5 / 19
第二章 魔法科学校に入ったら、女子生徒全員がリバースしたぞ
第5話 ネクロマンサーに話しかけただけでリバースされたZO(泣
しおりを挟む
「はあ……」
教室の隅で、ため息をついている女子生徒がいた。
屋内だと言うのに、魔女ばりにとんがり帽子を被っている。トレードマークだと言わんばかりだ。
あれか? ツッパリのリーゼントみたいなものかな?(死語
それの、異世界バージョンなのかもしれない(ホント?
「どうしたんだ?」
オレが声を掛けると、少女はこちらを向いた。
「あ、う、ジュライ、王子」
なんだろう? 少女はやけに、挙動不審だ。
「入学したばかりだと言うのに、やたらブルーじゃないか。ブルーなのは下着だけにしてほしいものだね(コラ」
「う、うぷぅ!!」
突然、女子生徒はトイレに駆け込んでしまう。
なんだってんだYO。
「す、すいませんっス。声の出し方を忘れたっス」
頭をかきながら、少女はとんがり帽子を取る。
今どき、牛乳瓶底メガネとか。属性盛り込み過ぎにもほどがあるだろ。
「ボクは、【フゥヤスノスキ・ミニミオン】というっス。フゥヤと呼んでくれればいいっスよ」
「あなたは、ネクロマンサーですよね?」
そうチチェロが尋ねると、フゥヤが「そうっス」と答えた。
ネクロマンサーは、孤立しやすい。
魔法も剣術もミニオン頼みになり、自己の成長に繋がらなくなるからだ。
体育の授業で「二人組を作って~」ってときは、超絶に楽だけど。
それだけは、うらやましく思う。
オレなんて学生時代は、先生にすら避けられていたもんなぁ。
「キミの、出身校は?」
「魔王の領土からほど近い、インキャーパレスっスよ」
「ふむ。かなりの、激戦区だな。魔王の支配する土地に近いと、結構大変だったのでは?」
「そうでもないっスよ。強い勇者様が、討伐に向かってくださっているので」
フゥヤが言うと、チチェロが少しさみしげな顔をした。
「どうした、チチェロ?」
「いえ、なんでも」
チチェロは取って付けたかのように、平静を取り繕う。
「ただ、魔王の領地からすぐのところに居城を構えているっスから、あまりいい顔をされないっス。スパイじゃないのかって、疑われてて」
「バカバカしいな!」
オレはあえて、大声で叫んだ。
クラスメイトたちが、何事かとこちらに顔を向けてくる。
「スパイ? 仮にスパイが忍び込んでいたとしても、魔法科学校がそんな些事に怯えていてどうする?」
スパイを探し出せなかったら、自分たちはそれだけの人物だったということ。
堂々としているがいい!
もしスパイを見つけたら、魔法の一つや二つを眼の前でぶつけてやればいいのだ。
「ここはスパイの一匹や二匹に占領されてぶっ壊れるような、やわな学園ではない。やれるもんなら、やってみろというのだ!」
みんなあっけにとられて、オレの話なんて聞こうともしない。
雑談に戻っている。
チチェロ一人だけが、パチパチと手を叩いてくれた。
「というわけだ。キミがスパイだろうと、どうってことはないって証明されたぜ」
「うっ……ス」
フゥヤが、ペコリと頭を下げる。
「ネクロマンサーか。ぜひとも味方にほしい。もし相手にされていないのなら、オレたちの友だちになってくれないか?」
「いいんっスか? 変なウワサが立つっスよ」
「構うもんか。実はこのチチェロ、友だちが少なくてな。平民だから、誰も相手にしてくれん。この間も、モブの縦ロールにちょっかいをかけられた。返り討ちにしてやったが」
「おウワサはかねがね。『黙っていればイケメン王子』と、ジュライ様は話題になっているっスよ」
そんな話になっているのか。
「模擬戦の授業が、始まるっス。急いで、着替えるっスよ」
おお、そうだったな。
オレの対戦相手は、オレが呪文を詠唱している最中に吐き出してしまった。
結果、オレの不戦勝となる。
まるで、オレの力が発揮できんではないか。
オレがどれくらい強いのか、いつになったらわかるんだろ?
「続きまして、フゥヤさんと、チチェロさんです」
ブルマ姿の二人が、向かい合う。
さっそく、フゥヤがミニオンを召喚した。剣を持つスケルトンと、弓を持つスケルトンの合計二体である。
対するチチェロの武器は、木でできた模造剣一本だけ。
テニスのスイングのように、チチェロが剣型と打ち合う。
相手は金属の剣を持っているのに、器用に武器を受け流していた。
「さすが未来のヨメ! チチェロ、ガンバ!」
「ううっぷ!」
急に、チチェロの動きが鈍る。
チャンスとばかりに、スケルトンの一体が後方で弓を構えた。
「二人同時プレイなんて、ぜいたくすぎるぞ! こういうのは、向かい合って一対一でいちゃつきあうのがいいんじゃないかと、おじさんは思うんDA!」
「ぼええええええええ!」
オレが言葉を発すると、激しい嘔吐とともにスケルトンが消え去る。
勝負アリかと思ったが、チチェロもリバースしていた。
この試合は、引き分けとなる。
おしい! あのまま押し切れていたら、チチェロの勝ちだったな!
でも試合後、二人は仲良く語り合っている。お互いの反省点を話し合っているみたいだ。
キラキラ虹の後は、百合の花が咲くってね!
「王子、ありがとうございます」
チチェロが、オレにお礼を言ってくる。
「ん? オレは、なにもしていないぞ」
「でも、未来のヨメって言ってくれました」
教室の隅で、ため息をついている女子生徒がいた。
屋内だと言うのに、魔女ばりにとんがり帽子を被っている。トレードマークだと言わんばかりだ。
あれか? ツッパリのリーゼントみたいなものかな?(死語
それの、異世界バージョンなのかもしれない(ホント?
「どうしたんだ?」
オレが声を掛けると、少女はこちらを向いた。
「あ、う、ジュライ、王子」
なんだろう? 少女はやけに、挙動不審だ。
「入学したばかりだと言うのに、やたらブルーじゃないか。ブルーなのは下着だけにしてほしいものだね(コラ」
「う、うぷぅ!!」
突然、女子生徒はトイレに駆け込んでしまう。
なんだってんだYO。
「す、すいませんっス。声の出し方を忘れたっス」
頭をかきながら、少女はとんがり帽子を取る。
今どき、牛乳瓶底メガネとか。属性盛り込み過ぎにもほどがあるだろ。
「ボクは、【フゥヤスノスキ・ミニミオン】というっス。フゥヤと呼んでくれればいいっスよ」
「あなたは、ネクロマンサーですよね?」
そうチチェロが尋ねると、フゥヤが「そうっス」と答えた。
ネクロマンサーは、孤立しやすい。
魔法も剣術もミニオン頼みになり、自己の成長に繋がらなくなるからだ。
体育の授業で「二人組を作って~」ってときは、超絶に楽だけど。
それだけは、うらやましく思う。
オレなんて学生時代は、先生にすら避けられていたもんなぁ。
「キミの、出身校は?」
「魔王の領土からほど近い、インキャーパレスっスよ」
「ふむ。かなりの、激戦区だな。魔王の支配する土地に近いと、結構大変だったのでは?」
「そうでもないっスよ。強い勇者様が、討伐に向かってくださっているので」
フゥヤが言うと、チチェロが少しさみしげな顔をした。
「どうした、チチェロ?」
「いえ、なんでも」
チチェロは取って付けたかのように、平静を取り繕う。
「ただ、魔王の領地からすぐのところに居城を構えているっスから、あまりいい顔をされないっス。スパイじゃないのかって、疑われてて」
「バカバカしいな!」
オレはあえて、大声で叫んだ。
クラスメイトたちが、何事かとこちらに顔を向けてくる。
「スパイ? 仮にスパイが忍び込んでいたとしても、魔法科学校がそんな些事に怯えていてどうする?」
スパイを探し出せなかったら、自分たちはそれだけの人物だったということ。
堂々としているがいい!
もしスパイを見つけたら、魔法の一つや二つを眼の前でぶつけてやればいいのだ。
「ここはスパイの一匹や二匹に占領されてぶっ壊れるような、やわな学園ではない。やれるもんなら、やってみろというのだ!」
みんなあっけにとられて、オレの話なんて聞こうともしない。
雑談に戻っている。
チチェロ一人だけが、パチパチと手を叩いてくれた。
「というわけだ。キミがスパイだろうと、どうってことはないって証明されたぜ」
「うっ……ス」
フゥヤが、ペコリと頭を下げる。
「ネクロマンサーか。ぜひとも味方にほしい。もし相手にされていないのなら、オレたちの友だちになってくれないか?」
「いいんっスか? 変なウワサが立つっスよ」
「構うもんか。実はこのチチェロ、友だちが少なくてな。平民だから、誰も相手にしてくれん。この間も、モブの縦ロールにちょっかいをかけられた。返り討ちにしてやったが」
「おウワサはかねがね。『黙っていればイケメン王子』と、ジュライ様は話題になっているっスよ」
そんな話になっているのか。
「模擬戦の授業が、始まるっス。急いで、着替えるっスよ」
おお、そうだったな。
オレの対戦相手は、オレが呪文を詠唱している最中に吐き出してしまった。
結果、オレの不戦勝となる。
まるで、オレの力が発揮できんではないか。
オレがどれくらい強いのか、いつになったらわかるんだろ?
「続きまして、フゥヤさんと、チチェロさんです」
ブルマ姿の二人が、向かい合う。
さっそく、フゥヤがミニオンを召喚した。剣を持つスケルトンと、弓を持つスケルトンの合計二体である。
対するチチェロの武器は、木でできた模造剣一本だけ。
テニスのスイングのように、チチェロが剣型と打ち合う。
相手は金属の剣を持っているのに、器用に武器を受け流していた。
「さすが未来のヨメ! チチェロ、ガンバ!」
「ううっぷ!」
急に、チチェロの動きが鈍る。
チャンスとばかりに、スケルトンの一体が後方で弓を構えた。
「二人同時プレイなんて、ぜいたくすぎるぞ! こういうのは、向かい合って一対一でいちゃつきあうのがいいんじゃないかと、おじさんは思うんDA!」
「ぼええええええええ!」
オレが言葉を発すると、激しい嘔吐とともにスケルトンが消え去る。
勝負アリかと思ったが、チチェロもリバースしていた。
この試合は、引き分けとなる。
おしい! あのまま押し切れていたら、チチェロの勝ちだったな!
でも試合後、二人は仲良く語り合っている。お互いの反省点を話し合っているみたいだ。
キラキラ虹の後は、百合の花が咲くってね!
「王子、ありがとうございます」
チチェロが、オレにお礼を言ってくる。
「ん? オレは、なにもしていないぞ」
「でも、未来のヨメって言ってくれました」
0
あなたにおすすめの小説
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる