ようこそ幼い嫁候補たち ③

龍之介21時

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日常編

張り切る勇者

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【3日目の早朝】
「あードールぅ…ちょっと付き合って欲しいんですけど…付き合ってくださいますよねぇ?」

「あっ!はい…」

今日の午後には討伐遠征に来たこの港町を離れる予定なのだが…昨夜メリーズ(の初めて)を抱いたアドルは朝早くから正妻のミャンジャムに起こされ、近くの自然に温泉が湧いている湖へと連れてこられた

どうやら、昨夜旦那のアドルをメリーズにレンタルしている間に散歩をしていた時に、偶然に発見した温泉らしい。とは言え、お湯の量が少なめのようで岩盤浴に近い楽しみ方をするようだ。なので全裸にはならずに、レンタルの服に着替えて入った2人

ちなみに初体験だった為にバテたのか?眠っているメリーズはそのまま寝かせ「少しミャンジャムと散歩してくる」と書き置きを残して出てきていた

「ねぇアドル……メリーズを抱いた感想はどうなのですか?気持ち良かったですか?」

「えっ!?…うん、良かったよ…」

メリーズから聞いた話では、ミャンジャムが「メリーズならアドルと関係を持ってもギリ許せますから」とミャン本人から許可をもらっている。という話だったのだが…今朝の彼女は明らかに機嫌が悪いようだ

「そんなに良かったのですか?もしかして…私(ワタクシ)よりも良かった!なんて言いませんよね?あくまでもメリーズは愛人で、私(ワタクシ)が正妻なのよ。理解してる?」

「も、モチロンだよ」

ハイライトが消えた目で睨まれているアドルは、【イシスの勇者】の称号を得ているほどの立派な冒険者なのだが…あまりの睨みの強さに小動物のように萎縮していた

「彼女なら、たまには抱いても許せるけど…私(ワタクシ)の事を放ったらかしにしないでくださいよ?」
 

そう言うとミャンジャムは着ていた薄手の服を脱ぎさり、その鍛え抜かれた見事なプロポーションで寄り添い、アドルを誘惑するような甘えん坊なポーズをとった

「ミャン、僕が愛しているのはキミだよっ!絶対に離さないから!」

ミャンジャムのあまりの可愛いらしい姿に興奮したアドルは、昨夜が初体験だったメリーズに対して少し手加減した行為をしたので、出し切れなかったリビドーをミャンジャムにぶつけた!


「はっ、あっ、凄いですわ!アドルのキカン棒が…私(ワタクシ)の奥の奥まで入ってきて…強く打ち付けて…はぁはぁ…頭の芯までシビレてしまいわすわっ!!」

メリーズには加減したとはいえ、ミャンジャムも結婚したばかりの新妻なのだが…アドルは一切の手加減をせずに激しく彼女を抱いた

そんな2人の熱い行為を…林の中から【認識阻害(ハードゥーン)】で姿と気配を完全に消していたメリーズが見守っていた

(なんや…心配する事はあらしませんでしたね。2人とも妬けるくらいに愛し合ってるやないの。また近い日に相手してもらいまひょ)

もしかしたらアドルが自分と肉体関係を持ってしまった事が、2人の仲に亀裂を産んだりしてないか?心配で後を付けてきたメリーズだった

問題が無いことを確認すると、時々は自分も愛してもらえたら良い!そう決心したメリーズは2人に見つからないうちに、その場から立ち去り宿屋で2人の帰りを待つことにした



【マリニウム城】
次の日の午前中マリニウムに帰還した聖騎士勇者隊の3人は、討伐遠征の結果報告をする為に【謁見の間】に姿を現した

「そうでしたか…狼魔人のランドルフ達が港町に居ましたか…」

「厄介ですな。あの町の守備隊では、聖騎士勇者隊が帰還した事を知られたら、また襲って来るやも知れませんな」

猛者揃いの聖騎士勇者隊が居なくなれば狼魔人ランドルフ達なら、あの港町を制圧するのは簡単なことだろう

「だったら僕が出向いて奴らが現れるのを待って、息の根を止めてやりますよ!」

ラッセル伯爵のクーデターで唯一生き残った超人類の【柳生 茜】がそう言い放った。クーデターの時に受けたダメージが完治したようだ。治療中、聖騎士勇者隊ばかりに高難易度の任務を任せっぱなしになっていたのを、彼女も気にかけていたようだ

古代兵器ベイオネットを使う聖騎士ミャンジャムも、クレリアソードを使う勇者アドルもSランクの猛者だが…超人類である茜は、その上を行くSSランクの強さを誇っているのだから、自分の強さに自信があるのも当然と言える。だが…

「ご心配には及びませんえ。ウチが港町の守備隊の魔法使いたちに、水系の魔物には逆に氷系の魔法がよく聞くことを伝えておきましたし、効率の良い罠の設置も教えておきましたからな」

アドルとミャンジャムが温泉でお楽しみ行為をしている間に、守備隊の詰め所に寄ったメリーズが、ランドルフ達への対処法を伝授しておいたようだ

「そうでしたか。ご苦労さまでした。2泊3日の遠征は疲れたでしょう?明日の午後まではゆっくりとお休み下さい」

ミーコは彼らの身体を気づかい城での仕事は、明日の午後からで良いとし身体を休めるように伝えた。とは言え、早く任務が片付いた彼らは色んな意味で十分に頼んでいたのだが…



【展望台】
その日の晩ご飯を食べた後、メリーズは城の展望台に1人で来ていた。警備兵が隣国からの侵入などを監視する為の高見台だ

「こんな所に居たのか?」

「アドルはん…わざわざ探しに来てくれはったんですか?」

「男の僕には分からない事なんだけどさ…女性って性行為のあと凄く疲れるものだ。って聞いたことがあってさ…ましてやメリーズは初めてだったんだろ?その、大丈夫かなって…」

もちろん彼女の身体のことも気にしているアドルだが…女の友情が芽生えていたミャンジャムの旦那に抱かれたことで、メリーズが罪悪感を感じていないか?それを観る目的もあったのだ

「ふふ、なるほどね。ミャンジャムはんから聞いたんね……せやけど、アドルはんはホンマに優しいお人やなぁ♪そないに優しくしたら…本気で好きになってまうかもしれへんよ?ええの?またミャンジャムに嫉妬されるんとちゃう?昨日の温泉での事みたいにね(笑)」
 

「Σ(ㅇㅁㅇ;;)えっ!?み、見てたのかい?」

アドルの優しさが本当に嬉しいメリーズは、少しからかった彼が本気で不安そうに慌てているその姿がおかしくて、ケラケラ笑い始めてしまう

「クスクスクス(笑)…はぁ。こないに腹から笑ったのはいつ以来やろ?…港町で見掛けた小さい姉妹のようにウチとお姉ちゃんが手を取り合う事は…2度と有り得ませんやろうけど…アンタ達2人に出会えたからウチは大丈夫みたいや。今後も頼みますえ【イシスの勇者】はん!」

普段素っ気ないメリーズからは予想も出来ない素敵な笑顔からのお願いに、言葉は出なかったが笑顔で首を縦にフリ彼女の問いに応えたアドルだった



続く
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