20 / 30
第三章 崖の下のダンジョン 【クジラの歯】
第20話 王都からの通達
しおりを挟む
「とにかく、素材を集めよう。かなりのモノが取れるだろう」
実際、強い武器や防具になりそうなアイテムが拾えた。
世界の裏側が、消えていく。
「精霊が、浄化しているモジャ」
このエリアと世界の裏側は繋がりが消えて、普通のダンジョンに戻るという。
「ここにいる魔物たちの目的は、やっぱり魔王の復活なんだよな?」
「そうモジャ。ヤツラは、こんな平和すぎる世界を嫌っているモジャ。混沌が支配する世界を好むモジャ」
「まるでいじめっ子の発想だな」
「だいたい合っているモジャ。魔王なんて存在は、魔界からも爪弾きにされている厄介なヤツラだモジャ。故郷に居場所がないから、別の世界に攻め込んで支配したいと考えてるモジャ」
世界に暴力を振るい、自分の家のように征服したいと。まさに暴君だな。
「どうする?」
「もちろんぶっ飛ばす。性格がネジ曲がってるだけなら無視でいい。けど、迷惑をかけてくるやつなら倒さないと」
モモコなら、そういうだろうと思った。
「とりあえず、【世界の裏側】を閉じ続けていけば、魔王の封印が強まって出られないモジャ」
オレたちは領土を拡大して、精霊の居場所を作ってやればいいらしい。魔王は、相反する力を持つ精霊には手が出せないから。
領地を大きくしつつ、裏側を閉じていけばいいと。
供物を与えていたのは、ムダじゃなかったんだな。
領地に帰ってきた。さっそくオレは、できた作物を神棚に納める。装備品がどうのより、大事なことだ。
「ありがとうモジャ。みんな元気になるモジャ」
「だとうれしいな。今日はカレーにしよう」
全員でカレーを作り、夕飯となった。
「よくあんなブレスの猛攻に耐えられたな?」
三杯目のカレーを食いながら、ルイーゼがオレの筋肉を揉む。
「そういう体質に、してもらったからだろう。人より丈夫なんだ」
「丈夫なんて次元を超えているぞ」
自分でも、そう思うよ。
「でも、ムチャは禁物よ。モモコも言っていたけど、ボクだって心配したんだからね」
「わかったよ。悪かった」
自由奔放なピエラにまで、たしなめられるとは。よっぽどムチャな作戦だったんだな。モモコにやらせなくてよかった。
「さて、スキル振りといこう」
このところ領地拡大やワントープのダンジョンで手こずり、バタバタしていた。おかげで、スキル振りをサボっていたのである。
冒険者用の端末を出して、スキルの項目へ移動した。
「スキュラを倒したことで、色々アンロックされてるな。あとはポイントを振るだけか」
レベルアップの際に手に入れたポイントを振ると、スキルが使えるようになる。原理はわからないが、「自分の経験値をスキルに注ぐ」と思うことにした。
高いレベルに位置するスキルに、一つだけポイントを振るだけでもいい。低レベルでアンロックされているスキルも、ポイントを大量に振ると化けたりする。
「盾を構えた状態で、攻撃手段がほしい」
「じゃあ、【オーラ・スタンド】に振っていくのが、ベストかも」
盾にオーラを与えて、構えながら武器を携行できるスキルだ。ほとんどの近接系冒険者が、ビルドしているそうである。
オーラはずっとチャージし続けられるため、銃を構えながら盾で殴るタイミングも狙えるってわけだ。
近接ではグレートソードで雷撃、中・遠距離では盾をオーラで構えてランチャーをブッパって寸法でいく。
「その後は、どうするか」
固くするか、攻撃力を上げていく方向性へ向かうか。
スキルの振り直しは、いつでもできる。
エンジョイ勢としては、いろいろ試しながら、どうやって構築していくか考えてもいい。
とはいえ、ガチ攻略用のビルドも視野に入れないと。こちらが足を引っ張っては、仲間のためにならない。
「盾役はルイーゼがいるから、そこまで気にしなくてもいいかな」
「リジェネ系のスキルが常設されているから、自分自身の守りはそこまできにしなくても」
「よし。【カバー】だけは取る。仲間が増えたからな。カバー役がルイーゼだけでは、負担がかかりすぎる」
カバーに、スキルポイントを振った。
モモコは攻撃とカウンター系スキル、あとはスピード系に振る。
「やられる前にやる」「仲間に被害が及ぶ前に敵を倒す」スタイルを確立していく。
「続いて、銃スキルだが」
オレは武器を、徐々にキャノン系へと移行しつつあった。オレが鈍足な分、範囲攻撃を持ちたい。
「だったら私は、レーザー系を取ろうかな」
「ピエラのスキルを見て、欲しくなったろ?」
「うん。実は」
包み隠さずに、モモコは言う。
二丁拳銃にして、片方はレーザー系の装備にする。もう片方はマシンガンで固定だ。
「指マシンガンなんてどうだ?」
「肉体を武器に改造すると、取り回しが大変」
「ロマン武器だけどな」
「私にはちょっと。ロマンを重視して、死にたくない」
ちげえねえ。
朝食は、簡単なものだ。港町だからか、海の家に焼きそばがあったので、材料をあらかじめ買って作ってみた。これを、パンに挟む。
凝った料理は、ポテサラくらいか。マヨネーズの酸味がバランスよくて、パンに合う。ボリュームも、腹にちょうどいい。
どうして、メシを簡単にしたかと言うと……。
「おいっ、それは俺んだ」
「硬いことを言うな、若造よ。謙虚な大人になれんぞ」
ドワーフのジジイが、五〇の初老をたしなめている。
「はーっ。さっぱりした」
一糸まとわぬエルフが、朝風呂から出てきた。
「おい、メシの前に服を着ろよ!」
そうなのだ。この村はすっかり、大所帯になっている。全員分の食事を出すのが、大変なのだ。
冒険者や行商人などで、村は賑わっている。
「みんな、聞いてくれ。ワタシは今日から、王都へ向かう」
ルイーゼが立ち上がって、全員に報告をした。
手には、封筒を持っている。
食事を終えて、ちょっとした話し合いに。
「しかし、王都とはね。何があった?」
「ドリス様から、連絡があってな。今は王都にいらっしゃるのだが」
ルイーゼは、エルフの貴族であるドリスさんに、従っている。
「王都は現在、隣国と少し揉めていてな。先日も小耳に挟んだんだが、王子が隣国の姫との結婚を渋っているらしい」
「そんなに王都は、めんどくさいことになっているのか」
「姫の何が問題なのか、わからんのだがな」
聞くと、そのお姫様は美人で、性格もいいらしい。聖女と民衆から慕われているそうな。
「ところが、旅先で出会った東洋の少女に一目惚れしてしまったらしい」
うわー。嫌な予感しかしねー。
「どうしたのクニミツ?」
我関せずとばかりに、モモコは焼きそばパンをモソモソと食らう。
「お前、なんかフラグ立てたか?」
知らないところで、お尋ね者になってたりなんかしてねえよな?
「何も。単独行動なんて、やったことないし」
だよな。オレも、まるで身に覚えがない。
「でもね。二人のウワサは国中に広まっている。世界を救っている英雄だ、と」
そんなこと、初耳だ。ルイーゼの言葉を、信じられない。
「オレたち、そんな偉業を成していたのか?」
「まあ、そうなるわね。誰もできなかったことを、やってきたんだし」
周りを見ると、妙にザワついていた。「自覚なかったのかよ?」とか、ひそひそ話が聞こえてくる。
「実物を見たことがないから、ウワサに尾ひれがついてしまっているのよね。内容も東洋人の女、ってだけなのよ」
すると、誰かがモモコになりすまして、何かをしている可能性もあるわけか。
「モモコとは、別人であってほしいよ」
「私もそう思う。なんか、気持ち悪い」
モモコが身震いする。
「それを確認するためにも、行ったほうがいいと思うんだ。クニミツ、モモコ。ついてきてくれないか?」
「もちろんだ、ルイーゼ。なあモモコ?」
オレが尋ねると、モモコも首を縦に振った。
「あと、これがもっとも大事なことだ。魔王の復活が、近いらしい」
しかも、王都の近くで。
「いいじゃないの、魔王。ボクの作った錬成道具がどこまで通じるか、楽しみね」
ピエラも、反対しない。
次の目的地は、王都に決定した。
(第三章 完)
実際、強い武器や防具になりそうなアイテムが拾えた。
世界の裏側が、消えていく。
「精霊が、浄化しているモジャ」
このエリアと世界の裏側は繋がりが消えて、普通のダンジョンに戻るという。
「ここにいる魔物たちの目的は、やっぱり魔王の復活なんだよな?」
「そうモジャ。ヤツラは、こんな平和すぎる世界を嫌っているモジャ。混沌が支配する世界を好むモジャ」
「まるでいじめっ子の発想だな」
「だいたい合っているモジャ。魔王なんて存在は、魔界からも爪弾きにされている厄介なヤツラだモジャ。故郷に居場所がないから、別の世界に攻め込んで支配したいと考えてるモジャ」
世界に暴力を振るい、自分の家のように征服したいと。まさに暴君だな。
「どうする?」
「もちろんぶっ飛ばす。性格がネジ曲がってるだけなら無視でいい。けど、迷惑をかけてくるやつなら倒さないと」
モモコなら、そういうだろうと思った。
「とりあえず、【世界の裏側】を閉じ続けていけば、魔王の封印が強まって出られないモジャ」
オレたちは領土を拡大して、精霊の居場所を作ってやればいいらしい。魔王は、相反する力を持つ精霊には手が出せないから。
領地を大きくしつつ、裏側を閉じていけばいいと。
供物を与えていたのは、ムダじゃなかったんだな。
領地に帰ってきた。さっそくオレは、できた作物を神棚に納める。装備品がどうのより、大事なことだ。
「ありがとうモジャ。みんな元気になるモジャ」
「だとうれしいな。今日はカレーにしよう」
全員でカレーを作り、夕飯となった。
「よくあんなブレスの猛攻に耐えられたな?」
三杯目のカレーを食いながら、ルイーゼがオレの筋肉を揉む。
「そういう体質に、してもらったからだろう。人より丈夫なんだ」
「丈夫なんて次元を超えているぞ」
自分でも、そう思うよ。
「でも、ムチャは禁物よ。モモコも言っていたけど、ボクだって心配したんだからね」
「わかったよ。悪かった」
自由奔放なピエラにまで、たしなめられるとは。よっぽどムチャな作戦だったんだな。モモコにやらせなくてよかった。
「さて、スキル振りといこう」
このところ領地拡大やワントープのダンジョンで手こずり、バタバタしていた。おかげで、スキル振りをサボっていたのである。
冒険者用の端末を出して、スキルの項目へ移動した。
「スキュラを倒したことで、色々アンロックされてるな。あとはポイントを振るだけか」
レベルアップの際に手に入れたポイントを振ると、スキルが使えるようになる。原理はわからないが、「自分の経験値をスキルに注ぐ」と思うことにした。
高いレベルに位置するスキルに、一つだけポイントを振るだけでもいい。低レベルでアンロックされているスキルも、ポイントを大量に振ると化けたりする。
「盾を構えた状態で、攻撃手段がほしい」
「じゃあ、【オーラ・スタンド】に振っていくのが、ベストかも」
盾にオーラを与えて、構えながら武器を携行できるスキルだ。ほとんどの近接系冒険者が、ビルドしているそうである。
オーラはずっとチャージし続けられるため、銃を構えながら盾で殴るタイミングも狙えるってわけだ。
近接ではグレートソードで雷撃、中・遠距離では盾をオーラで構えてランチャーをブッパって寸法でいく。
「その後は、どうするか」
固くするか、攻撃力を上げていく方向性へ向かうか。
スキルの振り直しは、いつでもできる。
エンジョイ勢としては、いろいろ試しながら、どうやって構築していくか考えてもいい。
とはいえ、ガチ攻略用のビルドも視野に入れないと。こちらが足を引っ張っては、仲間のためにならない。
「盾役はルイーゼがいるから、そこまで気にしなくてもいいかな」
「リジェネ系のスキルが常設されているから、自分自身の守りはそこまできにしなくても」
「よし。【カバー】だけは取る。仲間が増えたからな。カバー役がルイーゼだけでは、負担がかかりすぎる」
カバーに、スキルポイントを振った。
モモコは攻撃とカウンター系スキル、あとはスピード系に振る。
「やられる前にやる」「仲間に被害が及ぶ前に敵を倒す」スタイルを確立していく。
「続いて、銃スキルだが」
オレは武器を、徐々にキャノン系へと移行しつつあった。オレが鈍足な分、範囲攻撃を持ちたい。
「だったら私は、レーザー系を取ろうかな」
「ピエラのスキルを見て、欲しくなったろ?」
「うん。実は」
包み隠さずに、モモコは言う。
二丁拳銃にして、片方はレーザー系の装備にする。もう片方はマシンガンで固定だ。
「指マシンガンなんてどうだ?」
「肉体を武器に改造すると、取り回しが大変」
「ロマン武器だけどな」
「私にはちょっと。ロマンを重視して、死にたくない」
ちげえねえ。
朝食は、簡単なものだ。港町だからか、海の家に焼きそばがあったので、材料をあらかじめ買って作ってみた。これを、パンに挟む。
凝った料理は、ポテサラくらいか。マヨネーズの酸味がバランスよくて、パンに合う。ボリュームも、腹にちょうどいい。
どうして、メシを簡単にしたかと言うと……。
「おいっ、それは俺んだ」
「硬いことを言うな、若造よ。謙虚な大人になれんぞ」
ドワーフのジジイが、五〇の初老をたしなめている。
「はーっ。さっぱりした」
一糸まとわぬエルフが、朝風呂から出てきた。
「おい、メシの前に服を着ろよ!」
そうなのだ。この村はすっかり、大所帯になっている。全員分の食事を出すのが、大変なのだ。
冒険者や行商人などで、村は賑わっている。
「みんな、聞いてくれ。ワタシは今日から、王都へ向かう」
ルイーゼが立ち上がって、全員に報告をした。
手には、封筒を持っている。
食事を終えて、ちょっとした話し合いに。
「しかし、王都とはね。何があった?」
「ドリス様から、連絡があってな。今は王都にいらっしゃるのだが」
ルイーゼは、エルフの貴族であるドリスさんに、従っている。
「王都は現在、隣国と少し揉めていてな。先日も小耳に挟んだんだが、王子が隣国の姫との結婚を渋っているらしい」
「そんなに王都は、めんどくさいことになっているのか」
「姫の何が問題なのか、わからんのだがな」
聞くと、そのお姫様は美人で、性格もいいらしい。聖女と民衆から慕われているそうな。
「ところが、旅先で出会った東洋の少女に一目惚れしてしまったらしい」
うわー。嫌な予感しかしねー。
「どうしたのクニミツ?」
我関せずとばかりに、モモコは焼きそばパンをモソモソと食らう。
「お前、なんかフラグ立てたか?」
知らないところで、お尋ね者になってたりなんかしてねえよな?
「何も。単独行動なんて、やったことないし」
だよな。オレも、まるで身に覚えがない。
「でもね。二人のウワサは国中に広まっている。世界を救っている英雄だ、と」
そんなこと、初耳だ。ルイーゼの言葉を、信じられない。
「オレたち、そんな偉業を成していたのか?」
「まあ、そうなるわね。誰もできなかったことを、やってきたんだし」
周りを見ると、妙にザワついていた。「自覚なかったのかよ?」とか、ひそひそ話が聞こえてくる。
「実物を見たことがないから、ウワサに尾ひれがついてしまっているのよね。内容も東洋人の女、ってだけなのよ」
すると、誰かがモモコになりすまして、何かをしている可能性もあるわけか。
「モモコとは、別人であってほしいよ」
「私もそう思う。なんか、気持ち悪い」
モモコが身震いする。
「それを確認するためにも、行ったほうがいいと思うんだ。クニミツ、モモコ。ついてきてくれないか?」
「もちろんだ、ルイーゼ。なあモモコ?」
オレが尋ねると、モモコも首を縦に振った。
「あと、これがもっとも大事なことだ。魔王の復活が、近いらしい」
しかも、王都の近くで。
「いいじゃないの、魔王。ボクの作った錬成道具がどこまで通じるか、楽しみね」
ピエラも、反対しない。
次の目的地は、王都に決定した。
(第三章 完)
5
あなたにおすすめの小説
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
無自覚チートで無双する気はなかったのに、小石を投げたら山が崩れ、クシャミをしたら魔王が滅びた。俺はただ、平穏に暮らしたいだけなんです!
黒崎隼人
ファンタジー
トラックに轢かれ、平凡な人生を終えたはずのサラリーマン、ユウキ。彼が次に目覚めたのは、剣と魔法の異世界だった。
「あれ?なんか身体が軽いな」
その程度の認識で放った小石が岩を砕き、ただのジャンプが木々を越える。本人は自分の異常さに全く気づかないまま、ゴブリンを避けようとして一撃でなぎ倒し、怪我人を見つけて「血、止まらないかな」と願えば傷が癒える。
これは、自分の持つ規格外の力に一切気づかない男が、善意と天然で周囲の度肝を抜き、勘違いされながら意図せず英雄へと成り上がっていく、無自覚無双ファンタジー!
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
Sランクパーティを追放されたヒーラーの俺、禁忌スキル【完全蘇生】に覚醒する。俺を捨てたパーティがボスに全滅させられ泣きついてきたが、もう遅い
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティ【熾天の剣】で《ヒール》しか使えないアレンは、「無能」と蔑まれ追放された。絶望の淵で彼が覚醒したのは、死者さえ完全に蘇らせる禁忌のユニークスキル【完全蘇生】だった。
故郷の辺境で、心に傷を負ったエルフの少女や元女騎士といった“真の仲間”と出会ったアレンは、新パーティ【黎明の翼】を結成。回復魔法の常識を覆す戦術で「死なないパーティ」として名を馳せていく。
一方、アレンを失った元パーティは急速に凋落し、高難易度ダンジョンで全滅。泣きながら戻ってきてくれと懇願する彼らに、アレンは冷たく言い放つ。
「もう遅い」と。
これは、無能と蔑まれたヒーラーが最強の英雄となる、痛快な逆転ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる