転生特撮ヲタ、異世界でダークエルフの霊にそそのかされてパワードスーツの開発をして、世界を救うことに。俺は特撮フィギュアが作りたいだけなのに。

椎名 富比路

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第三章 魔王、本格始動

第37話 ドクター・イシロウの逆襲

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「バカな。最強のヨロイが、動かぬ」
「当然や。ワシが作ったんやからな!」

 なるほど、タキは魔王のアーマーに細工をしてあるのか。

「やはり、地球の科学者は信用できん! 魔王に対してこんな仕打ちを」
「お前は自分がマーゴットに何をしたんか、ちょっとは考えたことがあんのかコラ!」

 ヨロイの角部分を引っ掴んで、タキは魔王に詰め寄る。

「お前が世界中の女とハッスルしまくって、自分の種を植え付けて世界征服しようとしてたんは知ってた。結果、どうなった? みんな母親に同情して反逆してしもうたやんけ。一人残らず。マーゴットも含めて。それであんたは、逆らった自分の娘たちを返り討ちにしてきた」

 だが、マーゴットはタキという味方をつけて忠誠を誓うフリをしていたらしい。

「結局お前も、ワシが嫌う悪党と一緒や。合理的やない。自分のことしか考えてへんサルや!」

 タキが、魔王の顔をヒザで蹴り上げる。

「ワシはちゃうで! ワシやったら、魔王軍を統率できる。なんやったら、ワシの命令だけ聞くマシンを使って、ワシ一人でも魔王軍を支配したれるで」

 交易エリアを破壊して王都を孤立させる作戦は、タキのアイデアだった。

「結局、新しい力を手に入れたっちゅうて、イキって正面突破しようとしたみたいやが。結果はジェンシャン・ナイトの邪魔が入って、計画はパーや。魔王軍に甚大な被害が出ただけやんけ。おとなしく、ワシのブラックドラゴンに任せといたらよかったんや!」
「あんな大量破壊兵器に頼ってしまえば、都市が焦土となる! なるべく被害の少ない状態で手に入れたいのだ!」
「わかっとんじゃそんくらいは! 加減するやんけ!」

 タキがなおも、魔王を足蹴にする。

「マーゴットを引き連れておいて信用できるか!」
「聞き捨てなりませんわ、お父様!」

 その言葉に、今度はマーゴットが父親を殴った。どれだけ人望がないのか、魔王よ。

「父の言葉は、誇り高きドラゴン族に対する侮辱です! いくら魔王といえど、発言を撤回なさって!」
「野蛮なところは、母親そっくりだな!」

 タキの拘束を解き、魔王とマーゴットが打撃戦となった。

 どうしてこうも、魔王の周りはエゴイストばかりなのか。

「止めに入ったほうがいいか?」
「いや。共倒れを狙おう。それより、巻き込まれ事故のほうがヤバイ!」

 魔王と竜族との戦闘の余波で、王都にまで熱波が及んでいる。

「クソやべええ!」

 オレはパワードスーツを、障壁モードにした。シールドとスーツを融合させ、戦闘の熱波が王都へ向かないようにそらす。

 だが、この硬直状態を逃がすタキではない!
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