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第三章 魔王、本格始動
第24話 天啓
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小型化した分、火力が弱体化している。その分を補いたい。
大艦巨砲主義ではないが、大型キャノンがあるとちょっと違ってくるかなと。
とにかく、大群を一網打尽にできる武器はほしい。
案の定、ビーム兵器なんて概念がないラショーにはチンプンカンプンのようだったが。
「あと、それを近接武器にも展開させたい」
「ふむふむ」
ラショーが、メモ書きをする。
「こんな感じでどうだ?」
提案されたのは、文字通り大砲だった。背負うタイプの。ドラゴンの生首を、そのまま流用した感じだな。ブレスを吐く生首を担ぐイメージである。
「発想としては、近いな。けど、取り回しが難しすぎる」
たしかに、無敵の強さを誇るだろう。誰しも憧れる、ロマン兵器だ。これを背負って動けと言うのは、無理があるだろう。なんのために小型軽量化したか、わからない。
ロマンは大事である。とはいえ、実用性はもっと大事なのだ。ロマンを大事にした結果、オレたちはスーツを作り直しているのだから。
「銃って概念は、こっちにはあるのか?」
「まあな」と、ラショーが返した。銃があるなら、解説もうまくいくかも。
思っていたより、ちゃんとした銃だ。拳銃は、銃身だけ作ってもらうことにする。内部構造はこちらに任せてくれと言っておいた。
「銃もホルスターじゃなくて、どっか盾とかにしまいたいな」
これなら、盾を構えつつ撃てる。
「要は、小型にしたいんだな?」
「ああ。難しい注文だが、いけるか?」
「わかった、形だけ作ってみるさ。とはいえ、うまくいくとは」
さすがのラショーも、頭を抱えた。
「サーセン」
「おうボウズ! ちょっと待っててくれな」
チビドワーフが、木の板を持ってラショーに声をかける。
待て。チビが手に持っているのって……。
「おい、修理してやれ」
ラショーに呼ばれた弟子に、チビが板を渡した。弟子は、木の板に付いた鉄製のパーツをバラす。
「ああ、根本からボキって折れてるな。手すりに体重を載せたときにやらかしたんだろう」
鉄の棒は、すっかりひん曲がっていた。
棒をピカピカの新品に交換して、チビドワーフに返す。
「ありがとう! 行ってきます!」
木の板を返してもらったチビが、金を払う。その後、チビは外に出て木の板に足を載せた。助走をつけて、板を走らせる。
「またな。気をつけていけよ」
手を振りながら、ラショーがチビドワーフを見送った。
「ちょっと待て。あれはなんだ?」
さっきのチビを見て、オレは目が釘付けに。
「スケボーだ! スケボーで遊んでやがる」
「あれは遊んでるんじゃねえよ。こっちの郵便屋だ。木の板に鉄の骨組みを付けた車輪をくっつけて、手紙を運搬しているんだ」
へえ。メッセンジャーか。よく見ると、カバンを肩にかけている。
王都は広い。走っているとどうしても息切れしたり、間に合わなかったりするという。それで、あんな乗り物が開発されたのだとか。
オレのいた世界でもスケボーをやっているヤツらはいた。メッセンジャーとは恐れ入る。現実でも活用できるのでは? なんたらイーツとか。
「中には屋根とか壁の角とか手すりにボードを引っ掛けて滑り降りやがるヤツラもいるんだ。お行儀がいいとは言えんな」
ガハハと、ドワーフは笑う。
「あれだ」
「ん? どうした」
オレは、武器のコンセプトをラショーに告げる。
「とんでもねえことを考え出すな、お前は」
ラショーが不敵な笑みを浮かべながら、アゴをさすった。
「よっしゃ。任せろ。お前がうなるようなものを作ってやっから」
オレから金を受け取って、ラショーが手を打つ。
「とりあえず外側だけ作ってもらう」よう、ラショーと契約を交わした。
「エルフだけでなくオイラたちドワーフに相談してもらって、感謝しているぜ。存分に知恵を貸そう。ただ、すぐに結論を求めないでくれ」
「ありがとう、ラショー。勉強になった」
ラショーと別れ、こちらは内部構造に精を出す。
大艦巨砲主義ではないが、大型キャノンがあるとちょっと違ってくるかなと。
とにかく、大群を一網打尽にできる武器はほしい。
案の定、ビーム兵器なんて概念がないラショーにはチンプンカンプンのようだったが。
「あと、それを近接武器にも展開させたい」
「ふむふむ」
ラショーが、メモ書きをする。
「こんな感じでどうだ?」
提案されたのは、文字通り大砲だった。背負うタイプの。ドラゴンの生首を、そのまま流用した感じだな。ブレスを吐く生首を担ぐイメージである。
「発想としては、近いな。けど、取り回しが難しすぎる」
たしかに、無敵の強さを誇るだろう。誰しも憧れる、ロマン兵器だ。これを背負って動けと言うのは、無理があるだろう。なんのために小型軽量化したか、わからない。
ロマンは大事である。とはいえ、実用性はもっと大事なのだ。ロマンを大事にした結果、オレたちはスーツを作り直しているのだから。
「銃って概念は、こっちにはあるのか?」
「まあな」と、ラショーが返した。銃があるなら、解説もうまくいくかも。
思っていたより、ちゃんとした銃だ。拳銃は、銃身だけ作ってもらうことにする。内部構造はこちらに任せてくれと言っておいた。
「銃もホルスターじゃなくて、どっか盾とかにしまいたいな」
これなら、盾を構えつつ撃てる。
「要は、小型にしたいんだな?」
「ああ。難しい注文だが、いけるか?」
「わかった、形だけ作ってみるさ。とはいえ、うまくいくとは」
さすがのラショーも、頭を抱えた。
「サーセン」
「おうボウズ! ちょっと待っててくれな」
チビドワーフが、木の板を持ってラショーに声をかける。
待て。チビが手に持っているのって……。
「おい、修理してやれ」
ラショーに呼ばれた弟子に、チビが板を渡した。弟子は、木の板に付いた鉄製のパーツをバラす。
「ああ、根本からボキって折れてるな。手すりに体重を載せたときにやらかしたんだろう」
鉄の棒は、すっかりひん曲がっていた。
棒をピカピカの新品に交換して、チビドワーフに返す。
「ありがとう! 行ってきます!」
木の板を返してもらったチビが、金を払う。その後、チビは外に出て木の板に足を載せた。助走をつけて、板を走らせる。
「またな。気をつけていけよ」
手を振りながら、ラショーがチビドワーフを見送った。
「ちょっと待て。あれはなんだ?」
さっきのチビを見て、オレは目が釘付けに。
「スケボーだ! スケボーで遊んでやがる」
「あれは遊んでるんじゃねえよ。こっちの郵便屋だ。木の板に鉄の骨組みを付けた車輪をくっつけて、手紙を運搬しているんだ」
へえ。メッセンジャーか。よく見ると、カバンを肩にかけている。
王都は広い。走っているとどうしても息切れしたり、間に合わなかったりするという。それで、あんな乗り物が開発されたのだとか。
オレのいた世界でもスケボーをやっているヤツらはいた。メッセンジャーとは恐れ入る。現実でも活用できるのでは? なんたらイーツとか。
「中には屋根とか壁の角とか手すりにボードを引っ掛けて滑り降りやがるヤツラもいるんだ。お行儀がいいとは言えんな」
ガハハと、ドワーフは笑う。
「あれだ」
「ん? どうした」
オレは、武器のコンセプトをラショーに告げる。
「とんでもねえことを考え出すな、お前は」
ラショーが不敵な笑みを浮かべながら、アゴをさすった。
「よっしゃ。任せろ。お前がうなるようなものを作ってやっから」
オレから金を受け取って、ラショーが手を打つ。
「とりあえず外側だけ作ってもらう」よう、ラショーと契約を交わした。
「エルフだけでなくオイラたちドワーフに相談してもらって、感謝しているぜ。存分に知恵を貸そう。ただ、すぐに結論を求めないでくれ」
「ありがとう、ラショー。勉強になった」
ラショーと別れ、こちらは内部構造に精を出す。
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