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1-6 命がけの遠足!?

第81話 気が早くない?

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 マミちゃんと夕飯を食べながら、ボクはボーッとしていた。

「ちょっと待ってください。早くない?」
「どうして? 名誉なコトよ」

 たしかに、光栄だけど。

「マナの相性が大事って説明したでしょ? マナの相性によって、玉座との子どもが生まれるかどうかが決まるのよ」

 子どもって、また気が早いな!

「年齢的な問題をクリアしてないのでは?」
「見た目はこうだけど、あなたより、数十年近く歳を重ねているのよ? どうってことないわよ」

 そっか、そういえば魔族だよね。ボクより全然年上だった。
 見た目のせいで忘れていたなぁ。

「そうは言っても、まだ心の準備が」
 急に、チサちゃんがグッと大人になった気がした。

 知らなかった。玉座に、そんなルールがあったなんて。

 ボクとチサちゃんが、夫婦になるのか。想像もできないな。

 チサちゃんは立派なレディになるだろう。
 てっきり、チサちゃんは魔族のいい人と婚約するモノだと思っていた。
 ボクとのデートも、その予行練習だと。


 実際は違うのだ。
 ボクと一緒になることを想定して、ボクを連れ回していた。


 そんなことも知らずに、ボクは。

 無神経なボクに、チサちゃんのダンナが務まるのだろうか。

「どうなさいました、ダイキ様? 先ほどから食が進んでいないようですが?」
 ボクの様子を心配してか、セイさんが声をかけてくる。

「いえ、おいしいです。ありがとうございます」



「何も召し上がっておりませんよ」



 セイさんに指摘され、ボクはぎょっとなった。

 そういえば、箸が止まったままだったな。
 どうやら考え事をしていて、ご飯を食べるのを忘れてしまっていたようだ。
 慌てて白飯と唐揚げをかきこむ。


「いらないなら、唐揚げもらうわよ」
 マミちゃんが、ボクのお皿に手を伸ばす。


 ペチンと、チサちゃんがマミちゃんの手を叩き、ボクのおかずを死守した。

「ダメ、マミ。唐揚げはわたしの。こっちのミートーボールならあげる」
「ホント? ラッキー!」

 チサちゃんとマミちゃんは楽しげに、おかずを交換し合う。

「チサの家のご飯は、庶民的だから好きよ! ウチの料理ってね、味は完璧だけど窮屈なの」

 マミちゃんのお城だと、毒味役がいるなど物騒だという。

「ここは、なんだか家庭の味って感じがして好きだわ!」
「ありがと」

 家庭的か。そうだよな。

 こんな賑やかな食事が、毎日食べられる。
 こんなに楽しいことはない。

 けれど、一家の主になるなら、相応のプレッシャーがあるはず。

 チサちゃんに、家庭を持つ重圧なんてあるのだろうか。

「ボクのお嫁さんになるの、怖くない?」

「玉座は、魔王を常に支え続けなければならない。よって、夫として相応しい存在こそ、玉座。ダイキはわたしが選んだ。だから、何も怖くない」

 堂々と説明しているが、チサちゃんの肌は段々と熱くなっている。
 これは恐れからか? それとも。

 ボクは、彼女を膝に載せていていいのだろうか。
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