降りたエリエスは、自慢のエクスカリバー【ロマーニャ】を握り締めた
続く
受け付けであるカウンターでは、受付嬢達と冒険者達との間で口論が繰り返されていた
「どうなっているんだ!?俺たちBランク4人で同ランククエストに向かったがよぉ!魔物共が強すぎて、俺たちゃ命からがら逃げ延びたんだぞ!決断が遅れたら全滅もあったんだ!」
「そうですよ!もう1人の仲間のリンクは腕を折られて入院しちゃったのよ!」
「ですから!2度の獣神出現の影響で、魔物達の強さが大きく変化している地域が多数報告されていますので、ギルド側もその詳細は掴み切れないんです」
「ふざけんなよっ!俺たちゃアンタらの情報頼りで生命賭けてんだ!誤報クエストで死ねるかよっ!?」
昨日、アルバート家の三姉妹達を中心にした調査隊が向かった古代遺跡の周辺でも、影響を受けた魔物の討伐難易度は激変している
それが世界中のアチコチで同時発生しているのだから、流石のギルドもその詳細を掴み切れるハズなどなかった
「おーおー、今日は荒れてんねー。まぁ生命あっての冒険者だから、分からなくも無いけどね」
今、冒険者ギルドに入ってきた2人は【ホロワーズ】のマリリンとペコラン
「なにを呑気に言ってるピョン!カナタンが修行を受けるのに、アルバート家に泊まり込みになっちゃったピョン。帰ってくるまでどうするピョンよ?」
「そぉだねーどうしよっかねぇ?…そうだ!カナタンが帰るまで宿に籠って私とペコランの愛を深めるっていうのはどうよ?良くない?」
「Σ( ˙꒳˙ )んなっ!?良くないピョン!てめぇ、ふざけてんじゃねーピョン!」
マリリンとペコランがじゃれあっていた時、新たに3人の冒険者がギルドに入ってきた
「おはようございます。ミャンジャムですわ…あらあら?騒がしい様子ですね」
「難しいクエストかな?僕たちに頼みたいクエストとか有るかい?」
「ウチらあんまキツくなさそうなところを適当に~。ゆるふわなのが良いどすなー」
聖騎士隊のミャンジャム、アドル、メリーズが現れた。リーダーのミャンジャムはギルドが混乱しているだろう。と予測し、高難易度のクエストを受けにやってきたのだ
「さっきの話だけどさ。カナタンが帰るまで、私たちも真面目に働いてみよーか?」
「どういう事ピョン?」
マリリンはミャンジャムに話しかけた
「こんにちは。あの、宜しかったらクエストに同行させて貰えませんか?荷物持ちでも何でもしますから!」
「そういう事でしたら、同行して頂けると助かりますわ。私(ワタクシ)達も戦闘に専念できますからね♪」
「安心してください!危険な目に合いそうになったら、僕が2人を守りますよ」
ミャンジャムは快く受け入れた。アドルは下のランクの冒険者の2人(マリリンとペコラン)を気遣うのだが…
「ねー、アドルはん。あんまり可愛い娘に良い顔し過ぎないほうが良いと思いますえ?うちらのお姫様がカンカンになってますえ」
「えっ!?僕良くないこと言ったかなミャンジャム?……うわっ!?」
朴念仁のアドルは鈍くて気付くのが遅れたが、マリリン達に笑顔を振り撒いて調子の善い言葉を並べたアドルの言葉に、目付きが鋭くなっているミャンジャムだった
「昨日行った古代遺跡周辺の魔物の中期討伐に向かうぴょんね!水と食料とポーションの調達は私たちでやっておくピョン!」
「そうしてくれると助かるわ。メリーズ!財布のお金、半分預けるから2人の買い物に付いて行ってあげて」
「はいなー……2人キリだからって、あんまり楽しみ過ぎちゃアカンよ(笑)」
「ばっ!?何言ってるのよ!そんな事するハズないでしょ!…早く行きなさいよ、もう!」
メリーズにからかわれたミャンジャムは、けしかけるように彼女たちを追い出した
「真面目な話しさ。3人との合流まで2時間あるけど、僕らはどうしてるんだい?」
「街の周辺の調査をしましょう!凶暴化した魔物が迷い込んで来るとも限らないでしょ?」
「そうだね。塀の外の足跡でも調べようか?最近は頭のまわる魔物も多いからね。下見に来てるヤツがいるかも知れないね」
メリーズの期待を裏切る様にミャンジャムとアドルは、実に真面目に冒険者としての本分に向かい合った
【エルドラ山脈への道中】
エルドラ山脈には、三姉妹も鉱石の採取で過去に数回訪れていた
「ようやくぅ、半分くらい来たねぇ。この辺の魔物さん達も強くなってるのかなぁ?」
「分からないけど、そうなっている可能性は考慮しておいた方が良いだろうね。頼むよ姉さん!」
「うん!頑張るよぉ!」
最近、常にプラスで誰かが居る状態が多かったのだが、三姉妹は実に久しぶりに少人数でのクエストに向かっていた
「ハイラも久しぶりにアリスお姉様を乗せての旅に嬉しそうですの」
「ワオーん♪」
狼(ハイラ)は背にアリスを乗せて、サーシャが手綱を握る馬にカルーアが乗り、サーシャにしがみつく形で移動していた
「あの、カルーアお姉様?」
「どうかしたかい?サーシャ…」
何か問題でも起きたのかと心配し、サーシャに質問したカルーアだが…
「カルーアお姉様…もっとチカラ強く身体を密着してくださると、サーシャは凄く幸せなのですの♪」
「ゴツッ!」
「馬鹿なこと言ってんじゃないよ!もう、エリエスさんに笑われてるよ…」
「くすくす…皆さん本当に仲が良いんですね。血が繋がってなくても楽しそうで羨ましいです」
エリエスは祖父から借りた、クラウン城のVIP御用達の高級馬にまたがり併走している。彼女が乗っている馬は、体格、髪ツヤ、賢そうな顔立ち。どれをとっても冒険者が飼うモノとは風格が違った
「んあっ!?みんな止まってぇ!」
その後、間もなく狼(ハイラ)とアリスがほぼ同時に、前方に何かの匂いを捉え停止した
「魔物かい?姉さん…」
前方の林の間から5体の魔物が、三姉妹達に近付いてきた。どうやらアリスの嗅覚は、野生の狼であるハイラと同レベルのようだ
素早く馬から降りたエリエスは、自慢のエクスカリバー【ロマーニャ】を握り締めた
続く
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