28 / 48
第二章 後輩ウザかわいさが、とどまるところを知らない(自称
ウザ後輩の、手作り弁当
しおりを挟む
鳥類のコーナーを見終えて、昼食にしようとなった。
園内にある草むらに、ビニールシートを敷く。他の客も、同じ用に弁当を広げていた。ここは比較的、動物の匂いがない。
「俺も作ってきた」
「いえーっ! なんの危機感もなく、先輩のお弁当を堪能できるッス!」
バンザイをした後、クルミはバスケットを開けた。
「っじゃーん!」
「いいじゃねえか」
バスケットを開けた途端、獣臭がいい香りで吹き飛んだ。
サンドイッチか。シンプルだが、実にうまそうである。
「もう食っていいか?」
「我慢できないッスか?」
なぜこうも勝ち誇ったようにマウントしてくるのか。
「はいはい、我慢できません。早く食わせろ」
こういうのは、御託なんかどうでもいい。ウマイかどうかは食えば分かる。
さっさと食っちまわないと、メシの香りが獣臭と交じるんだよ。
「では、どうぞッス!」
「いただきます」
こういうのは、出されたらすぐ口へ放り込む。これこそ、最高の礼儀だ。遠慮やお預けなんて、すべきじゃない。
「うまい」
なんの変哲もない、ツナサンドだ。
ただ、ツナ缶をマヨネーズでまぜて、キュウリと挟んだだけ。およそ、料理と呼べるかどうか。
しかし、これが実に身体へと染み渡る。パンが絶妙に湿り気を帯びていて、しっとりとした食感だ。
こっちはカツサンドか。ソースが十分に染み込んでいる。
ソースは市販で、特別な味付けなどしていない。千切りキャベツと挟んだ、オーソドックスなサンドイッチだ。
「お前、わざと潰したな?」
「わかるッスか?」
「ああ。どれもフワッとしていない」
サンドイッチはふわっとしたタイプとしっとりしたタイプがある。
クルミのサンドイッチは後者だ。
「具材が具材なだけに、パサパサなのはイヤかなって思っただけッス」
「いや、俺好みだよ」
「ありがとうッス」
不安がっていたので、俺は称賛して緊張を解いてやる。
マヨネーズやソースで疲れた舌に、プチトマトのアクセントもありがたい。
「フード業界に片足つっこんでる先輩には物足りないかも知れないッスが、自分なりに丹精込めて作ったッス」
「品評とかバカバカしいな。作ってくれた人に失礼な行為だ」
ただうまいと、感想を述べる。
「ありがとう、クルミ」
「な、なんか思ってた感想と違うッス」
「もっと『ぐえー』とか、言うとでも思ったのか?」
メシマズが重宝されるのは、少女漫画だけだ。
読者層が、料理不得意など不器用な少女たちだから。
昨今は、何かとキャラに個性をつけようと、ありえないレベルのメシマズヒロインが出てくるらしい。廃棄物レベルの。が、案の定裏目に出て、迫害を受けているという。
やはり、料理はできるに越したことはない。
「はあ、クルミたんが作ってきてくれたお弁当食べるのもったいないよー、とか言うと」
どこの変質者だよ。
「そんなことを言うなら、俺の弁当は妹行きだな」
俺は、小さいランチボックスに入った弁当を、リュックへしまおうとした。
「ああああ! 待って待って冗談ッス! ください。先輩のお弁当は禁断症状が出るくらいヤバイッスから! オークションに掛けたら何百までも手を出してしまいそうッス!」
なにその気味悪いたとえ。
「分かったよ。食え」
俺は、ランチボックスの風呂敷を解く。
「いっただっきまーす! うへへ。あたしだけのために作ったお弁当ッス」
箱を開けるなり、クルミは唾液を音がなるほどに飲み込む。
「そんなに楽しみだったらのか。悪かった。全部残り物だぞ」
「マジですか?」
「うん。マジですよ」
ガツガツ! と擬音が出るくらい、クルミは俺の弁当を貪った。食うという表現が哀れになるくらいに。何日も食べてない人のように、俺の弁当を貪り尽くす。
すぐ近くに見られるリスの頬に、今のクルミは似ている。
「なんだよ急に?」
「だって、先輩のおうちで食べたものをいただけるってことは、今だけあたしは先輩一家の一員ってこそッスよね? あたしと先輩は今、ひとつ屋根の下で暮らしていると同義!」
「ま、まあ、作ったのは俺だしな」
よかった。おふくろが作った角煮まで入れなくて。母親が作ったと知れば、こいつは俺が作ってくれたものじゃなかった、とショック死していただろう。母親の角煮、俺でも再現できないほど絶品なんだけどなぁ。
「あ、すいません気がききませんで!」
俺がぼーっとしていると、なぜかクルミが手を合わせて詫びを入れた。何事か?
「あたしとしたことが。大事なことを忘れるところだったッス」
クルミは、バスケットからミートボールを箸で挟んだ。
「せーんぱい、あーん」
なんか儀式みたいになってきた。やらなきゃいけない空気のようなものが。
「別にいいよ。昨日の残りもんなんだから」
「いえいえ、こういうのはほら、デートッスから。デートっぽいことをもっとしましょうよぉ」
こいつなりに、気を使っているらしかった。だったら。
「あ、あーん」
俺も空気に任せて、対処する。
「どうそー」
クルミの合図とともに、俺の口へとミートボールが入っていく。
うん、昨日と同じ味だ。
園内にある草むらに、ビニールシートを敷く。他の客も、同じ用に弁当を広げていた。ここは比較的、動物の匂いがない。
「俺も作ってきた」
「いえーっ! なんの危機感もなく、先輩のお弁当を堪能できるッス!」
バンザイをした後、クルミはバスケットを開けた。
「っじゃーん!」
「いいじゃねえか」
バスケットを開けた途端、獣臭がいい香りで吹き飛んだ。
サンドイッチか。シンプルだが、実にうまそうである。
「もう食っていいか?」
「我慢できないッスか?」
なぜこうも勝ち誇ったようにマウントしてくるのか。
「はいはい、我慢できません。早く食わせろ」
こういうのは、御託なんかどうでもいい。ウマイかどうかは食えば分かる。
さっさと食っちまわないと、メシの香りが獣臭と交じるんだよ。
「では、どうぞッス!」
「いただきます」
こういうのは、出されたらすぐ口へ放り込む。これこそ、最高の礼儀だ。遠慮やお預けなんて、すべきじゃない。
「うまい」
なんの変哲もない、ツナサンドだ。
ただ、ツナ缶をマヨネーズでまぜて、キュウリと挟んだだけ。およそ、料理と呼べるかどうか。
しかし、これが実に身体へと染み渡る。パンが絶妙に湿り気を帯びていて、しっとりとした食感だ。
こっちはカツサンドか。ソースが十分に染み込んでいる。
ソースは市販で、特別な味付けなどしていない。千切りキャベツと挟んだ、オーソドックスなサンドイッチだ。
「お前、わざと潰したな?」
「わかるッスか?」
「ああ。どれもフワッとしていない」
サンドイッチはふわっとしたタイプとしっとりしたタイプがある。
クルミのサンドイッチは後者だ。
「具材が具材なだけに、パサパサなのはイヤかなって思っただけッス」
「いや、俺好みだよ」
「ありがとうッス」
不安がっていたので、俺は称賛して緊張を解いてやる。
マヨネーズやソースで疲れた舌に、プチトマトのアクセントもありがたい。
「フード業界に片足つっこんでる先輩には物足りないかも知れないッスが、自分なりに丹精込めて作ったッス」
「品評とかバカバカしいな。作ってくれた人に失礼な行為だ」
ただうまいと、感想を述べる。
「ありがとう、クルミ」
「な、なんか思ってた感想と違うッス」
「もっと『ぐえー』とか、言うとでも思ったのか?」
メシマズが重宝されるのは、少女漫画だけだ。
読者層が、料理不得意など不器用な少女たちだから。
昨今は、何かとキャラに個性をつけようと、ありえないレベルのメシマズヒロインが出てくるらしい。廃棄物レベルの。が、案の定裏目に出て、迫害を受けているという。
やはり、料理はできるに越したことはない。
「はあ、クルミたんが作ってきてくれたお弁当食べるのもったいないよー、とか言うと」
どこの変質者だよ。
「そんなことを言うなら、俺の弁当は妹行きだな」
俺は、小さいランチボックスに入った弁当を、リュックへしまおうとした。
「ああああ! 待って待って冗談ッス! ください。先輩のお弁当は禁断症状が出るくらいヤバイッスから! オークションに掛けたら何百までも手を出してしまいそうッス!」
なにその気味悪いたとえ。
「分かったよ。食え」
俺は、ランチボックスの風呂敷を解く。
「いっただっきまーす! うへへ。あたしだけのために作ったお弁当ッス」
箱を開けるなり、クルミは唾液を音がなるほどに飲み込む。
「そんなに楽しみだったらのか。悪かった。全部残り物だぞ」
「マジですか?」
「うん。マジですよ」
ガツガツ! と擬音が出るくらい、クルミは俺の弁当を貪った。食うという表現が哀れになるくらいに。何日も食べてない人のように、俺の弁当を貪り尽くす。
すぐ近くに見られるリスの頬に、今のクルミは似ている。
「なんだよ急に?」
「だって、先輩のおうちで食べたものをいただけるってことは、今だけあたしは先輩一家の一員ってこそッスよね? あたしと先輩は今、ひとつ屋根の下で暮らしていると同義!」
「ま、まあ、作ったのは俺だしな」
よかった。おふくろが作った角煮まで入れなくて。母親が作ったと知れば、こいつは俺が作ってくれたものじゃなかった、とショック死していただろう。母親の角煮、俺でも再現できないほど絶品なんだけどなぁ。
「あ、すいません気がききませんで!」
俺がぼーっとしていると、なぜかクルミが手を合わせて詫びを入れた。何事か?
「あたしとしたことが。大事なことを忘れるところだったッス」
クルミは、バスケットからミートボールを箸で挟んだ。
「せーんぱい、あーん」
なんか儀式みたいになってきた。やらなきゃいけない空気のようなものが。
「別にいいよ。昨日の残りもんなんだから」
「いえいえ、こういうのはほら、デートッスから。デートっぽいことをもっとしましょうよぉ」
こいつなりに、気を使っているらしかった。だったら。
「あ、あーん」
俺も空気に任せて、対処する。
「どうそー」
クルミの合図とともに、俺の口へとミートボールが入っていく。
うん、昨日と同じ味だ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編6が完結しました!(2025.11.25)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。
NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。
中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。
しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。
助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。
無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。
だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。
この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。
この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった……
7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか?
NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。
※この作品だけを読まれても普通に面白いです。
関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】
【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】
クラスで3番目に可愛い無口なあの子が実は手話で話しているのを俺だけが知っている
夏見ナイ
恋愛
俺のクラスにいる月宮雫は、誰も寄せ付けないクールな美少女。そのミステリアスな雰囲気から『クラスで3番目に可愛い子』と呼ばれているが、いつも一人で、誰とも話さない。
ある放課後、俺は彼女が指先で言葉を紡ぐ――手話で話している姿を目撃してしまう。好奇心から手話を覚えた俺が、勇気を出して話しかけた瞬間、二人だけの秘密の世界が始まった。
無口でクール? とんでもない。本当の彼女は、よく笑い、よく拗ねる、最高に可愛いおしゃべりな女の子だったのだ。
クールな君の本当の姿と甘える仕草は、俺だけが知っている。これは、世界一甘くて尊い、静かな恋の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる