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それぞれの3択
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【スナック 希望の華】
オリビアは手紙に書かれていた、大黒埠頭のハズレにあるスナックに来ていた。20代半ばで実質事務所のトップである彼女は、今までに「付き合い」という名目で飲み屋に行った経験は何度かあった。しかし、この店の雰囲気は彼女の知らない世界だった
「なんじゃと!?……おいリオン、客じゃぞ」
(手紙には…店主(マスター)は20代後半の男だ。って書かれてたから、金髪幼女に呼ばれてめんどくさそうに立ち上がった彼ね)
「スノードロップを頼みたいのですけど…」
その言葉は、表向きとしてスナックを経営してるこの店が実は…探偵事務所であり、その依頼をする為の合言葉になっているようだ
「ヤレヤレ、俺の仕事か…付いてきな」
「もちろんワラワも一緒じゃぞ。なにしろ、リオンはワラワの忠実な配下だからなっ♪」
オリビアは店主である彼と、スタッフであろう3人の女性との関係性が理解出来なかった
(一人称を「ワラワ」と呼ぶ7-8歳に見える金髪幼女と、彼を隊長(キャプテン)と呼ぶ中学生くらいの黒人少女に、桃色髪の女子高生。こんな女の子達を働かせてるなんて、もしかして…ヤバいお店に来ちゃったのかも?)
浅草でメルルの財布を取り返してくれた女の子からの怪しい手紙に従い、この店に来てしまった事を後悔し始めていた
「隊長(キャプテン)…僕も一緒に…お話し聞きたいけど…よろしいです…か?」
店主を「配下」と言う金髪幼女もおかしいが、黒人の中学生も店主に対しての態度がおかしい。隊長をキャプテンと呼ぶのは、米軍で「大尉」の階級の者を呼ぶ時に使われるらしいのだが…
(中学生にしか見えないあの子が軍人だったの?)
「ちょっと、ちょっと待ってよ!杏樹1人にこのオッサンの相手をしろって訳!?…襲われちゃうよ?杏樹、このオッサンの子供産まされちゃうよっ!?」
「オッサンとは、失礼じゃないか?…それに子供(ガキ)には興味無いから安心しろ」
「ぬぁんですって!誰が子供よ!こう見えても私は…」
店内でオリビア以外の唯一の客である40代の男性と2人きりにさせられたら、襲われて種付けされてしまうに違いないわ!と、取り乱している女子高生らしき桃色髪の女の子は、厨房で皿洗いをしていた手を止めて騒ぎ始めた
「大丈夫だ杏樹、安心しろ。その男はフリーのジャーナリストを名乗る胡散臭い奴だが、俺の大事な助手に手を出して俺を怒らせるようなバカじゃないぜ」
「胡散臭い奴だと?…自分の事を棚に上げてよく言うぜ…」
「でもでもでもでも!杏樹こんな可愛いんだよっ!?2人きりで手を出されないなんて事は無くない?無くない!?」
「……はぁ、すまないソアラ。杏樹を安心させる為に残ってやってくれ。依頼内容は後で教えてやるから…な?」
店主が大丈夫だ。と言っても身の危険で怯える「杏樹」という女の子の為に、黒人の中学生くらいの「ソアラ」に残るように伝えた店主
【依頼】
店主が部屋奥の大きな椅子に座り、その横の小さめな椅子に金髪幼女。そしてオリビアが、彼の目の前の椅子に丸いテーブルを挟んで座っている
「騒がしい店で申し訳ないな。俺はリオン探堕(タンダ)だ。父親がアメリカ人で母親が日本人の、いわゆる日系ハーフって奴だ」
「オリビアよ。私は貴方とは反対で…」
「ノープロブレム。知っているよ、ブイチューバー事務所【コンサート・プリンセス】を立ち上げた女性ライバーってヤツなんだろ?俺と同じで日米の親を持っていて、母親がアメリカ人なんだろ?」
「えっ!?知っていたの?」
「知らなかったさ。調べたんだよ…何せ仲介者が、あの忍者ボーイの妹(シスター)だったからな。下手な仕事をして奴らを怒らせるのは…バカな客が俺の助手に手を出す以上にヤバい事だからな…」
どうやらリオンという、この店の店主はオリビアに手紙をよこした「服部 茜」達のことをよく知っているようだ
「コンコン…ガチャ」
オリビアの背後側にあるドアのノックを聞いた金髪幼女は、颯爽と立ち上がりドアを開けた
「客人よ。飲めコーヒーだ」
「あ、有難うございます」
ドアを開けソアラという黒人中学生から手渡された、お盆に乗ったコーヒーが入っている3つのマグカップの1つをオリビアに渡した
「ん~ふふ~ん♪」
お盆の上には3つのマグカップと、3つのシュガーポーションが乗っていたのだが…金髪幼女は、ポーションを3つとも自分のコーヒーの中に入れていた
「ふぅ…ありがとう、落ち着いたわ。ところで…」
コーヒーを半分くらい飲んだところで、いよいよ本題に入ろうと話し出したオリビアだが…
「手間くさいのは勘弁願いたい」
「えっ!?」
「コラ!リオン。めんどくさがるでない」
オリビアは再び驚かされた。本題に入ろうとしたのだが…彼は既にその内容を知っているような口ぶりだからだ
「それじゃあ次の3択から選んでもらいたい…
1つめは、父親のことを知るだけ
2つめは、父親に報復する
3つめは、メルルを配信者として助ける
…以上から選んで欲しい」
(やっぱり、この男。メルルを妊娠させた相手を既に知っているわね。でも…ドレを選ぶべきなのかしら?)
「………急に選択を迫られても難しいわね」
オリビアは答えを出せなかった
何故ならリオンという男は、メルルを妊娠させた相手の男のことを、既に知っているからこその3択をしてきていると思われる
逆に、相手の男のことを知らないオリビアにはメルルと、その男との関係性も分からないので答えが出せないのだ
「…確かに難しいだろうな。そうだな…今月末までは返事を待とう。先に言っておくが依頼料は、先の3択の順番に10万、30万、50万…といったところだな」
「…分かったわ。よく考えさせてもらうわね」
「それじゃ答えが決まったら連絡させてもらうわね。この名刺に書かれている番号に電話すれば良いのね?」
「ああ。よく考えてくれ…ちなみに、1度依頼されたものはキャンセルは出来ないと思ってくれ。行動するのも金が振り込まれてからだ」
「それで良いわ。それじゃ、お邪魔したわね」
「出来れば2番目か、3番目を選ぶのじゃぞ。でないとワラワの出番が無いからのぅ(笑)」
答えを出せないまま店を後にしたオリビア。腕を組み見送るリオンの横で、不敵な笑みを浮かべて大きく手を振っている金髪幼女
【車内】
マイカーのエンジンをかけたオリビアは、日付けも変わっていたので真っ直ぐマンションに帰ろうとしたのだが…
「ん!?メール?…社長からだわ…ナニナニ…「蒼空メルルは流行病に感染していたので、10日間 自宅療養させることにする」…妊娠してる事は知らせないのね…社長は何を考えているのかしら?」
真実を公に公表するのはタイミングが重要となるケースが多い。しかし、それでも社内メンバーには本当のことを知らせておくものである。だが、社長はメルルの妊娠をメンバーにも伝えなかった
「メンバーを動揺させないようにしてるのかしら?それとも、数日の内に相手の男と話を付けてからメンバーに知らせるのかしら?……ふぅ、今日は悩み過ぎて疲れちゃったわね。帰って熱いシャワーを浴びて早く寝たいわ」
今日1日で、あまりにも予想外のことが起きすぎたので、オリビアは頭痛がする程に悩み疲れていた。彼女は愛車を走らせ真っ直ぐに帰宅した
【竹取家】
「それじゃ、おやすみなさい。また明日ね~。乙アミーゴ」
✱「乙アミーゴ」
✱「乙アミー」
✱「ロミーちゃんも乙」
配信時間は予定より30分以上オーバーして終わった。色々あったが、チャンネル登録者が25000人を超えた亜沙美は、笑顔で振り返りロミータを見詰めた
「ねぇロミータちゃん。遂に私、登録者が25000人を超えたよ♪」
「おめでとう亜沙美…でもね、過激な事をして得たファンは定期的に同じような事をしないと、スグに消えてしまうわよ?」
「えっ!?そうなの?…流石に今日ほどエッチぃ事はもう出来ないよぉ…」
大人の店で購入した巫女服を、更に袖と前掛けを脱衣(パージ)した際どい格好での配信は、照れ屋の亜沙美には2度と出来ないようだ
「ねぇ亜沙美。聞いても良い?」
「何…かなぁ?」
亜沙美は一瞬、言葉に間が空いた
いつになく真剣な表情でロミータが話し掛けてきたからだ。大切な話だろうと予想した
「亜沙美は危険を犯しても登録者が欲しいの?それとも、少人数でも自分の配信を愛してくれる視聴者が欲しいの?後は…ロミーと二人三脚で配信生活を楽しみたいの?」
偶然的にも、亜沙美も3択を突き付けられた
オリビアの3択も亜沙美の3択も、後の生活に響く大切な選択だ
「………2番目と3番目かなぁ?本当はねぇ、会社には悪いんだけどぉ…登録者が少なくてもアミを愛してくれる視聴者に囲まれていたいなぁ。そのうえで、ロミータちゃんとも仲良く過ごしたいの♪」
「うん!それで良いと思うわ♬」
「ちょっと必死になり過ぎてて、あんな恥ずかしい配信しちゃったけど…私の裸は…ロミータちゃん以外には魅せたくないもん(笑)」
「んおあぁっ!?……おやおやおや?亜沙美ってばロミーのことを誘惑してるつもり?」
亜沙美は暴走気味だった自分を抑制してくれたロミータに感謝していた。加えて、本当に彼女から愛されているのだと理解したようだ
「嘘や冗談じゃないよぉ。ロミーちゃんはエッチぃから、いつもドキドキさせられちゃうけど…ロミーちゃんに身体触られてるの気持ち良いんだぁ…今夜も優しく包んでくれる?」
亜沙美は大胆にロミータを誘惑してみた。ソレは、彼女への感謝の気持ちを表現したものだったのだが…
「亜沙美ったら~…ん~!好きスキ好きスキ大好きよぉ♬今夜は寝かせてあげないんだからね~❤︎」
「あん♪ロミータちゃん…い、いきなり脱がしちゃうのぉ?」
「ロミーも脱ぐから恥ずかしがらなくてイイわよ♬」
女の子同士とは言え、肌を重ね合わせることには、まだまだ抵抗がある亜沙美だが…自分のことを心底大切に想ってくれているロミータにならば、好きにされても構わない。と思い始めていた
亜沙美はロミータからの3択に、素早く回答することが出来たが…オリビアは3択を保留にして帰宅した。この判断が後々どう影響するのだろうか?
続く
最終回まで後2話(の予定)
オリビアは手紙に書かれていた、大黒埠頭のハズレにあるスナックに来ていた。20代半ばで実質事務所のトップである彼女は、今までに「付き合い」という名目で飲み屋に行った経験は何度かあった。しかし、この店の雰囲気は彼女の知らない世界だった
「なんじゃと!?……おいリオン、客じゃぞ」
(手紙には…店主(マスター)は20代後半の男だ。って書かれてたから、金髪幼女に呼ばれてめんどくさそうに立ち上がった彼ね)
「スノードロップを頼みたいのですけど…」
その言葉は、表向きとしてスナックを経営してるこの店が実は…探偵事務所であり、その依頼をする為の合言葉になっているようだ
「ヤレヤレ、俺の仕事か…付いてきな」
「もちろんワラワも一緒じゃぞ。なにしろ、リオンはワラワの忠実な配下だからなっ♪」
オリビアは店主である彼と、スタッフであろう3人の女性との関係性が理解出来なかった
(一人称を「ワラワ」と呼ぶ7-8歳に見える金髪幼女と、彼を隊長(キャプテン)と呼ぶ中学生くらいの黒人少女に、桃色髪の女子高生。こんな女の子達を働かせてるなんて、もしかして…ヤバいお店に来ちゃったのかも?)
浅草でメルルの財布を取り返してくれた女の子からの怪しい手紙に従い、この店に来てしまった事を後悔し始めていた
「隊長(キャプテン)…僕も一緒に…お話し聞きたいけど…よろしいです…か?」
店主を「配下」と言う金髪幼女もおかしいが、黒人の中学生も店主に対しての態度がおかしい。隊長をキャプテンと呼ぶのは、米軍で「大尉」の階級の者を呼ぶ時に使われるらしいのだが…
(中学生にしか見えないあの子が軍人だったの?)
「ちょっと、ちょっと待ってよ!杏樹1人にこのオッサンの相手をしろって訳!?…襲われちゃうよ?杏樹、このオッサンの子供産まされちゃうよっ!?」
「オッサンとは、失礼じゃないか?…それに子供(ガキ)には興味無いから安心しろ」
「ぬぁんですって!誰が子供よ!こう見えても私は…」
店内でオリビア以外の唯一の客である40代の男性と2人きりにさせられたら、襲われて種付けされてしまうに違いないわ!と、取り乱している女子高生らしき桃色髪の女の子は、厨房で皿洗いをしていた手を止めて騒ぎ始めた
「大丈夫だ杏樹、安心しろ。その男はフリーのジャーナリストを名乗る胡散臭い奴だが、俺の大事な助手に手を出して俺を怒らせるようなバカじゃないぜ」
「胡散臭い奴だと?…自分の事を棚に上げてよく言うぜ…」
「でもでもでもでも!杏樹こんな可愛いんだよっ!?2人きりで手を出されないなんて事は無くない?無くない!?」
「……はぁ、すまないソアラ。杏樹を安心させる為に残ってやってくれ。依頼内容は後で教えてやるから…な?」
店主が大丈夫だ。と言っても身の危険で怯える「杏樹」という女の子の為に、黒人の中学生くらいの「ソアラ」に残るように伝えた店主
【依頼】
店主が部屋奥の大きな椅子に座り、その横の小さめな椅子に金髪幼女。そしてオリビアが、彼の目の前の椅子に丸いテーブルを挟んで座っている
「騒がしい店で申し訳ないな。俺はリオン探堕(タンダ)だ。父親がアメリカ人で母親が日本人の、いわゆる日系ハーフって奴だ」
「オリビアよ。私は貴方とは反対で…」
「ノープロブレム。知っているよ、ブイチューバー事務所【コンサート・プリンセス】を立ち上げた女性ライバーってヤツなんだろ?俺と同じで日米の親を持っていて、母親がアメリカ人なんだろ?」
「えっ!?知っていたの?」
「知らなかったさ。調べたんだよ…何せ仲介者が、あの忍者ボーイの妹(シスター)だったからな。下手な仕事をして奴らを怒らせるのは…バカな客が俺の助手に手を出す以上にヤバい事だからな…」
どうやらリオンという、この店の店主はオリビアに手紙をよこした「服部 茜」達のことをよく知っているようだ
「コンコン…ガチャ」
オリビアの背後側にあるドアのノックを聞いた金髪幼女は、颯爽と立ち上がりドアを開けた
「客人よ。飲めコーヒーだ」
「あ、有難うございます」
ドアを開けソアラという黒人中学生から手渡された、お盆に乗ったコーヒーが入っている3つのマグカップの1つをオリビアに渡した
「ん~ふふ~ん♪」
お盆の上には3つのマグカップと、3つのシュガーポーションが乗っていたのだが…金髪幼女は、ポーションを3つとも自分のコーヒーの中に入れていた
「ふぅ…ありがとう、落ち着いたわ。ところで…」
コーヒーを半分くらい飲んだところで、いよいよ本題に入ろうと話し出したオリビアだが…
「手間くさいのは勘弁願いたい」
「えっ!?」
「コラ!リオン。めんどくさがるでない」
オリビアは再び驚かされた。本題に入ろうとしたのだが…彼は既にその内容を知っているような口ぶりだからだ
「それじゃあ次の3択から選んでもらいたい…
1つめは、父親のことを知るだけ
2つめは、父親に報復する
3つめは、メルルを配信者として助ける
…以上から選んで欲しい」
(やっぱり、この男。メルルを妊娠させた相手を既に知っているわね。でも…ドレを選ぶべきなのかしら?)
「………急に選択を迫られても難しいわね」
オリビアは答えを出せなかった
何故ならリオンという男は、メルルを妊娠させた相手の男のことを、既に知っているからこその3択をしてきていると思われる
逆に、相手の男のことを知らないオリビアにはメルルと、その男との関係性も分からないので答えが出せないのだ
「…確かに難しいだろうな。そうだな…今月末までは返事を待とう。先に言っておくが依頼料は、先の3択の順番に10万、30万、50万…といったところだな」
「…分かったわ。よく考えさせてもらうわね」
「それじゃ答えが決まったら連絡させてもらうわね。この名刺に書かれている番号に電話すれば良いのね?」
「ああ。よく考えてくれ…ちなみに、1度依頼されたものはキャンセルは出来ないと思ってくれ。行動するのも金が振り込まれてからだ」
「それで良いわ。それじゃ、お邪魔したわね」
「出来れば2番目か、3番目を選ぶのじゃぞ。でないとワラワの出番が無いからのぅ(笑)」
答えを出せないまま店を後にしたオリビア。腕を組み見送るリオンの横で、不敵な笑みを浮かべて大きく手を振っている金髪幼女
【車内】
マイカーのエンジンをかけたオリビアは、日付けも変わっていたので真っ直ぐマンションに帰ろうとしたのだが…
「ん!?メール?…社長からだわ…ナニナニ…「蒼空メルルは流行病に感染していたので、10日間 自宅療養させることにする」…妊娠してる事は知らせないのね…社長は何を考えているのかしら?」
真実を公に公表するのはタイミングが重要となるケースが多い。しかし、それでも社内メンバーには本当のことを知らせておくものである。だが、社長はメルルの妊娠をメンバーにも伝えなかった
「メンバーを動揺させないようにしてるのかしら?それとも、数日の内に相手の男と話を付けてからメンバーに知らせるのかしら?……ふぅ、今日は悩み過ぎて疲れちゃったわね。帰って熱いシャワーを浴びて早く寝たいわ」
今日1日で、あまりにも予想外のことが起きすぎたので、オリビアは頭痛がする程に悩み疲れていた。彼女は愛車を走らせ真っ直ぐに帰宅した
【竹取家】
「それじゃ、おやすみなさい。また明日ね~。乙アミーゴ」
✱「乙アミーゴ」
✱「乙アミー」
✱「ロミーちゃんも乙」
配信時間は予定より30分以上オーバーして終わった。色々あったが、チャンネル登録者が25000人を超えた亜沙美は、笑顔で振り返りロミータを見詰めた
「ねぇロミータちゃん。遂に私、登録者が25000人を超えたよ♪」
「おめでとう亜沙美…でもね、過激な事をして得たファンは定期的に同じような事をしないと、スグに消えてしまうわよ?」
「えっ!?そうなの?…流石に今日ほどエッチぃ事はもう出来ないよぉ…」
大人の店で購入した巫女服を、更に袖と前掛けを脱衣(パージ)した際どい格好での配信は、照れ屋の亜沙美には2度と出来ないようだ
「ねぇ亜沙美。聞いても良い?」
「何…かなぁ?」
亜沙美は一瞬、言葉に間が空いた
いつになく真剣な表情でロミータが話し掛けてきたからだ。大切な話だろうと予想した
「亜沙美は危険を犯しても登録者が欲しいの?それとも、少人数でも自分の配信を愛してくれる視聴者が欲しいの?後は…ロミーと二人三脚で配信生活を楽しみたいの?」
偶然的にも、亜沙美も3択を突き付けられた
オリビアの3択も亜沙美の3択も、後の生活に響く大切な選択だ
「………2番目と3番目かなぁ?本当はねぇ、会社には悪いんだけどぉ…登録者が少なくてもアミを愛してくれる視聴者に囲まれていたいなぁ。そのうえで、ロミータちゃんとも仲良く過ごしたいの♪」
「うん!それで良いと思うわ♬」
「ちょっと必死になり過ぎてて、あんな恥ずかしい配信しちゃったけど…私の裸は…ロミータちゃん以外には魅せたくないもん(笑)」
「んおあぁっ!?……おやおやおや?亜沙美ってばロミーのことを誘惑してるつもり?」
亜沙美は暴走気味だった自分を抑制してくれたロミータに感謝していた。加えて、本当に彼女から愛されているのだと理解したようだ
「嘘や冗談じゃないよぉ。ロミーちゃんはエッチぃから、いつもドキドキさせられちゃうけど…ロミーちゃんに身体触られてるの気持ち良いんだぁ…今夜も優しく包んでくれる?」
亜沙美は大胆にロミータを誘惑してみた。ソレは、彼女への感謝の気持ちを表現したものだったのだが…
「亜沙美ったら~…ん~!好きスキ好きスキ大好きよぉ♬今夜は寝かせてあげないんだからね~❤︎」
「あん♪ロミータちゃん…い、いきなり脱がしちゃうのぉ?」
「ロミーも脱ぐから恥ずかしがらなくてイイわよ♬」
女の子同士とは言え、肌を重ね合わせることには、まだまだ抵抗がある亜沙美だが…自分のことを心底大切に想ってくれているロミータにならば、好きにされても構わない。と思い始めていた
亜沙美はロミータからの3択に、素早く回答することが出来たが…オリビアは3択を保留にして帰宅した。この判断が後々どう影響するのだろうか?
続く
最終回まで後2話(の予定)
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