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憎奪戦争編
懐かしき故郷
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【震えるマリニウム城】
「くっ!激流よ、全てを飲み込め!」
ミクイに神経毒の塗られたダガーを撃ち込まれたレキシントンは、かなりの魔力を消費して城内に大量の水を召喚した!その水が謁見の間を飲み込み、周囲はパニック状態になった
「うわあああっ!?」
「水が全部飲み込んじまう!」
「うおっ!水に飲み込まれちまう!」
「ヒイロさん!大丈夫?」
広い謁見の間を埋め尽くした大量の水。その流れを自由に操ることで、神経毒のせいで上手く動かせない身体をランドルフの位置まで誘導し、彼を抱き抱えると水流に乗り場外へ逃れたレキシントン
一方、その大量の水に飲み込まれそうになったヒイロを抱えあげると同時に、ジャケット内から魔法石を取り出し壁に投げたミクイ
魔法石が爆発すると壁に穴が空いたので、ミクイはヒイロを抱いたままその部屋から脱出した
【倉庫室】
毛布の上に寝かされていているヒイロ
「はぁはぁ…ここなら暫くは大丈夫かな?どうやら戦闘はコッチには及んでいないね…」
「う、う~ん…ミクイさん?」
「お!起きたみたいね…アチコチに傷があったけど、大した怪我はしてないようで良かったよ…気分はどうかな?痛みはある?」
ヒイロは自分の身体を見渡すと…何ヶ所か応急処置が施されているのが分かった
「これは、ミクイさんが?」
「まぁね。でもミクイは治療する術はあんま無いから、取り敢えずソレで我慢しといてね♪」
城の様子を探り来ていたミクイは、たまたま戦闘が始まった場面を目撃した。その中に知り合いのヒイロを見付けたので、以前の恩返しに助けてくれたようだ
【場外・大砲車隊】
「マリニウム城は大混乱だ。この機を逃すな、くれぐれも魔獣族には当てるなよ…撃てっ!撃てーっ!!」
ラッセル・オヅベルド公爵の息子バートランドは、スーツ型魔装兵器に身を包んで大砲車隊を率いてマリニウム城に砲撃を指示していた
有翼魔人エセックスは有翼型の部下の魔獣達を率いて、空から弓や魔法、爆弾を投げ城に多大なダメージを与えていた
【マリニウム城屋上】
「飛空戦艦ノーア発進せよ!」
古代人の大化学兵器の巨大戦艦を学者達に解析させ、稼動状態に仕上げたばかりの飛空戦艦ノーアを発進させたジョブス王子
戦艦の至る所に太陽光パネルが取り付けられており、ソーラーエネルギーを使い戦艦を空へ飛ばせている
更にそのエネルギーでパルスビームを発射して、有翼型魔獣族たちに反撃していたが…太陽光エネルギーによる充電式なので連射が出来ないのが弱点と言える
照射後のエネルギーが貯まるまでは魔法使いがサポートをし、戦士見習いの者たちがビーム砲を扱っていた。マリニウム城は20年前の大戦に次ぐ、大きな戦火の中にあった
【夕刻に染まる町】
リキュールとケチュア、オルガスとチェイム。2頭の馬でマリニウム城を目指していた4人は、マリニウムの南約10kmにある小さな村の入り口まで到着していた。が、間もなく夕刻になる空はオレンジ色ではなく朱色に染まっている
「見てマリニウム城だわ……でも、朱く染まっている。何か起きてるんじゃない!?」
「まさか!?オヅベルド公爵たちによるクーデターがもう…始まっているの?」
リキュールは夕刻のオレンジ色に染まる空の一部を、朱く染めているマリニウム城を見付けたが…それは既にクーデターが始まっている事の証だった
「急ぎましょう!お兄ちゃん」
「あぁ…だが、あの火災の広さ。かなり戦場は拡大しているな…急ぎはするが、迂闊に飛び込んで巻き込まれない様に注意してくれ!」
「わかりました!参りましょう!」
オルガスのアドバイスを聞き入れ、マリニウム城へ急ぐケチュアたち
【大社】
「この寝室は医療装置のようですね。ただ…どんな症状を治すための装置なのかは、皆目見当もつかないです」
「仕方ないにぇ…ココは古代人たち…かつての地球から来た者たちが作った施設だから…分からないのも当然にぇ」
結界が弱まっていたので、大社に侵入する事ができたホロミナティの4人。コヨリィとミーコが内部の装置などを調べてはいるが、ほとんどの装置が何に使われる物なのかは…皆目見当もつかないでいた
「おっ!サケマタおかえりなさい。買い出しご苦労さまなんよ」
大社の入り口前に見張りで立っているノエールが、食料の買い出しに出掛けていたサケマタが帰ってきたのを見つけた
「大変、大変だって~!」
「どないしたんさね?そげん呼吸荒くして~落ち着きなんし」
「はぁはぁ…そんなノンビリしてる場合じゃないんだってぇー!オヅベルド公爵たちが…マリニウム王家に対して…かはっ…けほけほ……」
「ほら、水飲むべ」
「(/◎\)ゴクゴクッ・・・ぷはぁ!大変なんだってぇ!クーデター!クーデターが始まったんだってぇ!!」
「本当かにぇ!」
「ミーコ様、本当だってぇ。スズカの街は右へ左への大慌てっ!マリニウムの城下町はもっと酷い事になってる。って話だよ!」
大社前で話しているノエールとサケマタの会話が聞こえたのか?内部からミーコが出てきて、マリニウム城でのクーデターの話を聞くとイッキに表情が険しくなった
「みんな、出掛けるにぇ!」
弧を描く様に手を振り、仲間に出発の合図をしたミーコは遺跡の入り口に向けて走り出した
「はぁはぁはぁはぁ…どうしたんですか?ミーコ様…くはぁ、突然走り出して…いったい何が?」
「ミーコ様どうするんなさ?」
「すまないコヨリィ。簡単な物で良いから大社に認識阻害(ハードゥーン)を掛けて欲しいにぇ!」
「分かりました!少しお待ちください!」
コヨリィは大社を包み隠す為の認識阻害(ハードゥーン)の展開準備を始めた。それを待つ間にサケマタの買ってきた食料を口にする3人
「ノエールは馬の用意を頼むにぇ」
「すぐにっ!」
ノエールは馬2頭の用意に向かった
サケマタとミーコは、買ってきた物を食べながら結界が張り終わるのを眺めていた
結界が張られるとミーコの背中に乗ったコヨリィは食べ物を食べながら、ノエールの背後にはサケマタを乗せ2頭の馬に跨(またが)りマリニウム城を目指して走り始めた
多くの者たちの想いと思惑が交差して燃え盛るマリニウム城に、他にも多くの者が集結しようとしていた。他種族を巻き込んだマリニウムの争いは、更に拡大していく様相を示していた
続く
「くっ!激流よ、全てを飲み込め!」
ミクイに神経毒の塗られたダガーを撃ち込まれたレキシントンは、かなりの魔力を消費して城内に大量の水を召喚した!その水が謁見の間を飲み込み、周囲はパニック状態になった
「うわあああっ!?」
「水が全部飲み込んじまう!」
「うおっ!水に飲み込まれちまう!」
「ヒイロさん!大丈夫?」
広い謁見の間を埋め尽くした大量の水。その流れを自由に操ることで、神経毒のせいで上手く動かせない身体をランドルフの位置まで誘導し、彼を抱き抱えると水流に乗り場外へ逃れたレキシントン
一方、その大量の水に飲み込まれそうになったヒイロを抱えあげると同時に、ジャケット内から魔法石を取り出し壁に投げたミクイ
魔法石が爆発すると壁に穴が空いたので、ミクイはヒイロを抱いたままその部屋から脱出した
【倉庫室】
毛布の上に寝かされていているヒイロ
「はぁはぁ…ここなら暫くは大丈夫かな?どうやら戦闘はコッチには及んでいないね…」
「う、う~ん…ミクイさん?」
「お!起きたみたいね…アチコチに傷があったけど、大した怪我はしてないようで良かったよ…気分はどうかな?痛みはある?」
ヒイロは自分の身体を見渡すと…何ヶ所か応急処置が施されているのが分かった
「これは、ミクイさんが?」
「まぁね。でもミクイは治療する術はあんま無いから、取り敢えずソレで我慢しといてね♪」
城の様子を探り来ていたミクイは、たまたま戦闘が始まった場面を目撃した。その中に知り合いのヒイロを見付けたので、以前の恩返しに助けてくれたようだ
【場外・大砲車隊】
「マリニウム城は大混乱だ。この機を逃すな、くれぐれも魔獣族には当てるなよ…撃てっ!撃てーっ!!」
ラッセル・オヅベルド公爵の息子バートランドは、スーツ型魔装兵器に身を包んで大砲車隊を率いてマリニウム城に砲撃を指示していた
有翼魔人エセックスは有翼型の部下の魔獣達を率いて、空から弓や魔法、爆弾を投げ城に多大なダメージを与えていた
【マリニウム城屋上】
「飛空戦艦ノーア発進せよ!」
古代人の大化学兵器の巨大戦艦を学者達に解析させ、稼動状態に仕上げたばかりの飛空戦艦ノーアを発進させたジョブス王子
戦艦の至る所に太陽光パネルが取り付けられており、ソーラーエネルギーを使い戦艦を空へ飛ばせている
更にそのエネルギーでパルスビームを発射して、有翼型魔獣族たちに反撃していたが…太陽光エネルギーによる充電式なので連射が出来ないのが弱点と言える
照射後のエネルギーが貯まるまでは魔法使いがサポートをし、戦士見習いの者たちがビーム砲を扱っていた。マリニウム城は20年前の大戦に次ぐ、大きな戦火の中にあった
【夕刻に染まる町】
リキュールとケチュア、オルガスとチェイム。2頭の馬でマリニウム城を目指していた4人は、マリニウムの南約10kmにある小さな村の入り口まで到着していた。が、間もなく夕刻になる空はオレンジ色ではなく朱色に染まっている
「見てマリニウム城だわ……でも、朱く染まっている。何か起きてるんじゃない!?」
「まさか!?オヅベルド公爵たちによるクーデターがもう…始まっているの?」
リキュールは夕刻のオレンジ色に染まる空の一部を、朱く染めているマリニウム城を見付けたが…それは既にクーデターが始まっている事の証だった
「急ぎましょう!お兄ちゃん」
「あぁ…だが、あの火災の広さ。かなり戦場は拡大しているな…急ぎはするが、迂闊に飛び込んで巻き込まれない様に注意してくれ!」
「わかりました!参りましょう!」
オルガスのアドバイスを聞き入れ、マリニウム城へ急ぐケチュアたち
【大社】
「この寝室は医療装置のようですね。ただ…どんな症状を治すための装置なのかは、皆目見当もつかないです」
「仕方ないにぇ…ココは古代人たち…かつての地球から来た者たちが作った施設だから…分からないのも当然にぇ」
結界が弱まっていたので、大社に侵入する事ができたホロミナティの4人。コヨリィとミーコが内部の装置などを調べてはいるが、ほとんどの装置が何に使われる物なのかは…皆目見当もつかないでいた
「おっ!サケマタおかえりなさい。買い出しご苦労さまなんよ」
大社の入り口前に見張りで立っているノエールが、食料の買い出しに出掛けていたサケマタが帰ってきたのを見つけた
「大変、大変だって~!」
「どないしたんさね?そげん呼吸荒くして~落ち着きなんし」
「はぁはぁ…そんなノンビリしてる場合じゃないんだってぇー!オヅベルド公爵たちが…マリニウム王家に対して…かはっ…けほけほ……」
「ほら、水飲むべ」
「(/◎\)ゴクゴクッ・・・ぷはぁ!大変なんだってぇ!クーデター!クーデターが始まったんだってぇ!!」
「本当かにぇ!」
「ミーコ様、本当だってぇ。スズカの街は右へ左への大慌てっ!マリニウムの城下町はもっと酷い事になってる。って話だよ!」
大社前で話しているノエールとサケマタの会話が聞こえたのか?内部からミーコが出てきて、マリニウム城でのクーデターの話を聞くとイッキに表情が険しくなった
「みんな、出掛けるにぇ!」
弧を描く様に手を振り、仲間に出発の合図をしたミーコは遺跡の入り口に向けて走り出した
「はぁはぁはぁはぁ…どうしたんですか?ミーコ様…くはぁ、突然走り出して…いったい何が?」
「ミーコ様どうするんなさ?」
「すまないコヨリィ。簡単な物で良いから大社に認識阻害(ハードゥーン)を掛けて欲しいにぇ!」
「分かりました!少しお待ちください!」
コヨリィは大社を包み隠す為の認識阻害(ハードゥーン)の展開準備を始めた。それを待つ間にサケマタの買ってきた食料を口にする3人
「ノエールは馬の用意を頼むにぇ」
「すぐにっ!」
ノエールは馬2頭の用意に向かった
サケマタとミーコは、買ってきた物を食べながら結界が張り終わるのを眺めていた
結界が張られるとミーコの背中に乗ったコヨリィは食べ物を食べながら、ノエールの背後にはサケマタを乗せ2頭の馬に跨(またが)りマリニウム城を目指して走り始めた
多くの者たちの想いと思惑が交差して燃え盛るマリニウム城に、他にも多くの者が集結しようとしていた。他種族を巻き込んだマリニウムの争いは、更に拡大していく様相を示していた
続く
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