23 / 42
第三章 魔王、本格始動
第23話 パワードスーツの使いみち
しおりを挟む
オレは、ドワーフのラショーにスーツの性能を見せる。
空を舞い、ドワーフの力を押しのけ、装備品も砕いてみせた。
結果、装備面のいい点と悪い点が見えてくる。
「軽いな。速度がある分、動きに重みがない」
「そういうコンセプトだからな」
「防御面は厳しいかもな」
有事の際にシールドを装備するのがいいかもしれん、とのこと。
「バイザーではダメか? 少しでも軽くしたい」
「視界を確保したいなら」
まず、頭部バイザーの装備が決まった。ラショーが弟子に言って、加工してもらっている。
「どうしても軽量化を望むなら、追加武装でいいんじゃねえかな? オイラに聞きたいのは、そのコンセプトでは?」
「実は、そうなんだ」
もうスーツは、これでほぼ完成していた。追加武装をどう維持するか。
「やるなら、お前さんの鉄の馬を、装備品に変える構成だ。入れ子みたいに、上から着てもらう」
追加装甲の案ねえ。
「うーん、そういうんじゃねえんだよなぁ」
大型の魔物が相手なら、それもいいかと思うけど。
「ただ、オレは魔物と力比べがしたいわけじゃない」
オレが大型魔獣と戦うなら、関節部分を折る。力に対して力で対抗というのは、燃費の面でも非効率に思えた。
「災害救助用のジャッキのような工具は、ほしいかもしれねえ。ただ、戦闘用に力の強さは重要視していないんだよ」
「そこまでパワーにはこだわっていないと?」
「身体強化に走ると、熱暴走が怖い。いつ破壊されるかわかったもんじゃない爆弾を抱えているようなもんだ」
実際、ウェザーズ相手でもやばかったのである。ヤツ自体が、熱を誘発する攻撃を多用してきたから。
「わかった。ジャッキ案は、こちらで整理する。お前さんのスーツから派生することになるが、いいかい?」
「かまわないよ。というか、どうしてオレに聞くんだい?」
「いやな、軍事利用とかも考えないのかなってさ」
ラショーから言われて、オレも納得する。
「たしかに、人間同士での争いに使われてしまうことも、考慮しなければいけないのか」
オレは、戦争が嫌いだ。とはいえ、いざ攻められるとそうも言っていられないだろう。
敵は、モンスターだけではない。そう思い知らされた。
「ラショーは、オレの技術を軍事に使うのか?」
「まさか! こんなピーキーな装備、簡略化しても振り回されるだけだぜ!」
時代が追いついていないらしい。第一、理屈がわからないという。
「前提条件として、『お前の世界の常識』を知らなければならない。それにどれくらいの知恵や学びが必要か。それこそ、何百年もの蓄積が必要だろうさ。それでも、身につかないかもしれない」
そうなのか? 案外、融通がきかない世界なんだな。
「エンチャントがかかって、多少火力が上がった、程度なら扱えるだろう。けど、羽根もないのに飛んだり跳ねたりなんてのは、この世界じゃあ非常識だな」
受け入れる頭はないだろう、とのこと。
「ワタシのせいかもね」
うーんとうなっているのをアピールするためか、ニョンゴが浮きながら身体を傾ける。
「ニョンゴの?」
「新しい技術ができ上がったとしても、『すべては魔女の奇跡によってもたらされたのだ!』とか、『神のご意思に反する!』とか考える世界だから」
ファンタジー世界って、割と現代知識にあっさり馴染むイメージがあった。「すごいすごい」といいつつも。何もかも異端と思われてしまうのが、普通の反応なのだろう。
「スーツは、外装だけ預けるよ。打ち直してもらえるかい?」
ニョンゴが聞くと、「お安い御用だ」とラショーが返す。
「その際、内部構造とかが気になると思うが、情報は提供しよう。使えるかどうかはともかく」
「助かる。ただ、教わってもわかんねえと思うぞ」
ひとまず、パワードスーツの外装強化は、すぐに行われた。
当分は、予備のスーツでの戦闘になるな。
「話題を変えよう。お前さん的に、一番欲しい要素は?」
「熱性のキャノン砲かなぁ」
空を舞い、ドワーフの力を押しのけ、装備品も砕いてみせた。
結果、装備面のいい点と悪い点が見えてくる。
「軽いな。速度がある分、動きに重みがない」
「そういうコンセプトだからな」
「防御面は厳しいかもな」
有事の際にシールドを装備するのがいいかもしれん、とのこと。
「バイザーではダメか? 少しでも軽くしたい」
「視界を確保したいなら」
まず、頭部バイザーの装備が決まった。ラショーが弟子に言って、加工してもらっている。
「どうしても軽量化を望むなら、追加武装でいいんじゃねえかな? オイラに聞きたいのは、そのコンセプトでは?」
「実は、そうなんだ」
もうスーツは、これでほぼ完成していた。追加武装をどう維持するか。
「やるなら、お前さんの鉄の馬を、装備品に変える構成だ。入れ子みたいに、上から着てもらう」
追加装甲の案ねえ。
「うーん、そういうんじゃねえんだよなぁ」
大型の魔物が相手なら、それもいいかと思うけど。
「ただ、オレは魔物と力比べがしたいわけじゃない」
オレが大型魔獣と戦うなら、関節部分を折る。力に対して力で対抗というのは、燃費の面でも非効率に思えた。
「災害救助用のジャッキのような工具は、ほしいかもしれねえ。ただ、戦闘用に力の強さは重要視していないんだよ」
「そこまでパワーにはこだわっていないと?」
「身体強化に走ると、熱暴走が怖い。いつ破壊されるかわかったもんじゃない爆弾を抱えているようなもんだ」
実際、ウェザーズ相手でもやばかったのである。ヤツ自体が、熱を誘発する攻撃を多用してきたから。
「わかった。ジャッキ案は、こちらで整理する。お前さんのスーツから派生することになるが、いいかい?」
「かまわないよ。というか、どうしてオレに聞くんだい?」
「いやな、軍事利用とかも考えないのかなってさ」
ラショーから言われて、オレも納得する。
「たしかに、人間同士での争いに使われてしまうことも、考慮しなければいけないのか」
オレは、戦争が嫌いだ。とはいえ、いざ攻められるとそうも言っていられないだろう。
敵は、モンスターだけではない。そう思い知らされた。
「ラショーは、オレの技術を軍事に使うのか?」
「まさか! こんなピーキーな装備、簡略化しても振り回されるだけだぜ!」
時代が追いついていないらしい。第一、理屈がわからないという。
「前提条件として、『お前の世界の常識』を知らなければならない。それにどれくらいの知恵や学びが必要か。それこそ、何百年もの蓄積が必要だろうさ。それでも、身につかないかもしれない」
そうなのか? 案外、融通がきかない世界なんだな。
「エンチャントがかかって、多少火力が上がった、程度なら扱えるだろう。けど、羽根もないのに飛んだり跳ねたりなんてのは、この世界じゃあ非常識だな」
受け入れる頭はないだろう、とのこと。
「ワタシのせいかもね」
うーんとうなっているのをアピールするためか、ニョンゴが浮きながら身体を傾ける。
「ニョンゴの?」
「新しい技術ができ上がったとしても、『すべては魔女の奇跡によってもたらされたのだ!』とか、『神のご意思に反する!』とか考える世界だから」
ファンタジー世界って、割と現代知識にあっさり馴染むイメージがあった。「すごいすごい」といいつつも。何もかも異端と思われてしまうのが、普通の反応なのだろう。
「スーツは、外装だけ預けるよ。打ち直してもらえるかい?」
ニョンゴが聞くと、「お安い御用だ」とラショーが返す。
「その際、内部構造とかが気になると思うが、情報は提供しよう。使えるかどうかはともかく」
「助かる。ただ、教わってもわかんねえと思うぞ」
ひとまず、パワードスーツの外装強化は、すぐに行われた。
当分は、予備のスーツでの戦闘になるな。
「話題を変えよう。お前さん的に、一番欲しい要素は?」
「熱性のキャノン砲かなぁ」
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる