勇者が最速魔王討伐に夢中で世界が崩壊寸前。代わりに友人の僕が領地経営やモフモフ娘の救出など人助けしまくっていたら最強に

椎名 富比路

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第五章 天空城のあとしまつ

第37話 王都に別れを告げた

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 ユウキは、この世界に来て最強の力を得た。
 魔族だけではなく、すべての驚異を打倒できるほどの力を。

「ユウキが王都に来たとき、女神のことを話してくれたんだって。クロードさんが僕に話してくれたことを、ユウキを召喚した女神も言っていたそうだよ」

 一つの国に滞在しすぎていると、ユウキも世界の脅威として認識される。
 あるいは、対処外国用の兵器・兵士として利用されるだろう、って。
 だから、ユウキは一つの国に滞在できない。世界じゅうにいる凶悪な宇宙人たちを、退治していくしか、彼には道がなかった。

 女神の目的は、この世界における驚異の殲滅だけ。彼女にとって、ユウキは捨て駒でしかないそうだ。
 ユウキを喚んだ女神の真意は、合理性のみ。

「そんな……」
「でも、ユウキは笑ったんだってさ」
『この世界の脅威を撃退できる力があるなら、行使するまでだ』、って。

 いかにも、ユウキらしい生き方だ。

「どうしようもないよね。でも、それがユウキなんだ。僕の、大切な仲間。力になりたい」
「アユム」
「エリちゃんも、僕の仲間だよ。強いからとか便利だからとか王族だからとか、なにひとつ関係ないんだ。僕がエリちゃんを大事に思うのは、エリちゃんだからなんだ」

 僕が言うと、エリちゃんが「ちょっと」と照れくさそうに告げる。

「マルちゃんだってそうだ。僕は、誰一人として、欠けてほしくないんだよ」
「……もう、しょうがないわね、アユムは。わかったわ。力になる」

 
 こうして、一ヶ月かけてクロードさんに稽古をつけてもらった。

 今日で、王都アムンセンを発つ。

 ユウキの情報をもらって、そこへ向かうことにする。

「勇者はおそらく、魔王の城へ直接向かったでしょう」
「かもしれませんね。そういうヤツですから」
「しかし、彼を狙う魔将は、アストレアだけではありません。我々が天空城と呼ぶ宇宙船が、魔王城の近くに存在します。勇者を挟み撃ちにするやも」

 宇宙人たちがそれぞれの船を持ち寄って合体し、一種のコロニーを作ったという。それが天空城と呼ばれているそうだ。

「エリアーヌ、これをお持ちくださいな。天空城へ続くカギですわ」

 エリちゃんがシルヴェーヌさんから、金色のカギをもらった。
 クロードさんから、預かっていたという。

「これがあれば、軌道エレベーターがあなた方を認識して、城へ入れてくれるはずです」
「いいんですか、クロードさん?」
「私では、もうあの城を攻略はできません。大きくなりすぎました。魔将どもも、昔より遥かに強くなっているはず。しかし、あなた様なら」
「色々とありがとうございました」

 僕たちは王都を離れ、他の国へ。
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