ようこそ幼い嫁候補たち ③

龍之介21時

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日常編

リーリア姉妹の新年祭

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【ヘルメスの街】
昨日、街の最大イベントである年末祭が行われた。そして今日から2日間、新年祭が開催されている。その会場に、この街でAランク3人で構成されている【リーリア姉妹隊】が私服で歩いて居た

「ヒイロ…今日もエルフっ娘たちと一緒か…難しいなぁ…」

双子の妹【シャルル】は少し遠くを眺めている。三姉妹たちと仲良く遊んでいるヒイロを見つめて、ため息をついていた。そんな彼女に話し掛ける姉のシェリー

「シャルル、どうかしたの?」

「(゜∀  ゜ )/えっ!?な、何でもないよ…」

「シャルルちゃん。元気が無いように見えますが?」

シェリーと一緒にやって来た(パーティメンバーの)ガルダンも心配してくれていた

「何でも無いってば!……そうだ!ガルダンさん。飲み物奢ってよ?喉乾いちゃった」

「えっ!?あ、構いませんが?」

「ちょっとシャルル…」

「良いから、良いから。姉さんは待っててよ、スグに戻るから♪」

そう言うとシャルルをシェリーを残し、ガルダンの腕を掴んでドリンクを買いにその場から離れた



【ドリンク屋】
「はい!フルーツドリンク3っつお待たせ!まいどっ!」

シャルルがひとつ、ガルダンが2つドリンクを持った

「どうしたんですか?シャルルちゃん。何かありましたか?」

シャルルの強引な行動に困惑しているガルダンだが、シャルルは彼に耳打ちした

「お姉ちゃんさ、ガルダンさんに積極的に迫って欲しい。って普段から嘆いているよ!そのドリンク渡したついでに、どこかへ誘ってあげなさいよ!私は消えるからさ」

「い、いや、その…自分なんかがシェリーさんをお誘いするなんて…恐れ多いですよ(汗)」

パーティリーダーであり、シャルルの姉であるシェリーにアプローチしろ!と催促されて照れているガルダン。生真面目で奥手過ぎるのも考えものだ…はたから見ればシェリーがガルダンに強い好意を抱いているのは見え見えなのだがw

「全く!そんな事してるうちに誰かにお姉ちゃんが取られちゃっても知らないからね!…知ってる?お姉ちゃんモテるんだよ!」

「そ、そうでしょうね…あはは…」

新年祭という大きな祭りの日に、ケツを叩いても行動しそうにないガルダンに呆れるシャルル


しばらくして、2人がシェリーの元に戻ると…見知らぬ男2人が彼女にアプローチしていた

「なぁなぁ、俺らこの街に来たばっかで知り合いも居なくて寂しーんだよ!」

「あの…困りますから…」

「んだと!この女!下手に出てりゃつけ上がりやがってぇ!」

断り続けるシェリーに苛立った男が強引にシェリーの手を掴んだ!その様子を見て「ギョッ」としたシャルルとガルダン

「少し付き合えって言ってんだよ!」

「チカラづくで分からせてやろうか?あぁん」

「おい!若造ども。その女性は俺の大切な人なんだがな…何か用事でもあるのか?それに、女性は優しく扱わないとイケないよな!!」

「バキッ!」「ドゴッ!!」

シェリーに乱暴している2人の男に腹を立てたガルダンが、背後から問答無用で殴り倒した



【数分後】
警備隊員が現れ事情を聞いた後、シェリーに強引なアプローチをした男たちは牢屋へと連れていかれた

「コイツらは一晩、牢屋で寝かせたら街から追放しますのでご安心を!」

「大丈夫でしたか?シェリーさん…」

「うん、うん…ありがとう…あのね…「俺」って言う方がカッコ良いわよ?(笑)」

「そ、そうでしょうか?シェリーさんがそう言われるなら、今度からそうします(照)」

(へー、奥手だと思ってたけど…やる時はやるんだ。へぇ…良いじゃない♪)

シェリーを守るために躊躇なく行動したガルダンを見直したシャルル。するとシェリーが彼女に近づいてきた

「あ、あのねシャルル…ガルダンが2人で祭りを楽しみたい。って誘ってくれたんだけど…行ってきても良いかな?」

「ほっ、本当?良かったじゃん!私のことはほっといて良いから楽しんでおいなよ!」


「すみません。シェリーさんをお借りします」

「ありがとうねシャルル♪」

シェリーとガルダンを見送るシャルル

「うん、良かった♪けど…私ひとりになっちゃったか…でも!お姉ちゃんが幸せなんだから、これで良いんだ…」

姉の幸せを望むシャルルだが、ひとりになった途端寂しさが込み上げてきて、少し落胆してしまった。しばらく人気のないベンチに座り込んでいた。そんな彼女に背後から声が掛かった

「おっ、シャルル。こんな所に居たのか?」

「えっ!?」
(( ;゜³゜)ウソ…この声は…)
シャルルは振り向いて相手の顔を見なくても、自分に声を掛けてきた相手がヒイロであると声を聞いただけで分かっていた

「ひ、ヒイロ?ど、どうしたの?」

「商業ギルドに挨拶に行ってたんだ。戻ってくる時にシャルルを見かけてな…一緒に遊ばないか?」

「えっ!?わ、私で良いの?……いやいや3姉妹…カルーアの相手しなくちゃならないでしょ?私と一緒に居たら怒られちゃうんじゃないの?」

まさかヒイロが自分と遊ぼう。と声を掛けに来てくれる事など、微塵にも期待していなかったシャルルは度肝を抜かれたように驚いている

「ははは!」

「えっ!?どうしたの?」

「今夜は三姉妹から許可を得ているよ」

「えっ?嘘でしょ?そんなハズは…特にカルーアが許すハズないわ…」

まさかの三姉妹からの許可が出ている。そんなこと有り得ない!と疑うシャルルだが…

「アリスが疲れて寝ちゃってな…それにエルデスさんは人混みが苦手らしいし…それに、俺が街に居ない時に暴漢に襲われたミルをシャルルが助けてくれたんだってな」

「えっ!?…あー、確かにそんな事もあったけど…でも…」

なかなか首を縦に振ってくれないシャルルに、ヒイロはそっと手を伸ばした

「向こうの広場でダンス大会が開かれているんだ。一緒に踊ってくれないか?…こればっかりは背の低いカルーア達だとバランスが悪くなっちゃうしな(笑)」

「も、もう。ヒイロったら仕方ないわね。シャルルさんがダンスをコーチングしてあげるわ!……(/// ^///)ありがとう」
 

シャルルはヒイロの優しさと、三姉妹…カルーアの気遣いに感謝した

それから30分ほどダンスを踊り明かしたシャルルとヒイロ。別れを切り出そうとしたシャルルに、ヒイロは彼女をご飯に誘った

「まだ一緒に居てくれるの?…そうね。踊ったからお腹空いたわね。食べに行きましょうか♪」

シャルルは新年祭の初日をヒイロと2人でたっぷり楽しんだ。笑顔満開のシャルルを遠くから見つめているシェリーとガルダン

実は2人がこっそり「シャルルがひとりで寂しくしてるから相手してあげて欲しい」と頼みに行っていたのだ
そんな事は知らないシャルルは、久しぶりのヒイロとのデートを日付けが変わるまで楽しんで、今日が忘れられない日になったようだ



続く
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