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3-6 堕天使を殴りに行きます 後編
黒騎士のレプリカ:サピィサイド
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「ブラックドラゴンが、ああもあっさりと……」
ペトロネラの眼前で、ブラックドラゴンが溶けていった。
「あの魔術師が現れたということは、ラムブレヒトも」
自分の息子が倒されたことを、ペトロネラも悟ったようである。
「だから言ったのです。ランバートを侮るべきではないと」
サピロスが、群がってくる堕天使を焼き払う。
聖女リュボフとのトレーニングで、体術を会得しておいてよかった。これで、魔力の節約にもなる。勝手に突っ込んでくれるので、アゴやコメカミに拳や脚当てるだけで簡単に相手が昏倒してくれた。
一応、ダイヤのジュエルで燃費は抑えられている。だが、回復が間に合っていない。サピロスの魔力量が膨大で、ジュエルの回復量が追いついていないのだ。
「だが、彼らの進撃もここまでよ。まだハンターたちは、あんなにもたくさんいる。物量で押しつぶしてやるわ」
まだ、ペトロネラには余裕が見える。
「あんたも、どこまでもつかしらね? 総大将である魔王のあなたさえ倒せば、もうフィーンドジュエルは生まれない。落涙公の天下は終わるのよ」
「それは、わたしを倒してからおっしゃってください」
「では、そうさせてもらうわ」
さらに堕天使たちが、無数に現れてきた。
何匹来ようと、すべて打ち倒すのみだが、ペトロネラはまだ直接攻撃を仕掛けてこない。
「融合」
ペトロネラの号令で、堕天使たちが圧縮されていく。
「これは……」
現れたのは、ヨロイを着た剣士である。この男は、ランバートが相手をしているはずだった。
「見ての通り、ラムブレヒトよ。もっとも、こいつは本体のレプリカだけど」
たしかに、ところどころ変わっている。そもそもラムブレヒトは、角が生えていない。アーマーも、ここまで意匠が施されていないはず。なにより、二刀流ではなかった。
剣士が、攻撃特化の猛攻を繰り出してくる。
「あんたは、物理で押し込まれるのが苦手でしょう?」
「ですね。以前まではっ」
だからこそ、聖女から組手を施してもらった。
黒騎士の剣戟に足を引っ掛けて、そのまま体を捻る。その反動を利用して、首を刈り取るように蹴り込んだ。
黒い剣士が、斜めにふっ飛ばされる。
「っほう。やるわね」
だが所詮、俄仕込みの技だ。相手には対策される。
吹っ飛びながら、黒騎士が剣から衝撃波を放つ。地面への強打を避けるため、地面に剣を刺して跳躍した。
サピロスは、衝撃波を障壁で受け止めようとする。だが思いの外、威力が高い。サピロスの方が転倒してしまう。
侮っていた。あんな姿をしていても、ペトロネラの分身なのだ。ナメてかかってはいけない。
「いい線いっていたけど、実戦ではこちらが有利よ。こちらは今まで、この塔からハンターの戦い方を眺めていたんだから」
「……眺めていただけでしょう? そういうのをエアプレイというのですよ」
「あんたたちの戦略なんて、それだけで十分なのよ」
また、ペトロネラが黒騎士に指示を飛ばす。
再び、衝撃波がサピロスに飛んできた。無理な体制から撃ってきた先程より、はるかに大きい。
「わたしは、様々な敵と戦い、色々な戦闘スタイルをこの目で見てきました。あなたのようなエアプレイで済ませている相手とは、場数が違うのです」
サピロスは、杖をバットのように構える。身体を横に向けて、打ち返すような姿勢に。
「おバカね! ラムブレヒトの光刃を跳ね返そうなんて……なあ!?」
「おらあああああ!」
杖を振って、サピロスは衝撃波を破壊した。武器に、エンチャントを施したのである。
衝撃波は弾丸となって、黒騎士を蜂の巣に。
「見よう見マネでやってみましたが、どうにかなりましたね」
ランバートがルーオンに野球を教えていたのを思い出し、自分もマネたのだ。
「ラムブレヒトのレプリカが!」
「そんな偽物に頼るのではなく、あなた自身が相手になりなさい!」
サピロスが、ペトロネラを挑発する。
「いいわ。相手になってあげる」
この期に及び、相手はなおも自分が上だと思っているようだ。
ペトロネラの眼前で、ブラックドラゴンが溶けていった。
「あの魔術師が現れたということは、ラムブレヒトも」
自分の息子が倒されたことを、ペトロネラも悟ったようである。
「だから言ったのです。ランバートを侮るべきではないと」
サピロスが、群がってくる堕天使を焼き払う。
聖女リュボフとのトレーニングで、体術を会得しておいてよかった。これで、魔力の節約にもなる。勝手に突っ込んでくれるので、アゴやコメカミに拳や脚当てるだけで簡単に相手が昏倒してくれた。
一応、ダイヤのジュエルで燃費は抑えられている。だが、回復が間に合っていない。サピロスの魔力量が膨大で、ジュエルの回復量が追いついていないのだ。
「だが、彼らの進撃もここまでよ。まだハンターたちは、あんなにもたくさんいる。物量で押しつぶしてやるわ」
まだ、ペトロネラには余裕が見える。
「あんたも、どこまでもつかしらね? 総大将である魔王のあなたさえ倒せば、もうフィーンドジュエルは生まれない。落涙公の天下は終わるのよ」
「それは、わたしを倒してからおっしゃってください」
「では、そうさせてもらうわ」
さらに堕天使たちが、無数に現れてきた。
何匹来ようと、すべて打ち倒すのみだが、ペトロネラはまだ直接攻撃を仕掛けてこない。
「融合」
ペトロネラの号令で、堕天使たちが圧縮されていく。
「これは……」
現れたのは、ヨロイを着た剣士である。この男は、ランバートが相手をしているはずだった。
「見ての通り、ラムブレヒトよ。もっとも、こいつは本体のレプリカだけど」
たしかに、ところどころ変わっている。そもそもラムブレヒトは、角が生えていない。アーマーも、ここまで意匠が施されていないはず。なにより、二刀流ではなかった。
剣士が、攻撃特化の猛攻を繰り出してくる。
「あんたは、物理で押し込まれるのが苦手でしょう?」
「ですね。以前まではっ」
だからこそ、聖女から組手を施してもらった。
黒騎士の剣戟に足を引っ掛けて、そのまま体を捻る。その反動を利用して、首を刈り取るように蹴り込んだ。
黒い剣士が、斜めにふっ飛ばされる。
「っほう。やるわね」
だが所詮、俄仕込みの技だ。相手には対策される。
吹っ飛びながら、黒騎士が剣から衝撃波を放つ。地面への強打を避けるため、地面に剣を刺して跳躍した。
サピロスは、衝撃波を障壁で受け止めようとする。だが思いの外、威力が高い。サピロスの方が転倒してしまう。
侮っていた。あんな姿をしていても、ペトロネラの分身なのだ。ナメてかかってはいけない。
「いい線いっていたけど、実戦ではこちらが有利よ。こちらは今まで、この塔からハンターの戦い方を眺めていたんだから」
「……眺めていただけでしょう? そういうのをエアプレイというのですよ」
「あんたたちの戦略なんて、それだけで十分なのよ」
また、ペトロネラが黒騎士に指示を飛ばす。
再び、衝撃波がサピロスに飛んできた。無理な体制から撃ってきた先程より、はるかに大きい。
「わたしは、様々な敵と戦い、色々な戦闘スタイルをこの目で見てきました。あなたのようなエアプレイで済ませている相手とは、場数が違うのです」
サピロスは、杖をバットのように構える。身体を横に向けて、打ち返すような姿勢に。
「おバカね! ラムブレヒトの光刃を跳ね返そうなんて……なあ!?」
「おらあああああ!」
杖を振って、サピロスは衝撃波を破壊した。武器に、エンチャントを施したのである。
衝撃波は弾丸となって、黒騎士を蜂の巣に。
「見よう見マネでやってみましたが、どうにかなりましたね」
ランバートがルーオンに野球を教えていたのを思い出し、自分もマネたのだ。
「ラムブレヒトのレプリカが!」
「そんな偽物に頼るのではなく、あなた自身が相手になりなさい!」
サピロスが、ペトロネラを挑発する。
「いいわ。相手になってあげる」
この期に及び、相手はなおも自分が上だと思っているようだ。
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