37 / 135
憎奪戦争編
選択の自由が呼ぶ未来
しおりを挟む
【古代遺跡ダンジョン】
「くっ…まさか、我が負けるとはな…」
カルーアとヨシュアの2人は見事な連携で、強敵の黒龍(ブラックドラゴン)に勝利した。全ての者たちが戦いを終え2人の元に集まってきた
「まさか本当に黒龍に勝っちゃうなんて、2人とも何者だよ?」
「勝った!…とは言え、タイマンじゃねーからな。まだまだだぜ」
「欲張りすぎだよね。霊長類の長の黒龍(ブラックドラゴン)が相手なんだよ。僕なら戦おうとも思わないよ」
「ヨシュアが居なかったら…わたし1人だったら勝負にもなってないよ…」
「細かい事は気にせずに、取り敢えず祝いのドリンクを飲むピョン♪」
2人がかりとは言え黒龍(ブラックドラゴン)に勝利した事を、ホロワーズの3人から讃えられるカルーアとヨシュア
「ぷはぁ、美味しかったよ。さて、これで地下2Fに行けるんだよね?」
「お前たちを強敵(トモ)と認めよう。いつ来ても稽古相手になってやるし、通りたければいつでも素通りさせてやろう」
黒龍(ブラックドラゴン)や魔装機兵に認められた彼らは、訓練相手になってくれる事や通過する権利を確約された
「言うほど損耗しないで勝てて良かったよ。せっかく余力があるんだから…このまま地下2Fにチャレンジしても良いよね?」
カルーアの実力向上と古代遺跡調査の2つの目的で、再度やってきた彼らだが…カルーアはみんなに気を遣って、一応全員の賛否を聞いてみた
……………………………………………
特に反対的な意見は出なかったので、彼らは続けて2Fへ足を踏み入れることにした
「我に勝ったお前たちにひとつ警告しておく。2Fのフロアマスターは異常に強いから、細心の注意を払え。迂闊な選択は生命を捨てるぞ。それと戦闘相手は1人だけだ。それから………」
「ありがとう、助かるよ♪」
黒龍(ブラックドラゴン)は自分たちに勝利した彼らに敬意を払い、僅かながらも助言をくれた。ソレを聞いた上で地下2Fへと進むカルーアたち
【スズカの街】
「…………」
「……………………………………………」
情報収集の為にマリニウム地方でも比較的、平和的に賑わっている街【スズカ】に、取り敢えずやってきたミクイとエーデ
「ミクイさん。お店の人は活気がある様に見えるけど…通行人…街行く人は静かな人が多いですね…ねぇ?…ミクイさん?」
街の人たちの空気に違和感を感じたエーデは、保護者として引率してくれているミクイに質問したのだが、返事か来ないので振り返ってみると…
「うっまー!ねぇねぇエーデちゃん【クレイプ焼き】って言うんだってコレ。すっごく美味しいよ!…2つ買ったからエーデちゃんも食べなよ♪」
街の情報収集に真面目に取り組んでいるエーデとは逆に、アサシンマスターのミクイは地元の名物料理のひとつ【クレイプ焼き】(クレープの形状で焼いたお好み焼き)を美味しくいただいていた
「ちょっとミクイさん!?エーデたちは遊びにきた訳じゃないんですよ!」
(有栖様が太鼓判を押す!って言われたから手放しで信用したのに…完全に街に溶け込んで楽しんでる……本当にそんな凄い人なの!?)
マリニウム城は、20年前クラウン城と連携してアレクス城を窮地に追い込んだ国。その地方に情報収集に来ていると言うのに…あまりに自然体すぎるミクイに疑問を持つエーデ
「まぁまぁエーデちゃん。ちょっと、向こうで話そうか!」
ミクイはエーデの手を掴み、半ば強引に裏路地の方へと入って行った
「ミクイさん。ヤル気あるのですか?…んぐ!?」
真面目過ぎるエーデの口に【クレイプ焼き】を無理やり押し込むミクイは、自分の分を食べ終えると紙コップに入った野菜ジュースを飲んだ
そして、押し込まれた【クレイプ焼き】を消化しているエーデに静かに説明をはじめた
「エーデちゃんが真面目な魔女だって事は良く分かった!…けどね、そんな肩にチカラ入れて情報収集なんてやってたら…私は何か重大な使命を与えられて、探りを入れに来ていますよー!…って、自分から宣伝してるようなモノよ?…こういう仕事は働いている。っていう空気を微塵も感じさせる事なく、遂行するべきなのよ!」
まだ精神年齢的に13歳程度でしかないエーデには少し難しい内容の話だったが…説明が始まった途端にミクイが魅せた真剣な目付きは…それだけでミクイの言葉が価値あるモノだと、なんとなくだがエーデにも理解させていた
「ムグ…モグ…ぷはっ!…分かりました。今回の旅の間は、有栖様が信頼するミクイさんの行動を全面的に信用しますわ」
20歳ながらも王都クラウンで、トップクラスのアサシンマスターまで登り詰めたミクイの鋭い眼光に、全面的な信頼を寄せよう!と【不死の魔女エーデ】に判断させてしまうミクイだった
【古代遺跡ダンジョン2F】
100メートル以上の階段を降りてきたカルーアたち。地下2Fに降り立つと…のどかな自然溢れる美しい景色が彼らを出迎えた
「凄く綺麗な景色ピョン!ここが、超危険な古代遺跡の中だなんて忘れてしまいそうピョン!」
「そうだね…空気も美味しいし…鳥のさえずりを聞いてたら、とんでもなく強いフロアマスターが待ち構えているなんて、とても思えないよね」
「油断は駄目だよ。ペコラン、カナタン。逆にこういう雰囲気を維持できる程の強敵が待ち受けていると、考えるべきだよ」
あまりに美し過ぎる景色は、ペコランとカナタン。それにコハラコなどにも恐ろしいダンジョンに挑戦中だという事を忘れさせる程だ
しかし、冒険知識に長けた者たちは逆に、こんな美しい景色が広がっている事に緊張を覚えていた
「カルーアお姉さま。どういたしますの?」
「そうだね…黒龍(ブラックドラゴン)もフロアタイルが敷かれているエリアの中に居れば、誰も襲って来ないと言ってたし…少し休憩しないかい?」
1Fの階段を降りてスグから床はフロアタイルが敷かれている。3Fへの階段が有るという奥側に向かう3分の1くらいまでは、黒龍(ブラックドラゴン)が安全地帯(セーフティゾーン)だと教えてくれたフロアタイルが敷かれていた
「ねぇねぇカルーア。あの噴水がリキュールちゃんが住んでた噴水なんだよねぇ?」
アリスがカルーアから、前回リキュールと出会ったと聞いていた噴水を見付けた
「本当に~襲われる気配は~まるで感じられませんね~精霊たちも穏やかに~午後のひと時を楽しんでる感じですし~休んじゃいましょうよ~」
エルデスもフロアタイルの敷地は、安全地帯(セーフティゾーン)だと判断したようだ。【ホロワーズ】の3人が簡易式のテーブルを展開し、軽めの食事の用意を始めた
取り敢えず、ここで休憩に入る彼らだった
続く
「くっ…まさか、我が負けるとはな…」
カルーアとヨシュアの2人は見事な連携で、強敵の黒龍(ブラックドラゴン)に勝利した。全ての者たちが戦いを終え2人の元に集まってきた
「まさか本当に黒龍に勝っちゃうなんて、2人とも何者だよ?」
「勝った!…とは言え、タイマンじゃねーからな。まだまだだぜ」
「欲張りすぎだよね。霊長類の長の黒龍(ブラックドラゴン)が相手なんだよ。僕なら戦おうとも思わないよ」
「ヨシュアが居なかったら…わたし1人だったら勝負にもなってないよ…」
「細かい事は気にせずに、取り敢えず祝いのドリンクを飲むピョン♪」
2人がかりとは言え黒龍(ブラックドラゴン)に勝利した事を、ホロワーズの3人から讃えられるカルーアとヨシュア
「ぷはぁ、美味しかったよ。さて、これで地下2Fに行けるんだよね?」
「お前たちを強敵(トモ)と認めよう。いつ来ても稽古相手になってやるし、通りたければいつでも素通りさせてやろう」
黒龍(ブラックドラゴン)や魔装機兵に認められた彼らは、訓練相手になってくれる事や通過する権利を確約された
「言うほど損耗しないで勝てて良かったよ。せっかく余力があるんだから…このまま地下2Fにチャレンジしても良いよね?」
カルーアの実力向上と古代遺跡調査の2つの目的で、再度やってきた彼らだが…カルーアはみんなに気を遣って、一応全員の賛否を聞いてみた
……………………………………………
特に反対的な意見は出なかったので、彼らは続けて2Fへ足を踏み入れることにした
「我に勝ったお前たちにひとつ警告しておく。2Fのフロアマスターは異常に強いから、細心の注意を払え。迂闊な選択は生命を捨てるぞ。それと戦闘相手は1人だけだ。それから………」
「ありがとう、助かるよ♪」
黒龍(ブラックドラゴン)は自分たちに勝利した彼らに敬意を払い、僅かながらも助言をくれた。ソレを聞いた上で地下2Fへと進むカルーアたち
【スズカの街】
「…………」
「……………………………………………」
情報収集の為にマリニウム地方でも比較的、平和的に賑わっている街【スズカ】に、取り敢えずやってきたミクイとエーデ
「ミクイさん。お店の人は活気がある様に見えるけど…通行人…街行く人は静かな人が多いですね…ねぇ?…ミクイさん?」
街の人たちの空気に違和感を感じたエーデは、保護者として引率してくれているミクイに質問したのだが、返事か来ないので振り返ってみると…
「うっまー!ねぇねぇエーデちゃん【クレイプ焼き】って言うんだってコレ。すっごく美味しいよ!…2つ買ったからエーデちゃんも食べなよ♪」
街の情報収集に真面目に取り組んでいるエーデとは逆に、アサシンマスターのミクイは地元の名物料理のひとつ【クレイプ焼き】(クレープの形状で焼いたお好み焼き)を美味しくいただいていた
「ちょっとミクイさん!?エーデたちは遊びにきた訳じゃないんですよ!」
(有栖様が太鼓判を押す!って言われたから手放しで信用したのに…完全に街に溶け込んで楽しんでる……本当にそんな凄い人なの!?)
マリニウム城は、20年前クラウン城と連携してアレクス城を窮地に追い込んだ国。その地方に情報収集に来ていると言うのに…あまりに自然体すぎるミクイに疑問を持つエーデ
「まぁまぁエーデちゃん。ちょっと、向こうで話そうか!」
ミクイはエーデの手を掴み、半ば強引に裏路地の方へと入って行った
「ミクイさん。ヤル気あるのですか?…んぐ!?」
真面目過ぎるエーデの口に【クレイプ焼き】を無理やり押し込むミクイは、自分の分を食べ終えると紙コップに入った野菜ジュースを飲んだ
そして、押し込まれた【クレイプ焼き】を消化しているエーデに静かに説明をはじめた
「エーデちゃんが真面目な魔女だって事は良く分かった!…けどね、そんな肩にチカラ入れて情報収集なんてやってたら…私は何か重大な使命を与えられて、探りを入れに来ていますよー!…って、自分から宣伝してるようなモノよ?…こういう仕事は働いている。っていう空気を微塵も感じさせる事なく、遂行するべきなのよ!」
まだ精神年齢的に13歳程度でしかないエーデには少し難しい内容の話だったが…説明が始まった途端にミクイが魅せた真剣な目付きは…それだけでミクイの言葉が価値あるモノだと、なんとなくだがエーデにも理解させていた
「ムグ…モグ…ぷはっ!…分かりました。今回の旅の間は、有栖様が信頼するミクイさんの行動を全面的に信用しますわ」
20歳ながらも王都クラウンで、トップクラスのアサシンマスターまで登り詰めたミクイの鋭い眼光に、全面的な信頼を寄せよう!と【不死の魔女エーデ】に判断させてしまうミクイだった
【古代遺跡ダンジョン2F】
100メートル以上の階段を降りてきたカルーアたち。地下2Fに降り立つと…のどかな自然溢れる美しい景色が彼らを出迎えた
「凄く綺麗な景色ピョン!ここが、超危険な古代遺跡の中だなんて忘れてしまいそうピョン!」
「そうだね…空気も美味しいし…鳥のさえずりを聞いてたら、とんでもなく強いフロアマスターが待ち構えているなんて、とても思えないよね」
「油断は駄目だよ。ペコラン、カナタン。逆にこういう雰囲気を維持できる程の強敵が待ち受けていると、考えるべきだよ」
あまりに美し過ぎる景色は、ペコランとカナタン。それにコハラコなどにも恐ろしいダンジョンに挑戦中だという事を忘れさせる程だ
しかし、冒険知識に長けた者たちは逆に、こんな美しい景色が広がっている事に緊張を覚えていた
「カルーアお姉さま。どういたしますの?」
「そうだね…黒龍(ブラックドラゴン)もフロアタイルが敷かれているエリアの中に居れば、誰も襲って来ないと言ってたし…少し休憩しないかい?」
1Fの階段を降りてスグから床はフロアタイルが敷かれている。3Fへの階段が有るという奥側に向かう3分の1くらいまでは、黒龍(ブラックドラゴン)が安全地帯(セーフティゾーン)だと教えてくれたフロアタイルが敷かれていた
「ねぇねぇカルーア。あの噴水がリキュールちゃんが住んでた噴水なんだよねぇ?」
アリスがカルーアから、前回リキュールと出会ったと聞いていた噴水を見付けた
「本当に~襲われる気配は~まるで感じられませんね~精霊たちも穏やかに~午後のひと時を楽しんでる感じですし~休んじゃいましょうよ~」
エルデスもフロアタイルの敷地は、安全地帯(セーフティゾーン)だと判断したようだ。【ホロワーズ】の3人が簡易式のテーブルを展開し、軽めの食事の用意を始めた
取り敢えず、ここで休憩に入る彼らだった
続く
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる


