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憎奪戦争編
それぞれの目的
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【最終局面】
ランバード達もランドルフ達もクーデターは成功し、それぞれの野望をその手に掴める事が確信に近付いてからの転落
彼らの最後の望みはクーデターを引き起こしたラッセル・オヅベルド公爵の息子ランバード・オヅベルドがまだ生きている。それだけだったが…聖騎士勇者隊と三姉妹たちの登場で、その微かな望みさえ打ち砕かれようとしていたのだが…
「カルーア!お前はいったい何なのよっ!!今回もあと一押しって所で邪魔しに来てさ。何か恨みでもあるわけっ!?」
ランドルフの部下レキシントンは、カルーアに対し大声で叫んだ。のだが…
「姉さん、お願い出来るかい?」
「もちろんだよぉ!まっかせてぇ!!」
「なっ!?お前どこへ行くつもりさっ!?」
クーデター側はもう負けが確定寸前まで追い込まれていたのだが…
「前回もそうだし、今回もそうだけどさ…わたしは別に貴方たちの邪魔をしに来たのが目的じゃないんだ。悪いけど、わたしはここで失礼させてもらうよ」
そう言うと姉のアリスにおんぶされたカルーアは、アリスと共に古代遺跡を目指してカッ飛んで行った
「…何だったんだ、アイツはよ…」
ランドルフに防御がギリギリだった秘剣を放ったアリスと、極大雷撃魔法を放ったカルーアが、超回復魔法を操る末っ子のサーシャとヨシュアを置いてヒイロを追い掛けて去っていった
「安心しろよサーシャ。お前は俺が絶対に守ってやるからよ」
「はい。有難うございますですの」
ヒイロを探し出してもらうのを姉2人に任せたサーシャは、ヨシュアに護衛してもらいながら待つことにしたようだ
【古代遺跡(大社)の地下】
「なぁ、1Fの治療施設を使わなくて良かったのか?」
ボッチちゃんを背中に担いでミーコの後を追い掛けるラデュード。ミーコは有るか?無いか?も分からない別の治療施設を期待し、更に地下へと降りていく
「上の治療施設は完全に壊れているにぇ。更に下へ降りて別の治療施設を探すしか無いにぇ…」
既に1Fの治療施設が壊れている事を確認していたミーコは、ソレには目もくれず地下3Fに到着した
「はぁはぁ…はぁはぁ…ど、とうやら降りる階段はここまでみたいだにぇ…お前、何か無いか一緒に探すにぇ…ぜぇ…ぜぇ…」
肉体派ではないミーコは、こんなに激しく動いたのは初めてなので肩で息をしている。取り敢えずボッチちゃんを床に寝かせたラデュード
「でー…デー…」
超巨大化の中毒症状か?ボッチちゃんは異常な汗をかいていて、医学に覚えのない彼から見ても一刻の猶予も無いことは予想される
「あったにぇ!!」
その階の奥の部屋に治療施設を見付けたミーコ。1Fの治療施設よりかは少し旧型のように見えるが、ボッチちゃんを治療できる施設は世界中探しても、ここくらいしか無いだろうと思われるなのでミーコは迷わず使う事にした
「フイィィン……」
カプセル式のベッドにボッチちゃんを寝かせてから強化ガラスの蓋を閉め、手探りで探し出すボタンを押すと装置が作動し始めた
数分が経ちボッチちゃんの顔色がいくぶんかマシになってきたように見えた頃、不意に彼女が目を開いた
「ミーコちゃん…ラデュードさん……」
「ボッチちゃん!?話せるのか?」
目を開けたボッチちゃんは突然、一般的な会話を口にした。今まで「でー」しか言えなかったのだが。それよりもラデュードは彼女の回復に安堵した
「お姉ちゃん!ごめん、ごめんね…」
「んーん…2人とも…ありがとう…」
ボッチちゃんは紙一重で聞こえるか?聞こえないか?くらいの小さな声で話すのが限界のようだ
「ラデュードとか言ったにぇ?たぶんだけど…お姉ちゃんは、さっき飲ませた薬で【でえたら】の因子を中和出来たから、その因子に邪魔されていた言語化能力とか、それ以外が正常になったと思うんだにぇ…その代わり2度と【でぇたら化】は出来ないと思うけど…」
「そうなのか?…いや、あんな能力は必要無いだろ?ボッチちゃんは平和を愛する優しい子なんだから!」
ミーコは世話役の爺さん以外にも、姉を理解してくれる者が居たことに安堵の表情を浮かべた。が…
「カンカンカン…」
上から数人が階段を降りてくる足音が聞こえてきた。足音からしてホロミナティの女の足音ではなく、男の足音だという事が予想された
「そこか!?ソコに巨大化した少女が居るのか!?」
聞こえてきたのは王国所属のロベルトの声だった。顔を見合せたミーコとラデュード
【マリニウム城門前】
「ギョオオォォァっ!!」
ランドルフに付き従っていたヴォィドルフの最後の1体が、回復したヨシュアに斬り殺された。残りはランドルフとレキシントン。ランバードと部下2名だけになった
「ランバード。貴方と貴方の父親がした行為は決して許されるものではありません!少しでも良心があるのなら、諦めて投降しなさい!」
ランバードに向けてベイオネットを構えるミャンジャム。アリスとカルーアが抜けはしたが、それでも対局はすでに決していた
「クッソがあぁぁっ!覚えていろよ!!」
ランバードが装着している武装型古代兵器の背面から、数発のミサイルの様な物が撃ち出された
「バッシュー!!」
だがソレは、ミサイルの様に爆発はせずに弾頭から大量の煙が吹き出し、周囲は完全に煙で覆い隠された
「今しかねーな…」
「そうね。逃げましょう」
敗北を理解したランドルフとレキシントンは、この煙に紛れて姿を消した。ランドルフがあまりにダメージを負っているので、レキシントンがチカラを発揮しやすい水辺へと逃げたようだ
「逃げ出さずに罪を償いなさい!」
ミャンジャムが大きな声を出すが、煙が晴れた頃には残存していた敵はすべて逃げおおせた後だった
戦闘の終了を確認したミャンジャム達は、まだまだするべき事が山積みだ。クーデターに巻き込まれた市民の救出、敵残党の掃討。サーシャとヨシュアにヒイロの元に向かうように指示すると、彼女はアドルとメリーズと共に戦闘後の事後処理を始めた
続く
ランバード達もランドルフ達もクーデターは成功し、それぞれの野望をその手に掴める事が確信に近付いてからの転落
彼らの最後の望みはクーデターを引き起こしたラッセル・オヅベルド公爵の息子ランバード・オヅベルドがまだ生きている。それだけだったが…聖騎士勇者隊と三姉妹たちの登場で、その微かな望みさえ打ち砕かれようとしていたのだが…
「カルーア!お前はいったい何なのよっ!!今回もあと一押しって所で邪魔しに来てさ。何か恨みでもあるわけっ!?」
ランドルフの部下レキシントンは、カルーアに対し大声で叫んだ。のだが…
「姉さん、お願い出来るかい?」
「もちろんだよぉ!まっかせてぇ!!」
「なっ!?お前どこへ行くつもりさっ!?」
クーデター側はもう負けが確定寸前まで追い込まれていたのだが…
「前回もそうだし、今回もそうだけどさ…わたしは別に貴方たちの邪魔をしに来たのが目的じゃないんだ。悪いけど、わたしはここで失礼させてもらうよ」
そう言うと姉のアリスにおんぶされたカルーアは、アリスと共に古代遺跡を目指してカッ飛んで行った
「…何だったんだ、アイツはよ…」
ランドルフに防御がギリギリだった秘剣を放ったアリスと、極大雷撃魔法を放ったカルーアが、超回復魔法を操る末っ子のサーシャとヨシュアを置いてヒイロを追い掛けて去っていった
「安心しろよサーシャ。お前は俺が絶対に守ってやるからよ」
「はい。有難うございますですの」
ヒイロを探し出してもらうのを姉2人に任せたサーシャは、ヨシュアに護衛してもらいながら待つことにしたようだ
【古代遺跡(大社)の地下】
「なぁ、1Fの治療施設を使わなくて良かったのか?」
ボッチちゃんを背中に担いでミーコの後を追い掛けるラデュード。ミーコは有るか?無いか?も分からない別の治療施設を期待し、更に地下へと降りていく
「上の治療施設は完全に壊れているにぇ。更に下へ降りて別の治療施設を探すしか無いにぇ…」
既に1Fの治療施設が壊れている事を確認していたミーコは、ソレには目もくれず地下3Fに到着した
「はぁはぁ…はぁはぁ…ど、とうやら降りる階段はここまでみたいだにぇ…お前、何か無いか一緒に探すにぇ…ぜぇ…ぜぇ…」
肉体派ではないミーコは、こんなに激しく動いたのは初めてなので肩で息をしている。取り敢えずボッチちゃんを床に寝かせたラデュード
「でー…デー…」
超巨大化の中毒症状か?ボッチちゃんは異常な汗をかいていて、医学に覚えのない彼から見ても一刻の猶予も無いことは予想される
「あったにぇ!!」
その階の奥の部屋に治療施設を見付けたミーコ。1Fの治療施設よりかは少し旧型のように見えるが、ボッチちゃんを治療できる施設は世界中探しても、ここくらいしか無いだろうと思われるなのでミーコは迷わず使う事にした
「フイィィン……」
カプセル式のベッドにボッチちゃんを寝かせてから強化ガラスの蓋を閉め、手探りで探し出すボタンを押すと装置が作動し始めた
数分が経ちボッチちゃんの顔色がいくぶんかマシになってきたように見えた頃、不意に彼女が目を開いた
「ミーコちゃん…ラデュードさん……」
「ボッチちゃん!?話せるのか?」
目を開けたボッチちゃんは突然、一般的な会話を口にした。今まで「でー」しか言えなかったのだが。それよりもラデュードは彼女の回復に安堵した
「お姉ちゃん!ごめん、ごめんね…」
「んーん…2人とも…ありがとう…」
ボッチちゃんは紙一重で聞こえるか?聞こえないか?くらいの小さな声で話すのが限界のようだ
「ラデュードとか言ったにぇ?たぶんだけど…お姉ちゃんは、さっき飲ませた薬で【でえたら】の因子を中和出来たから、その因子に邪魔されていた言語化能力とか、それ以外が正常になったと思うんだにぇ…その代わり2度と【でぇたら化】は出来ないと思うけど…」
「そうなのか?…いや、あんな能力は必要無いだろ?ボッチちゃんは平和を愛する優しい子なんだから!」
ミーコは世話役の爺さん以外にも、姉を理解してくれる者が居たことに安堵の表情を浮かべた。が…
「カンカンカン…」
上から数人が階段を降りてくる足音が聞こえてきた。足音からしてホロミナティの女の足音ではなく、男の足音だという事が予想された
「そこか!?ソコに巨大化した少女が居るのか!?」
聞こえてきたのは王国所属のロベルトの声だった。顔を見合せたミーコとラデュード
【マリニウム城門前】
「ギョオオォォァっ!!」
ランドルフに付き従っていたヴォィドルフの最後の1体が、回復したヨシュアに斬り殺された。残りはランドルフとレキシントン。ランバードと部下2名だけになった
「ランバード。貴方と貴方の父親がした行為は決して許されるものではありません!少しでも良心があるのなら、諦めて投降しなさい!」
ランバードに向けてベイオネットを構えるミャンジャム。アリスとカルーアが抜けはしたが、それでも対局はすでに決していた
「クッソがあぁぁっ!覚えていろよ!!」
ランバードが装着している武装型古代兵器の背面から、数発のミサイルの様な物が撃ち出された
「バッシュー!!」
だがソレは、ミサイルの様に爆発はせずに弾頭から大量の煙が吹き出し、周囲は完全に煙で覆い隠された
「今しかねーな…」
「そうね。逃げましょう」
敗北を理解したランドルフとレキシントンは、この煙に紛れて姿を消した。ランドルフがあまりにダメージを負っているので、レキシントンがチカラを発揮しやすい水辺へと逃げたようだ
「逃げ出さずに罪を償いなさい!」
ミャンジャムが大きな声を出すが、煙が晴れた頃には残存していた敵はすべて逃げおおせた後だった
戦闘の終了を確認したミャンジャム達は、まだまだするべき事が山積みだ。クーデターに巻き込まれた市民の救出、敵残党の掃討。サーシャとヨシュアにヒイロの元に向かうように指示すると、彼女はアドルとメリーズと共に戦闘後の事後処理を始めた
続く
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