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憎奪戦争編
天に召されて
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【古代遺跡(大社)】
布団に横たわるボッチちゃん。医療薬により傷は回復していたが、それに反比例するかのように、超巨大化した時の中毒症状によりミルミル元気をなくすボッチちゃん
「だ、大丈夫よ。ラデュードさん…はぁはぁ…ここまでありがとう…あの…爺やは…何処?」
「爺さんか?…爺さんは…クーデターの中でハグれてしまったんだ…今頃はここに向かっているだろうさ…それよりも今は身体を休めることに専念してくれ」
心を入れ替えたラデュードは今、心からボッチちゃんの回復を願っていた。が、ボッチちゃんはドンドン顔色が悪くなり全身汗だくになっていた
【古代遺跡階段】
「ミーコ様の邪魔はさせねえだ!」
「もぉ!しーっつこいって!」
「お下がりなさいっ!」
地下3Fに続く階段の上で、ホロミナティと戦っているロベルト率いる城の護衛兵。その中にラデュードが知る男の声が聞こえた
「この中にラデュード君が居るんだろう?俺だ、ヒイロだ!キミが考えている様な悪い風には俺が絶対にさせない!だからここを通してくれ!」
「ヒイロさんですか!?」
ラデュードはヘルメスの街で会ったヒイロの声を覚えていた。彼はミーコに話し掛ける
「ミーコちゃん。追っ手の中に知っている人が居るんだ。彼らを中に入れては駄目か?」
「………お姉ちゃんは生死の境に居るにぇ。その人が信用できる人だとしても今は…」
今は誰も会わせたくない。それ程にボッチちゃんの容態は酷いものだった
「ヒイロさん。彼女の容態は酷くて…医者ならともかく…今は人に会わせたくないと…」
ラデュードはヒイロの人の良さを知ってはいたが、ボッチちゃんが危険な状態だから誰にも会わせたくない!という気持ちを汲んでいた
「そ、そうなのか?…ロベルトさん、今少し時間を置いて…」
今すぐの面会が難しそうなので、逆にロベルトを説得しようとしたヒイロの元へ駆け寄るひとりの少女が居る
「ヒイロ!!良かったよ、無事だったんだね」
「カルーア!?どうしてココに?」
「留守番を頼む」と書き置きしていたヒイロは、家で待っているハズのカルーアが此処にいる事に驚く
「馬鹿っ!わたしはヒイロと一緒に居たいんだ!知らない内に居なくなられて、大人しく留守番なんかしてられないんだよ!」
「そうか、心配掛けたな。ありがとう。ところでアリスとサーシャは?」
カルーアが居るなら三姉妹が揃っているのだろう。と予想したヒイロ
「姉さんは、わたしをオンブして城からここまで全力疾走してくれたから、遺跡の入り口で倒れているよ。サーシャは……聖騎士勇者隊と馬で追い掛けてくると思うけど?」
三姉妹揃って来ていると知ったヒイロは、再びラデュードに話し掛けた
「ラデュードくん!ズバ抜けた回復力のサーシャを知っていたか?三姉妹の末っ子なんだが、彼女が間もなく到着する。それに、サーシャには及ばないがカルーアもS級ランクの精霊魔法使いで回復魔法も高いレベルのモノが使えるんだ…頼むからキミが背負っていた少女と面会させてくれ!」
「あの子が!?…分かりました。説得してきます。もう少し待ってください」
ラデュードはサーシャが回復師だとは聞いていた。流石に天使族という事は聞かせれていなかったが、今のボッチちゃんには回復師は必要不可欠だと思い、ミーコに再度掛け合うためボッチちゃんを寝かせている奥の部屋へと向かった
「ガチャ!」
ラデュードは善は急げ!とその部屋のドアを勢いよく開けた
「ミーコさん。外に信頼できる人の妹の凄い回復師の子が間もなく来るらしいんだ。会わせてやってくれないか?」
ラデュードはボッチちゃんを救える人材が現れる!という吉報を持ってこれた。という思いでミーコに話し掛けたのだが…
「うぐっ…申し訳ないけど…少し静かにしてあげて欲しいにぇ……お姉ちゃんは…やっと静かに眠りにつけたんだからな…」
背後から話し掛けたのでミーコの顔全体はハッキリ見えなかったが…ミーコの右眼からひとしずくの涙が流れ落ちたのが見えた
「まさか?…間に合わなかったのか?」
「……………………………………………」
顔を下げ肩を震わせているミーコから返事は無かったが、それがラデュードへの応えになっていた
「そんな事ってあるかよっ!ボッチちゃんは何も悪くなかったのに、何でこんな終わり方をしなきゃならないんだぁ!!頼むボッチちゃん目を開けてくれっ!」
「……………………………………………」
「こんな事ってあるかよ!ちっくしょー!!」
ラデュードは吼えた!ほんの数日の付き合いでしかないし、長年連れ添ったプディングを食べてしまった張本人ではあるが…ボッチちゃんの優しさを知る彼には、ボッチちゃんの人生を悲観せずにはいられなかった
「ありがとうだにぇ…」
そのラデュードの暑いセリフと本気の涙に、ミーコは彼が姉のボッチを大切にしてくれていた事を理解して感謝の言葉を述べた
続く
布団に横たわるボッチちゃん。医療薬により傷は回復していたが、それに反比例するかのように、超巨大化した時の中毒症状によりミルミル元気をなくすボッチちゃん
「だ、大丈夫よ。ラデュードさん…はぁはぁ…ここまでありがとう…あの…爺やは…何処?」
「爺さんか?…爺さんは…クーデターの中でハグれてしまったんだ…今頃はここに向かっているだろうさ…それよりも今は身体を休めることに専念してくれ」
心を入れ替えたラデュードは今、心からボッチちゃんの回復を願っていた。が、ボッチちゃんはドンドン顔色が悪くなり全身汗だくになっていた
【古代遺跡階段】
「ミーコ様の邪魔はさせねえだ!」
「もぉ!しーっつこいって!」
「お下がりなさいっ!」
地下3Fに続く階段の上で、ホロミナティと戦っているロベルト率いる城の護衛兵。その中にラデュードが知る男の声が聞こえた
「この中にラデュード君が居るんだろう?俺だ、ヒイロだ!キミが考えている様な悪い風には俺が絶対にさせない!だからここを通してくれ!」
「ヒイロさんですか!?」
ラデュードはヘルメスの街で会ったヒイロの声を覚えていた。彼はミーコに話し掛ける
「ミーコちゃん。追っ手の中に知っている人が居るんだ。彼らを中に入れては駄目か?」
「………お姉ちゃんは生死の境に居るにぇ。その人が信用できる人だとしても今は…」
今は誰も会わせたくない。それ程にボッチちゃんの容態は酷いものだった
「ヒイロさん。彼女の容態は酷くて…医者ならともかく…今は人に会わせたくないと…」
ラデュードはヒイロの人の良さを知ってはいたが、ボッチちゃんが危険な状態だから誰にも会わせたくない!という気持ちを汲んでいた
「そ、そうなのか?…ロベルトさん、今少し時間を置いて…」
今すぐの面会が難しそうなので、逆にロベルトを説得しようとしたヒイロの元へ駆け寄るひとりの少女が居る
「ヒイロ!!良かったよ、無事だったんだね」
「カルーア!?どうしてココに?」
「留守番を頼む」と書き置きしていたヒイロは、家で待っているハズのカルーアが此処にいる事に驚く
「馬鹿っ!わたしはヒイロと一緒に居たいんだ!知らない内に居なくなられて、大人しく留守番なんかしてられないんだよ!」
「そうか、心配掛けたな。ありがとう。ところでアリスとサーシャは?」
カルーアが居るなら三姉妹が揃っているのだろう。と予想したヒイロ
「姉さんは、わたしをオンブして城からここまで全力疾走してくれたから、遺跡の入り口で倒れているよ。サーシャは……聖騎士勇者隊と馬で追い掛けてくると思うけど?」
三姉妹揃って来ていると知ったヒイロは、再びラデュードに話し掛けた
「ラデュードくん!ズバ抜けた回復力のサーシャを知っていたか?三姉妹の末っ子なんだが、彼女が間もなく到着する。それに、サーシャには及ばないがカルーアもS級ランクの精霊魔法使いで回復魔法も高いレベルのモノが使えるんだ…頼むからキミが背負っていた少女と面会させてくれ!」
「あの子が!?…分かりました。説得してきます。もう少し待ってください」
ラデュードはサーシャが回復師だとは聞いていた。流石に天使族という事は聞かせれていなかったが、今のボッチちゃんには回復師は必要不可欠だと思い、ミーコに再度掛け合うためボッチちゃんを寝かせている奥の部屋へと向かった
「ガチャ!」
ラデュードは善は急げ!とその部屋のドアを勢いよく開けた
「ミーコさん。外に信頼できる人の妹の凄い回復師の子が間もなく来るらしいんだ。会わせてやってくれないか?」
ラデュードはボッチちゃんを救える人材が現れる!という吉報を持ってこれた。という思いでミーコに話し掛けたのだが…
「うぐっ…申し訳ないけど…少し静かにしてあげて欲しいにぇ……お姉ちゃんは…やっと静かに眠りにつけたんだからな…」
背後から話し掛けたのでミーコの顔全体はハッキリ見えなかったが…ミーコの右眼からひとしずくの涙が流れ落ちたのが見えた
「まさか?…間に合わなかったのか?」
「……………………………………………」
顔を下げ肩を震わせているミーコから返事は無かったが、それがラデュードへの応えになっていた
「そんな事ってあるかよっ!ボッチちゃんは何も悪くなかったのに、何でこんな終わり方をしなきゃならないんだぁ!!頼むボッチちゃん目を開けてくれっ!」
「……………………………………………」
「こんな事ってあるかよ!ちっくしょー!!」
ラデュードは吼えた!ほんの数日の付き合いでしかないし、長年連れ添ったプディングを食べてしまった張本人ではあるが…ボッチちゃんの優しさを知る彼には、ボッチちゃんの人生を悲観せずにはいられなかった
「ありがとうだにぇ…」
そのラデュードの暑いセリフと本気の涙に、ミーコは彼が姉のボッチを大切にしてくれていた事を理解して感謝の言葉を述べた
続く
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