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夢忘れ編
マルー水
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【隠れ家のキッチン】
4人は隠れ家に戻ると、テウが作ってくれた野菜炒めのような食事を食べ終えた
「ふぅ~相変わらずテウの料理は美味しいね♪ヨシュア君もそうは思わないか?」
「あ、あぁ…嫁さんがこれだけ飯作り上手いと、その旦那は嬉しいだろうな…」
「ガタッ」
ヨシュアに課した試練の期日は、明後日の朝までだ。彼を好きになったリュウキの為にも、魔族側の戦力増強の為にも、何とか引き留めておきたいと考えているマーマル
「そ、それは本当なのか?料理の上手い女は男に喜ばれるのか!?」
テウほど料理の上手い女を嫁にもらったら男は喜ぶだろう!彼のその言葉に思わず反応し、イスから立ち上がったリュウキ
「クスクス♪リュウキ、晩ご飯は一緒に作ってみますかー?教えてあげますよー♪」
「い、良いのか!?」
料理が上手い女が男に喜ばれるのなら、是非とも自分も学びたい!というリュウキの意思を汲み取ったテウが、今夜の調理に彼女を誘っていた
「さて…お腹も満たされたし、お風呂に入りたいところなんだが…」
「浴槽は洗浄済みですー。あとは水を入れてー、温めるだけですねー。少しお待ち頂ければー…」
「なら、水を入れて温めるくらいは僕がしよう。何でもかんでもテウに甘えっぱなしも悪いからね」
高い魔法力を誇るマーマルならば、浴槽を満たす為の水を召喚して温める事など造作もないことだ
「構いませんのに…でも、折角なのでお願いしますー……ところでー、今日は久しぶりに私と一緒に入りませんかー?リュウキも彼と2人でー、話したい事もあるでしょうしー♪」
テウは、リュウキにヨシュアと2人きりの時間を与えてあげる為に、マーマルと一緒に風呂に入ることを提案した
「そうだね…たまには一緒に入るのも悪くないね。それじゃぁリュウキ達は、僕らが戻るまで紅茶でも飲みながら雑談でもしてなよ」
「わ、分かった…」
リュウキは照れくさそうに首を縦に振った
「やれやれ」
と言いたそうなヨシュアも同意した
【お風呂場】
あくまでも隠れ家としての家なので、お風呂場は僅かに4畳程度の広さしかない。脱衣所、洗い場、湯船にそれぞれ1.3畳分ほどのスペースが割り当てられている
「テウ、シャワーからお湯が出ないんだが?しばらく利用しなかったから詰まっているのか?」
服を脱ぎ先に洗い場に入ったマーマルが、シャワーからお湯が出ないことを尋ねていた
「そうかも知れませんねー、それならそのまま湯船に浸かってくださいー」
「空を飛びまくったから埃(ホコリ)が酷いと思うけど…良いのか?」
「構いませんよー。マルー水は大好きですからー♪」
「はぁ?マルー水?何だそれは?」
テウが妙なことを口走ったので、理解出来ずにキョトンとするマーマル
「身体を洗わずにお湯に入ってもらいましたらー、マーマル様の成分(ダシ)がたっぷり採れるんですよー、マルー水はお肌に凄く良いんですー♪」
「何だそれは?そんな話は聞いたこともないぞ…全くテウは…」
「ガララ…失礼しますねー」
マーマルの問いにマトモに答えぬまま、服を脱ぎ捨てたテウが洗い場に入ってきて蛇口を捻った
「シャワワ…」
「なっ!?おいテウ、ちゃんとお湯出るじゃないか…」
「( ´艸`)ムフ~♪」
「あ!テウ~、僕の成分(ダシ)とやらが欲しくてワザと出ないように悪戯したな?」
「えへー、バレちゃいましたか(笑)」
宝石魔獣(カーバンクル)は悪戯好きの種族としても有名なのだが…その種族であるテウも、かなりお茶目な悪戯をするのが好きなようだ
「やられたよ。既に召喚した水を温めた湯船に入ってしまった…」
「目標達成ですー♪」
先程リュウキとヨシュアに悪戯したように、今もマーマルの成分(ダシ)を摂るためにワザとお湯の流れを止めていたようだ
「やれやれ…テウの悪戯好きにも困ったものだな…」
シャワーから水が出ないので水浴びを諦めたマーマルは、浴槽に入ってから水を召喚して水を張りながら、火の魔法で浴槽自体を熱して湯船に浸かった
「ゴシゴシ…」
「ところでマーマル様ー。本当にあの天使族の女の子は返しちゃったんですかー?」
身体を洗い始めたテウが質問した
「本当に返したさ。ヨシュア君の話は…まぁ、ほぼ本当の事ばかりだろうからね。やはり、惑星神の娘さんを拉致したままでいたら…本当に神罰が落ちかねないからね」
「そうなんですねー…」
敢えてマーマルに説明を促すような会話のキャッチボールを始めたテウと、それに乗っかって答えたマーマル。2人の信頼関係の深さが垣間見えた
【風呂場外】
(やっぱりサーシャを返した話は本当だったか…そんな気はしたけどな。あとは…俺の事だが…)
聞き耳を立てて風呂場の中の2人の会話を盗み聞きしているヨシュア。本当にサーシャ返還は成されたのか?それともう一つ…確かめたい事があったのだが…
「あー!ヨシュア!そんな所に居たのか…もう!トイレに行くとか言って、2人の入浴を覗くなんて何してるんだよっ!…そりゃ俺は2人と比べたら、可愛さってもんが足りないだろうけどさ…」
どうやらヨシュアは、トイレに行くと嘘をついて、マーマルとテウの会話を盗み聞きしに来ていたようだ。リュウキに腕を掴まれて連れていかれるヨシュア
……………………………………………
「ふぅ…やはり盗み聞きをしに来ていたか…」
「まぁ、バレバレでしたけどねー」
「事の真相をどうしても確かめたかったんだろ?ま、分からないでもないけどね…」
そして身体を洗うテウ
「えへー、洗い終わりましたー♪」
マーマルには身体を洗わせずに湯船に入れさせたテウだが、自分の身体はしっかり洗った。そして…
「ザバーン!」
「(// ^//)ちょっとテウ?ナニするんだよ?このユニットバスじゃ2人は厳しいだろ?」
「マルー水いただきまーす♪レロレロレロ…」
「ちょっと、馬鹿止めてよ!あん!首筋を舐めちゃ駄目だろ!んうぅ!?」
本当にヨシュアはもう聞いていないか?の確認をする為だったのか?…それとも個人的な願望からの行動だったのか?テウは1人用のバスユニットに入ってるマーマルに覆いかぶさりながら、彼女の全身を舐めて楽しんでいた
「えへへー、マルー水おいしいですー」
「ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!良い加減にしなよ!」
成人女性同士のエッチぃ行為のように見えるが、テウはカーバンクルという獣人族なので、犬が主人にぺろぺろする行為と同じ意味合いのようだ(たぶん)
「………………ボソボソ…超大報告があります…」
突然テウはマーマルの耳元に口を近づけ、小さな声で話し始めた
「…何かな?」
「…ボソボソ…ヨシュア君ですが…実は…キウ様と…元魔王(ザッド)様との息子さんらしいですー」
「なにっ!?…それは本当か?」
テウは真面目な顔で首を縦に振った。マーマルはテウを押し退けて洗い場に移動すると、シャワーを出して身体を洗い始めた。代わりにテウがバスユニットに入った
「……だとしたら…何故…人間側についてこのマナティートに来たんだ?…何か大きな目的があるハズだ…でなければ……まさか!?エリスア様のご降臨と関係しているのか?」
「エリスア様とー?…お会いされたのですかー?…となればー、20年以上続いたこの国の戦争もー、いよいよ終わりの日が近づいているのでしょうかー?」
「さぁ、どうだろうね?断言は出来ないけど…彼らの登場が何かのキッカケになるのは間違いないだろうと思うけどね…」
マナティート地方の戦争の終結。それは皮肉にも、人族側も魔族側も心から望んでいることだ。しかし悲しいかな…押して押されての一進一退は長きに続き、戦うことに…いや、生きることにさえ疲れ果てている者が、両軍ともに現れ始めているのが現状だ
「天使族であるあの子の母親である惑星神様からお願いされて、お返ししないなんて選択肢は取れなかったよ…」
「当然ですよー、そんな命知らずな真似は…待ってくださいマーマル様。という事は、もしかして…」
「……なるほど、そうだね。でなければツジツマが合わないね…これは調べないと駄目な気がするね…まぁ、この国の戦乱が終わるまでは迂闊には動けないんだけどね…」
ヨシュアが元魔王のザッドと、元王妃のキウとの間の子供だと知ったマーマル達はある疑問に辿り着いたのだが…今、戦争中のこの国から遠出をするのは難しいのだ
惑星神エリスアの願いを聞きいれて【ヘルメスの街】から来た者たちの登場と、地球から転移してきたロミータの存在が、この地方の戦争終結の大きな要因となりうるのだろうか?
続く
4人は隠れ家に戻ると、テウが作ってくれた野菜炒めのような食事を食べ終えた
「ふぅ~相変わらずテウの料理は美味しいね♪ヨシュア君もそうは思わないか?」
「あ、あぁ…嫁さんがこれだけ飯作り上手いと、その旦那は嬉しいだろうな…」
「ガタッ」
ヨシュアに課した試練の期日は、明後日の朝までだ。彼を好きになったリュウキの為にも、魔族側の戦力増強の為にも、何とか引き留めておきたいと考えているマーマル
「そ、それは本当なのか?料理の上手い女は男に喜ばれるのか!?」
テウほど料理の上手い女を嫁にもらったら男は喜ぶだろう!彼のその言葉に思わず反応し、イスから立ち上がったリュウキ
「クスクス♪リュウキ、晩ご飯は一緒に作ってみますかー?教えてあげますよー♪」
「い、良いのか!?」
料理が上手い女が男に喜ばれるのなら、是非とも自分も学びたい!というリュウキの意思を汲み取ったテウが、今夜の調理に彼女を誘っていた
「さて…お腹も満たされたし、お風呂に入りたいところなんだが…」
「浴槽は洗浄済みですー。あとは水を入れてー、温めるだけですねー。少しお待ち頂ければー…」
「なら、水を入れて温めるくらいは僕がしよう。何でもかんでもテウに甘えっぱなしも悪いからね」
高い魔法力を誇るマーマルならば、浴槽を満たす為の水を召喚して温める事など造作もないことだ
「構いませんのに…でも、折角なのでお願いしますー……ところでー、今日は久しぶりに私と一緒に入りませんかー?リュウキも彼と2人でー、話したい事もあるでしょうしー♪」
テウは、リュウキにヨシュアと2人きりの時間を与えてあげる為に、マーマルと一緒に風呂に入ることを提案した
「そうだね…たまには一緒に入るのも悪くないね。それじゃぁリュウキ達は、僕らが戻るまで紅茶でも飲みながら雑談でもしてなよ」
「わ、分かった…」
リュウキは照れくさそうに首を縦に振った
「やれやれ」
と言いたそうなヨシュアも同意した
【お風呂場】
あくまでも隠れ家としての家なので、お風呂場は僅かに4畳程度の広さしかない。脱衣所、洗い場、湯船にそれぞれ1.3畳分ほどのスペースが割り当てられている
「テウ、シャワーからお湯が出ないんだが?しばらく利用しなかったから詰まっているのか?」
服を脱ぎ先に洗い場に入ったマーマルが、シャワーからお湯が出ないことを尋ねていた
「そうかも知れませんねー、それならそのまま湯船に浸かってくださいー」
「空を飛びまくったから埃(ホコリ)が酷いと思うけど…良いのか?」
「構いませんよー。マルー水は大好きですからー♪」
「はぁ?マルー水?何だそれは?」
テウが妙なことを口走ったので、理解出来ずにキョトンとするマーマル
「身体を洗わずにお湯に入ってもらいましたらー、マーマル様の成分(ダシ)がたっぷり採れるんですよー、マルー水はお肌に凄く良いんですー♪」
「何だそれは?そんな話は聞いたこともないぞ…全くテウは…」
「ガララ…失礼しますねー」
マーマルの問いにマトモに答えぬまま、服を脱ぎ捨てたテウが洗い場に入ってきて蛇口を捻った
「シャワワ…」
「なっ!?おいテウ、ちゃんとお湯出るじゃないか…」
「( ´艸`)ムフ~♪」
「あ!テウ~、僕の成分(ダシ)とやらが欲しくてワザと出ないように悪戯したな?」
「えへー、バレちゃいましたか(笑)」
宝石魔獣(カーバンクル)は悪戯好きの種族としても有名なのだが…その種族であるテウも、かなりお茶目な悪戯をするのが好きなようだ
「やられたよ。既に召喚した水を温めた湯船に入ってしまった…」
「目標達成ですー♪」
先程リュウキとヨシュアに悪戯したように、今もマーマルの成分(ダシ)を摂るためにワザとお湯の流れを止めていたようだ
「やれやれ…テウの悪戯好きにも困ったものだな…」
シャワーから水が出ないので水浴びを諦めたマーマルは、浴槽に入ってから水を召喚して水を張りながら、火の魔法で浴槽自体を熱して湯船に浸かった
「ゴシゴシ…」
「ところでマーマル様ー。本当にあの天使族の女の子は返しちゃったんですかー?」
身体を洗い始めたテウが質問した
「本当に返したさ。ヨシュア君の話は…まぁ、ほぼ本当の事ばかりだろうからね。やはり、惑星神の娘さんを拉致したままでいたら…本当に神罰が落ちかねないからね」
「そうなんですねー…」
敢えてマーマルに説明を促すような会話のキャッチボールを始めたテウと、それに乗っかって答えたマーマル。2人の信頼関係の深さが垣間見えた
【風呂場外】
(やっぱりサーシャを返した話は本当だったか…そんな気はしたけどな。あとは…俺の事だが…)
聞き耳を立てて風呂場の中の2人の会話を盗み聞きしているヨシュア。本当にサーシャ返還は成されたのか?それともう一つ…確かめたい事があったのだが…
「あー!ヨシュア!そんな所に居たのか…もう!トイレに行くとか言って、2人の入浴を覗くなんて何してるんだよっ!…そりゃ俺は2人と比べたら、可愛さってもんが足りないだろうけどさ…」
どうやらヨシュアは、トイレに行くと嘘をついて、マーマルとテウの会話を盗み聞きしに来ていたようだ。リュウキに腕を掴まれて連れていかれるヨシュア
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「ふぅ…やはり盗み聞きをしに来ていたか…」
「まぁ、バレバレでしたけどねー」
「事の真相をどうしても確かめたかったんだろ?ま、分からないでもないけどね…」
そして身体を洗うテウ
「えへー、洗い終わりましたー♪」
マーマルには身体を洗わせずに湯船に入れさせたテウだが、自分の身体はしっかり洗った。そして…
「ザバーン!」
「(// ^//)ちょっとテウ?ナニするんだよ?このユニットバスじゃ2人は厳しいだろ?」
「マルー水いただきまーす♪レロレロレロ…」
「ちょっと、馬鹿止めてよ!あん!首筋を舐めちゃ駄目だろ!んうぅ!?」
本当にヨシュアはもう聞いていないか?の確認をする為だったのか?…それとも個人的な願望からの行動だったのか?テウは1人用のバスユニットに入ってるマーマルに覆いかぶさりながら、彼女の全身を舐めて楽しんでいた
「えへへー、マルー水おいしいですー」
「ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!良い加減にしなよ!」
成人女性同士のエッチぃ行為のように見えるが、テウはカーバンクルという獣人族なので、犬が主人にぺろぺろする行為と同じ意味合いのようだ(たぶん)
「………………ボソボソ…超大報告があります…」
突然テウはマーマルの耳元に口を近づけ、小さな声で話し始めた
「…何かな?」
「…ボソボソ…ヨシュア君ですが…実は…キウ様と…元魔王(ザッド)様との息子さんらしいですー」
「なにっ!?…それは本当か?」
テウは真面目な顔で首を縦に振った。マーマルはテウを押し退けて洗い場に移動すると、シャワーを出して身体を洗い始めた。代わりにテウがバスユニットに入った
「……だとしたら…何故…人間側についてこのマナティートに来たんだ?…何か大きな目的があるハズだ…でなければ……まさか!?エリスア様のご降臨と関係しているのか?」
「エリスア様とー?…お会いされたのですかー?…となればー、20年以上続いたこの国の戦争もー、いよいよ終わりの日が近づいているのでしょうかー?」
「さぁ、どうだろうね?断言は出来ないけど…彼らの登場が何かのキッカケになるのは間違いないだろうと思うけどね…」
マナティート地方の戦争の終結。それは皮肉にも、人族側も魔族側も心から望んでいることだ。しかし悲しいかな…押して押されての一進一退は長きに続き、戦うことに…いや、生きることにさえ疲れ果てている者が、両軍ともに現れ始めているのが現状だ
「天使族であるあの子の母親である惑星神様からお願いされて、お返ししないなんて選択肢は取れなかったよ…」
「当然ですよー、そんな命知らずな真似は…待ってくださいマーマル様。という事は、もしかして…」
「……なるほど、そうだね。でなければツジツマが合わないね…これは調べないと駄目な気がするね…まぁ、この国の戦乱が終わるまでは迂闊には動けないんだけどね…」
ヨシュアが元魔王のザッドと、元王妃のキウとの間の子供だと知ったマーマル達はある疑問に辿り着いたのだが…今、戦争中のこの国から遠出をするのは難しいのだ
惑星神エリスアの願いを聞きいれて【ヘルメスの街】から来た者たちの登場と、地球から転移してきたロミータの存在が、この地方の戦争終結の大きな要因となりうるのだろうか?
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