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???~少年期

魔法

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健康診断を受けて一週間も経たず、熱と吐き気に苦しめられた

予兆はまったくなく、朝ごはんを食べているときに急に症状があらわれた

すぐ母に抱えられて病院に駆け込んだところ、女医さんに体内の魔力が放出できていないためだと診断される
魔力が見える=体内に目には見えない魔力専用の回路があり、自分がもつ魔力が滞りすぎると体調不良を起こすらしい

リンパか何かか

魔力を一度でも使えば放出する回路が出来て治まるため、と回復の魔法を教えてもらう

「恵みよ、癒しよ、慈愛をもってこのものの傷を癒したまえ」

魔力を使って傷をふさぐことが出来る魔法らしい
女医さんの指先につけた小さな切り傷を、つたない言葉で復唱して魔法を使い、治療することで体調不良も治まった
この世界にきて初めて魔法を使った瞬間だった

その時に感じたのが、この世界での前世までの、ナニカが抜ける感覚だった
風を使って虫を落としていたのは魔力を使って風を起こしていたのだろう

同時に、 ごめんなさい と言われたことも思い出した
きっとあの動物たちの中では魔力を使うことが禁忌だったとか
なにかしら自分では想像もつかない理由があったのか

今となっては知るすべもないし、今生きているのだからと悩むのはやめた


---別室
「お母さん、今回のような症状は初めてなんだね?」
「今日にいたるまで、風邪のように熱や咳が出たことはありましたけど、ここまで症状は重くありませんでした」
「んー、とすると、見えたことがきっかけになったか、もしくは魔力の保有量が多すぎるか、だと思う。
前者は時期的にも考えやすい。魔力は感情によって影響を受けやすいから、魔法を見たことで驚きや興奮といった感情が引き金になった。
後者だと、魔力が見える子の多くは生後3,4日ぐらいで同じような症状がでやすい。前に一人だけ、一月経って症状がでた子も見た。
人によって症状が出ないこともある。ただその場合、近くに魔法を使う人がいて、無意識的に魔法を使ったんじゃないか、というのが推論。
つまり、魔法を身近に使う人がおらずかつ今回魔法を使ったことで回路が形成された。これが2年ともなると、正直想像がつかない」
「・・・それは、大丈夫なんでしょうか?」
「大きすぎることが弊害を起こすことはない、といえる。ただ他の人より出来ることは多い。
それをどうするかはこの子次第だし、それを教えるのは大人の仕事だ」
「私が使えないから不便をかけますが・・・この子のためになるように、教えていきます」
「そうだね。学校に行くことにもなるだろうし、なおさら両親がしっかりしないといけないよ」
------



魔力を使う感覚を覚えてからはいろいろなことを試してみた
教えられた魔法の使い方は、決められた文言を唱えながら魔力を放出するというものであったが、過去の経験からそれは必要ないと半ば確信していた

実際に、火を起こして打ち出したり、水を創って球体にしたり、風を吹かせて回転させたり、土を動かしたり、電気を起こしたり、氷を作ったり
イメージが定まっていないと魔力を放出するだけになってしまうが、唱えながら魔力を放出するというプロセスは無くても問題ない
むしろ唱えている間も魔力を使っていたため、燃費はよくないんじゃないだろうか

動力と言われたことから、魔力という見えない手を動かす力を使っているように連想される
そのせいか、光を屈折させたり集めることは出来ても、影や闇を操るといったことは出来なかった

かわりに魔力を圧縮して見えない手を作りものを動かせないか試して、成功した
見えない足場をつくって疑似的に空を駆けることも出来た

純粋に魔力を身に纏って身体能力を上げることはできないか試してみるが、無理だった
その状態で木にうちつけても痛みを感じなかったことから、とっさの防御用としては使えそう


それらの結果をよそに、時間のとまった亜空間倉庫、空間転移は多少制限があるものの成功した

亜空間倉庫の場合、生物は入れられない。収納する場合は手で触れている必要があるが、魔力を流せば大きなものでも収納できる
開いて収納、一度閉じて別の場所で再度開いても収容物に変化はない
火が付いたものは入れられない、植物は地面から引き抜くか刈ったものなどの制限がある
容量は試していないが、今のところしまえなかったものはない

空間転移の場合、目視できる範囲内であればほぼ制限なく転移出来る
自分が身に着けているものは単一とみなされるのか、身一つ、服だけが転移することはない。魔力で指定すれば逆のことができる
その場合、やはり触れていることが条件になる
長距離なものの場合、自分の魔力をマーカーにして転移することが出来た
地面に魔力を注いでマーカーとして試していたが、保つ時間は1日がせいぜいだった
魔力を恒久的に留められるものが見つかれば、旅をしながら家に帰るなんてことも出来そう

イメージの問題なのか、この世界特有のものなのかはわからない
空気中の魔力を操作して発動し、自前の魔力をあまり使わないことから、一種の裏技のような気もする

副産物として、空気中の魔力を吸収することも出来た
自分のもつ魔力だけに頼らなくて良いというのは、万が一に備える意味では有意義なものとなるんじゃないだろうか


この諸々の結果が魔法と言えるものなのかは、近くに魔法を扱う人がいないためよくわからない

少なくとも扱える素質があり、出来ることが増えるということは悪いことではないだろう
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