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アリス IN 異世界日本

久しぶりの来客

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【キッチン】
「出たぞぉ…」
「気持ち良かったぁ!」

クタクタに疲れているヒイロに反して、ルンルン気分のコハラコの2人がお風呂場から出てきた

「気持ち良かったぁ?」
「手を出したんですの?」

「馬鹿っ!する訳ないだろっ!」

コハラコの「気持ち良かったぁ」発言に、ヒイロの行動を怪しんだカルーアだが…彼の表情からワガママな5歳児の相手に疲れただけ、なのが容易に想像出来た

「お姉様、サーシャ達も入りましょうか?」
 

「そうだね………サーシャ?」

「何ですの?」

「エッちい事したらシバくよ?」

「も、もちろんですの(汗)」

(サーシャには分かりますの…お姉様のアノ目は冗談が入り込む余地が無い、マジな時ですの!…流石に昨日ホテルで、あれだけ可愛がっちゃった翌日ですし、今日は諦めますの…)

カルーアとサーシャがお風呂場に向かった
ヒイロがコハラコを見ると…髪の毛以外はビタ濡れのままだった。彼女を呼び寄せ、ボディタオルで全身を拭いてあげた

「ふひゅー!えへへ♪」

どうやらコハラコは、ヒイロに丁寧にお世話してもらったのが凄く嬉しい様だ。その彼女の笑顔がヒイロを優しい気持ちにさせた

「コハラコちゃんも飲むか?」

ヒイロは野菜ジュースを取り出して、コハラコの前に出した

「飲むー!ゴキュ…ゴキュ…ブヒャー!」

コハラコは野菜ジュースもご満悦だ

「カルーア、サーシャ!俺達は先に寝るからな?」

「分かったよ、おやすみ!」

「おやすみなさいですの!」

「おやすみなさいノ!」

コハラコはサーシャの言い方の一部分を真似た様だ。ヒイロは彼女をベッドのほぼ中央に寝かせ、添い寝する様に横で寝た

「ヒイロも強いの?」

「俺は、あまり強くないな」

戦いの為に生み出されてしまったコハラコは、まず強さに興味が湧くようだ

「ヒイロ、優しいから、コハラコが守るの!」

「そうか、ありがとうな。コハラコちゃんは優しいんだね」

ヒイロは彼女(コハラコ)がイシス防衛戦で三姉妹をイキナリ襲って来て、かなりの強さだったと聞かされていたので多少警戒していたが、丁寧に接すれば心優しい娘だと知った。そんなコハラコがヒイロの目を見て言う

「ヒイロをヒイロと呼ぶから、ヒイロもコハラコと呼んで!」

「そうか…そろそろ寝ようかコハラコ?」

「うん、おやすみなさいの!」

コハラコは恐ろしい吸血鬼からは程遠い愛くるしい笑顔を魅せた

(この笑顔も俺が守るべき者だな)

ヒイロを信頼したコハラコは、出会ったばかりのヒイロの横で無防備に寝息を立て始めた

……………………

「ぐすっ…父上…ちちうえぇ…」

コハラコは寝ながら泣き始めた。とんでもない戦闘スペックを誇っていても、彼女はまだ生まれて5年の幼女だ。父親の死を短期間で乗り越えられるハズもなく、夢で父親の事を思い出して泣いていた。ヒイロは彼女を優しく抱き締めた

「ちち…うえ…」

コハラコはヒイロに父親の温もりを感じたのか?眠りながらも、ヒイロを抱き締め返した



【翌朝】
「ピンポーン!」

サーシャとミルが、少し遅めの朝食の準備をしていた時、来客を知らせるチャイムが鳴った

カルーアとヒイロが洗面所で抱擁と接吻をしてイチャイチャしていたので、ひとりする事の無いコハラコが玄関の扉を開けた

「誰なの?」

「リフォームの依頼を受けてやって来た大工です……おや!可愛いお嬢さんだねぇ…」

「リフォーム?そんなの頼んだのかいヒイロ?」

「いや、覚えは無いぞ?」

家のリフォームなど頼んだ覚えが無いヒイロ。新手の勧誘かと思い、チャチャッと洗顔を終わらせ玄関に向かおうとする

「お前、強いの?」

相変わらずコハラコは、初対面の相手を見ると同じ質問をしていた

「お嬢さん…お兄さん達と気持ち良い事しない?」

「気持ち良い?…お風呂よりなの?」

「うんうん、お風呂の中で気持ち良くしても良いんだな!」
「お兄さん達は凄いんだよぉ(笑)」

その声を聞いた途端ミルの身体がビクン!と反応した。ヒイロもそのいやらしい声に聞き覚えがあった

「ほぉ、良い根性してるな!」

「家族の方ですか?…あっ!?」

大工の兄弟は出て来たヒイロの顔を見た途端、全身に戦慄が走った!

「おい、ロリコン兄弟!今日は一体何の用事だ、あぁん!」

「うげっ!?」
「ヒイロさんだな!」

来客していたのは、以前ミルに男の娘playを強要したローリー、コーンのロリコン大工兄弟だった

……………………………………
「なるほど、キングス王子からの依頼か?」

「は、はい!大切な客の家を良い様にリフォームしろ!と、御依頼を頂きまして…」
「そういう事なんだな…」

ロリコン兄弟はヒイロの家と知り、【蛇に睨まれた蛙】の様になった

「全く!テメェらは本当に懲りてねぇな!俺の家族に要らん事したら自分で飯を食えない身体にしてやる!って、言っただろうがっ!」
 
「今度わたしの家族にいやらしい真似をしたら…古代十三獣神(マルバァス)を悶絶させた、わたしの雷撃魔法をお見舞いするからね!!」
 

「Σ(||゚Д゚)ヒィィィィ!すんませんしたっ!」
「し、失礼したんだな!」

ヒイロとカルーアはロリコン兄弟にガッツリ釘を刺しておいた。とりあえず契約書を見せてもらうと…確かにキングス王子の署名と、王家の判子が押されていた

「ピンポーン!」

更に来客を告げるチャイムが鳴った。王子は昼から来ると言っていた。時間はまだ10時前だった?、今度は誰だろう?と思い扉を開けると…懐かしい顔が立っていた

「お久しぶりね、あれから変わりはないかしら?」



続く
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