ようこそ幼い嫁候補たち ③

龍之介21時

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憎奪戦争編

責任の取り方

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【古代遺跡(大社)前】
「ミーコは行ってしまいましたね…」

ボッチちゃんはヒイロ達と共に、ヘルメスの街を目指して旅立って行った妹のミーコを見送った

「違いますよ。今日から貴女がミーコなんです。彼女も言ってたでしょ?彼女は今日から【ミコ】として生きると」

「はい…ですが、私はこれからどうすれば…いえ、私に何が出来るのでしょうか?先のことを考えると不安で仕方ないのです…」
 

月明かりに照らされた大社(古代遺跡跡)に立ち尽くし、今後の生き方を悩んでいた。妹から【ミーコ】の名前をもらい崩壊したマリニウム再建のために人生を捧げると宣誓したボッチちゃん
しかし、マリニウムの守り神として…ただ愛想を振り撒いて生きてきただけの自分に、いったい何が出来るのか?まず、そこからが悩みの種であった

「ボッ……いや、ミーコちゃん。俺も微力ながら隣で支えるから、ゆっくり出来ることを探していこう」

「ラデュード…ありがとうございます」

自称【北の勇者隊】だったラデュードは、唯一のパートナーを失い今後はミーコ(ボッチ)の従者として生きることに決めた

「ミーコさん、事情は聞きました。私(ワタクシ)率いる【聖騎士勇者隊】の3名が、しばらく貴女様の手先となりましょう!」
 

ラデュードに続いて、ミーコ(ボッチ)の味方になってくれると王都クラウンの聖騎士ミャンジャム・イレイユが名乗りを挙げた

「ミャンジャム様!?宜しいのですか?…貴女は王都クラウン専属の聖騎士なのですよ?…ソレに【イシスの勇者】アドル様達まで?」

「僕達を危機に扮したマリニウムを救うために、ミーコ(ボッチ)ちゃんが手招きをした…と言うことにすれば、貴女の功績になるでしょう?…それに、ミャンは僕の恋人ですから彼女のする事に協力するだけなんですよ」

この半年ミャンジャムと行動を共にしていたアドルは、すっかり恋人の仲を深めていたようだ。ミャンジャムが残るのなら当然、自分もと意思表示してくれた

「身に余る光栄ですが、私なんかがソコまでして頂いて宜しいのでしょうか?」

「ミーコ(ボッチ)ちゃん。彼らは頼れて信頼できる人達だ。その強さを俺はヘルメスの街で思い知らされたんだ。彼らが味方になってくれると言うなら、こんなに心強い事はないよ。何かを成すには心強い味方は必要だよ」

「……分かりました。私…ミーコは今度こそ偶像などではなく、その働きでマリニウムの守護者となれるよう頑張ります!」

ボッチ(ミーコ)は、大勢の人を喰らった罪と名を偽ってまでもマリニウムに幸せと平和を取り戻す為に、身を粉にして働く決意を固めた


「ミーコさん、良いかい?騎士たちに掛けられている催眠魔法を解除するよ。覚悟は決まったんだね?」

「はい!お願いします!」

……………………………………………

「うっ、(;-ω-)ウーン 気を失っていたのか…」

「マリニウム城の家臣ロベルト様とお見受けします。私はサクラバ家の次女ミーコと申します……その、今回は姉のボッチが多大な損害を与えた事を、心からお詫び申し上げます」

ボッチはミーコとなりロベルトに説明をした
ボッチはエセックスの極大魔法で既に消滅していた。更にミーコはクーデターの情報を先取りし、ひとり王都クラウンの【聖騎士勇者隊】とコンタクトを取り、マリニウム支援の約束を取り付けていた。と説明した

「なんと!?予めクーデターを察知し、独断で聖騎士勇者隊の協力を取り付けておられた、と。…いやはや素晴らしい働きです
……確かに姉上の暴走は、マリニウムに甚大な被害を及ぼしはしましたが…それは欲に走ったマリニウムの負のエネルギーが、守護者である彼女の許容範囲を超えてしまった事にあります
残念なことに姉上は亡くなりました。ですが、貴女は聖騎士勇者隊を呼び寄せたように貴女の出来ることでマリニウムを今後も助けて頂きたい!」


マリニウム城の家臣ロベルトの口添えにより、ミーコ(ボッチ)ちゃんは新生マリニウム公国として生まれ変わる国の大神官として、採り上げられる事になった
聖騎士勇者隊の3人に加え、ラデュードという配下まで引き連れてのマリニウム支援を高く評価されたようだ



【その日の夜】
兎にも角にも人材と戦力が不足しすぎている事が大問題になっているこの国に、聖騎士勇者隊と従者の併せて4人も引き入れたミーコ(ボッチ)の功績は高く評価され、死者を送り出す儀式と併せて歓迎会が行われた

ソレにはもちろん、家族や財産を失ってしまった者たちを慰める。という意味も含まれていた。よってマリニウム城跡で行われた祭りだが…身分不問で開かれた。生き残った者たちに、無事だった城の備蓄食料を惜しみなく提供した
公国制を取り入れたマリニウムは、臨時措置としてロベルトを宰相、ミーコを相談役の大神官として2本柱でしばらく運営される事になる



【アレクス城前】
「無事に戻ってなりよりです、エーデ、ミクイ…まずはアサシンマスターのミクイ。エーデの護衛を見事に果たしたその実力、我が親友【徳川有栖】が言った通りの素晴らしい働きだと評価致します。ご苦労さまでした」
 

「フュール様からお言葉、光栄です」

ミクイは、もはや王都クラウンの所属ではなく優輝と共に魔族の将【ベイ・ガウザー】の配下となっている。その為、魔族の主城アレクスの専属魔女【フュール・アシェスタ】からの褒め言葉を片膝を付き頭を下げて礼儀正しく頂戴していた

「さてエーデ」

「Σ(๑ °꒳° ๑)ビクッᵎᵎ」
尊敬するフュールが次に自分に言葉を掛けてくる。その事に緊張を隠せないエーデ

「貴女の生まれ故郷に久しぶりの帰郷となりましたが、どうでしたか?納得のいく行いが出来ましたか?」

実の妹のようにエーデに接してきたフュールにしてみれば、言葉に表さなくても彼女の顔色でマリニウムで彼女が、どのような思いをしたか。ある程度の想像は出来ていたが…上官として師匠として、敢えて口に出して質問した

「エーデは…エーデは…10年以上もお師匠様から教えを受けておきながら…おきながら……満足するには程遠い無様な醜態を晒してしまいました!今後は…甘えは漏らしませんので、こんな未熟者でも生まれ変われる程の修行を是非ともお願いしますっ!」

エーデはフュールの前に土下座して、溢れる涙を流しっぱなしのまま彼女に、更なるHARDな修行を懇願した

「良いでしょう…ですが、ただHARDな訓練を続けるだけというのも非効率的なもの。今回のように貴女にも外に出て多くの知識と経験を積む必要がありますね。また、その時がきたら大いに励むのですよ」 

「有難うございます!ご期待に添えるよう頑張ります!」

「エーデ様…」

離れた大木の影で、エーデの覚悟を見守っている不死者(リッチー)もまた涙を流して、その様子を眺めていた



続く
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