ようこそ幼い嫁候補たち ③

龍之介21時

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憎奪戦争編

女神様の温もり

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【アルバート家のキッチン】
「有難うございます。いただきますね」

徳川有栖はキッチンの椅子に座り、エルデスが用意してくれたコーヒーを飲んでいた。来た時の雰囲気から、何やら一波乱が起きるのでは?と心配したカルーアとヨシュアは、拍子抜けした感じだ

「そうですか…サーシャちゃんの身体が天使族のチカラに耐え切れなくなりましたか?天使族は神の子供。エリスアちゃんが現出したのは、遺伝子を与えた我が子を助けに来たに過ぎないのね。それなら良いわ」
 

「少し良いかな?何が良いのか、わたしにはサッパリ理解出来ないんだけど…良かったら、説明してもらうのは難しいのかい?」

世界中から【消去の魔女】と恐れられる徳川有栖に対して、臆する事なく踏み込んだカルーア

「うーんと、そうねー……話す事、それ自体は簡単な事よ。でもね、知らないなら知らないで済ませた方が良い事ってあるのよ。分かるかな?」

「…なるほどね。貴女は世界の色々な出来事を見てきた賢い女性なんだね…だから、敢えてわたし達には教えない選択肢を選んだんだね?」

「んふ♪カルーアちゃんってば賢いのね。もしも近い未来、私を脅かすほど成長する者が現れるとしたら…貴女かもね?(笑)」

魔法使いとして急成長しているカルーアの中に、頭の良さも見受けられた有栖は、自分に追いつく者はカルーアかも?と思ったのだ



【約30分後】
「ガチャ」
それから、しばらくしてサーシャたちの居る部屋からエリスアが戻ってきた

「あれ?有栖が居るじゃない?どうしたの急用?……まさか私に逢いに来てくれたの?嬉しいなぁ♬」

部屋に戻ると意外で懐かしい顔を見たエリスアは、素直に喜びを表していた。すると、有栖は少し真剣な顔をした
何かを察したのか?表情が緩んでいたエリスアも真剣な顔付きに変わった
「何だろう?」
と周りの者たちは疑問に思ったが、2人があまりに真剣な顔をしているのに、終始無言だったので黙って見守っていた

……………………………………………

「…なるほど。それで私を訪ねて来ましたか…安心してください。私は彼らの行動に脅威を感じてはいませんよ」

「そうですか、どうやら気にし過ぎだったみたいね。有難うございます、エリスアちゃん♪」

「だーかーら~、【ちゃん】呼びは止めてって。神様なんですよ、一応」

何ひとつ言葉を発しなかった2人だが…既に話し合いは終わったようだ

「あはは(笑)まーまぁ、良いじゃない。それじゃあ優輝、私たちは帰ろうか?」

「えっ?来たばかりじゃあ…」

「あのねぇ、城主であるアレクスから直々に宿泊と翌朝の食事の手配を受けたじゃない。今夜中に帰らないと心配させちゃうでしょ?」

「あー、まぁな」

どうやら徳川有栖は、エリスアに確認したい事があって少しお邪魔した程度に過ぎないようだ。旦那の優輝を連れて、開いた魔法陣に入りアレクス城へと帰って行った



【アルバート家室内】
「ふふ。有栖ちゃんてば相変わらずなんだから……サーシャちゃんは今夜は静かに寝かせてあげてね。あ、あと…アリスちゃんとヒイロ君はしばらくサーシャちゃんとスキンシップをした方が良いわ
肌の触れ合いから、さっき説明したLINKの影響を受けやすくなるからね。期限は3-4日だと思うから、仲良くしてあげてね。それじゃ私もそろそろ帰ろうかな?」

「待ってくださいエリスア様!」

サーシャを助けてくれたエリスアは、用件が済むとそそくさと帰ろうとしたが、ソレをヒイロが呼び止めた

「何ですかヒイロ?他に用事ですか?」

「用事って程では無いのですが…アリスもサーシャも貴女に助けられました。神様は人が困った時にだけ頼られる存在ですよね?貴女を目視した俺たちだけでも、エリスア様にお礼をさせていただけませんか?」

……………………………………………

「モグモグ…ふむ。美味しいですね!コレが今の人の子らの食事ですか?数百年ぶりにご馳走になりますが、美味しいものですね♬」

ヒイロは妹たちを助けてもらったお礼に、カルーアと一緒にエリスア様への晩ご飯を作った
2人とも料理の腕に自信がある訳ではないし、料理自慢のサーシャはまだ寝込んでいてミルもサメ焼き屋に手伝いに行って不在なので、エルデス監修のもと真心を込めて一生懸命に料理したのだ


「ご馳走様でした。ヒイロとカルーア、それにエルデスにも感謝ですね。…そうだわ!人間の生活に触れるという側面で、今夜は私をこの家に泊めてもらおうかしら?」

意外にも女神であるエリスアは、今夜一泊させて欲しいと願い出た。もちろん断る理由もない。むしろ光栄な事だった…のだが…エリスアが一緒に寝て欲しいと指名したのは…

「そうですね…それではヒイロ。私は今夜、貴方と一緒に眠りたいわ♬」

「えぇ!?エリスア様がヒイロと!?」

「お、俺ですか?」



【三姉妹の部屋】
まだ体調が完調しないサーシャの脇に、魔法が使えるカルーアとエルデスが一緒に寝ることになったのだが…

「あのう…エルデスさん、少し良いかな?」

「はい~なんでしょうか?カルーアちゃん?」

「ヒイロの恋人は、わたしなんだよ。いくら女神様が宿泊したいからってさ、なんでヒイロとエリスア様が一緒に寝るのかなぁ!?」

「さ~何でしょうね~あ!もしかしたら~ヒイロさんが好みの男性なのかも知れませんね~」

ソレを聞いてカルーアは更に不機嫌な顔になったw



【ヒイロの寝室】
「あ、あの…エリスア様?」

「はい。何でしょうかヒイロ君?」

「ど、ど、ど、どうして俺と2人きりで寝る事になったのでしょうか?」

なんと!女神エリスアは今夜、ヒイロと同じベッドで眠ることを所望していた

「うふふ!それはモチロン、私だって神とはいえ女には違いありませんから、せっかくなので歳の近い男性と寝てドキドキ気分を味わいたいじゃないですか?…あ!もしかして人間の身でありながら…神である私に欲情してしまいましたか?(笑)」
 

顔を真っ赤にしながらエリスアを直視しない様に、チラチラと覗くようにしているヒイロの姿が、よほど愛くるしく見えたのか?エリスアは布面積の少ないその服の端を掴んで、誘うような仕草をした

「え、エリスア様は意外とオチャメな方なのですね?そ、その…20歳の俺には…い、色々と刺激が強すぎるのですがっ!!」

ヒイロはカルーアを恋人に選んでいた
もちろん彼女の事を1番に愛している覚悟はある。しかし、カルーアはまだまだ13歳だし…エルフ族は基本、身体の発育は他種族よりもかなりスローなのだ(たまにエルデスの様な例外も居るには居るが…)
そのカルーアの幼い身体に慣れすぎているヒイロには、エリスア様の魅惑のワガママボディは刺激が強過ぎるようだ

「ふふふ(笑)もしも、私に手を出そうとするのなら…宇宙の神々全てに本気で喧嘩を売る覚悟を固めてからにした方が良いですよ(笑)」

「わ、分かりました。頑張ります…」

逞しいヒイロの身体を堪能するエリスア
(くぅ!カルーア達とは違った甘くて高貴な香りが、俺の身体に絡み付いてくるようだ!)

しかしヒイロは、魅力的過ぎるエリスアのワガママボディを前にして自制しなければならない【蛇の生殺し】な1夜を過ごす事になった



続く
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