勇者が最速魔王討伐に夢中で世界が崩壊寸前。代わりに友人の僕が領地経営やモフモフ娘の救出など人助けしまくっていたら最強に

椎名 富比路

文字の大きさ
61 / 63
第七章 魔王のあとしまつ

第61話 裏ボスが本性を現した

しおりを挟む
「あなたが、魔王を支配している裏ボスか?」
「いかにも。我こそは$;^○:,[¥./@星人」
「……裏ボス星人でいいです」

 マジで聞き取れない。

「で、そのあなたの目的はなんですか?」

 ことと場合によっては、話し合いで解決できるかもしれなかった。

「この渦状の牢獄から、抜け出すことだ」

 あちゃあ。想像以上の悪党でしたか。こりゃ、話し合いはムリかもね。ここって牢屋なんだね?


「この世界の神や魔王は、【別の世界から人を呼び寄せる力】と【対象にチートスキルを発現させる力】を持つ。我はあらゆる星々の住人が持つ【チートスキル】を発動させ、この世界を乗っ取ろうとした。しかし、この世界の神に作戦を知られて、捕らえられてしまったのだ」

 チートスキルって、付与するんじゃなくて、持ち主の願望を原動力として発言するものらしい。
 ユウキの力も、きっとそうなのだろう。「悪を粉砕する力がほしい」と願ったから。
 
「チートスキルを与えて世界を蹂躙し、我の力の元で侵略を行わせる。それが割れの目的だったのだ」

 つまり彼は、人間を兵器として扱おうとしていたのか。

「魔王でも、我を出すことは不可能だった。この渦のまま召喚されてしまった。召喚の魔法を与えてもなお、魔王は我を出すことはできなかった。ここから通すことができたのが、召喚の魔法だけだった。それをあやつが手に入れて、魔王となったのだ」


 裏ボスは魔王もろとも、世界の法則を守る者たちから危険視された。仕方なく、配下の宇宙人たちを召喚したそうである。しかし、いつの間にか平和になっていて、自分のいうことを聞かなくなっていたらしい。

「どいつもこいつも平和ボケしおって!」
「あなたの支配から開放されたと、考えられないのかな?」
「黙れ! 我が支配こそ、最大の美徳なのだ。最も平和で、最も効率が良い。我に支配されて、ようやく人々は安息を得られるのであるっ!」

 ダメだこいつ。はやくなんとかしないと。自分こそ支配者とか名乗っている時点で、思考がクソすぎる。

 こんな無限の牢獄に、閉じ込められるわけだ。

 僕たちでとどめを刺そう。

 コイツを倒さないと、魔王も倒せない。

「あなたはここで仕留める。閃空斬!」

 剣から、衝撃波を撃つ。

「むう、閃空斬!」

 相手が、手刀から閃空斬を放った。

 互いの衝撃波が、相殺される。

 だったら、肉弾戦で。

「ほほう。クロードの剣戟を学んだか。さすが、我の元指南役よ」

 彼は、僕の指導者であるクロードさんを知っているようだ。

「おのれクロード。こうなることを見越して、地球のガキを鍛えておったとは」
「自分のことより魔王の心配をしたら?」

 魔王は、ユウキに押されていた。

「くっ。おのれ勇者。復活したばかりでまともに動けない魔王に、やりたい放題ではないか」

 あれくらいしないと、魔王は懲りないからね。

 しかし、僕たちも決め手に欠けていた。

「ぐ、強い」

 ユカさんのシールドも、裏ボスは徒手空拳だけで壊しかけている。

 マルちゃんの体術にも、ついていけていた。

 エリちゃんの猛毒にも耐える。

 ユウキの魔法も、相手の能力で中和されてしまう。

 打つ手はもうない?

 いや、まだ方法はある。

「ユウキ! 光弾を僕に撃て!」
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

処理中です...