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憎奪戦争編
消え行く生命
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【古代遺跡(大社)】
「あったー!コレだにぇ!」
大社の地下1Fは前回入った時に診療所を見付けていたミーコだが、彼女は更に地下室がある事を知っていた。が、その入り口を見つけられていなかったのだが…
ボッチちゃんが巨大化した時に、古代遺跡(大社)は壊滅的に破壊されてしまい、隠されていた更に地下に続く階段が露出していたので、目指していた地下2Fに到達出来たミーコ。そこで彼女は目当てのアイテム(ハンコ注射の大きいサイズ)を見付けた
科学者の興味なのか?コヨリィが彼女に近付いてきて、そのアイテムを覗き込む
「ミーコ様、ソレを見せてもらって良いですか?…なるほど?…この筒みたいので何をどうされるって言うのですか?」
「これで、あの巨大化した子を元に戻せるハズなんだにぇ。中に入っている解除魔法の術式を流し込んだら、でえたら化する能力(チカラ)を消しされるハズなんだにぇ…」
「なるほどです…でしたら一刻も早くあの場所に向かいコレを使って、事態を収束させないとイケませんね」
「けんど馬も見当たらねーし、徒歩ですとまた時間が掛かってしまうけんど?」
コヨリィの質問に答えたミーコだが、ノエールから急ぐにしても馬がない事を知らされる。そこへニヤニヤしながら近付くサケマタ
「サケマタはアサシンですからね脚力には自信があるんすよ!ミーコ様を担いで走っても、お馬さんと近いスピードで走れますよ。乗っていきますか?お高く付きますけどね(笑)」
「構わねー!最速で頼むにぇ!」
「毎度ありー♪じゃ行きますよ~?」
「かっ飛ばすにぇ!!」
ミーコは見付けた筒を大事に持ち、サケマタにおんぶされながら超特急でボッチちゃんの所へ走り出した!
【マリニウム城 衛兵用宿舎】
「すまなかったヒイロ君。とんでもない事件に巻き込んでしまったな」
城の敷地のほぼ西のハズレにある衛兵用宿舎に、ヒイロを連れてやって来ていたロベルト
「構いません。それでロベルトさんは、この先どうするつもりですか?」
「ジョブス王子は船ごと喰われ、スティーブ国王はその巨人に踏み潰された…かも知れない。だが、生きてる可能性があるのなら…私は助けに向かわねばならん」
「あんな混戦状態の中に、お1人でですか?危険過ぎます!…俺も付き合います」
「それはならん!キミには国でキミの帰りを待つ家族が居るではないか!…キミはここで死ぬべきではない。幸い馬が1頭残っている。コレに乗って急いで国に帰るんだ!」
「しかし……」
ロベルトの言う事はもっともだ。ヒイロもソレを理解しているが…死んだ父親の弟さんが今、目の前で命懸けの行動に出ようとしているのを、黙って見過ごせないのもヒイロの性分だ。そこへ
「はぁはぁ…申し訳ありません!」
そこへやって来たのは、ボッチちゃんの世話役の爺さんだった。息も絶え絶えで2人を見ている
「お願いがあります。その馬をワシに譲って貰えないでしょうか?どうしても助けたい子が居るんです!その子はワシの全てなのですっ!」
城内に入ってきた爺さんが必死な形相で頼んでいるが…
「誰かは知らんが…ここは城内だ。城内の物は簡単に市民に譲る訳にはいかん。ソレにこの馬はヒイロくんの為に…」
「良いですよ。使ってください」
「なっ!?ヒイロくん、それでは…」
「ロベルトさん。付き合わせてください。父親の弟である貴方の危険を見過ごしたら、絶対に親父に叱られますからね(笑)」
「そうか…すまないな。重ね重ね助かる」
ヒイロの漢気を受け入れたロベルト。ヒイロは必要のなくなった馬を爺さんに明け渡した。深々と頭を下げ馬に乗り込む爺さん。そしてラデュードとの合流地点に向かう
【マリニウム城 謁見の間】
「おのれ…魔女が……」
城全体を襲った大きな揺れを感じたミアナは咄嗟に謁見の間の強度を魔法で格段に引き上げ、ボッチちゃんの重圧に潰されてしまうのを逃れていた
「さようなら私の育ったマリニウム…さようならお父さん、お母さん。もう会う事は無いでしょう…」
国王が息絶えるのを見届けたミアナは魔法のホウキを収納空間から取りだし、風の魔法で窓を突き破り【ブルージュ村】への帰路につく為に飛び出した
謁見の間ではミアナの睡眠魔法が解除された衛兵たちが国王の姿を確認した後、その半分は外へ逃げだし残った半分は動かなくなっている国王と最後を共にした
【マリニウム城上空】
「これでトドメだ!くたばりやがれっ!!」
有翼魔獣族のリーダーエセックスは、先ほど放った槍がボッチちゃんの手を貫通し額に刺さっているのを確認した
自分の魔法が通用する事を知ったエセックスは、持てる魔力の全てを振り絞り、更なる巨大な槍を作り上げボッチちゃんの心の臓目掛けて放った!
「でーーー!!!」
ボッチちゃんの断末魔の巨大な悲鳴が周辺に響き渡った!ソレは馬を譲り受け合流点で待機していた爺さんにも届いた
【城下町の裏路地】
「今の悲鳴はボッチ様!?…こうしてはおれん!」
ラデュードが到着するまで裏路地で待つつもりだった爺さんだったが、ボッチちゃんの断末魔の悲鳴を聞いては黙っていられなかった。彼は馬を走らせ城へ向かう決心をしたのだが…
「おい爺さん。立派な馬に乗ってるな。ソレはあんたにゃもったいないぜ。俺様がもらってやるよ!!」
「ぐはっ!?」
ラッセルが雇ったならず者の1人が、この場から逃げ出そうとしていた時、爺さんが乗ってる馬を見付けた。そして馬を強奪する為に馬上の爺さんをソードで一刺しした
「バタッ!」
腹を刺されて地に落ちた爺さん。ならず者は奪った馬で逃げ出して行った
「ぼ、ボッチ様……」
爺さんはその場に小さな赤い池を作ると、間もなく動かなくなった
【マリニウム城上空】
「エセックス様!あの巨人の娘が縮んでいきます!」
「ふはは…やってやったぜ…後はトドメを…」
「いけません!エセックス様は長時間の戦闘と先程の極大呪文でお身体が危険です。1度衛生所に戻り簡単な治療と魔力の回復だけでも…」
ボッチちゃんに巨大な槍を叩き込んだエセックスを心配し、彼を抱き抱える部下のイントレピッドは戦場を離脱し衛生所へ飛んでいった
続く
「あったー!コレだにぇ!」
大社の地下1Fは前回入った時に診療所を見付けていたミーコだが、彼女は更に地下室がある事を知っていた。が、その入り口を見つけられていなかったのだが…
ボッチちゃんが巨大化した時に、古代遺跡(大社)は壊滅的に破壊されてしまい、隠されていた更に地下に続く階段が露出していたので、目指していた地下2Fに到達出来たミーコ。そこで彼女は目当てのアイテム(ハンコ注射の大きいサイズ)を見付けた
科学者の興味なのか?コヨリィが彼女に近付いてきて、そのアイテムを覗き込む
「ミーコ様、ソレを見せてもらって良いですか?…なるほど?…この筒みたいので何をどうされるって言うのですか?」
「これで、あの巨大化した子を元に戻せるハズなんだにぇ。中に入っている解除魔法の術式を流し込んだら、でえたら化する能力(チカラ)を消しされるハズなんだにぇ…」
「なるほどです…でしたら一刻も早くあの場所に向かいコレを使って、事態を収束させないとイケませんね」
「けんど馬も見当たらねーし、徒歩ですとまた時間が掛かってしまうけんど?」
コヨリィの質問に答えたミーコだが、ノエールから急ぐにしても馬がない事を知らされる。そこへニヤニヤしながら近付くサケマタ
「サケマタはアサシンですからね脚力には自信があるんすよ!ミーコ様を担いで走っても、お馬さんと近いスピードで走れますよ。乗っていきますか?お高く付きますけどね(笑)」
「構わねー!最速で頼むにぇ!」
「毎度ありー♪じゃ行きますよ~?」
「かっ飛ばすにぇ!!」
ミーコは見付けた筒を大事に持ち、サケマタにおんぶされながら超特急でボッチちゃんの所へ走り出した!
【マリニウム城 衛兵用宿舎】
「すまなかったヒイロ君。とんでもない事件に巻き込んでしまったな」
城の敷地のほぼ西のハズレにある衛兵用宿舎に、ヒイロを連れてやって来ていたロベルト
「構いません。それでロベルトさんは、この先どうするつもりですか?」
「ジョブス王子は船ごと喰われ、スティーブ国王はその巨人に踏み潰された…かも知れない。だが、生きてる可能性があるのなら…私は助けに向かわねばならん」
「あんな混戦状態の中に、お1人でですか?危険過ぎます!…俺も付き合います」
「それはならん!キミには国でキミの帰りを待つ家族が居るではないか!…キミはここで死ぬべきではない。幸い馬が1頭残っている。コレに乗って急いで国に帰るんだ!」
「しかし……」
ロベルトの言う事はもっともだ。ヒイロもソレを理解しているが…死んだ父親の弟さんが今、目の前で命懸けの行動に出ようとしているのを、黙って見過ごせないのもヒイロの性分だ。そこへ
「はぁはぁ…申し訳ありません!」
そこへやって来たのは、ボッチちゃんの世話役の爺さんだった。息も絶え絶えで2人を見ている
「お願いがあります。その馬をワシに譲って貰えないでしょうか?どうしても助けたい子が居るんです!その子はワシの全てなのですっ!」
城内に入ってきた爺さんが必死な形相で頼んでいるが…
「誰かは知らんが…ここは城内だ。城内の物は簡単に市民に譲る訳にはいかん。ソレにこの馬はヒイロくんの為に…」
「良いですよ。使ってください」
「なっ!?ヒイロくん、それでは…」
「ロベルトさん。付き合わせてください。父親の弟である貴方の危険を見過ごしたら、絶対に親父に叱られますからね(笑)」
「そうか…すまないな。重ね重ね助かる」
ヒイロの漢気を受け入れたロベルト。ヒイロは必要のなくなった馬を爺さんに明け渡した。深々と頭を下げ馬に乗り込む爺さん。そしてラデュードとの合流地点に向かう
【マリニウム城 謁見の間】
「おのれ…魔女が……」
城全体を襲った大きな揺れを感じたミアナは咄嗟に謁見の間の強度を魔法で格段に引き上げ、ボッチちゃんの重圧に潰されてしまうのを逃れていた
「さようなら私の育ったマリニウム…さようならお父さん、お母さん。もう会う事は無いでしょう…」
国王が息絶えるのを見届けたミアナは魔法のホウキを収納空間から取りだし、風の魔法で窓を突き破り【ブルージュ村】への帰路につく為に飛び出した
謁見の間ではミアナの睡眠魔法が解除された衛兵たちが国王の姿を確認した後、その半分は外へ逃げだし残った半分は動かなくなっている国王と最後を共にした
【マリニウム城上空】
「これでトドメだ!くたばりやがれっ!!」
有翼魔獣族のリーダーエセックスは、先ほど放った槍がボッチちゃんの手を貫通し額に刺さっているのを確認した
自分の魔法が通用する事を知ったエセックスは、持てる魔力の全てを振り絞り、更なる巨大な槍を作り上げボッチちゃんの心の臓目掛けて放った!
「でーーー!!!」
ボッチちゃんの断末魔の巨大な悲鳴が周辺に響き渡った!ソレは馬を譲り受け合流点で待機していた爺さんにも届いた
【城下町の裏路地】
「今の悲鳴はボッチ様!?…こうしてはおれん!」
ラデュードが到着するまで裏路地で待つつもりだった爺さんだったが、ボッチちゃんの断末魔の悲鳴を聞いては黙っていられなかった。彼は馬を走らせ城へ向かう決心をしたのだが…
「おい爺さん。立派な馬に乗ってるな。ソレはあんたにゃもったいないぜ。俺様がもらってやるよ!!」
「ぐはっ!?」
ラッセルが雇ったならず者の1人が、この場から逃げ出そうとしていた時、爺さんが乗ってる馬を見付けた。そして馬を強奪する為に馬上の爺さんをソードで一刺しした
「バタッ!」
腹を刺されて地に落ちた爺さん。ならず者は奪った馬で逃げ出して行った
「ぼ、ボッチ様……」
爺さんはその場に小さな赤い池を作ると、間もなく動かなくなった
【マリニウム城上空】
「エセックス様!あの巨人の娘が縮んでいきます!」
「ふはは…やってやったぜ…後はトドメを…」
「いけません!エセックス様は長時間の戦闘と先程の極大呪文でお身体が危険です。1度衛生所に戻り簡単な治療と魔力の回復だけでも…」
ボッチちゃんに巨大な槍を叩き込んだエセックスを心配し、彼を抱き抱える部下のイントレピッドは戦場を離脱し衛生所へ飛んでいった
続く
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