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憎奪戦争編
秘密結社ホロミナティ
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【秘密結社ホロミナティ】
ヘルメスの街から東へ約150km行くと工芸の街【スズカ】がある
王都クラウンから南東へ約80kmの地点に【アレクス城】があり、ソコから更に南東へ80km程の地点に【マリニウム国】がある
スズカとマリニウム国の間に拡がる大山岳地帯の奥深くに、1箇所だけ山の無い森林地帯があった
「こんな山奥に精霊魔法による認識阻害(ハードゥーン)に護られた巨大遺跡が有るなんて……怪しいですよー!調べてくださーい!って言ってるようなモノですよね♪」
その巨大遺跡の前に立ち、入り口を封鎖している魔法の解呪方法を調べている女性【コヨリィ】
彼女は、白衣に身を包んだ20歳過ぎくらいのキツネ科の身体で、まるで学者のような服装と口調をしている
「あんさコヨリィ。丁寧に魔法を解かなくてもさ、ノエールの【ギガントハンマー】で粉微塵にすれば良くねーけ?」
もう1人のメンバーであるノエールは、軽めの鎧に身を包んだ体格の良い元騎士のようだ。多少、地方のなまりがあるようだが……それよりもパイが凄く大きい。アルバート家に居候しているエルデスと互角の勝負ができそうだ
「むぐっ、もぐっ………ダーメ!古代遺跡ってのは壁の中とかにも高価な【アティシフイット】が眠ってるらしいから、調べてないウチは壊しちゃ駄目なんだよ!」
「ミーコ様………ソレを言うなら【アーティファクト】ですからね。ノエールは魔物を近付けさせないでくださいよー」
「ん、わがった。山から何か入ってこねーか警戒さ、してればいんだな……」
山岳地帯から遺跡に来る道は、今のところ1ルートしか発見されていない。その遺跡の入り口で結界を調べているコヨリィ
その間に仁王立ちして魔物を迎え撃とうと警戒しているノエール
「ミーコはお腹すいたからオヤツ食べてる。ひとつしか持って無いから、2人はお仕事頑張っててにぇ♪」
更に、その奥の広場でオヤツを食べようと冒険袋から包み紙を広げ、ハンバーガーのような物を食べようとしているミーコ
「アンタが【ホロミナティ】の首領のミーコっすよね。ある方から依頼されちゃってね……アンタに死んで欲しいんだよ……ねっ!」
イキナリ誰も居るはずが無い方向から声を掛けられたミーコ。予想外の出来事に3人とも動きが止まってしまった
「ドサッ!」
「ふぎゃっ!?アニすんだよ?」
突前、何も無い空間から現れた女性は、ハンバーガーを食べようとしていたミーコを押し倒し、隠し持っていた毒牙のナイフを振り被った
「パクパクパク~!サケマタの大好きなお金の為に死んでねっ!!」
森林地帯の方を向いて立っているノエールも、古代遺跡の入り口で魔法解呪しているコヨリィにも、ミーコを助けるには間に合わない位置だった。が…
「キュピーン!」
毒牙のナイフを振りかぶり、ミーコに冷酷な死の視線を送っていたクローエが、いきなり動きを止めた
「お前はもう忠実なミーコの下僕だにぇ!ミーコの為に一生懸命に働くにぇ!!」
眼に魔力を込めてクーロエを睨み付けた時のミーコの眼は眼球内がサクラ色に変色して、生命を狙って来たクーロエを下僕に変えた!
「首領、無事で良かったんね!」
「また【赤子魅力(ベイビィチャーム)】にやられた被害者が増えましたね……」
「ソレって、どげな事なん?」
あまり頭の良くない肉体派のノエールは、頭脳派のコヨリィに「下僕が1人増えた」事の意味を聞いている
「ノエールさんもミーコさんの【赤子魅力(ベイビィチャーム)】に魅せられて下僕になったのですよ?覚えていませんか?」
「私が下僕に変えられた?………そったら鈍臭くはねーよ。私は昔っからミーコ様の部下してんだからさ!」
(………ま、本人がそう思っているなら…わざわざコヨリィの目の前で魅了されてましたよ!
なんて教えなくても良いですかね?…………ん!?まさか…コヨリィまで、魅了された訳じゃないですよね?コヨリィがミーコ様に仕える様になった理由なんだったっけ?……あれぇ?あれぇぇぇ!?)
ノエールが魅了された現場を直接、見た記憶があるコヨリィ。しかし、思い返してみれば自分自身がミーコに仕えるキッカケが何だったのか?どれだけ記憶の蓋を開けまくっても…彼女が納得する答えは出てこなかった
(まさか、コヨリィもぉ!?)
自分自身も魅了された被害者かも知れない!
という事を否定できる記憶がなく焦っているコヨリィを放置して、食べかけのハンバーガーを再び食べ始めたミーコ
「みんな。新メンバーのクーロエだよ。仲良くしてあげるにぇ!喧嘩は駄目だかんね♪」
「はーい!よろしくね」
「お世話してあげるわよ」
「ボチボチするんで、とりまヨロ!」
秘密結社ホロミナティは4人にメンバーを増やし、古代遺跡の調査を再開した。彼女たち…いや、首領であるミーコはこの遺跡に何を求めているのだろうか?
【スズカの街近く】
「おいレキシントン。あの2人チョロそうだと思わないか?」
スズカの街に近い林の中に身を潜めているランドルフとレキシントン。2人は、これだけヘルメスの街から離れた場所でなら、そう簡単にはカルーアとヒイロ本人たち、もしくは、その知り合いと遭遇する可能性は低いと考え行動を起こそうとしている
「いかにも自分さえ良けりゃ、他人の不幸なんて知ったこっちゃない!って顔してるわね。彼らなら良心を痛める心配もなさそーね(笑)」
ランドルフとレキシントンが狙いをつけた2人組み。それは…自称【北の勇者隊】プディングとラデュードだった
続く
ヘルメスの街から東へ約150km行くと工芸の街【スズカ】がある
王都クラウンから南東へ約80kmの地点に【アレクス城】があり、ソコから更に南東へ80km程の地点に【マリニウム国】がある
スズカとマリニウム国の間に拡がる大山岳地帯の奥深くに、1箇所だけ山の無い森林地帯があった
「こんな山奥に精霊魔法による認識阻害(ハードゥーン)に護られた巨大遺跡が有るなんて……怪しいですよー!調べてくださーい!って言ってるようなモノですよね♪」
その巨大遺跡の前に立ち、入り口を封鎖している魔法の解呪方法を調べている女性【コヨリィ】
彼女は、白衣に身を包んだ20歳過ぎくらいのキツネ科の身体で、まるで学者のような服装と口調をしている
「あんさコヨリィ。丁寧に魔法を解かなくてもさ、ノエールの【ギガントハンマー】で粉微塵にすれば良くねーけ?」
もう1人のメンバーであるノエールは、軽めの鎧に身を包んだ体格の良い元騎士のようだ。多少、地方のなまりがあるようだが……それよりもパイが凄く大きい。アルバート家に居候しているエルデスと互角の勝負ができそうだ
「むぐっ、もぐっ………ダーメ!古代遺跡ってのは壁の中とかにも高価な【アティシフイット】が眠ってるらしいから、調べてないウチは壊しちゃ駄目なんだよ!」
「ミーコ様………ソレを言うなら【アーティファクト】ですからね。ノエールは魔物を近付けさせないでくださいよー」
「ん、わがった。山から何か入ってこねーか警戒さ、してればいんだな……」
山岳地帯から遺跡に来る道は、今のところ1ルートしか発見されていない。その遺跡の入り口で結界を調べているコヨリィ
その間に仁王立ちして魔物を迎え撃とうと警戒しているノエール
「ミーコはお腹すいたからオヤツ食べてる。ひとつしか持って無いから、2人はお仕事頑張っててにぇ♪」
更に、その奥の広場でオヤツを食べようと冒険袋から包み紙を広げ、ハンバーガーのような物を食べようとしているミーコ
「アンタが【ホロミナティ】の首領のミーコっすよね。ある方から依頼されちゃってね……アンタに死んで欲しいんだよ……ねっ!」
イキナリ誰も居るはずが無い方向から声を掛けられたミーコ。予想外の出来事に3人とも動きが止まってしまった
「ドサッ!」
「ふぎゃっ!?アニすんだよ?」
突前、何も無い空間から現れた女性は、ハンバーガーを食べようとしていたミーコを押し倒し、隠し持っていた毒牙のナイフを振り被った
「パクパクパク~!サケマタの大好きなお金の為に死んでねっ!!」
森林地帯の方を向いて立っているノエールも、古代遺跡の入り口で魔法解呪しているコヨリィにも、ミーコを助けるには間に合わない位置だった。が…
「キュピーン!」
毒牙のナイフを振りかぶり、ミーコに冷酷な死の視線を送っていたクローエが、いきなり動きを止めた
「お前はもう忠実なミーコの下僕だにぇ!ミーコの為に一生懸命に働くにぇ!!」
眼に魔力を込めてクーロエを睨み付けた時のミーコの眼は眼球内がサクラ色に変色して、生命を狙って来たクーロエを下僕に変えた!
「首領、無事で良かったんね!」
「また【赤子魅力(ベイビィチャーム)】にやられた被害者が増えましたね……」
「ソレって、どげな事なん?」
あまり頭の良くない肉体派のノエールは、頭脳派のコヨリィに「下僕が1人増えた」事の意味を聞いている
「ノエールさんもミーコさんの【赤子魅力(ベイビィチャーム)】に魅せられて下僕になったのですよ?覚えていませんか?」
「私が下僕に変えられた?………そったら鈍臭くはねーよ。私は昔っからミーコ様の部下してんだからさ!」
(………ま、本人がそう思っているなら…わざわざコヨリィの目の前で魅了されてましたよ!
なんて教えなくても良いですかね?…………ん!?まさか…コヨリィまで、魅了された訳じゃないですよね?コヨリィがミーコ様に仕える様になった理由なんだったっけ?……あれぇ?あれぇぇぇ!?)
ノエールが魅了された現場を直接、見た記憶があるコヨリィ。しかし、思い返してみれば自分自身がミーコに仕えるキッカケが何だったのか?どれだけ記憶の蓋を開けまくっても…彼女が納得する答えは出てこなかった
(まさか、コヨリィもぉ!?)
自分自身も魅了された被害者かも知れない!
という事を否定できる記憶がなく焦っているコヨリィを放置して、食べかけのハンバーガーを再び食べ始めたミーコ
「みんな。新メンバーのクーロエだよ。仲良くしてあげるにぇ!喧嘩は駄目だかんね♪」
「はーい!よろしくね」
「お世話してあげるわよ」
「ボチボチするんで、とりまヨロ!」
秘密結社ホロミナティは4人にメンバーを増やし、古代遺跡の調査を再開した。彼女たち…いや、首領であるミーコはこの遺跡に何を求めているのだろうか?
【スズカの街近く】
「おいレキシントン。あの2人チョロそうだと思わないか?」
スズカの街に近い林の中に身を潜めているランドルフとレキシントン。2人は、これだけヘルメスの街から離れた場所でなら、そう簡単にはカルーアとヒイロ本人たち、もしくは、その知り合いと遭遇する可能性は低いと考え行動を起こそうとしている
「いかにも自分さえ良けりゃ、他人の不幸なんて知ったこっちゃない!って顔してるわね。彼らなら良心を痛める心配もなさそーね(笑)」
ランドルフとレキシントンが狙いをつけた2人組み。それは…自称【北の勇者隊】プディングとラデュードだった
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