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40 お米パーティー
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「にゃーん」
「姉さん、ご機嫌ですね」
お米が大好きな姉さんは、朝からご機嫌である。
モモは鎌での刈り取りが楽しいらしく、今回も麦の時と同様にやる気満々だ。
俺としては、腰が痛くなるし、そこまで好きな作業ではないけれど、モモに全部任せるなんて選択肢はない。当然、今回も半分ずつ作業を分担する。
麦で鍛え上げたモモの動きは、もはや名人の域に達していた。
さらに、最近の訓練で身体の動きにキレが増したせいか、刈るごとにスピードも上がっている気がする。
これはもう、どこの農家の嫁に出しても恥ずかしくない……まあ、そう簡単にうちの子は出さんけどな! ガハハ。
「お父さん、終わったので、精米器? にどんどん入れていいですか?」
「ああ、頼むよ。袋をそこにセットしたら、中に入っていくからさ」
モモに任せたあと、俺も懸命に稲の命を刈り取っていく。
遅れること一時間。
田んぼ脇に設置した精米器がゴトゴトと動き、白く精米された米が袋に詰まっていく。
俺の刈った稲も、モモが流れるように精米器へ送ってくれる。
……結局のところ、モモには助けられてばかりだな。
「にゃーん」
姉さんの言う通り、頼りすぎるのは良くない。でも、お互いを補い合うのは悪いことじゃない。
種族としての得意不得意があるんだから、それでいいと姉さんも言ってくれた。
「よく見るお米になりました。こんな風にお米になるんですね」
「そうなんだよ。本来は育てるのも、もっと大変なんだけどね……なにはともあれ、美味しいおかずでご飯を食べようか」
「はいっ!」
「にゃーん」
小躍りしながらステップを踏む姉さんも可愛いけど、そのあとをマネして歩くモモも揃うとニヤニヤが止まらない。家に戻って、土鍋と七輪を準備する。
「お父さん、炊飯器は使わないんですか?」
「せっかくの新米だし、できるだけ美味しく食べたいからね」
「にゃーん」
姉さんの希望で、土鍋でのお米炊きは何度か練習してある。
土鍋に米を入れ、水に浸してしばらく置いておく。
その間に、七輪用の炭を用意して焚き付けをする。
土鍋や七輪で調理すると、なぜあんなに美味しくなるのだろうか。
冷蔵庫から、最近導入した漬物壺で漬けた胡瓜と大根を出す。
食卓が、家庭菜園で採れたもので完結しつつあるのはちょっと嬉しい。
漬物だけじゃなく、麦茶も常備できるようにした。
お茶の樽に大麦を入れて一時間ほどで麦茶ができるので、別の容器に移して日常的に飲んでいる。
モモも最初は麦の香ばしさに戸惑っていたが、今では「美味しい」と言って飲んでくれる。
お茶の樽をアンロックしたときに、お茶シリーズもいろいろ解放されたので、余裕があれば育ててみたい。
準備が整った頃にはいい時間。
土鍋に火をつけて炊飯開始。魚も焼かなければ。
「モモー」
「はーい」
縁側で大福をモフっていたモモに声をかける。
「外の七輪で魚焼いてくれる?」
「はい! 任せてください!」
モモは最近、火の扱いも上手くなっていて料理も安心して任せられるようになってきた。
勉強も、魔法や戦闘訓練も、農業も料理も——うちの子、もしかして天才なのでは?
どこの嫁に出しても恥ずかしくない……そう簡単には出さないけどな! ガハハ!
「にゃーん」
「そのくだり何回目だ」と姉さんにツッコまれそうだけど、モモが嫁に行くまで何回でも言う。
「にゃーん」
「米の食べ比べですか? いいですね」
姉さんが炊飯器でも米を炊いて食べ比べたいと言うので、並行して炊飯器でも炊くことにする。ついでに味噌汁も用意しよう。
煮干しで出汁をとってから取り出すと、姉さんが煮干しを処理してくれる。
そこに味噌を溶かし、豆腐と若布を加える。
味噌といえば、大豆の収穫時に【味噌の樽】もアンロックされたけど、値段が十万円と高くてまだ手が出ない。【納豆の壺】も同じ理由で見送り中。
うちの大豆は順調に育ったけど、ガンジュさんたちに渡した種のほうはちゃんと収穫できたかな。
音沙汰がないのが気になる。
火の鶏経由で、さくらさんに確認してもらうのもありか。
「にゃーん」
「はいはい、もう少しで炊き上がりますからねー」
焼き魚に欠かせない大根を、すりおろしていく。
いい感じにご機嫌な夕食になってきたぞ。だし巻き卵があれば完璧だな……鶏も育てたいなぁ。
米と麦という食の基盤が整った今、俺たちの戦いはこれからだ! 次回作にご期待ください!
なんて、打ち切り漫画みたいなことを心の中でつぶやいていると——土鍋がピュー、ピューと音を立て、炊飯器もピピピと完成を知らせてくる。
まずは土鍋を開けて、しゃもじで混ぜると、白く艶々した米粒と、いい感じのおこげが姿を現した。
「にゃーん」
「姉さん、待ってくださいって。おこげですね、いいとこはちゃんと姉さんに出しますから」
モモがすでに魚を焼き終え、準備万端。
追加で漬物と味噌汁も並べて、三人分の食卓が整っていく。
「にゃーん」
姉さんが「いただきます!」と勢いよく号令をかける。
まずは白ごはんだけをひと口……姉さんの幸せそうな顔を見ると、それだけで飯が旨くなる。
俺も土鍋からいただく——うまい! 甘味が違う。食感もいい。
炊飯器のほうも悪くないけど、土鍋は香りとおこげが格別だな。
「モモ、お米はどうだ。ジャムよりいいだろ?」
「美味しいです! ジャムはまた別です!」
ちょっとジャムの件でからかうと、モモは頬を膨らませていじけた。
かわいいので頬をツンツンして頭を撫でておいた。
「わん!」
「にゃーん」
「大福も美味しいか。そうだね、日本で食べてた米より美味しいかもしれない。土地の力かな。この世界に来て、これがあるだけで満足かもな」
この米を使った定食、売り値も上がってくれたら嬉しいなあ。
「姉さん、ご機嫌ですね」
お米が大好きな姉さんは、朝からご機嫌である。
モモは鎌での刈り取りが楽しいらしく、今回も麦の時と同様にやる気満々だ。
俺としては、腰が痛くなるし、そこまで好きな作業ではないけれど、モモに全部任せるなんて選択肢はない。当然、今回も半分ずつ作業を分担する。
麦で鍛え上げたモモの動きは、もはや名人の域に達していた。
さらに、最近の訓練で身体の動きにキレが増したせいか、刈るごとにスピードも上がっている気がする。
これはもう、どこの農家の嫁に出しても恥ずかしくない……まあ、そう簡単にうちの子は出さんけどな! ガハハ。
「お父さん、終わったので、精米器? にどんどん入れていいですか?」
「ああ、頼むよ。袋をそこにセットしたら、中に入っていくからさ」
モモに任せたあと、俺も懸命に稲の命を刈り取っていく。
遅れること一時間。
田んぼ脇に設置した精米器がゴトゴトと動き、白く精米された米が袋に詰まっていく。
俺の刈った稲も、モモが流れるように精米器へ送ってくれる。
……結局のところ、モモには助けられてばかりだな。
「にゃーん」
姉さんの言う通り、頼りすぎるのは良くない。でも、お互いを補い合うのは悪いことじゃない。
種族としての得意不得意があるんだから、それでいいと姉さんも言ってくれた。
「よく見るお米になりました。こんな風にお米になるんですね」
「そうなんだよ。本来は育てるのも、もっと大変なんだけどね……なにはともあれ、美味しいおかずでご飯を食べようか」
「はいっ!」
「にゃーん」
小躍りしながらステップを踏む姉さんも可愛いけど、そのあとをマネして歩くモモも揃うとニヤニヤが止まらない。家に戻って、土鍋と七輪を準備する。
「お父さん、炊飯器は使わないんですか?」
「せっかくの新米だし、できるだけ美味しく食べたいからね」
「にゃーん」
姉さんの希望で、土鍋でのお米炊きは何度か練習してある。
土鍋に米を入れ、水に浸してしばらく置いておく。
その間に、七輪用の炭を用意して焚き付けをする。
土鍋や七輪で調理すると、なぜあんなに美味しくなるのだろうか。
冷蔵庫から、最近導入した漬物壺で漬けた胡瓜と大根を出す。
食卓が、家庭菜園で採れたもので完結しつつあるのはちょっと嬉しい。
漬物だけじゃなく、麦茶も常備できるようにした。
お茶の樽に大麦を入れて一時間ほどで麦茶ができるので、別の容器に移して日常的に飲んでいる。
モモも最初は麦の香ばしさに戸惑っていたが、今では「美味しい」と言って飲んでくれる。
お茶の樽をアンロックしたときに、お茶シリーズもいろいろ解放されたので、余裕があれば育ててみたい。
準備が整った頃にはいい時間。
土鍋に火をつけて炊飯開始。魚も焼かなければ。
「モモー」
「はーい」
縁側で大福をモフっていたモモに声をかける。
「外の七輪で魚焼いてくれる?」
「はい! 任せてください!」
モモは最近、火の扱いも上手くなっていて料理も安心して任せられるようになってきた。
勉強も、魔法や戦闘訓練も、農業も料理も——うちの子、もしかして天才なのでは?
どこの嫁に出しても恥ずかしくない……そう簡単には出さないけどな! ガハハ!
「にゃーん」
「そのくだり何回目だ」と姉さんにツッコまれそうだけど、モモが嫁に行くまで何回でも言う。
「にゃーん」
「米の食べ比べですか? いいですね」
姉さんが炊飯器でも米を炊いて食べ比べたいと言うので、並行して炊飯器でも炊くことにする。ついでに味噌汁も用意しよう。
煮干しで出汁をとってから取り出すと、姉さんが煮干しを処理してくれる。
そこに味噌を溶かし、豆腐と若布を加える。
味噌といえば、大豆の収穫時に【味噌の樽】もアンロックされたけど、値段が十万円と高くてまだ手が出ない。【納豆の壺】も同じ理由で見送り中。
うちの大豆は順調に育ったけど、ガンジュさんたちに渡した種のほうはちゃんと収穫できたかな。
音沙汰がないのが気になる。
火の鶏経由で、さくらさんに確認してもらうのもありか。
「にゃーん」
「はいはい、もう少しで炊き上がりますからねー」
焼き魚に欠かせない大根を、すりおろしていく。
いい感じにご機嫌な夕食になってきたぞ。だし巻き卵があれば完璧だな……鶏も育てたいなぁ。
米と麦という食の基盤が整った今、俺たちの戦いはこれからだ! 次回作にご期待ください!
なんて、打ち切り漫画みたいなことを心の中でつぶやいていると——土鍋がピュー、ピューと音を立て、炊飯器もピピピと完成を知らせてくる。
まずは土鍋を開けて、しゃもじで混ぜると、白く艶々した米粒と、いい感じのおこげが姿を現した。
「にゃーん」
「姉さん、待ってくださいって。おこげですね、いいとこはちゃんと姉さんに出しますから」
モモがすでに魚を焼き終え、準備万端。
追加で漬物と味噌汁も並べて、三人分の食卓が整っていく。
「にゃーん」
姉さんが「いただきます!」と勢いよく号令をかける。
まずは白ごはんだけをひと口……姉さんの幸せそうな顔を見ると、それだけで飯が旨くなる。
俺も土鍋からいただく——うまい! 甘味が違う。食感もいい。
炊飯器のほうも悪くないけど、土鍋は香りとおこげが格別だな。
「モモ、お米はどうだ。ジャムよりいいだろ?」
「美味しいです! ジャムはまた別です!」
ちょっとジャムの件でからかうと、モモは頬を膨らませていじけた。
かわいいので頬をツンツンして頭を撫でておいた。
「わん!」
「にゃーん」
「大福も美味しいか。そうだね、日本で食べてた米より美味しいかもしれない。土地の力かな。この世界に来て、これがあるだけで満足かもな」
この米を使った定食、売り値も上がってくれたら嬉しいなあ。
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