レアドロップしない男、魔法付与装備を生成できる女スライム魔王に溺愛されて、【レアアイテムを破壊する男】として覚醒!

椎名 富比路

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最終部 レアドロップしない男と、レアドロップしまくっていた男 4-1 ふぬけたドワーフを、殴ります

タコ殴りにされるドワーフ鍛冶屋

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 人間の魔王ファウストゥスと、クリムが繋がっていたとは。

「なるほど。χカイの首領は、ファウストゥスだったのですね」

「ファウストゥスは、何を企んでいるんだ?」

「文明に頼りすぎた人類を、物質で物理的に支配することです」

 モノに溺れたいなら、望みどおりにしようと、ファウストゥスは考えているそうだ。

「ランバート。χの本拠地は、【龍の背骨】で間違いありません」

 膨大な資源があり、難攻不落の要塞を築く場所として、龍の背骨はうってつけだと、サピィは語った。

「魔物でさえ、立ち入るのをためらう場所だ。そんなところに?」

「だからこそです。ファウストゥスなら、χを束ねられるし、龍の背骨だろうと根城にするでしょう」

 たしかにここなら、誰にも邪魔されず研究に没頭できる。

「とはいえこれだけ見ても、ファウストゥスとクリム氏との関係はわかりません。やはり直接会う必要があります」

「そうだな。おそらく、クリムもそこにいる」

 俺たちは、ダイブを終えた。

「なにかわかったの?」

「ああ。クリムの居場所について、おおよその予測はできた」

 しかし、ここから先は大変な旅になる。

「準備をしに帰るよ。ありがとうグレース。おばさんにも伝えてくれ」

「気をつけてね。ごめんなさい。友だちのあなたに、なにもかも押し付けてしまって」

「俺は、そのためにいる。気にすることはない」

 ペールディネを離れて、アイレーナの街へ帰ってきた。

「コナツ、クリムの居所が掴めそ……」

 鍛冶屋に戻ると、ダフネちゃんがコナツの顔面を殴っていたではないか。

「いい加減に目を覚ますです!」

 腹に馬乗りになって、何度も拳をコナツへ振り下ろす。
 そのダメージは大したことがない。
 ましてコナツはドワーフだ。弱いほうだとはいえ、タフである。

「いつまで腑抜けているですか、コナツ。あなたが立ち上がらなかったら、ランバートもサピィもみんな死ぬです! みんな、あなたの作る装備が命綱なのです! あなたもパーティです。あなたの想いを、全員が背負っているです!」

 ダフネちゃんに殴られながら、コナツは抵抗しない。 

「もういい。やめろダフネちゃん!」

「止めてはダメです、ランバート」

 俺は抑えようとしたが、サピィが止めた。

「いいぞ。もっと殴ってやってくれ」

 実の娘であるトウコも、父親がノームにタコ殴りにされているさまをじっと見ている。

「トウコはいいのか?」

「かまわないぞ。オヤジはきっと、自分のなすべきことがわかってるんだ。だから、反撃しない」

 事実、コナツは拳からハンマーを手放していない。

「あなただって、わかっているです。どうすればいいのか。でも、あなたはまだ迷っている。迷っているなら、装備を打つです。ダフネちゃんたち生産職には、それしか真実にたどり着く道がないです」

 ダフネちゃんの言葉を持ってしても、コナツは心を開いた様子はなかった。

「でも、オレの作った武器がクリムを殺すことになったら」

「お前の武器にやられるほど、クリムは落ちぶれていない!」

 俺はサピィに引いてもらい、コナツと話す。

「ランバート?」

「コナツ、お前の武器は、クリムを探す重要な手がかりとなる。今や、クリムのような一流のハンターを探す手立ては、お前の装備しかないだろう」

 他の店やダンジョンのドロップ程度では、【龍の背骨】を攻略できないレベルに達していた。

「俺が龍の背骨から、素材を大量に持ってくる。お前はそれを加工して、ダンジョン攻略のために装備を充実させてくれ。これは、お前にしか頼めないんだ」

「そこまで気にかけてくれるのか、ランバート」

 コナツが、俺の手を握る。

「わかった。そこまで頼まれちゃあ、放っておけねえ! 野郎ども! 火を炊け! ボロくなったランバートの刀を打つ!」

 コナツの指示で、弟子たちが活気づく。

「よかったのです。やはり響くのは、同業者より友だちの声なのですね」

 賢者ルエ・ゾンの力で具現化しているためか、ダフネちゃんが達観したような言葉をこぼした。
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