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~試験一日目~ 「サモナーく~ん。キミのペットちゃんはオレの焼いたドラゴン肉をおいしそーに食べてまーす」「ざこ胃袋❤」
ドラゴン肉、スライムと対決
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『さて、第三試合の前に、こちらをご覧いただきたいと思います。検証動画です! 上空を見上げてください』
アナウンサーが、コロシアムの上を見るように先導する。
コロシアムの上空に、飛空挺が浮かび上がった。側面に、巨大モニターが取り付けてある。
『これはとある王族の庭園で撮影された、実際の映像でございます』
三匹の番犬が、皿の前に座っていた。皿には、クローシュと呼ばれる銀製のフタがしてある。クローシュが開いた瞬間、ブロック肉が目の前に。番犬たちは三匹とも、我先にと競うように肉に群がった。
王様は「しょうがねえヤツらだなぁ」と、微笑ましく犬たちを見守っている。
会場にどよめきが起きる。
『どうです? 特A5ランクの牛肉は、訓練された番犬すらガマンできないのです。今回のドラゴン肉は、それすら遙かに上回る特S5ランク! 果たして、次なる挑戦者は勝てるのでしょうか。それとも、誘惑に負けて手を出してしまうのか!』
三人目が、コロシアムに入ってくる。
明らかに、前の二人を侮辱した態度で見送った。
『次の相手は、伯爵の息子、ダンケルくんのパートナー、ポヨン選手です!』
スライムを連れたデブが、コロシアムに姿を現す。
ミレイユ伯爵の息子・ダンケルは、八歳という低年齢ながら二次試験で好成績を収めた。スライムという特性を活かし、幾多の障害物をなんなくクリアしている。鉄さえ溶かすため、トラップが効かないのだ。
契約しているスライムは、召喚師の身体よりデカイ。肉まんが、水色の肉まんを連れていた。
『煽りVTRがございますので、上空の魔導モニターにてお楽しみください!』
飛行船に設置された巨大画面に、デブ召喚士の紹介VTRが流れ出す。貴族のやることは派手だ。
◇ * ◇ * ◇ * ◇
画面では、デブとスライムがダンジョンで奮闘する姿が流れ出す。低級モンスターでありながら、スライムは大量のアンデッドを蹴散らしていった。液状化のスキルで、地面に浸透した後で相手を足下から溶かすのだ。
「相手は、A5ランク牛肉を超えるS5級ドラゴン肉ですが?」
インタビューに対して、デブはエラそうに笑う。
「たいしたことないよ。ボクはもっとおいしいものを、ポヨンに食べさせているからね!」
そう言って彼がスライムに渡すのは、香水だ。
「これこれ。女の人が大好きでさあ。特に香水が大好物なんだ。むしゃぶりつくんだよ! もちろん、高級ブランド品だよ!」
成金趣味を全開させ、デブは勝利宣言をしていた。
◇ * ◇ * ◇ * ◇
シチサブローは確信する。初手から、テルルの肉のうまさを最高の形でお披露目できると。
『なお、公平を期すために、食事を取らせていない状態で挑んでいただきます。ではスタート!』
ブザーが鳴り、試合がスタートする。
「ポヨン、待て」
召喚士が、スライムに指示を出す。手からは、貴族の紋章が浮かんでいた。これで、対象をコントロールするのだ。
『さあ、最初の「待て」が入りました。あとは三分、ドラゴン肉をガマンすることができれば晴れて合格ですが?』
プルンと身体を揺らしながら、スライムは空腹に耐えている。
ダメダメ、そんなんでは誘惑に敵うわけがない。
次の瞬間、スライムが動く。プルプルと身を震わせて、こちらの様子を伺っているらしい。
『あっと、一〇秒もしないうちにソワソワし始めたぞ。大丈夫か?』
しかしデブは余裕だ。不敵な笑みを浮かべながら、動じない。
「待て」の指示通り、スライムは動く気配を見せなかった。
「フン。近づけさせなければ、香りまでは届かないよね」
デブは、もう勝った気になっているらしい。まだこれからだというのに。
『序盤こそ、待ちきれない様子のポヨン選手でしたが、一分を過ぎた辺りで落ち着きを取り戻したか? 身体を揺さぶっているものの、食欲には抗っている様子です』
確かに、その後は二分ほどガマンを続けている。
相変わらず、スライムはプルプルと震えているだけだった。
早く時が経てばいいのにと思っているのだろう。
彼にとって、この時間は「ある意味で」地獄の時間だ。
このままなら、勝ちは確定だろう。あのデブも、そう思っているに違いない。
だが、そう考えていると思うと、シチサブローは笑いが止まらなかった。
「な、何がおかしいんだ!? 気でも触れたか?」
「別に、なんでもねえよ。自分が欺かれているとも知らずに、のんきに構えているガキがおかしくてたまらねえだけだ」
「負け惜しみを!」
デブも、怒り心頭になる。
『たしかに、ダンケル選手の言うとおりです。このままでは、明らかにポヨン選手の勝ちが確定します、残り時間一〇秒! 皆さん、カウントダウンお願いします!』
九、八、七……と、会場が一斉にカウントダウンを始めた。
『……ゼロ! お見事、ダンケル選手とポヨン選手、S級召喚士の栄冠を手にし……あーっと! ちょっと待って下さい! これはいったい!?』
アナウンサーが、異変に気づく。
ようやくわかったか。
シチサブローは、アナウンサーの鈍さに辟易した。
「な、何があったんだ?」
「皿の中をよく見てみな」
「なん、だと……!?」
皿の中にあったはずのドラゴン肉が、キレイさっぱりなくなっていたのである。
アナウンサーが、コロシアムの上を見るように先導する。
コロシアムの上空に、飛空挺が浮かび上がった。側面に、巨大モニターが取り付けてある。
『これはとある王族の庭園で撮影された、実際の映像でございます』
三匹の番犬が、皿の前に座っていた。皿には、クローシュと呼ばれる銀製のフタがしてある。クローシュが開いた瞬間、ブロック肉が目の前に。番犬たちは三匹とも、我先にと競うように肉に群がった。
王様は「しょうがねえヤツらだなぁ」と、微笑ましく犬たちを見守っている。
会場にどよめきが起きる。
『どうです? 特A5ランクの牛肉は、訓練された番犬すらガマンできないのです。今回のドラゴン肉は、それすら遙かに上回る特S5ランク! 果たして、次なる挑戦者は勝てるのでしょうか。それとも、誘惑に負けて手を出してしまうのか!』
三人目が、コロシアムに入ってくる。
明らかに、前の二人を侮辱した態度で見送った。
『次の相手は、伯爵の息子、ダンケルくんのパートナー、ポヨン選手です!』
スライムを連れたデブが、コロシアムに姿を現す。
ミレイユ伯爵の息子・ダンケルは、八歳という低年齢ながら二次試験で好成績を収めた。スライムという特性を活かし、幾多の障害物をなんなくクリアしている。鉄さえ溶かすため、トラップが効かないのだ。
契約しているスライムは、召喚師の身体よりデカイ。肉まんが、水色の肉まんを連れていた。
『煽りVTRがございますので、上空の魔導モニターにてお楽しみください!』
飛行船に設置された巨大画面に、デブ召喚士の紹介VTRが流れ出す。貴族のやることは派手だ。
◇ * ◇ * ◇ * ◇
画面では、デブとスライムがダンジョンで奮闘する姿が流れ出す。低級モンスターでありながら、スライムは大量のアンデッドを蹴散らしていった。液状化のスキルで、地面に浸透した後で相手を足下から溶かすのだ。
「相手は、A5ランク牛肉を超えるS5級ドラゴン肉ですが?」
インタビューに対して、デブはエラそうに笑う。
「たいしたことないよ。ボクはもっとおいしいものを、ポヨンに食べさせているからね!」
そう言って彼がスライムに渡すのは、香水だ。
「これこれ。女の人が大好きでさあ。特に香水が大好物なんだ。むしゃぶりつくんだよ! もちろん、高級ブランド品だよ!」
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◇ * ◇ * ◇ * ◇
シチサブローは確信する。初手から、テルルの肉のうまさを最高の形でお披露目できると。
『なお、公平を期すために、食事を取らせていない状態で挑んでいただきます。ではスタート!』
ブザーが鳴り、試合がスタートする。
「ポヨン、待て」
召喚士が、スライムに指示を出す。手からは、貴族の紋章が浮かんでいた。これで、対象をコントロールするのだ。
『さあ、最初の「待て」が入りました。あとは三分、ドラゴン肉をガマンすることができれば晴れて合格ですが?』
プルンと身体を揺らしながら、スライムは空腹に耐えている。
ダメダメ、そんなんでは誘惑に敵うわけがない。
次の瞬間、スライムが動く。プルプルと身を震わせて、こちらの様子を伺っているらしい。
『あっと、一〇秒もしないうちにソワソワし始めたぞ。大丈夫か?』
しかしデブは余裕だ。不敵な笑みを浮かべながら、動じない。
「待て」の指示通り、スライムは動く気配を見せなかった。
「フン。近づけさせなければ、香りまでは届かないよね」
デブは、もう勝った気になっているらしい。まだこれからだというのに。
『序盤こそ、待ちきれない様子のポヨン選手でしたが、一分を過ぎた辺りで落ち着きを取り戻したか? 身体を揺さぶっているものの、食欲には抗っている様子です』
確かに、その後は二分ほどガマンを続けている。
相変わらず、スライムはプルプルと震えているだけだった。
早く時が経てばいいのにと思っているのだろう。
彼にとって、この時間は「ある意味で」地獄の時間だ。
このままなら、勝ちは確定だろう。あのデブも、そう思っているに違いない。
だが、そう考えていると思うと、シチサブローは笑いが止まらなかった。
「な、何がおかしいんだ!? 気でも触れたか?」
「別に、なんでもねえよ。自分が欺かれているとも知らずに、のんきに構えているガキがおかしくてたまらねえだけだ」
「負け惜しみを!」
デブも、怒り心頭になる。
『たしかに、ダンケル選手の言うとおりです。このままでは、明らかにポヨン選手の勝ちが確定します、残り時間一〇秒! 皆さん、カウントダウンお願いします!』
九、八、七……と、会場が一斉にカウントダウンを始めた。
『……ゼロ! お見事、ダンケル選手とポヨン選手、S級召喚士の栄冠を手にし……あーっと! ちょっと待って下さい! これはいったい!?』
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シチサブローは、アナウンサーの鈍さに辟易した。
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