勇者が最速魔王討伐に夢中で世界が崩壊寸前。代わりに友人の僕が領地経営やモフモフ娘の救出など人助けしまくっていたら最強に

椎名 富比路

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第七章 魔王のあとしまつ

第63話 最終話 あとしまつを終えた

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 なんでも、裏ボスを倒したことで、僕たちは地球の神様から危険視されてしてしまったという。

 また、強すぎる状態で地球に帰ったところで、僕らに居場所はないだろうと。そこまで、地球人の器は大きくないという。

「わかりました。残ります」

 僕は、元の世界に帰れないことを受け入れた。もともと、未練なんてなかったし。

 ユウキも同じ意見だったようで、残る決断をした。

「とはいえアユム、これからどうするんだ?」
「こっちで家庭を持つかな? 社員たちの様子も気になるし」
「オレは、旅に出る。お前がやってきたことを、今度はオレがしてみたい」

 優しいな、ユウキは。

「じゃあ、ここで別れよう」
「ああ。またな」

 僕たちは握手を交わして別れた。これは永遠の離別ではない。お互いに新しい一歩を踏み出す、始まりだ。
 


 
 あれからどれくらい経っただろう。

 僕は、宇宙人街の一角に家と畑を作った。ドワーフのイーサクさんに作ってもらった「魔力で動くトラクター」を動かし、土を耕す。ここには、トマトでも植えようと考えている。

 隣の田んぼに植えているのは、エリクサーの材料になるお米だ。
 あれ以来、悪い宇宙人が攻めてきたという報告はない。もしそうなったら、ユウキがなんとかしてくれるだろうけど。

 空を見上げながら、ユウキの無事を祈る。

「アユム、ゴハンができたわ」

 エリちゃんが、僕を呼びに来た。僕との間に生まれた女の子を抱えて。

「はい。今、行きまーす」

 僕は作業を終えて、家に入る。

「コドモの世話もあるだろって、マルグリットも手伝ってくれたの」
「愛人だから、当然のことだぞー」

 マルちゃんは自称「愛人」ポジションでいいという。誓って、僕はマルちゃんに何もしていない。どちらかというと、「隣人」のポジションである。

 この世界が一夫多妻制なのか、わからないけど。

「ありがとうマルちゃん、いただきます」
「おう。いただいてくれアユム」

 僕は、エリちゃんの漬けたお漬物をおかずに、マルちゃんお手製の爆弾おにぎりを頬張った。

 媚薬は、入っていないね。

 以前、二人のどちらかに入れられて、三日ほどムラムラが止まらなかった。僕には三日ほどの記憶がない。

 何もなかったはずだが、エリちゃんが妊娠したのがその数カ月後だったので……。

 まあいいか。僕はエリちゃんと交代で、我が娘に離乳食を食べさせる。愛の結晶なのは、変わりないからね。

「アユム、ごきげんよう」
「ユカさん。おはよう」

 僕らの家に、ユカライネンさんが訪ねてきた。一緒に食卓を囲む。

 裏ボスとの戦いの後、ユカさんは冒険者ギルドのマスターになった。

「またお見合いから逃げてきたの?」
「そうなんだ。父のやつ、うるさくて。身を固めたほうがいいのはわかっているのだが、どうも踏ん切りがつかない。なかなか歩のように強い男は出てこないよ」

 僕基準でお婿さんを探されても。

「ごちそうさま。馳走になった」
「いえいえ。またいらして」
「うむ。では、仕事に戻る。あ、そうだアユム」

 おにぎりを頬張りながら、僕は「ん?」と顔をユカさんへ向ける。

「勇者ユウキが、一旦こちらに帰ってくるそうだ」

 大陸を一周しての、パトロールが終わったらしい。

 僕はおにぎりを素早く食べ終えて、食器を洗い場へ移す。

 ユウキとは、もう何年も会っていない。盛大におもてなししてやろう。

「もう。アユムってば、ユウキのこととなるとすぐこれなの。どっちが奥さんなのよ?」

 腰に手を当てながら、エリちゃんがため息をついた。

「妬くな、エリアーヌ。そうだ、あいつも、教団の幹部と結婚したらしい」
「そうなの!?」

 だったら、なおさら祝ってあげなきゃね。


                                                     (完)
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みんなの感想(8件)

オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》

また読ませて戴きます✨🤗✨✨✨✨

2022.06.24 椎名 富比路

ありがとうございますっ!

解除
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》

また読ませて戴きます✨🤗✨✨✨

2022.05.31 椎名 富比路

ありがとうございます!

解除
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》

また読ませて戴きますm(_ _)m

2022.05.30 椎名 富比路

ありがとうございます~。

解除

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