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1-6 最強の敵を、殴りに行きます
デーニッツとの一騎打ち
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「ありがとう」
デーニッツは、グレースの感謝に首を振る。
「礼はよい。早う去れ。興が醒める」
「でも、サピィさんが」
グレースたち家族は、サピィも助けようとした。しかし、みんな手がふさがっている。
「お嬢は我が引き受けましょう。安全な場所までご案内します」
シーデーがサピィを抱き上げた。
「あたしも行くぞ!」
トウコが、ジェンマを警戒する。
「ランバート殿、しばしお一人でこやつのご対処を願いたい」
「助かる」
俺の言葉を待たず、シーデーはグレースたちを連れて避難の手助けした。
「スマン、ランバート。あいつの動きが見えなかった」
「いいんだ。トウコ。サピィたちについていてやってくれ」
シーデーとトウコを見送った後、俺はデーニッツと向き合う。
しかし、なぜかデーニッツはグレースたちに視線を向けているように見えた。
「血迷ったかデーニッツ! 人間ごときを助けるなど!」
デーニッツの行いが気に食わないのか、ジェンマは彼を罵倒する。
「黙れ、魔族の女ッ! コヤツは我が止める。貴様は使命をまっとうすれば良し!」
「……チッ!」
ジェンマは、ブティックへ消えた。あそこに、何があるのか。
「させるか!」
俺は、ブティックへ向かおうとする。
しかし、デーニッツがブティックの前に立ちふさがった。
「礼は、言わんぞ」
一連の行動からして、やはりデーニッツは敵である。
「構わぬ。今の我が望みは、貴公との勝負!」
二つの剣を構え、デーニッツが臨戦態勢に入った。
「おらあ!」
まずは小手調べ!
イクリプスで、ディメンション・セイバーを撃つ。
だが、一瞬でセイバーが跳ね返ってきた。
「なあ!?」
驚きつつも、どうにかイクリプスでさばく。セイバーをそらすことに成功した。
衝撃波が、城下町を囲む壁を切り裂く。
「く、イクリプスが……」
黒いフランベルジュに、ヒビが入っている。
これでは、もう扱えない。
「ディメンション・セイバーさえ、打ち返してきただと!?」
「ヌハハハ! ええのうええ腕じゃのう小僧! ちと、腕が痺れたぞ!」
渾身のディメンション・セイバーを、カウンターしてきやがった。
「普通は、不可能だ。反射能力のあるトパーズでもない限り」
「特別、大したことはしておらぬ。これは【サムライ】のスキルで、【雷斬】というてな。本来は、魔法使いの雷魔法を打ち返すのに使う。その応用として用いたまで」
駿足の雷すら、たやすく打ち返す技か。厄介だ。
「これも、レア武器の【ムトー】、通称【オウム返し】のおかげだがのう」
オウム返し、か。そういえば、「カウンターに特化したレア」について、聞いたことがある。
「さすがに、殺人的な剣のスピードには、我もレアに頼らざるを得ぬ。そこまで、お主は強くなったというわけよ。修羅場をくぐり抜けてきたと見た! ようやく、我が好敵手として成長したと!」
興奮しながら、デーニッツは空を見上げて笑う。
「お褒めに預かり光栄だ。しかし、手を抜いてやるわけにはいか……ぬうう!?」
デーニッツの声が、震えた。
「な、なんと! ムトーが死んでおる!?」
二振りの剣のうち、曲刀がボロボロにサビている。
「たしかヤツらは、【禍宝】を殺すスキルがあると話しておった。お主が……」
仮面で覆った顔を、デーニッツは俺に向けてきた。
「これでは、使い物にならぬ! だが、それもよし! ハンデとしては、ちょうどええ!」
曲刀ムトーを、デーニッツは捨てた。
曲刀は床に落ちた瞬間、ボロボロに崩れ落ちる。
「雷斬はなにも、レアアイテム頼りではなし!」
道に転がっている戦士の死体から、デーニッツはロングソードを奪う。
「だったら、やってみろ! オラア!」
今度は、ソード・レイのセイバーを試す。一振りで異なる属性のディメンションセイバーを放った。
「ほほう。だが……雷斬!」
四方から迫りくるセイバーでさえ、デーニッツは見切る。
絶妙なタイミングで打ち返してきた。
デーニッツは、グレースの感謝に首を振る。
「礼はよい。早う去れ。興が醒める」
「でも、サピィさんが」
グレースたち家族は、サピィも助けようとした。しかし、みんな手がふさがっている。
「お嬢は我が引き受けましょう。安全な場所までご案内します」
シーデーがサピィを抱き上げた。
「あたしも行くぞ!」
トウコが、ジェンマを警戒する。
「ランバート殿、しばしお一人でこやつのご対処を願いたい」
「助かる」
俺の言葉を待たず、シーデーはグレースたちを連れて避難の手助けした。
「スマン、ランバート。あいつの動きが見えなかった」
「いいんだ。トウコ。サピィたちについていてやってくれ」
シーデーとトウコを見送った後、俺はデーニッツと向き合う。
しかし、なぜかデーニッツはグレースたちに視線を向けているように見えた。
「血迷ったかデーニッツ! 人間ごときを助けるなど!」
デーニッツの行いが気に食わないのか、ジェンマは彼を罵倒する。
「黙れ、魔族の女ッ! コヤツは我が止める。貴様は使命をまっとうすれば良し!」
「……チッ!」
ジェンマは、ブティックへ消えた。あそこに、何があるのか。
「させるか!」
俺は、ブティックへ向かおうとする。
しかし、デーニッツがブティックの前に立ちふさがった。
「礼は、言わんぞ」
一連の行動からして、やはりデーニッツは敵である。
「構わぬ。今の我が望みは、貴公との勝負!」
二つの剣を構え、デーニッツが臨戦態勢に入った。
「おらあ!」
まずは小手調べ!
イクリプスで、ディメンション・セイバーを撃つ。
だが、一瞬でセイバーが跳ね返ってきた。
「なあ!?」
驚きつつも、どうにかイクリプスでさばく。セイバーをそらすことに成功した。
衝撃波が、城下町を囲む壁を切り裂く。
「く、イクリプスが……」
黒いフランベルジュに、ヒビが入っている。
これでは、もう扱えない。
「ディメンション・セイバーさえ、打ち返してきただと!?」
「ヌハハハ! ええのうええ腕じゃのう小僧! ちと、腕が痺れたぞ!」
渾身のディメンション・セイバーを、カウンターしてきやがった。
「普通は、不可能だ。反射能力のあるトパーズでもない限り」
「特別、大したことはしておらぬ。これは【サムライ】のスキルで、【雷斬】というてな。本来は、魔法使いの雷魔法を打ち返すのに使う。その応用として用いたまで」
駿足の雷すら、たやすく打ち返す技か。厄介だ。
「これも、レア武器の【ムトー】、通称【オウム返し】のおかげだがのう」
オウム返し、か。そういえば、「カウンターに特化したレア」について、聞いたことがある。
「さすがに、殺人的な剣のスピードには、我もレアに頼らざるを得ぬ。そこまで、お主は強くなったというわけよ。修羅場をくぐり抜けてきたと見た! ようやく、我が好敵手として成長したと!」
興奮しながら、デーニッツは空を見上げて笑う。
「お褒めに預かり光栄だ。しかし、手を抜いてやるわけにはいか……ぬうう!?」
デーニッツの声が、震えた。
「な、なんと! ムトーが死んでおる!?」
二振りの剣のうち、曲刀がボロボロにサビている。
「たしかヤツらは、【禍宝】を殺すスキルがあると話しておった。お主が……」
仮面で覆った顔を、デーニッツは俺に向けてきた。
「これでは、使い物にならぬ! だが、それもよし! ハンデとしては、ちょうどええ!」
曲刀ムトーを、デーニッツは捨てた。
曲刀は床に落ちた瞬間、ボロボロに崩れ落ちる。
「雷斬はなにも、レアアイテム頼りではなし!」
道に転がっている戦士の死体から、デーニッツはロングソードを奪う。
「だったら、やってみろ! オラア!」
今度は、ソード・レイのセイバーを試す。一振りで異なる属性のディメンションセイバーを放った。
「ほほう。だが……雷斬!」
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絶妙なタイミングで打ち返してきた。
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