レアドロップしない男、魔法付与装備を生成できる女スライム魔王に溺愛されて、【レアアイテムを破壊する男】として覚醒!

椎名 富比路

文字の大きさ
11 / 230
1-2 変質したダンジョンを、殴りに行きます

サービスカット?

しおりを挟む
 翌朝、俺はサピィたちの様子を見に、部屋をノックした。

「おう、ランバート殿。こちらへ」

 シーデーに、部屋へと通される。
 だが、肝心のサピィが見当たらない。

「サピィはどこだ?」
「現在、ご入浴中ですじゃ。お洗濯もなさっておいでですぞ」

 朝のコーヒーを飲みながら、シーデーが語る。

「我がやりますと言っても、ご自分の習慣だとかで、手伝わせてもらえんのですじゃ。まったく、何のために執事がおるというのか」

 仕事をさせてもらえないのは、執事としても傷つくのだろう。俺にはよくわからんけれど。

「ご覧になりますかな?」
「はあ!?」

 ちょっと待て。いきなり自国のお姫様のサービスシーンを見ろなんて、大胆すぎないか?

「驚かれることもありますまい。魔物が入浴しておるだけですぞ。何も不思議ではござらん」
「不思議だろうが! どこの世界に全裸の女を堂々とガン見して平然としていられる男がいるんだよ!?」
「いやいや。一度ご覧になられた方がよろしいな。姫様、失礼を」

 なんとシーデーは、サピィの入っている風呂のカーテンを開けやがった!

「わあ……ああ?」

 一瞬だが、異様な光景が目に飛び込んでくる。


「ごうん、ごうん、ごうん……」


 泡まみれの丸い物体が、カーテンの向こうにいた。

 人間サイズのスライムが、バスタブでくつろいでいる。
 自分で洗濯機のような音を立てながら、衣服を体内に取り込んで洗っていた。
 たしか、サピィってスライムだったよな。
 初対面が人間体だったから、すっかり忘れていたが。
 こうしてみると、本当にスライムなんだと実感する。


「あー、ランバート。おはようございます」

 デカイ金色の目が、俺を見た。
 丸裸を見られているというのに、あまりリアクションがない。

「ああ。おはようさん」

 絶句したまま、俺はサピィとあいさつをかわす。

「それが、お前さんの正体ってわけか?」
「人間体も魔物体も、どちらも私には変わりありませんわ」

 サピィが言うには、人間体はいわゆる「お化粧」なのだそうな。人前に出るときは人間に、リラックスするときは、スライム状態になるという。

「なるほど。お前さんがスイートルームを取っている理由がわかったぜ」

 他の部屋は、開ける前にノックなんてしない。ノックと同時に部屋を開ける従業員もいる。

 部屋にいる巨大スライムを見たら、従業員は速攻で通報してしまうだろう。

「私はそれなりの身分なので、お肌のお手入れは欠かせません」
「洗剤とか口に入れて大丈夫なのか?」

 洗濯物用の洗剤も、体内に入れているはずだ。体調が悪くなってしまわないのだろうか?

「特には。洗剤はボディーソープと併用できますし。ここのシャンプーは歯磨き粉の味がして、うがいをするときにマイルドなのです」

 普通の人間は、うがいにシャンプーなんか使わねえよ。
 推しアイドルの使ってるシャンプーを飲むイタいファンじゃねえんだぞ。

「体内では、各種洗剤は一応分離しているんだな?」
「はい。スライム体なら、誤嚥の心配もございません」

 そういう問題じゃない。

「あー、サッパリしましたわ」

 スライム状態のまま、サピィがバスタブからあがる。シャワーで体中の泡を落とした。

「着替えどうするんだよ?」
「こうします、えいっ」

 そのまま、サピィは人間の姿に戻る。服も装備品も、魔法でスッキリと乾いた。

 上着はノースリーブのレオタードである。単なるレザーのように見えたが、魔獣の革を使用していた。左半分は、肩から指まで守る籠手を装備する。
 ドレスは、太ももが露出するほど破ってあった。動きやすさを求めたのであろう。ドレスの下は、ショートパンツ型の青いアンダースコートだ。太ももに、護身用ハンドガンのホルスターがくくりつけられている。

 昨日はフードを目深にかぶっていたのでよくわからなかった。

「あ、もうそろそろ朝食の時間ですね。またルームサービスにします? それとも宿の食堂にしますか?」
「外でどうだ、っていわれてもな。角はどうするんだ?」

 魔族が街を出入りしているのを目撃されたら、それはまずいのでは? 角を見られなくないから、フードをしていたのかと思ったが。

「こうします」

 サピィの角が、小さな髪飾りに変わった。
 威厳ある魔族の角が、愛らしいアクセサリへと変貌を遂げる。

「街へ出るときも、こうしているのです。変化魔法は魔族でも一般的で、さほど魔力は使わないんですよ」

 目立ちたくなかったことと、髪が汚れるのを嫌って、フードを被っていたらしい。

「この部屋でも、变化を解いていたが?」
「私が魔族であることを、あなたに知ってもらいたくて」

 とっさの状況だと、变化も使えないのだとか。

「ならば、どちらでも構わんぞ。落ち着いて食いたいなら、部屋だけど」
「では、お外で朝ごはんに致しましょう」

 外出し、俺たちは近くのパン屋で朝食にした。市場で食糧などを買い込み、ギルドへ。

「ランバート様、登録の更新を確認しました。サピィ様とパーティを組んだようですね」
「そうなんだ。依頼はあるか?」
「ミノタウロスの角くらいですかね?」

 薬局からの依頼だな。ミノタウロスの角といえば、万能薬だ。毒回復の治療薬としても役立つ。

「第三階層だな? わかった」
「お気をつけて」

 依頼を受諾し、ダンジョンへ。
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~

名無し
ファンタジー
 突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。  自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。  もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。  だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。  グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。  人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

処理中です...