レアドロップしない男、魔法付与装備を生成できる女スライム魔王に溺愛されて、【レアアイテムを破壊する男】として覚醒!

椎名 富比路

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4-3 友を探して、殴りに行きます

魔王 ファウストゥス

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 魔物の数は、ルダニムを襲ってきたモンスターたちの比ではない。さすが【セグメント】シリーズの洞窟だ。難易度が天井知らずである。

「くそ。やってやる! おらあああ!」

 敵の群れに向けて、俺は【ディメンション・セイバー】を放つ。

 青黒い衝撃波が、モンスターたちを両断していった。

「まだまだ! おらああ!」

 コナツが作った装備のおかげか、黒曜顎コクヨウガク内蔵の刀でセイバーを連発しても疲れなくなっている。【災厄の塔】では、一発でほぼ全魔力を消耗していたが。

「【破壊光線デモリッション】!」

 サピィは手に持っている杖だけではなく、浮遊している装飾つき宝玉からも破壊光線を放つ。

 合計四個の浮遊宝玉から放出された光線に焼かれて、魔物たちが砕けていった。

「ランバート、増援が来たわ!」

 フェリシアが指す方角から、同じ程の数の魔物が攻めてくる。

「くそ。おらあああ!」

 セイバーを放つが、数がまったく減らない。

「任せてランバート! 【ソニック・シールド】!」

 細長いシールドの上に乗って、フェリシアがサーフボードの要領で高速移動した。
 やられるまえに、蹴散らす。
 氷のジュエル【サファイア】で滑りをよくして、雷のジュエルである【トパーズ】でさらに速度を上げる。シールドで相手の攻撃を移動しながら防ぎつつ、槍を振り回す。

「こんのーっ!」

 トウコは、両端にボールのついた棍棒を振り回し、相手を叩き潰していく。

「いくぞー。【分身の術】!」

 スキルを発動して、トウコの身体が五人に別れた。正確には、体内のオーラで幻影を作り出したのである。本体以外は、透明な姿だ。それぞれが炎、氷、雷、風、土を担当する。

 ジュエルの種類も多彩になってきて、メンバーの武装もかなりジュエルの交換が増えている。
 上位互換の光るジュエルも、搭載していた。
 移動要塞攻略によって得たジュエルがなければ、俺たちは第一陣で全滅していただろう。

「数が多いぞ! こいつら、無限湧きか!?」

「違います。見てください!」

 壁が、崩れ始めている。

「この付近の山が崩れたら、敵勢力は衰えるでしょう。もうひと踏ん張りです」

 サピィのいうとおり、外に出ると付近の山が崩れていた。

「彼らの材料は、ドラゴンの化石です」

 モンスターの残骸を、手分けして回収する。コナツやダフネちゃんの手で、装備品に変えてもらうためだ。

「ドラゴンは、自分のウロコや体内物質をモンスターに変換して、大群を作り出すのです。その機能が、まだ生きているなんて」

「龍の背骨自体が、俺たちを襲っているのか?」

 この山すべてがドラゴンなら、まだまだ大量に現れるわけか。

「何者かが我々を足止めするために、ダンジョン自体をモンスターに変換しているようです。そんなことができる人物を、わたしは一人しか知りません」
「ファウストゥス……人間の魔王だな?」



 敵の数が落ち着いたところで、俺たちは一旦アイレーナに戻った。
 拾ったジュエルの確認・管理と、戦利品の売却である。


 というより、仕切り直しといったほうがいいか。
 急がねばならないが、いくらなんでも消耗しすぎた。
 
 俺たちは昼飯に、コナツの家で鍋を囲む。


「セグメント・ゼロに現れた魔物たちも、元々ドラゴンを復活させる過程で生み出されたのでしょう」

 大型の魔物を一体蘇らせるより、ザコを大量に生み出したほうが戦略としては効率がいいと思ったのだろう。

「いったい何者なんだ? ファウストゥスというのは?」

「人でありながら、ドラゴンやレアアイテムという道具を使って、人と魔族を殺し合わせた張本人です」

 彼の目的は、人間を超えることだった。人知を超えた存在に対抗するには、生身の人間では太刀打ちできないと考えたのである。ファウストゥスはレアアイテムを作り出し、魔族に対抗した。

「古代生物ドラゴンを蘇らせたのも、彼です」

 ドラゴンまで。

 その力に恐れをなしたダミアーニ卿は、人類への手出しをやめたのである。

「といっても、大昔の人物です。戦争当時から、もう死んだと思われたのです。が、生きていたようですね。おそらく、アイテムか何かの力を使って」

「人間だったんだろ? 英雄だったんじゃないのか?」

「とんでもありません。この地に魔物を呼び寄せたのは、彼なんです。すべては、自身の実験のために」

 そのため、世界中から憎まれた。全人類だけではなく、全魔族も敵に回して。

「最悪じゃん! すぐに倒さないと!」

「ですが、どこにいるのか。第一、人間の姿をしているのかさえ謎なのです」

「セグメントを抜けるしか、ないようだな」
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