一攫千金を夢見て旅立った兄が、病んで帰ってきた。結局ボチボチ冒険するのが幸せなんだよね

椎名 富比路

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第四章 因縁の地下遺跡へ

第33話 ドラゴン ギータ戦

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 ギータがシッポで、向かってきた騎士団を弾き飛ばす。

 騎士団が、岩場に叩きつけられた。

 姫が、ギータの装甲に銃を撃ち込む。

 魔物さえ貫く姫の銃撃を、ギータの硬い装甲は簡単に跳ね返した。

 騎士団さえぶっ飛ばす尻尾の攻撃が、姫に迫る。

「エレオノル! ぐあ!」

 ゼスキアさんが、刀でギータの攻撃を相殺した。

 ギータがシッポで、向かってきた騎士団を弾き飛ばす。

 騎士団が、岩場に叩きつけられた。

 姫が、ギータの装甲に銃を撃ち込む。

 魔物さえ貫く姫の銃撃を、ギータの硬い装甲は簡単に跳ね返した。

 騎士団さえぶっ飛ばす尻尾の攻撃が、姫に迫る。

「エレオノル! ぐあ!」

 ザスキアさんが、刀でギータの攻撃を相殺した。

 しかし、ザスキアさんも後ろに飛ばされてしまう。岩場への激突は免れたが、エレオノル姫と距離が離れてしまった。
 
「ヒューゴ、あんたはセーコとといっしょに、敵の注意を引き付けて!」 

 ソーニャさんが、ボクたちに指示を飛ばす。
 
「あたしは、コイツの弱点を探る。キルシュ、あたしをフォローして! ヴィクは負傷兵の治療!」
 
 キルシュがソーニャさんのカバーに周り、ヴィクが自分に魔法障壁を張りつつ、負傷した騎士団の治癒に。

 ボクは、ギータの注意をこちらに向けさせる。姫も守らないと。

「【マナセイバー】、防御力高めで!」

 マナセイバーで、剣の強度を上げる。
 
 ソーニャさんのファミリアが、ギータに急接近した。

「あんたの相手は、こっちよ!」
 
 そのスキに、ソーニャさんが【メテオ・バースト】を撃ち出す。

「からのぉ、ツバメ返――」

 ボクは、メテオバーストの爆発を利用して、【ツバメ返し】を敵の首に打ち込もうとした。
 しかし、強靭な角に跳ね返された。

「ガハッ!」

 硬い地面に、叩きつけられる。

「バカ! 弱点が定まってないのに、ムリしないでよ! ヴィク、ヒューゴの治癒をお願い」

「承知」

 ヴィクがボクの側まで飛んできて、治癒魔法を施してくれた。

「ありがとう、ヴィク」

「ソーニャ殿のいうとおりです。今はガマンのとき」


「そうだね。ごめん」

 ひとまず、ボクはエレオノル姫のガードに回った。大剣を構えて、エレオノル姫様をカバーする。

『弱点わかったぞー』

 ソーニャさんの元に、ファミリアが帰ってきた。

『あそこー』

 ファミリアが示したのは、腹である。

「ちょっと、一番硬いところじゃない!」

 なにをどうやっても、攻撃が跳ね返された場所だ。

 どうしてファミリアは、こんな一番分厚い箇所を?

「いえ。道理は通りますぞ。他の部位は、どうあっても攻撃を受け流されてしまいます。関節も然り」

 つまり、あそこはモンスターの支柱。家でいうと、大黒柱ってわけだ。あそこを叩けば、すべての部位がバランスを失うはずだと。

「やってみよう!」

 マナセイバーを、攻撃型に転換する。硬さを捨てて、鋭さをアップさせた。

「エレオノル様、撃って!」

 敵の注意をボクに向けさせて、エレオノル様の銃撃を待つ。

 銃撃が、横っ腹に炸裂した。

「からの、ザスキアさん!」

「うむ。【ツバメ返し】!」

 本家ツバメ返しを、ザスキアさんが展開する。

「もういっちょ、姫様!」

 敵の攻撃を一手に引き受けて、ボクは姫の銃撃に賭けた。

「さらに、ソーニャさん!」

「わかってるわ。メテオ・バースト!」

 ソーニャさんが、背中に一撃を見舞う。

 キルシュとセーコさんの打撃で、追い打ち。

「どんな感じ?」

「いいわ。腹の装甲に、ヒビが入った! 今よ!」

 メテオバーストを連発して、ソーニャさんがギータのヘイトを集めた。

 ギータのシッポ攻撃を跳ね返すには、ボクの武器しかない。
 
「いちかばちか。【ツバメ返し】!」

 ボクは、火属性の爆発力に頼らず、ツバメ返しを撃った。ただし、二発目は【ウェーブスラッシュ】……つまり、衝撃波を打ち込んだ。

「今です、姫様!」

「はい。【オーラショット】!」

 エレオノル姫が、ボクのウェーブスラッシュに向けて、銃撃を放った。

 ボクの衝撃波に、銃弾の速度が加わる。

 衝撃波が、ギータの腹を切り裂いた。

 ヒビが大きくなり、とうとうギータが倒れる。

「トドメを……」

「必要ない」

 ボクが斬りかかろうとして、ザスキアさんが止めた。

 力尽きたギータが、骨だけになる。

「はあ、はあ。勝った」

 ヒザをついて、ボクは呼吸を整えた。

「立てますか?」

「ちょっとムリです」

「では、ここで食事にしましょう。もう強い敵は現れませんので」

「そうなんですか?」

「魔物のボスが倒されて、ギソの配下モンスターも、逃げていきました」

 たしかに、魔物の気配がドッと減っている。

「食後に一度、村へ帰りましょう。装備を整え、一旦仕切り直します」

「はい」

 ギータの肉は、おいしくいただいた。
 
 一度山の麓にある村へ帰り、一晩休む。

 ヘッテピさんが、ボクのために装備を作ってくれるそうだ。

「魔竜ギータの甲羅で作った、プロテクターだぜ。一晩かけて作った」
 
「ありがとうございます。でも大変だったんじゃ?」

「どうってことねえよ。久々の夜なべだったが、やりがいはあった」

 ドワーフは特殊なスキルで、どんな装備でも一日で完成させてしまう。

 姫様の銃と、ザスキアさんの刀も、ヘッテピさんの技術で強化された。
 
「他のドロップ品は、こんなところでしょうか」

 ギータは、遺跡調査にもっとも重要なアイテムを落としていったという。

「この像です」

 古代人が祀っていた、女神像らしい。

「これを祭壇にセットすることによって、秘密の扉が開くようですね」
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