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2-4 街作りミッション。回転寿司屋さんを建てよう。

流しそうめん

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「お邪魔します。涼しい!」
 
 中に入ると、ヒンヤリとした空気が漂う。
 空調が効いているのかな?

「たぶん、あれ」
 チサちゃんが、中央に位置する物体を指さす。

 大きな氷の巨人像が、宮殿のど真ん中にそびえ立っていた。
 マミちゃんを象っている。自己主張が激しい。

「ホントに王様なんだね、マミちゃんって」

「マミはエリートだから」

 たしかに、チサちゃんにはない発想だ。

 先へ進むと、赤い絨毯の敷かれた部屋に。
 贅を尽くしたという感じじゃないけど、清潔感がある。

「よく来たわね!」

 王の間には、マミちゃんがブドウを食べていた。

「マミちゃん、偵察に来たよ」

「話はセイから聞いているわ! ちょうど、準備が終わったの! ついてきなさい!」

 言うなり、マミちゃんはボクたちの手を引く。

「どこへ連れて行くの?」

「これから、イベントをやるの!」




 なぜか、マミちゃんはボクたちを山へ連れて行く。

 海ではないのか。

「何があるんです、ケイスさん?」

「それは、見てのお楽しみで。けれど、きっとご満足いただけますよ」
 文句を言わず、ケイスさんは土の道を四つん這いで進む。


「痛くないですか? ご無理なさらないで」

 マミちゃんを乗せながらの歩行だから、余計に心配だ。

「苦痛は、ワタシの生きがいなのです。痛みがあるほど、生きているという実感が湧くのです」

 ボクには理解できない世界に住んでいるな、ケイスさんは。

「いやぁ、涼しいね、チサちゃん」

 木々が日差しを遮って、風が気持ちいい。山もいいなぁ。

「で、会場がココになるわ!」

 ボクたちが案内されたのは、竹を組み上げた流水施設。いわゆる「雨樋《あまどい》」だ。

「まだ試作段階だから、完成に協力してちょうだい!」
「そうか、流しそうめんがあったね!」

 失念していた。
 お祭り好きのマミちゃんらしい発想だ。
 ケイスさんが外国風の人だから、和的な発想はないと高をくくっていた。

「ねえダイキ、流しそうめんって、何?」
 チサちゃんは知らないらしい。

「そうめんというオソバ? を、水に流すの! それをすくって食べるのよ! 竹を手に入れたからネウロータに何かアイデアをもらったら、これがいいんじゃないかってね!」
 マミちゃんも、ネウロータくんと接触しているんだな。

 説明を受けながら、ボクたちはおつゆの入った竹の器と、お箸をもらう。

「一〇〇回説明するより、見た方が早いわ! 準備しなさい!」
 説明が面倒になったのだろう。実践してみせることになった。

 エジプト調の衣装を着た召使いさんが、そうめんの入ったザル
を持つ。階段を上がって、定位位置に付いた。
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