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化け物たちとの遭遇編
魔界より訪れし者
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【山頂の一軒家】
サーシャはカルーア、アリス、エリエスと1人ずつ一軒家の中へ運んだ
「んぅ…ここは、何処だい!?」
最初に目を覚ましたのはカルーアだった
サーシャは2つあるベッドのそれぞれに、アリスとエリエスを寝かせると2人に疲労回復の魔法を使い始めた
……………………………………………
「そうだったんだ…みんなには迷惑を掛けてしまったみたいだね。…サーシャ、みんなへの食事なんだけど、今回はわたしが作っても良いかな?」
「えっ?カルーアお姉様の手作り料理ですの?…やったぁ!久しぶりにお姉様の料理が味わえますの!サーシャ嬉しいですの!」
「ははは…わたしが作るよりもサーシャの方がずっと料理上手いんだけどね…迷惑掛けたし作りたくなったんだ」
料理が好きなサーシャは、普段は2人の姉を気遣い自分が食事の用意をする事が多いので、久しぶりに食べられるカルーアの料理に、すっかりテンションが上がっていた
「うんうん、美味しいですの♪」
「そ、そうかい?ありがとうね」
「それでですね!その時アリスお姉さまが…」
「(/// ^///)エリエスちゃん!恥ずかしいから、もぉ良いよォ…」
メイジリッチーとゴーストを倒した彼女たちはこの後、カルーアの野菜メインの料理を楽しみ、傷と疲労の深いアリスとエリエスは、サーシャの回復魔法で癒され明日の【ハイミスリル】の採取の為に早めの就寝をする事にした
【ベイの城】
その頃、徳川有栖に2人の見届け人を務めてもらう事になったベイとアナンナが、ベイの私室で話をしていた
私室とは言え、この部屋は城主であるベイ・ガウザーの部屋。30畳ほどの広い部屋と書斎、風呂、トイレが個別に備わっている。どの部屋も広く煌びやかな装飾が控えめに飾られている
「俺との結婚を受け入れてくれてありがとうアナンナ。心から感謝を述べたい。そこでだ。前からこの部屋は広すぎてな、ひとりで居るのは少し…寂しく思う時もあってだな…その、なんだ…一緒に住んでくれると嬉しいんだが…」
普段は覇王色全開のベイだが、私室に特定の若い女性と2人きり。そんな場面に慣れてない彼は、かなり照れながらアナンナに同室生活を提案していた
「有り難いお言葉です。私も…ベイ様の妻となる身であればこそ…いつも、お側でお世話いたしたいと…思っています…早速、準備に入りますね。1時間ほどお待ちください」
ベイにしては、かなり勇気を出した申し出だったのだが……彼の予想とは裏腹にアナンナは二言返事で彼の申し出を受け入れ、女性にしては少なめの彼女の荷物を取りに自室に戻って行った
「ふうぅ.......まさか、この俺がこんなに緊張する事になるとはな……おっといかん。1時間後くらいには戻って来ると言っていたな…アナンナの為に少し部屋を整理しておくとするか…まぁ、礼儀と言うやつだな…」
むろん男女間の気遣いになど全く慣れていない彼だが、彼なりにアナンナの為にアレコレと気を使っているようだ
部下から聞いていた「女の支度と買い物は時間が掛かるもの」その言葉を思い出したベイは、彼女に居住スペースを与える為に部屋の片付けをして待つことにした
【古代遺跡付近の森】
【聖騎士勇者隊】のミャンジャム、アドル、メリーズと【ホロワーズ】のマリリン、ペコランの5人は前に冒険者ギルドで揉めていた4人パーティが「とんでもない強さの魔物たちと遭遇した」と言っていた古代遺跡の西側にある森林地帯にやって来ていた
「ねー、ミャンジャムさん達。今からその森に入るのー?なんか、ヤバそうな気がすんだよねぇ…」
「マリリンはいい加減な奴ピョンだけど、コイツの悪い予感は良く当たるピョン!」
【ヘルメスの街】から西方向は、海岸線に到達する400kmほど先までこの街と近い規模の大きな街が存在していない。小さな村が細々とあるだけだ
王都クラウンやイシス王国、ドルイド王国のような城も存在していない為、ヘルメスの冒険者ギルドは街から西方の依頼をほぼ一手に請け負っていた
「お気持ちは分かりますが…最近このエリアの魔物の凶暴化による被害は、周辺地域と比較しても無視できない甚大さです」
「小耳に挟んだ話なんだけどさ、最近この先の小さな村が魔物に襲われてひとつ地図から姿を消したらしいよ。放っておけないよね?」
「それは放ってはおけないね。僕たちで早く被害を食い止めないと!」
Aランクのマリリンは悪い予感を感じ、Bランクのペコランは安全策を取りたがってはいたが…
パーティの3人全員がSランクである【聖騎士勇者隊】の3人は一刻も早く解決する方向になっていた
「はー、しゃーないか!御三方みんな強いもんねー。私たちは邪魔しない程度に付いていくからさ、強いのが出たら頼らせてもらうかんね」
どうにも、少年漫画の愛と勇気と勝利が似合うような雰囲気の3人に、無難で安全な方法は選択してくれそうに無い事を悟り諦めたマリリンだった
「ぴょぴょーん!3時の方角から強い魔物の集団が襲ってくるピョン!迎撃準備をするピョン!」
突然森の奥を指差し、魔物達の襲来を予測したペコラン
「【聖騎士勇者隊】の皆さん、マジで頼みますからねー。私はペコランの護衛に徹底しますから!」
「了解です!僕たちに任せてください!」
強い魔物の群れの襲来にペコランの護衛に専念するマリリン。アドルはミャンジャムと共に前衛を張り、氷の魔法使いメリーズがその後方に陣取った
「なっ!?コイツらはいったい何者なのっ!?」
3人の先頭に居たミャンジャムは、襲い来る魔物の姿を見て驚いた
「フシュルルル…」
魔物は2足歩行である点は人型だが、目が飛び出ていて全身が鎧の様な甲羅に覆われていて、右手は蟹の爪の様の形だった。そのくせ左手は人のソレだった
「ヤバいのが現れましたなぁ…2人とも、ソイツらはおそらく魔界の魔物です…離れてても臭いますね~魔界の魔物の独特の匂いが漂ってますな~鼻が曲がってしまいますえw」
「魔界の魔物?…でも!僕たちで倒さなくちゃならないよね!」
どういう訳か、魔物達がこの世界の者たちではなく魔界の魔物だと即座に判断したメリーズ
「アドル、メリーズ。敵の数が多いですわ。焦らず冷静にキッチリ倒していきましょう!ホロワーズの御二人は、常にメリーズの後方でサポートに専念してください!」
「元からそのつもりさ」
「みんな、マリリン…本当に頼むピョン…」
前方から歩み寄る蟹モドキの魔物は20体近く居るようだ。ミャンジャム達は思わぬ強敵との遭遇に緊張していた
続く
サーシャはカルーア、アリス、エリエスと1人ずつ一軒家の中へ運んだ
「んぅ…ここは、何処だい!?」
最初に目を覚ましたのはカルーアだった
サーシャは2つあるベッドのそれぞれに、アリスとエリエスを寝かせると2人に疲労回復の魔法を使い始めた
……………………………………………
「そうだったんだ…みんなには迷惑を掛けてしまったみたいだね。…サーシャ、みんなへの食事なんだけど、今回はわたしが作っても良いかな?」
「えっ?カルーアお姉様の手作り料理ですの?…やったぁ!久しぶりにお姉様の料理が味わえますの!サーシャ嬉しいですの!」
「ははは…わたしが作るよりもサーシャの方がずっと料理上手いんだけどね…迷惑掛けたし作りたくなったんだ」
料理が好きなサーシャは、普段は2人の姉を気遣い自分が食事の用意をする事が多いので、久しぶりに食べられるカルーアの料理に、すっかりテンションが上がっていた
「うんうん、美味しいですの♪」
「そ、そうかい?ありがとうね」
「それでですね!その時アリスお姉さまが…」
「(/// ^///)エリエスちゃん!恥ずかしいから、もぉ良いよォ…」
メイジリッチーとゴーストを倒した彼女たちはこの後、カルーアの野菜メインの料理を楽しみ、傷と疲労の深いアリスとエリエスは、サーシャの回復魔法で癒され明日の【ハイミスリル】の採取の為に早めの就寝をする事にした
【ベイの城】
その頃、徳川有栖に2人の見届け人を務めてもらう事になったベイとアナンナが、ベイの私室で話をしていた
私室とは言え、この部屋は城主であるベイ・ガウザーの部屋。30畳ほどの広い部屋と書斎、風呂、トイレが個別に備わっている。どの部屋も広く煌びやかな装飾が控えめに飾られている
「俺との結婚を受け入れてくれてありがとうアナンナ。心から感謝を述べたい。そこでだ。前からこの部屋は広すぎてな、ひとりで居るのは少し…寂しく思う時もあってだな…その、なんだ…一緒に住んでくれると嬉しいんだが…」
普段は覇王色全開のベイだが、私室に特定の若い女性と2人きり。そんな場面に慣れてない彼は、かなり照れながらアナンナに同室生活を提案していた
「有り難いお言葉です。私も…ベイ様の妻となる身であればこそ…いつも、お側でお世話いたしたいと…思っています…早速、準備に入りますね。1時間ほどお待ちください」
ベイにしては、かなり勇気を出した申し出だったのだが……彼の予想とは裏腹にアナンナは二言返事で彼の申し出を受け入れ、女性にしては少なめの彼女の荷物を取りに自室に戻って行った
「ふうぅ.......まさか、この俺がこんなに緊張する事になるとはな……おっといかん。1時間後くらいには戻って来ると言っていたな…アナンナの為に少し部屋を整理しておくとするか…まぁ、礼儀と言うやつだな…」
むろん男女間の気遣いになど全く慣れていない彼だが、彼なりにアナンナの為にアレコレと気を使っているようだ
部下から聞いていた「女の支度と買い物は時間が掛かるもの」その言葉を思い出したベイは、彼女に居住スペースを与える為に部屋の片付けをして待つことにした
【古代遺跡付近の森】
【聖騎士勇者隊】のミャンジャム、アドル、メリーズと【ホロワーズ】のマリリン、ペコランの5人は前に冒険者ギルドで揉めていた4人パーティが「とんでもない強さの魔物たちと遭遇した」と言っていた古代遺跡の西側にある森林地帯にやって来ていた
「ねー、ミャンジャムさん達。今からその森に入るのー?なんか、ヤバそうな気がすんだよねぇ…」
「マリリンはいい加減な奴ピョンだけど、コイツの悪い予感は良く当たるピョン!」
【ヘルメスの街】から西方向は、海岸線に到達する400kmほど先までこの街と近い規模の大きな街が存在していない。小さな村が細々とあるだけだ
王都クラウンやイシス王国、ドルイド王国のような城も存在していない為、ヘルメスの冒険者ギルドは街から西方の依頼をほぼ一手に請け負っていた
「お気持ちは分かりますが…最近このエリアの魔物の凶暴化による被害は、周辺地域と比較しても無視できない甚大さです」
「小耳に挟んだ話なんだけどさ、最近この先の小さな村が魔物に襲われてひとつ地図から姿を消したらしいよ。放っておけないよね?」
「それは放ってはおけないね。僕たちで早く被害を食い止めないと!」
Aランクのマリリンは悪い予感を感じ、Bランクのペコランは安全策を取りたがってはいたが…
パーティの3人全員がSランクである【聖騎士勇者隊】の3人は一刻も早く解決する方向になっていた
「はー、しゃーないか!御三方みんな強いもんねー。私たちは邪魔しない程度に付いていくからさ、強いのが出たら頼らせてもらうかんね」
どうにも、少年漫画の愛と勇気と勝利が似合うような雰囲気の3人に、無難で安全な方法は選択してくれそうに無い事を悟り諦めたマリリンだった
「ぴょぴょーん!3時の方角から強い魔物の集団が襲ってくるピョン!迎撃準備をするピョン!」
突然森の奥を指差し、魔物達の襲来を予測したペコラン
「【聖騎士勇者隊】の皆さん、マジで頼みますからねー。私はペコランの護衛に徹底しますから!」
「了解です!僕たちに任せてください!」
強い魔物の群れの襲来にペコランの護衛に専念するマリリン。アドルはミャンジャムと共に前衛を張り、氷の魔法使いメリーズがその後方に陣取った
「なっ!?コイツらはいったい何者なのっ!?」
3人の先頭に居たミャンジャムは、襲い来る魔物の姿を見て驚いた
「フシュルルル…」
魔物は2足歩行である点は人型だが、目が飛び出ていて全身が鎧の様な甲羅に覆われていて、右手は蟹の爪の様の形だった。そのくせ左手は人のソレだった
「ヤバいのが現れましたなぁ…2人とも、ソイツらはおそらく魔界の魔物です…離れてても臭いますね~魔界の魔物の独特の匂いが漂ってますな~鼻が曲がってしまいますえw」
「魔界の魔物?…でも!僕たちで倒さなくちゃならないよね!」
どういう訳か、魔物達がこの世界の者たちではなく魔界の魔物だと即座に判断したメリーズ
「アドル、メリーズ。敵の数が多いですわ。焦らず冷静にキッチリ倒していきましょう!ホロワーズの御二人は、常にメリーズの後方でサポートに専念してください!」
「元からそのつもりさ」
「みんな、マリリン…本当に頼むピョン…」
前方から歩み寄る蟹モドキの魔物は20体近く居るようだ。ミャンジャム達は思わぬ強敵との遭遇に緊張していた
続く
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