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2-3 贋作の製造元を、殴りに行きます
闇ギルド結社 χ《カイ》
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俺たちは、洞窟まで近づいた。
敵に見つからないルートを選択したため、誰にも気づかれていない。
「ヴァイパーの見張りは少ないですね」
「だが、油断はできん」
「あれが、武器類ですね?」
ヴァイパー族が洞窟へ運び込んでいるのは、剣や重火器である。
「あそこが、ブートレグ製造工場だと見て間違いなさそうだな」
トウコが見張りを無力化し、全員で天井へ飛び上がった。
「見てください、ランバート」
サピィが、大量のオミナスを発見する。
どれも、禍々しい細工を施してあった。
「ランバート、やはり呪いの武器を作っている形跡がありました」
ここが、ブートレグというオミナスを作っている工場だったか。
「なぜ、ヴァイパー族のアジトで作らないのでしょう?」
「悟られたくないのかも知れないな」
もしくは、他の魔物たちの協力もあるのだろう。
「誰かがヴァイパーに依頼をして、作らせている?」
「ヴァイパーなどの魔物を、さらに操る者が存在すると?」
あるいは逆か。魔物が人間を操っている可能性があるわけか。
「とにかく、叩き潰そう」
相手がヴァイパーだけなら、敵ではない。
「お前たちの好きにはさせん!」
小規模の洞窟だったため、制圧に時間はかからなかった。
「おらああ!」
ヴァイパー族の群れを、魔法の刃で切り刻む。
「洞窟を破壊しよう。もうここで武器は作らせない」
証拠品のオミナス以外を、全て壊す。
「我が計画の邪魔をするのは、何者ぞ?」
洞窟の奥から、魔術師が現れた。
術士は宇宙服のようなヘルメットで、顔を覆っている。
背中に、触手の生えた四角い箱を背負う。
手には、細い杖を持っている。
「何者だ!?」
「答える必要はないが。そうか、貴様が秘宝殺しの使い手。散骨を倒した男か。我は闇ギルド結社『χ』の首魁、能面」
声からすると、中年男性のようだ。
が、ヘルメットの表面が黒いので、顔の造形や表情はわからない。
「デーニッツを知っているのか?」
「それに答える義務はなし」
ヘルメットの男からは、デーニッツに匹敵するおぞましさを感じる。
「ここを知られたからには、生かして返さん。唐立!」
能面が、天井に声をかけると、真上から人影が降ってきた。
全身を黄土色のウロコで覆った、細身の女性である。
ヴァイパー族の皮膚を、全身に移植したのか。
「サイボーグ?」
憎しみの眼差しを、サイボーグが俺に向けてくる。
「期待に答える働きをせよ」
「御意」
唐立という女性サイボーグが、両手を小さく広げた。
ジャキンと音を鳴らし、両手の指から金属質の爪が伸びた。
能面と名乗る魔術師が、赤いポータルを開いて去っていく。
「待て!」
俺はD・セイバーを魔術師に撃つ。
光刃の衝撃波は、魔術師に届く直線で爆散した。
唐立の爪攻撃に妨害されたのである。
「デーニッツを殺すのは、私の悲願だった。それをお前が!」
爪とキックによる連続攻撃を、唐立が繰り出す。
「オラオラァ!」
俺の剣と、唐立の爪が打ち合う。
しかし、打ち負けている。さすがに格闘戦では、相手の方に分があるか!
「秘宝殺し、発動!」
俺は、相手の爪にDセイバーを撃ち込んだ。
しかし、強靭な爪はセイバーを受け付けない。秘宝殺しで爪がサビつくこともない。
「見よ、秘宝殺し対策に、モンスターの肉体を移植したのだ」
狂気じみた声を発しながら、唐立が自慢の爪をなめる。
この女には、弱点がないのか。
「ちいいい!」
唐立の爪が、俺の頬をかすめた。黒いカビのような毒が、俺の頬から広がりかける。
「アハハ! サムライといえど、所詮はサブクラス! 格闘経験を積んだ私には勝てまい! 毒でさっさと……なにい!?」
だが、一瞬で浄化できた。
「バカな。毒が消滅した?」
状態異常耐性を持つ【パール】をアーマーに装着していなければ、俺の身体に毒が駆け回っていただろう。
敵に見つからないルートを選択したため、誰にも気づかれていない。
「ヴァイパーの見張りは少ないですね」
「だが、油断はできん」
「あれが、武器類ですね?」
ヴァイパー族が洞窟へ運び込んでいるのは、剣や重火器である。
「あそこが、ブートレグ製造工場だと見て間違いなさそうだな」
トウコが見張りを無力化し、全員で天井へ飛び上がった。
「見てください、ランバート」
サピィが、大量のオミナスを発見する。
どれも、禍々しい細工を施してあった。
「ランバート、やはり呪いの武器を作っている形跡がありました」
ここが、ブートレグというオミナスを作っている工場だったか。
「なぜ、ヴァイパー族のアジトで作らないのでしょう?」
「悟られたくないのかも知れないな」
もしくは、他の魔物たちの協力もあるのだろう。
「誰かがヴァイパーに依頼をして、作らせている?」
「ヴァイパーなどの魔物を、さらに操る者が存在すると?」
あるいは逆か。魔物が人間を操っている可能性があるわけか。
「とにかく、叩き潰そう」
相手がヴァイパーだけなら、敵ではない。
「お前たちの好きにはさせん!」
小規模の洞窟だったため、制圧に時間はかからなかった。
「おらああ!」
ヴァイパー族の群れを、魔法の刃で切り刻む。
「洞窟を破壊しよう。もうここで武器は作らせない」
証拠品のオミナス以外を、全て壊す。
「我が計画の邪魔をするのは、何者ぞ?」
洞窟の奥から、魔術師が現れた。
術士は宇宙服のようなヘルメットで、顔を覆っている。
背中に、触手の生えた四角い箱を背負う。
手には、細い杖を持っている。
「何者だ!?」
「答える必要はないが。そうか、貴様が秘宝殺しの使い手。散骨を倒した男か。我は闇ギルド結社『χ』の首魁、能面」
声からすると、中年男性のようだ。
が、ヘルメットの表面が黒いので、顔の造形や表情はわからない。
「デーニッツを知っているのか?」
「それに答える義務はなし」
ヘルメットの男からは、デーニッツに匹敵するおぞましさを感じる。
「ここを知られたからには、生かして返さん。唐立!」
能面が、天井に声をかけると、真上から人影が降ってきた。
全身を黄土色のウロコで覆った、細身の女性である。
ヴァイパー族の皮膚を、全身に移植したのか。
「サイボーグ?」
憎しみの眼差しを、サイボーグが俺に向けてくる。
「期待に答える働きをせよ」
「御意」
唐立という女性サイボーグが、両手を小さく広げた。
ジャキンと音を鳴らし、両手の指から金属質の爪が伸びた。
能面と名乗る魔術師が、赤いポータルを開いて去っていく。
「待て!」
俺はD・セイバーを魔術師に撃つ。
光刃の衝撃波は、魔術師に届く直線で爆散した。
唐立の爪攻撃に妨害されたのである。
「デーニッツを殺すのは、私の悲願だった。それをお前が!」
爪とキックによる連続攻撃を、唐立が繰り出す。
「オラオラァ!」
俺の剣と、唐立の爪が打ち合う。
しかし、打ち負けている。さすがに格闘戦では、相手の方に分があるか!
「秘宝殺し、発動!」
俺は、相手の爪にDセイバーを撃ち込んだ。
しかし、強靭な爪はセイバーを受け付けない。秘宝殺しで爪がサビつくこともない。
「見よ、秘宝殺し対策に、モンスターの肉体を移植したのだ」
狂気じみた声を発しながら、唐立が自慢の爪をなめる。
この女には、弱点がないのか。
「ちいいい!」
唐立の爪が、俺の頬をかすめた。黒いカビのような毒が、俺の頬から広がりかける。
「アハハ! サムライといえど、所詮はサブクラス! 格闘経験を積んだ私には勝てまい! 毒でさっさと……なにい!?」
だが、一瞬で浄化できた。
「バカな。毒が消滅した?」
状態異常耐性を持つ【パール】をアーマーに装着していなければ、俺の身体に毒が駆け回っていただろう。
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