勇者が最速魔王討伐に夢中で世界が崩壊寸前。代わりに友人の僕が領地経営やモフモフ娘の救出など人助けしまくっていたら最強に

椎名 富比路

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第七章 魔王のあとしまつ

第62話 裏ボスと決着をつけた

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 僕の言葉に、ユウキがためらっていた。

「ユウキ、僕を信じろ! 僕に向かって、光弾を撃つんだ!」

 必死に呼びかけると、ユウキは光弾を放つ構えを取る。

「正気なのアユム!? いくら勝てないからって、ヤケを起こしてはダメよ!」

 エリちゃんは言うが、僕には確証がある。

「大丈夫だよ、エリちゃん。僕を信じて!」

 僕はエリちゃんの手をつなぎ、安心させようとした。

 まだ戸惑っているが、エリちゃんはどうにか落ち着いたみたい。

 ユウキが、腕を上空へと突き上げファイアーボールを形成する。

 魔法使いが最初に覚える、基本的な技だ。ユウキはそれを愚直なまでに鍛え上げ、最強の技へと進化させたという。

 光弾は魔王の身体を貫き、まっすぐこちらに突き進んできた。

「みんなバラバラに攻撃しちゃダメだ。僕にタイミングを合わせて!」

 僕の合図で、みんなが構える。

閃空斬せんくうざん・毒!」

 エリちゃんの毒を込めた閃空斬を、放った。

 同時に、マルちゃんがユカさんと一緒に大型の盾を投げ飛ばす。こっちにも、エリちゃんの毒を仕込んだ。

 ユウキの撃った光弾と、僕たちの技が同時に裏ボスに命中した。

「おおお、バカな! バカなあああああああ!?」

 魔王と裏ボスが、同時に渦の中心へと吸い込まれていく。

「牢獄が、爆発する!」

 渦状の牢獄が、不安定になってきた。ブヨブヨと外壁が崩れて、マグマのように沸き立っている。

「逃げるわよ!」

 僕たちは、出口へ向かって走った。

「こっちだ!」

 ユウキが、渦の中に手を突っ込む。

 僕たちも、ユウキの手の方へ急いだ。

 しかし、間に合いそうにない。

 ここまでなのか?

「あなたの仲間くらい、助けさせてくださいよ。ユウキ」

 どこからともなく、声が聞こえる。

 瞬間、僕たちとユウキは光に包まれた。

 気がつくと、大聖堂に戻ってきている。

「みなさんが、僕たちを助けてくれたんですか?」
「ええ。ユウキの仲間は我々の仲間ですので」

 ユウキのパーティたちが、ピンチを救ってくれたみたい。

「勝ったの、僕たちは?」
「はい。魔王、裏ボスともに消滅を確認しました」

 やった。僕たちは、やったんだ!

「すごいわ。アユム! 私たち、世界を救ったのよ!」
「ホントだよ。すごいエリちゃん!」
「でも、どうやって倒したの?」
「同時攻撃だよ」

 裏ボスと戦ったときだ。奴は、エリちゃんの放った毒攻撃に対応できなかった。

『液体による攻撃』と『毒によるダメージ』を、同時に処理できなかったせいだろう。

「ヤツの攻撃手段がカウンターだってことは、初撃でわかった。相手の能力をコピーできるんだ。だから、僕たちはあいつに敵わなかった」

 考えた結果、同時攻撃が一番有効だとわかったのである。

「そんな一瞬で考えつくとか、アユムはやっぱりすごいや!」
「うむ。さすがアユムだな」

 マルちゃんとユカさんが、僕を褒めてくれた。

「ただ、ひとつだけ問題が」

 ユウキの仲間が、申し訳無さそうに告げてくる。






「あなたたちが、元の世界へ帰れなくなりました」
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