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日常編
不死の王【ディー・アモン】
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【海岸沿いの小屋の中】
希少種である発光蝶を密猟しようとした、男たちに襲われてしまった島の巫女であるエルデスを助けたザッドと名乗る男
「助けていただきまして有難うございます。あの…私はこの島の巫女をしていますエルデス・エムデスと言います」
「個性的な名前だな……確かに胸のサイズはLです。って感じだがな…性格はMなのか?…まぁいい。俺はケディータ家のザッド。あと何年かしたら魔王になる男だ」
突然、色々な事が起きすぎてしまい頭の整理がつかないエルデスに合わせて、ザッドは会話速度を変えて話していた
「巫女と言ったな。この島は人口が少なかったハズだが…なぜお前は巫女をしていたのだ?」
「はい……この島も昔は数千人が暮らしていました。その時は王政が敷かれて永く統治されていたのですが…ある年、世継ぎに双子が産まれてしまいました。彼らが小さい頃は良かったのですが…やがて彼らが成人すると、島民は兄派と弟派に別れて対立し…最後には戦争を始めました
どちらが勝つのか分からない程の戦争でしたが…大量に流れた彼らの血が、地底で眠りについていた【不死の王】が目覚めさせ、島民の9割を喰らった後に彼は再び地底で眠りについたと聞いています
巫女とは【不死の王】の眠りを妨げない様にする目的を、私たち精霊術士に課せられた職務なのです」
細かく丁寧な説明がエルデスの性格を物語っていた。説明を終えると再び彼女は黙ってしまった
「なるほどな。だが、これでお前が巫女を続ける理由は亡くなったな……もし良ければ俺の故郷フィン・フィヨルドに来るか?ひとりでは生きていくのも難しいだろ?」
「それは…嬉しい提案ですが………どうして巫女をする理由が無くなったのでしょうか?…え?ひとり、ですか?」
やはりエルデスの思考は上手く機能していない。彼女が巫女を辞めても良くなった理由…
「…それは、島民がお前を除いて全員死亡したからだな」
「!!!( ゜д゜)ハッ!!!!みなさん!」
ザッドに言われて、ようやくエルデスは自分を助けに来てくれた島民の悲鳴の後の安否を確認していない事に気がついた
「俺がもう少し早く来れていれば、少しは助けられたかも知れんな。すまない…」
「シェンハお婆さーん!…アンディ、こんなに何ヶ所も刺されて痛かったですよね?…バーバリ、顔にこんな大きい穴を開けられてー、ヤンエット、両手を切り落とされてしまったのですねー………
みんな痛かったですよね~、苦しかったですよね~ごめんなさい~私が~迂闊に~……うぁぁぁ…ごめんなさい~…あっ、あぁ~」
「おい!しっかりしろ!」
(話し方がおかしくなっちまったか…この惨劇は彼女には刺激が強かったか。もしかすると脳に障害が出ているのか?)
島民の虐殺絵図を見たエルデスは、あまりのショックのデカさからか?語尾を常に伸ばす話し方をし始めていた
「大人しくしろ。精神系の治療魔法は得意ではないが…出来るだけ直してや……」
脳を破壊しそうな程の衝撃を和らげてやろう。とザッドがエルデスの頭部に手を伸ばした時だった
「( ゜∀゜)ウハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \。だぁーれですぅかぁ?吾輩を眠りから呼び起こす者は?…ん~、香(かぐわ)しい血の香りが漂っているでは、あーりませんかぁ!!」
「なんだ!?おかしな奴が現れやがったな…」
まるで水面から何者かが顔を表すように、高笑いしているその男は地面から「スーッ」とその姿を表した
やがて全身が地上に現れると…その男はシンプルに【吸血鬼】の姿をしていた
「おかしな奴。とは失礼な言い方でぇすね貴方っ!!吾輩は不死の王【ディー・アモン伯爵】という名があぁりまぁすっ!!」
「さっきエルデスが話していた、昔に島民の1000人近くを喰らったとかいう【不死の王】か」
ザ吸血鬼の男はザッドが自分の名を知っていることを理解すると「お控えなすって」と言いながらするポーズよろしく、右手のひらを上に向け手前に出し言葉を続けた
「吾輩の名が知れ渡っていて愉快痛快でぇ…ございますねぇ(笑)しかるに貴方たちはぁ……何者なのですかぁ?……貴方たちだけ名乗らないのは不公平というもの…うーん、良くありませんねぇ!!」
「俺はザッドだ。偶然通りかかった北の島の者だ」
「ごめんなさい~ごめんなさい~」
ザッドはキチンと答えられたが、島民の変わり果てた姿に精神をやられたエルデスは…マトモな受け答えが出来なくなっていた
「スタイルは抜群ですがぁ…失礼なお嬢さんですねぇ…このディー・アモンの餌にしてあげましようかね」
「やめろ!俺の目の前で無用な殺戮は許さんぞ」
「吾輩に命令すると言うのですかぁ!?……ならばっ!それだけの実力を示してみなさぁい!!」
「ふっ、そんな事でいいのか?容易いな」
「なぁるほどぉ~。とんでもなか屈強そうな男ですね~。よろしい!貴方の血もこのディー・アモンの1部にしてさしあげましょうかねぇ~♪」
久しぶりに目覚めたディー・アモンは2人の血を吸おうと、立ちはだかるザッドに襲いかかった!
続く
希少種である発光蝶を密猟しようとした、男たちに襲われてしまった島の巫女であるエルデスを助けたザッドと名乗る男
「助けていただきまして有難うございます。あの…私はこの島の巫女をしていますエルデス・エムデスと言います」
「個性的な名前だな……確かに胸のサイズはLです。って感じだがな…性格はMなのか?…まぁいい。俺はケディータ家のザッド。あと何年かしたら魔王になる男だ」
突然、色々な事が起きすぎてしまい頭の整理がつかないエルデスに合わせて、ザッドは会話速度を変えて話していた
「巫女と言ったな。この島は人口が少なかったハズだが…なぜお前は巫女をしていたのだ?」
「はい……この島も昔は数千人が暮らしていました。その時は王政が敷かれて永く統治されていたのですが…ある年、世継ぎに双子が産まれてしまいました。彼らが小さい頃は良かったのですが…やがて彼らが成人すると、島民は兄派と弟派に別れて対立し…最後には戦争を始めました
どちらが勝つのか分からない程の戦争でしたが…大量に流れた彼らの血が、地底で眠りについていた【不死の王】が目覚めさせ、島民の9割を喰らった後に彼は再び地底で眠りについたと聞いています
巫女とは【不死の王】の眠りを妨げない様にする目的を、私たち精霊術士に課せられた職務なのです」
細かく丁寧な説明がエルデスの性格を物語っていた。説明を終えると再び彼女は黙ってしまった
「なるほどな。だが、これでお前が巫女を続ける理由は亡くなったな……もし良ければ俺の故郷フィン・フィヨルドに来るか?ひとりでは生きていくのも難しいだろ?」
「それは…嬉しい提案ですが………どうして巫女をする理由が無くなったのでしょうか?…え?ひとり、ですか?」
やはりエルデスの思考は上手く機能していない。彼女が巫女を辞めても良くなった理由…
「…それは、島民がお前を除いて全員死亡したからだな」
「!!!( ゜д゜)ハッ!!!!みなさん!」
ザッドに言われて、ようやくエルデスは自分を助けに来てくれた島民の悲鳴の後の安否を確認していない事に気がついた
「俺がもう少し早く来れていれば、少しは助けられたかも知れんな。すまない…」
「シェンハお婆さーん!…アンディ、こんなに何ヶ所も刺されて痛かったですよね?…バーバリ、顔にこんな大きい穴を開けられてー、ヤンエット、両手を切り落とされてしまったのですねー………
みんな痛かったですよね~、苦しかったですよね~ごめんなさい~私が~迂闊に~……うぁぁぁ…ごめんなさい~…あっ、あぁ~」
「おい!しっかりしろ!」
(話し方がおかしくなっちまったか…この惨劇は彼女には刺激が強かったか。もしかすると脳に障害が出ているのか?)
島民の虐殺絵図を見たエルデスは、あまりのショックのデカさからか?語尾を常に伸ばす話し方をし始めていた
「大人しくしろ。精神系の治療魔法は得意ではないが…出来るだけ直してや……」
脳を破壊しそうな程の衝撃を和らげてやろう。とザッドがエルデスの頭部に手を伸ばした時だった
「( ゜∀゜)ウハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \。だぁーれですぅかぁ?吾輩を眠りから呼び起こす者は?…ん~、香(かぐわ)しい血の香りが漂っているでは、あーりませんかぁ!!」
「なんだ!?おかしな奴が現れやがったな…」
まるで水面から何者かが顔を表すように、高笑いしているその男は地面から「スーッ」とその姿を表した
やがて全身が地上に現れると…その男はシンプルに【吸血鬼】の姿をしていた
「おかしな奴。とは失礼な言い方でぇすね貴方っ!!吾輩は不死の王【ディー・アモン伯爵】という名があぁりまぁすっ!!」
「さっきエルデスが話していた、昔に島民の1000人近くを喰らったとかいう【不死の王】か」
ザ吸血鬼の男はザッドが自分の名を知っていることを理解すると「お控えなすって」と言いながらするポーズよろしく、右手のひらを上に向け手前に出し言葉を続けた
「吾輩の名が知れ渡っていて愉快痛快でぇ…ございますねぇ(笑)しかるに貴方たちはぁ……何者なのですかぁ?……貴方たちだけ名乗らないのは不公平というもの…うーん、良くありませんねぇ!!」
「俺はザッドだ。偶然通りかかった北の島の者だ」
「ごめんなさい~ごめんなさい~」
ザッドはキチンと答えられたが、島民の変わり果てた姿に精神をやられたエルデスは…マトモな受け答えが出来なくなっていた
「スタイルは抜群ですがぁ…失礼なお嬢さんですねぇ…このディー・アモンの餌にしてあげましようかね」
「やめろ!俺の目の前で無用な殺戮は許さんぞ」
「吾輩に命令すると言うのですかぁ!?……ならばっ!それだけの実力を示してみなさぁい!!」
「ふっ、そんな事でいいのか?容易いな」
「なぁるほどぉ~。とんでもなか屈強そうな男ですね~。よろしい!貴方の血もこのディー・アモンの1部にしてさしあげましょうかねぇ~♪」
久しぶりに目覚めたディー・アモンは2人の血を吸おうと、立ちはだかるザッドに襲いかかった!
続く
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