レアドロップしない男、魔法付与装備を生成できる女スライム魔王に溺愛されて、【レアアイテムを破壊する男】として覚醒!

椎名 富比路

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3-6 堕天使を殴りに行きます 後編

ビョルンの最期!?:サピィサイド

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「私の真の姿を、目に焼き付けておくんだね!」

 ペトロネラが、戦闘モードに入った。美しかった髪はヘドロ色に染まり、服はただれて猛禽類の皮膚があらわとなった。手や足もタカのような鋭い爪を持つように。
 翼は灰色に染まり、どの堕天使よりも異様な姿となる。人間だった形跡が、すべて消え去った。

「この醜い身体を隠すために擬態していたけど、あんたはそれでは倒せないようね」
「ええ。全力でかかってきてください」
「そうさせてもらうわ」

 猛禽の手が、堕天使たちの命を刈り取る。

 死んだ配下の血を吸って、より強大なパワーを得た。

 天使の光輪は見る影もなく、サビ色の光を放つ。それでも、天使だった頃の魔力は衰えていないらしい。

「それが、あなたの真の姿ですか」
「ええ。もうあんたを取り囲むなんて、ケチくさいマネはしない。一対一よ。落涙公」
「望むところです。背徳者ペトロネラ!」

 サピロスが、杖を構えた。スライムの結晶体のような蒼い宝玉が、先端についている。

 短い杖を、ペトロネラに向けた。

「【爆砕デトネーション】!」

 ここなら、大火力の爆発魔法を施しても誰一人ダメージを受けない。

 ペトロネラに一点集中して、爆裂魔法を放つ。

 正直言って、頭にきていたのである。

 本来なら、サピロスはここまでのことはしない。

 この堕天使は、パーティを分断し、ランバートに強敵をあてがい、仲間を殺そうとした。味方すら殺し、自身の養分としている。そんなヤツに、リュボフは絶対に殺させはしない。

 デトネーションを食らっても、ペトロネラはたいしたダメージを負っていなかった。吹雪のブレスで、反撃してくる。

「あなたは、生きていてはいけない存在です」

 すべてを凍てつかせるほどのブレスを、サピロスは水晶で受け止めた。

「それを決めるのは、私自身よ!」

 ペトロネラが、肉弾戦を仕掛けてくる。腕を触手のように伸ばして、爪で斬りかかった。

 サピロスは、その場で跳躍する。なおも追撃してくる爪攻撃を、蹴ってしのぐ。スライムになって、敵の身体をよじ登った。ペトロネラの真上に到達したところで、再度飛び上がる。 

「【破壊光線デモリッション】!」

 強力な魔力レーザーを、真下のペトロネラに撃ち込んだ。

「ふん!」

 ペトロネラも直線的な攻撃をまともに受けるほどバカではない。翼を広げて、千切れた羽根を四方に展開した。レーザーを羽根に反射させて、跳ね返す。

 だが、ペトロネラが拡散したレーザーをサピロスはさらに手の水晶に集めて放った。

 今度は羽根の反射を逆に利用して、ペトロネラの急所に直撃させる。

「あごお!」

 羽の根元や外殻のスキマにレーザーを撃たれて、さしものペトロネラも動揺した。

「無属性攻撃の基本魔法を、ここまでに鍛え上げたの!?」
「上位魔法にこだわらなくても、強ければいいのです!」

 ドロドロになったペトロネラに、とどめを刺そうとする。

「サピィ、無事か!?」

 ビョルンが、サピロスの元へ駆け寄った。

「気をつけて、サピィ! ヤツの狙いはあなたよ!」

 続いて、リュボフも。

「もう遅い!」

 ペトロネラの背中から、大量のカギ爪が飛び出す。すべてが、サピロスに照準を合わせていた。

「お前さえ死ねば、今度こそすべてのフィーンド・ジュエルは光を失う! そうなれば、我が神がワタシに施した封印も!」

 そうか。最初から、ペトロネラの狙いはサピロスだったのだ。先代ギヤマンの呪いを解き、力を取り戻すことが。

「死ねええ!」
「やべ、サピィ!」

 サピロスは、ビョルンに横から突き出された。

 激しく横転し、サピロスはペトロネラの攻撃に備える。

 爪が、サピロスに届くことはなかった。

 それはすべて、ビョルンの背中に。

「ビョルン!?」
「がは!」

 激しく血を吐き、ビョルンが倒れ込む。

 リュボフが、ビョルンに治癒魔法を施す。

「だめ、血が止まらないわ!」

 ビョルンの胸を抑えながら、リュボフが叫ぶ。

「仕留めそこねたか! でもあんただけは!」

 ペトロネラの爪が、サピロスに狙いを定めた。

「あなたという人は!」

 サピロスが、手をスライム状に変える。

 スライムでできた怒りの拳を、ペトロネラの爪に叩き込む。
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